今回は、2025年8月にグリッジに正社員として入社した樋口絢巳さんに話を伺いました。
大手レコード会社で国民的アーティストのプロモーションを担当し、社長賞を2度受賞。その後、単身渡米してウォルト・ディズニー・ワールドで1年間勤務するなど、異色のキャリアを歩んできた樋口さん。帰国後にグリッジと出会い、現在はアカウントプランナーとしてグローバルマーケティングの最前線に立っています。
音楽業界の内側にいたからこそ見えた課題と、グリッジだからこそできること。そして、「届ける側でありたい」という一貫した思いについて語っていただきました。
なくても生きていける。でも、それがあるから人生は豊かになる。
▍まず、樋口さんのキャリアの原点について教えてください。
もともと、エンターテインメントや余暇のようなものにすごく惹かれていました。コロナの時に「不要不急」と言われたようなもの――音楽とか、テーマパークとか。そういう、なくても生きていけるけれど、あることで人生が豊かになるものです。
しんどい時、やる気が出ない時に音楽の歌詞に助けられたり、楽しい時にはその感情を何倍にもしてくれたり。日常の中にずっとそういう存在があったんです。なので、自分もそういうものを届ける側に回りたいという思いが、ずっと根底にありました。
大学時代には東京ディズニーランドでガイドツアーのアルバイトをしていたのですが、お客様のプランに合わせて3時間のプライベートツアーをコーディネートする仕事でした。
たった3時間ですが、その人たちの記憶に残る体験を作れる。辛いことがあった時にそこに戻ってきて、また前を向ける――そんな時間を作れることが、自分にとってすごく特別だったんです。
▍学生時代の就職活動では、どのような業界を見ていたのですか?
音楽業界が第一志望でした。ただ、残念ながらご縁はありませんでした。
一方で、仲の良かった友人が私の影響を受けて音楽業界を志望するようになり、結果的にその子は見事内定をもらっていたのですが、正直「なんでそこに立っているのが私じゃないんだだろう」という悔しい気持ちもありました。
最終的には、視野を広げてエンタメに関わる業界全般を見ながら就活をして、新卒では大手旅行会社に入社しました。
ただ、就活が終わった後も「音楽業界で働きたい」という気持ちは自分の中に残っていました。
30歳までに、絶対レーベルに入る。
▍旅行会社には1年ほど勤められた後、レコード会社に転職されていますよね。
入社する前から「30歳までに絶対にレーベルに入る」と決めていて、「就活の時に音楽業界で採用されなかった理由は何だったんだろう」とずっと考えていました。
自分なりに考えた結果、自分に足りなかったものの一つは音楽に関する圧倒的な知識と業界への理解です。
あとは「突き抜けていること」だと考えました。レーベルに入れる人って、良い意味で変わっている人が多いんです。
具体的には、60点や80点を満遍なく取れる人ではなく、「ここではマイナス50点かもしれないけど、あの領域では150点出せるよね」という人です。
選考を受ける人は本当にたくさんいるので「その中でどうすれば目立つことができるか」「その上で、自分を選んでもらうためにはどうすればいいか」ということを徹底的に考えました。
▍選考ではどのようなことに注意していたのですか?
まずは音楽業界について徹底的に調べて「どれだけ音楽が好きか」ということをアピールしました。
その上で「この新人アーティストなら、こういう打ち出し方で、こうやって売り出します」といったマーケティングプランを自分なりに考えてそれをプレゼンしました。
結果、第二新卒として大手レコードに入社することができました。
▍そこではどのような仕事をされていたのですか?
2つの部署を経験しました。
最初の2年間はマーケティング本部のデジタルプロモーション領域を担当しました。
具体的には、会社の公式SNSの運用やプレスリリースの配信、アーティストのYouTubeの更新、音楽Webメディアへのプロモーションなどを担当していました。
年間約50本の取材をセッティングしたり、更新が止まっていた公式Instagramのリブランディングを手がけてフォロワーを数千人規模まで伸ばしたりと、「自社から発信するエンジン」と「外部メディアにどう載せてもらうか」の両軸で動いていました。
その後、制作本部に異動し、国民的アーティストの宣伝担当を任せていただきました。
作品リリースに向けたプロモーション戦略の設計から、メディア露出計画の作成、SNS広告の実施まで、上流の戦略を担うポジションです。
担当アーティストのTikTokアカウントの開設を提案して、フォロワーが13万人を超えたり、ストリーミング再生数を過去作比でデイリー8万回増加させる施策を実現したりと、結果として社長賞を2度いただきました。
コロナで気づいた「いつか」の危うさ。単身渡米を決めた理由。
▍その後、単身でアメリカに渡られたそうですね。
学生時代にウォルト・ディズニー・ワールドで1年間働けるプログラムの存在を知り、いつかやりたいなと思っていました。ただ、「今じゃなくてもいいかな」とずっと先延ばしにしていました。
でも、コロナを経験して考えが変わりました。海外にいつ行けなくなるかなんて、情勢でいくらでも変わってしまう。
ちょうどレコード会社を退職するタイミングでプログラムの募集が再開されたこともあり、「これは私のために再開してくれたんだ」と思って、迷わず応募しました。
▍ディズニーワールドではどのような仕事をされたのですか?
日本館にある鉄板焼きレストランで、シェフとして勤務しました。お客様の目の前で調理しながら、調理器具などを使ったパフォーマンスも行う仕事です。
いくつか職種を選べたのですが、せっかくの1年間なら密度の濃いものにしたいと思い、シェフという職種を希望しました。
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▍1年間の海外生活を通して、どんな学びがありましたか?
異文化をものすごく感じた1年でした。
いろんな国から来たメンバーと一緒に働く中で、仕事に対する考え方も、コミュニケーションの取り方も、人によって本当にバラバラなんです。
最初は戸惑うこともありましたが、それぞれの文化や背景を理解した上で一緒に働くということを、身をもって学びました。
それと、人生で「頑張ったと胸を張れること」を一つ作れたのが大きかったですね。
未経験から始めて、休みの日も自主練を重ねて、最終的にはお客様から接客賛辞もたくさんいただけるようになりました。
燃え尽きるくらいやり切った、という感覚でした。
世界各地にメンバーがいるからこそ届く、ネットでは拾えないインサイト。
▍帰国後、次のキャリアはどのように考えていましたか?
レーベルや出版、広告も見ていましたが、根っこにあるのは「エンタメに関わる仕事がしたい」ということで、そこの思いは変わっていませんでした。
▍グリッジとの出会いについて教えてください。
グリッジのSNSでした。「音楽もやっていて、グローバルな要素もある。今までの経験が活かせそうだな」と感じたのが第一印象です。
面接を通して、社員の人たちの人柄に惹かれる部分もあり、「音楽業界にも関われるし、ここで働いてみたいな」と思うようになりました。
最初は業務委託として関わり始めたのですが、仕事をしていく中で「グリッジにフルコミットしたい」という気持ちになっていきました。
▍どのようなきっかけがあり、そのような気持ちになっていったのですか?
実際にプロジェクトに参加して「こういう施策はどうですか」と企画を提案したら、社内でも「いいね」と言ってもらえて、クライアントへの提案にも繋がったことですかね。
もともと企画を考えるのが好きだったこともあり、実際に自分が企画した内容が施策として実現していく、形になっていくことに面白さを感じていきました。
▍音楽業界にいた樋口さんから見て、グリッジの強みは何だと思いますか?
一番大きいのは、現地の「生の声」が届けられることだと思います。
SNS一つとっても、インドネシアに住んでいる人にしかわからないトレンドや、音楽の届き方があります。
どういうプラットフォームが使われていて、どんなスラングが流行っているか。それは日本にいてネットで調べても、AIを使っても、たどり着けないものなんです。
一方、グリッジには世界各地にメンバーがいて、その人たちの視点から現地のインサイトが届きます。そういった現地からの「生の声」を持っているかいないかで、提案の質がまるで変わります。
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実際、レーベルにも海外事業部や海外支部はあったりするのですが、現地のリアルな声を拾ってそれを施策に反映していくのはかなり難しい部分があります。
というのも、それぞれの部署でKPIが分かれていたり、各部署でやらないといけない業務が非常に多く、なかなか部署を横断した連携が取りにくかったり、権利周りの制約などもあり動きにくかったりするといった、構造的に難しい側面があります。
だからこそ、グリッジのように現地の生の声をダイレクトに戦略や施策に反映できるということは、J-POPがグローバル展開を進める上ですごく意味のあることだと感じています。
「こんな手法があるのか」。グローバル視点で広がるマーケティングの幅。
▍現在、アカウントプランナーとしてどのような仕事をされていますか?
クライアントとのミーティングにフロントとして立ち、アーティストやサービスをどう成長させていくか、課題に対してどんな打ち手を取るかといった戦略設計と実行部分のディレクションを担当しています。
ブランディングの方向性から、具体的なSNSコンテンツの企画やクリエイティブのディレクションまで、戦略の上流から実行まで、一貫して関わっています。
メンバーと一緒にプロジェクトを進めることも多く、チームをまとめながら推進していくディレクター的な役割も担っています。
▍これまでのキャリアが活きていると感じることはありますか?
音楽業界の前提知識があることと、アーティストを含めた音楽業界の様々な立場の方との折衝経験はとても活きていると感じます。
今担当しているプロジェクトでは、アーティストご本人がミーティングに参加したり、プロデューサーと直接やり取りをすることもあります。
制作の現場に近い方々と話す時に、自分もかつてその場にいた経験もあるので、相手の視点に立って考えたりコミュニケーションを取ることができる点は強みだと感じています。
▍入社して一番良かったと感じることは何ですか?
音楽業界ではやれなかったことに挑戦できていることですね。
グローバルな視点で音楽業界を見た時に、全然知らなかったアーティストや、見たことのないSNSの使い方がたくさんあるんです。
アメリカにいた時に流れてくるコンテンツと、日本にいた時では全然違うということは肌で感じていましたが、実際にリサーチしていく中で「こんなアーティストもいるのか」「こんなブランディングの方向性もあるのか」と、発見の連続です。
与えてもらっている責任も大きいですし、いろんな領域に携われているので「やれるようにならないと」という気持ちも強いですが、だからこそ毎日が刺激的で充実しています。
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多様な文化が交わるグリッジという船で、一緒に世界へ漕ぎ出しませんか。
▍どんな人がグリッジのアカウントプランナーに向いていると思いますか?
いろいろな要素が絡んでいるので、一言で表現するのが難しいですね(笑)
考えることやアイデアを生み出すのが好きな人。人と話すこと、折衝するのが得意な人。SNSを見るのが好きな人。チームで動くのが好きな人。人をまとめたり動かしたりするのが好きな人。あとは統率力がある人……。
▍ちなみに、グローバルな経験については必須ではないのですか?
社内の海外メンバーが現地の視点を補ってくれるので、グローバルな経験は必須ではありません。
ただ、その情報をどれだけ解像度高くイメージできるか、という想像力はすごく重要です。自分の経験ではなく人から聞いた話を、どこまでリアルに捉えられるかということです。
また、想像した上で「こういう観点についてはイメージできないから、あのメンバーに確認をしよう」といった発想を持って、どんどん聞き出していくという動きは必要です。
▍最後に、この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。
興味があったら、ぜひ一緒に働きましょう!
業務の幅がとにかく広いので、読んでくださっている方が人生で積んできた経験の中で、必ず活かせるスキルがあると思います。
そして、幅が広いからこそ、仕事の中で常に新しいものを知ることができます。そうやってキャッチアップした知識やスキルを、自分がこれまで積んできた経験と掛け合わせてクライアントに提案していく。その結果、「グリッジがプロジェクトに入ってくれてよかった」と言っていただけることもあり、とてもやりがいのある環境だと思います。
さらに、グローバルなメンバーと共に働く環境なので、いろんな人とコミュニケーションを取るのが好きな人、人の気持ちになって考えられる人、調和を大事にできる人はとても向いていると思います。
ディズニーのアトラクションに「イッツ・ア・スモールワールド」というものがありますが、世界中のさまざまな文化を持つメンバーが集まっているという意味では、イッツ・ア・スモールワールドのような環境です。
そして、イッツ・ア・スモールワールドのテーマは「世界で一番幸せな船旅」なのですが、グリッジという船でもそんな旅を一緒にしていけたらと思います。
いかがでしたでしょうか?
「レーベルの宣伝担当」から「ディズニーワールドのシェフ」、そして「グローバルマーケティングのアカウントプランナー」へ。異色のキャリアの根底にあったのは、「人を楽しませるものを、自分の手で届けたい」というシンプルで強い思いでした。
樋口さんのインタビューを通して、
「音楽やエンタメが好きで、これまでの経験をグローバルな環境で活かしたい」
「J-POPをもっと世界に届けたいのに、今の環境ではそれが難しいと感じている」
そう思われた方は、ぜひお気軽にエントリーいただければと思います。
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