静岡県焼津市にある企業「ナカガワFMT」で、食品製造の効率的な機械化に挑む男がいる。
ナカガワFMTに勤める営業マン、中川雄斗だ。
後編も前編に引き続き、関西にある蒲鉾メーカーとのプロジェクトを終えた中川にインタビューを行った。
世界に1台だけの機械を作る「ナカガワFMT」の挑戦とこれからの展望についてお伝えしよう。
世界に1台だけの機械を作る ~ナカガワFMT営業マンの挑戦~ (前編)はこちら
プロジェクトを振り返って、良かったことは?
今回の蒲鉾メーカーとの契約は、先ず最初にナカガワFMTの提案に興味を持っていただけたことが大きかったですね。
こちらからの提案では、装置が増えているので機械の金額は上がったのですが、加熱時間を短縮し、機械そのものの長さを短くした結果を金額以上に評価していただけたのではないかと。
プロジェクトの成功を支えた出来事は?
島根のメーカーさんに「お客さんのところに、テストユニット持って行ってテストしよう」と提案したところ、快諾いただき無事にテストが実施されたことです。
協力してくれる人が多ければ多いほど頑張れます。
また、今回の蒲鉾メーカーの案件は、クライアントから全ての打合せやテストで全面的な協力がありました。クライアントとの二人三脚によって、プロジェクトが成功に導かれたことは間違いありません。
プロジェクトの進行中に、同じ目標や目的に同じ歩幅で進めている時は仕事が楽しいです。
この仕事をしていて良かったと感じるときは?
お客様からの評価を感じる時、「このプロジェクトに就いてよかった」と感じます。
クライアントからの言葉も勿論嬉しいですが、あまり言われる機会がないのが実情です。次の案件の引き合いを貰える事が何よりの評価だと考えています。
プロジェクトの成功で大切だと思うもの、なくてはならないものは?
クライアント、協力者である他メーカー等と同じ方向を目指すことです。ここが揃っていないとゴミみたいな機械が出来かねません。同じ目標の設定には手間もコストも掛かりますが、押し売りはせず、打合せを重ね、クライアントが本当に必要としている機械を一緒に考える事が大切です。
社内での目標設定も勿論同じです。私が打合せしてきた内容を反映し、機械が作られる訳ですから。
また個人的に大事にしている事ですが、不安に感じている事をポジティブに捉えるようにしています。胃も弱いので。
案件や機械に対する不安は常に有りますが、不安を具体化することで解決策や次案件への課題として現れてくれることが多いです。
これからの展望や挑戦したいことは?
現在のナカガワFMTは材料の焼く、蒸す、茹でる等の加熱機械と搬送、省人化機械の提供をメインにしていますが、今後の展望は技術の深堀と開発を決して止めない会社にすることです。仕事をするうえで発生する疑問や悩みを、常に新しい一歩へ前進させる集団になっていければと。
挑戦したいことですが一つに留めません。依頼いただく案件ごとに挑戦パートは毎回必ずあります。言葉にするなら、挑戦出来る会社であり続ける事に挑戦したいなと思います。
また、今後は自社のラボ開設や他メーカーとのネットワークをさらに強化し、メーカーとしての解決力を向上させていきたいです。
「挑戦できる会社であり続けることに挑戦したい」と語る中川の燃えるような熱意に、食品製造業の明るい未来が覗える。
クライアントの細かいニーズに応え、世界に1台だけの機械を作り続けるナカガワFMTの志は常にトップレベルのものを設定しているのだ。
これからも、前進しより高みを目指すために、ナカガワFMTの研鑽と努力は止まらない。