デザイン系の大学を卒業し、ポスターやソーシャルゲーム、金融系スマホアプリのデザイナーを経験して、シグマアイにジョインした山本さん。プロダクトやコーポレート関連のデザイン業務を一手に担っています。その仕事へのこだわりやシグマアイの社風、そして、今後の展望について聞きました。
【プロフィール】
山本あずさ
デザイン系の大学を卒業し、グラフィック系のデザイン会社に就職。その後、Web業界に転身して、ソーシャルゲームや金融系のWebアプリのデザインを手掛ける。2022年1月、シグマアイに1人目のデザイナーとしてジョイン。自社プロダクトや名刺、Webサイトのデザインを手掛けている。
小さなデザイン会社勤務から、スマホアプリのUIデザイナーに転身
−デザイナーを目指した経緯を教えてください。
マンガやイラストの仕事をしたいと思い、美術系の大学に通ったのですが、自分よりも上手い人はいくらでもいると気付いて、挫折したんですよ。ただ、PhotoshopやIllustratorを使った実習がすごく楽しかったので、デザイナーとして生きていこうと。当時はリーマンショック直後で就職氷河期で苦労しましたね。何とか地元の小さいデザイン会社に採用してもらって、主にパチンコ関連のポスターを作っていました。デザインの基礎を学べましたし、仕事自体は楽しかったです。
そして、東日本大震災の後、パチンコ業界の景気があまり良くなくなってきて、仕事が少なくなりました。一方で、スマホが一気に普及した時期でもあったので、アプリのUIデザイナーに転身しようと、派遣社員としてソーシャルゲームの会社で働くように。サイバーエージェントの子会社などで仕事をした後、2014年にフリーランスになりました。自分で仕事を取っていこうとチャレンジをしたかったのです。そして、2016年に子どもが産まれたことで安定性を求めて、正社員として金融系のアプリを展開しているFinatextホールディングスに入社。そこでは6年間ほど勤めました。
シグマアイでは、医療、物流、交通、化学など、あらゆる分野のデザインに挑戦できる
−では、なぜ、シグマアイに入社したのですか?
金融系以外の業界のデザインに携わりたかったからです。2021年の年末から転職活動を始めて、幾つかの会社とカジュアル面談をさせていただきました。その中で興味を持ったのがシグマアイだったのです。Wantedlyでお声掛けいただいたのですが、最初は「量子コンピュータ?何それ?」という理解度でした(笑)。お送りいただいたメールには、難しそうなことがつらつらと書かれていて、その時点ではあまり惹かれませんでした。すぐには返信をしなかったのですが、何となくは気になっていて、ふとしたタイミングでこちらから連絡したのです。すると、「ぜひ、一度お話ししましょう」と言われ、2回の面談を行いました。
2回目の面談では、代表の大関さんと観山さん、取締役の田口さんとお話ししたのですが、盛り上がりましたね。大関さん、観山さんは、大学の先生でもありますから、堅苦しい場を想像していたのですが、全くそんなことはなかった。面談の中では、なぜか陣痛の話をしたり、皆で談笑していたら、そのまま入社したという感じです(笑)。あんなに面白くて楽しい面談は他にはありませんでしたね。
もちろん、仕事内容にも魅力を感じました。デザインのカテゴリを限定せずに、あらゆるジャンルを手掛けることができます。ゲームや金融のように一つのテーマを掘り下げるのもやりがいは大きいですが、シグマアイでは、医療、物流、交通、化学などあらゆる分野のサービスに携わることができる。挑戦の幅が一気に広がることに、強く惹かれましたね。
プロダクトやサービスの影も形もない状態から関与できる
−入社後半年が経ちましたが、どのような仕事を手掛けていますか?
1人目の専任デザイナーとして入社したので、Web、スマホ、紙、サービスのロゴやUI、名刺など何でも作っています。シグマアイのサービスおよび会社自体の、ほぼ全てのインターフェイスをデザインするのが仕事です。
▲山本さんがデザインしたシグマアイの名刺。最先端技術を扱う会社のたたずまいを表現
プロダクトやサービスの影も形もない状態から関与できるのが面白いですね。ある地方のインフラ企業のプロジェクトでは、その会社がどうあるべきなのか、社員の皆さんと検討するフェーズから入りました。プロダクト企画のさらに前から関わることができるのは、とても刺激的ですね。
また、先日は社内での新規事業のプレゼン大会にも参加しました。事業開発のマネージャーとリサーチャーとチームを組んで、小売業向けのサービスをゼロから提案。社内での評判が良くて、実際にニーズがあるのか、調査を始めています。
▲社内の新規事業提案イベントでの資料。サービスの企画に深く関与
今まではディレクターやプランナーが求めているものを制作する仕事をしていたので、「ああ、こういう仕事の進め方もあるんだ!」と考え方が変わりました。上流工程から関与することで、デザインもブレなくなりますし、自分のアイデアが企画の根っ子に残ることで、クライアントの未来を彩る実感も得られる。シグマアイは、デザイナーの仕事の幅が広がる環境だと感じています。
量子コンピュータの技術で物流を最適化するサービス。実現したい世界観をロゴデザインに込めた
−ご自身のアプトプットの具体例を、教えていただけますか?
量子技術で物流を最適化する「CirqLog」のプロダクトのUI、ロゴ、LPをデザインしました。サービス責任者の丸山さんと何度も議論を重ねる中で、「ドライバーと荷物と車両の3つをつなげる」というプロダクトの根っ子が見えてきた。そこで「物流を最適化することで、働く人を楽にして幸せにする」コンセプトも意識して、「つながり」「温かさ」「幸せ」をキーワードにデザインを練り上げていきました。
「幸せ」というキーワードの中には、「そこで働く人だけでなく、家族も含めて幸せにしたい」という想いも込めています。昨今は、荷物の量が増えて、ドライバーの皆さんの働く環境が厳しくなっている。その状況を量子コンピュータの技術で最適化すれば、残業も減って家族との時間が増えるでしょう。私自身にも家族がいますので、そのような世界観を実現したいと思いながらデザインを制作しました。
▲「CirqLog」のUIデザイン。車両の台数、積載量、地図などが見やすく並べられている
▲「CirqLog」のロゴデザイン。「つながり」や「幸せ」をイメージ
「キレイすぎて、シグマアイっぽくない。もっと遊んでいいよ!」
−シグマアイで仕事を進める中で、他社との違いを感じることはありますか?
ありますね。サービスやプロダクトを開発する際に、「なぜそれが必要か」「社会にとってどういう価値をもたらすのか」から徹底的に議論しています。「CirqLog」や地方のインフラ案件もそうですが、必ず「そもそも」から話し合いますね。代表の大関さんが大学教授であり、物事に徹底的に向きあうスタンスが周囲にも広がっているので、このような議論ができるのだと感じています。議論の渦にお客さんも巻き込むことで、新たな価値の兆しが生まれています。そのプロセスにデザイナーとして関わることができるのは、これまでにない経験ですね。
堅苦しく議論するのではなく、楽しみながら、笑い合いながら、ワイワイと進めるのも、シグマアイの特徴です。だからこそ、プロダクトやサービスにも、自由な精神や遊び心が宿るのだと思います。
1つ例を挙げますと、今年の5月に「量子コンピューティングEXPO」という大規模な展示会に出展した際に、パンフレットを制作しました。初稿では固い印象のものを作ったのですが、「キレイすぎて、シグマアイっぽくない。もっと遊んでいいよ!」と大関さんに指摘を受けました。そして、大幅にトーンを変更したバージョンを制作したところ、「これくらい振り切った方がいいですよ!」と褒めてもらえました。ありがたかったですね。
▲自社パンフレットの見開きページ。ドット絵を用いてチャーミングなデザインに
また、自社のミートアップのキービジュアルも同じようなスタンスでデザインしました。大関さんとシグマアイ社員のトークイベントを定期的に開催しているのですが、その楽しげで雑多で、知的好奇心を刺激する雰囲気を伝えるトーンで制作。会社としての遊び心が伝わるものになったと思います。
▲ミートアップ「Sigma-i lab」のロゴ。遊び心を感じられるデザイン
シグマアイの技術と社会との接点をデザインして、多くの人を幸せにしたい
−今後の展望は、どのように描いていますか?
今、「デジタルショーケース」という新しいプロジェクトを構想しています。シグマアイが現時点で世の中に提供している価値や、未来に向けたビジョンを可視化して、Webで展示するプロジェクトです。
この会社には量子コンピューティングや機械学習という技術を軸にして、多様な未来を創れるポテンシャルが間違いなくあります。それを可視化することで、より多くの人たちにシグマアイのことを知っていただき、コラボレーションのきっかけを作りたいのです。
私の仕事は、シグマアイの技術やサービスと、社会との接点をデザインすること。技術と社会。常に双方に目を向けながら、多くの人の生き方を楽しくするデザインを、生み出していきたいですね。
−最後に、シグマアイの働きやすさはいかがでしょうか?
とても働きやすいです!子どもが2人いるのですが、シグマアイに入社したばかりのときに、2人とも体調を崩したのです。完全リモート勤務なので、自宅で子どもの看病をしながら会議にも出られました。また、有給とは別に年間20日の「ライフワーク休暇」が付与されたので、とても助かりましたね。皆が家庭を大事にしているので、周りからの理解を得られやすいのも大きいです。デザイナーにとっても、お子さんがいる人にとっても、とても働きやすい環境だと思います。