「東大卒のAIエンジニアを採用しました」と話すと、
「どうやって採用したんですか?」
「何か特別な採用方法を使ったんですか?」
と聞かれることがあります。
ただ、僕たちは採用にものすごいお金をかけたわけでも、特別な採用ノウハウを持っていたわけでもありません。
そもそも、株式会社ピクシスはまだ4期目。
売上は1億円を少し超えたくらいで、社員4名の小さなマーケティング会社です。誰もが知っている会社でもなければ、有名なサービスがあるわけでもありません。
では、なぜそんな会社が、採用媒体も使わずに東大卒のAIエンジニアを採用できたのか。
結論から言うと、採用テクニックではありません。
※むしろ、そういうテクニックがあるなら僕が知りたいくらいです(笑)。
では何だったのか。
採用が決まったあと、自分なりに振り返ってみると、一つの出来事に行き着きました。
「売上10億円の会社をつくる」と決めたことです。
それ系ね、思うかもしれませんが、振り返ってきっかけを考えると、本当にこれがきっかけなんです。一見、採用とはまったく関係なさそうですよね。
でも、この目標を決めたことをきっかけに、僕の行動も、人を見る目も、少しずつ変わっていきました。
この記事では、東大卒AIエンジニアを採用するまでに僕の身に起きたことを、5つの話に分けて書きます。
この記事を読むと、
- 小さな会社が、どうやって最初の仲間を増やしていったのか
- 目標を決めることで、経営者の行動がどう変わったのか
- 僕が考える「引き寄せの法則」の正体
- ピクシスがこれからどんな会社をつくろうとしているのか
が分かります。
特に、スタートアップや小さな会社への転職を考えている方には、まだ完成していない会社に参加する面白さを少し感じてもらえると思います。
1. 売上1億円・社員4人。どこにでもある小さなマーケティング会社
まず、僕たちピクシスがどんな会社なのかを簡単に紹介します。
主な仕事は、広告運用、SEO、Webサイトの制作・改善など。
お客様の商品やサービスがもっと売れるように、Webマーケティングを使って支援している会社です。
ありがたいことに少しずつ仕事も増え、会社としては4期目を迎えました。ただ、規模だけを見れば、まだまだ小さな会社です。僕自身も経営をしながら営業をして、マーケティングをして、必要であれば制作にも入ります。
「大企業からぜひ転職したいです」と、大勢の方が自然に集まってくるような会社ではありません。
そんな会社が、どうして東大卒のAIエンジニアを採用できたのか。
その話は、採用活動を始めるよりも前にさかのぼります。
2. 「売上10億円の会社をつくる」と決めたら、最初にオフィスを借りた
※当時オフィスへ内見しにいった時の画像
以前の僕は、オフィスの家賃をもったいないと思っていました。
バーチャルオフィスを契約して、自宅で仕事をする。
仕事が増えたら、業務委託やパートの方にお願いする。
固定費も抑えられますし、利益だけを考えれば、これはこれで合理的です。
実際、僕も長い間そうやって会社を経営していました。
そんな中、とあるコーチングを受けたことがきっかけで、
「売上10億円の会社をつくる」
と決めました。
もちろん、その時点で10億円を達成する具体的な方法が全部見えていたわけではありません。むしろ、分からないことだらけでした。
ただ、目標を10億円に置いたことで、一つの問いを頻繁に自分に投げかけるようになりました。
「10億円の会社をつくる社長は、今の自分と同じことをしているだろうか?」
そう考えてみると、自宅で一人で仕事をして、仕事が増えたら外注するというやり方だけでは、僕がつくりたい会社にはならない気がしました。
会社を大きくしていくなら、仲間が必要です。
仲間と働くなら、みんなが集まれる場所も欲しい。
そこでまず、家の近くにオフィスを借りました。
家賃は月15万円。
今までの僕だったら、
「年間180万円か。もったいないな」
と考えていたと思います。
でも、「10億円の会社をつくる」という基準から考えると、見え方が変わりました。オフィスを借りることそのものが目的ではありません。
自分が目指している会社に合わせて、今の行動を変え始めた。
これが最初の一歩でした。
3. オフィスを借りたら、「一緒に働く仲間」を探すようになった
※仲間集めに奔走した日々
オフィスを借りると、次に考えるようになったのが「人」でした。
会社を大きくするなら、当然ですが、一人ではできません。
「では、誰と働くのか?」
今度はこの問いが頭から離れなくなりました。
周りの経営者に相談すると、
「最初の採用なら、リファラルじゃない?」
と口を揃えて言われました。
リファラル、つまり知り合いや知り合いからの紹介です。
たしかに、いきなりまったく知らない人を採用するよりも、お互いの人柄がある程度分かっている人と働けた方が安心です。
僕も「それがいい」と思いました。
ただ、実際に考え始めると、簡単ではありません。
僕は30代半ばです。
同年代の友人たちも、仕事ではそれなりのキャリアを積んでいます。
責任のあるポジションに就いていたり、安定した会社で働いていたり、子どもや家庭があったりする。
そういう人に、
「社員4人の会社に来ませんか?」
と言って、本当に来てくれるのだろうか。
そんなことを考えていました。
それでも、
「誰か一緒に働ける人はいないかな」
ということだけは、ずっと頭の片隅にありました。
ここから、自分でも面白いくらい、人を見る目が変わっていきました。
4. 会う人全員を「この人と一緒に働けないか」という目で見るようになった
人を探そうと決めてから、少し不思議なことが起きました。
誰かと会うたびに、
「この人、一緒に働けないかな」
と考えるようになったんです。
取引先と話していても、友人と食事をしていても、昔からの知り合いに会っても、
「この人のこの能力、うちで発揮してもらえたら面白そうだな」
と考えるようになりました。
そこで、ある一人のエンジニアが頭に浮かびました。
高校の2つ上の先輩で、以前から情報交換も兼ねて何度か食事をする仲だった田代です。
東大を卒業し、エンジニアとして大手メーカーでキャリアを積んでいる人でした。
最初から「採用しよう」と思って会っていたわけではありません。
以前は、本当にただの先輩でした。
でも、「仲間を探す」と決めたあとから、田代と話していると、
「この人と一緒に働いたら、面白い会社になるんじゃないか」
と思うようになりました。
そこから少しずつ、
「今の会社ってどうなんですか?」
「うちで一緒に、もっと自分のやりたいことをやりませんか?」
「もっと自分の能力を社会に発揮した方がいいですよ!」
そんな話をするようになりました。
いきなり採用面接をしたわけでもありません。
求人票を渡したわけでもありません。
何度も話をしながら、お互いがこれからやりたいことについて話していきました。
そして最終的に、ピクシスに入ることを決めてくれました。
ちなみに田代は、高校の2つ上の先輩であり、僕の姉の元彼でもあります。
こう書くと、急に採用ストーリーというより地元の人間関係の話に見えてきますが(笑)、本当にそれくらい以前から身近にいた人でした。
だからこそ、あとから思ったんです。
田代は、10億円を目指すと決める前から、僕の周りにいた。
新しく現れたわけではありません。
変わったのは、僕の方でした。
5. 「引き寄せの法則」の正体は、目標を決めることで見える情報が変わることだと思う
もちろん、運は良かったと思います。
もともとの知り合いに、優秀なAIエンジニアがいた。
そこは僕の実力でも、採用戦略の成果でもありません。
でも、僕はこれを「運が良かった」だけで終わらせたくないと思っています。
なぜなら、もし僕が、
「今くらいの規模で十分だ」
と思っていたら、田代と何度食事をしても、
「一緒に働いてほしい」
とは思わなかったはずだからです。
「10億円の会社をつくる」と決めた。
↓
今までの働き方では無理だと思った。
↓
オフィスを借りた。
↓
会社を大きくするには仲間が必要だと思った。
↓
人を探し始めた。
↓
会う人を「一緒に働ける人かもしれない」という目で見るようになった。
↓
ずっと知っていた田代の存在が、初めて「一緒に働きたい人」として見えるようになった。
僕が思う「引き寄せの法則」の正体は、こういうことなのかもしれません。
願っていたら、ある日突然ほしいものが目の前に現れる。
そういう話ではありません。
目標を決めることで、自分のアンテナが変わる。
今まで見えていなかったものに気づくようになる。
同じ人に会っても、同じ情報を見ても、その中から「自分の目標につながるもの」を拾うようにな
そして、気づいたから行動する。
結果として、以前だったら起きなかったことが起きる。
今回の採用は、僕にとってまさにそういう出来事でした。
こうした現象を「RASが働く」という言葉で説明する人もいるようです。
専門的な話は僕より詳しい人に任せますが、少なくとも僕自身は、目標を決めたことで明らかに見えるものが変わったという実感があります。
ここから、どんな会社にしていきたいか
ここまで10億円、10億円と書いていますが、もちろん僕たちはまだ10億円には全然届いていません。
採用も組織づくりも、正直、分からないことだらけです。
完成された制度があるわけでもありません。
毎日のように、
「これでいいのかな」
「もっと良いやり方があるんじゃないか」
と考えています。
でも、一つだけ大事にしたいことがあります。
それは、僕だけではなく、ピクシスで働く人にも、自分の人生の目標を遠慮なく掲げてほしいということです。
「今の自分ならこのくらいかな」
「現実的に考えたら無理かな」
と最初から制限するのではなく、
本当は何をしたいのか。
どんな仕事がしたいのか。
どんな人生にしたいのか。
それを考えてほしい。
そして会社として、その目標に近づいている実感を持てる環境をつくりたいと思っています。
ピクシスでは、
「なぜできないのか」
で話を終わらせることを、あまり良しとしていません。
もちろん、現実的に難しいことはあります。
でも、そのときも、
「じゃあ、どうしたらできるだろう?」
をチームで考えます。
できない理由を探すより、できる方法を探す。
目標に対して前向きに仕事をする。金曜日より、月曜日が待ち遠しく
そんな人たちが集まる会社にしたいと思っています。