4月27日に開催された、新プロダクトPoC の事業化ブレストの会、「Sigma-i Lab #6」。前回に引き続き、東北大学教授・シグマアイ代表の大関 真之と、東北大学客員准教授・シグマアイ事業開発マネージャーの羽田 成宏が、新プロダクトの価値と事業化の方向性を議論しました。そして、参加いただいた皆様からも意見をいただきました。その模様の文字起こしをお送りいたします。
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Sigma-i Lab第6回がスタート!
○大関:はい、どうも、皆さん、こんばんはでございます。7時になりましたので、Sigma-i Labの時間でございます。Sigma-i Labから、Sigma-i Meet upですね、ここにあるロゴを考えると。
早くも第6回になりまして、好評なのか、なんて言ったらいいのか分からないですけれども、われわれの分析によると、多くのお客さんに見てもらうというよりも、定着率が良い。固定ファンがいるというのが、このSigma-i Meet upの特徴でございます。
私、シグマアイの代表取締役を務めております、大関真之と申します。そして、本日も第5回に引き続き、どうぞ。
○羽田:はい。前回に引き続き登場しています、シグマアイで事業開発を担当しています、羽田と言います。今晩もよろしくお願いいたします。
○大関:はい、よろしくお願いいたします。
早速、YouTubeのチャットのほうから、コメントを、くまぱんださんからもいただいておりますけれども、今みたいに、画面にコメント、チャットが出ますので、皆さんと一緒に、せっかくの機会でございますので、ディスカッションしながら進行しております。遠慮なく、聞きにくいこと、大学の先生みたいですね、聞きにくいこととかも遠慮せずに聞いていただければと思います。
なにぶんこのイベントはすごく変態なイベントでございまして、本当は社内の、いわゆる秘密プロジェクト的なものなんですよ。ぶっちゃけ、これの面白いのが、社内で会議をしないで社外で会議をしている気分ですよね。言うたら、社内のプロジェクト管理であるとか、リストの中になく、新しくしでかしてやろうと、何かをしでかしてやろう、みたいな感じでこっそり作る。それを、なぜか社外で、みんなの公開の前でやっております。
その意味で、皆さんのチャット、コメントというのは、非常に助かるというか、刺激になりますし、4回目まで代表の観山もいましたけれども、その3人だけではまだ思いつかないこととか、ほかへの展開とか、十分に考えられると思いますので、ぜひとも遠慮せずに参加していただければと思います。
さあ、羽田さん、第6回になりましたけれども、緊張感があるこの生放送、前回やっての感想はどうですか。
○羽田:前回は、事前に考えてきたことと、そうでないことがあったんですけど、また全然違う第三の道に行ったなという感じで。
○大関:はいはい。
○羽田:それも、シグマアイらしいなとは思いますよね。いつもそんな感じで。ある意味、僕もサービス精神が多少はあるので、受けようみたいなところを思ったりはしているんですけど、そこのリアクションと大関さんとのインタラクションとか、皆さまとのインタラクションで思いつくことが非常に大きかったなというところと。
改めて、文字起こしのほうはすごいですね。あれを改めて見ると、そんなこと、言ったっけ、みたいなところがあったり、一字一句、今回文字起こししているじゃないですか。
○大関:うんうん。そうそう。
○羽田:一字一句みたいなところの新鮮さはありましたよね。
○大関:確かに、このイベントってなかなかすごいなと思うのは、手前みそかもしれないですけど、全部これまでのやつを文字起こししていて、それぞれどんなことを言ったかというのが、正直つぶさに、そのままなんですよね。いわゆる、僕の言い間違いとかは修正されたりはしているんですけれども、だって、これを見てみると面白いですよね。「大関真之と申します。よろしくお願いします。そして本日は」という雑な振りとか、全部残っているんですよ。
○羽田:間合が、これ、分かります。
○大関:ねえ。YouTubeの動画で見るのも良し、こっちの文字起こしで見るのも良しという。
○羽田:確かに、確かに。
会議の種類と在り方が変わってきた
○大関:それこそ前回の「プロダクトゼロ」みたいなものは、音声でも入力できるし、音声で入力した場合にはそのデータが残っていて、もしも音声でしゃべれない場合にはテキストでいつも通り打つんだけれども、そのテキストを音声でしゃべり直してくれる。
だから、口頭でやるのか、それとも文字でお伝えするのか、どっちも分け隔てなくできるよということで、積極的に、障壁がある人もいるかもしれないけどもそれを乗り越えることができるとか。
個人的には、この話もしたと思うんですけど、「文字派」か、「音声派」かみたいな話があったと思うんですね。
○羽田:はいはい。
○大関:文字で理解できるほうが早いという人と、逆に、音で聞くほうが早いという人もいらっしゃいました。オンラインの社会になって何が嫌かというと、会議が多くなったということ。会議の参加の仕方も、今まで対面だったら人がそれぞれいたと思うんですけれども、オンラインだったら、カメラを切ってラジオ的に聞くという参加も、実は情報収集の意味では良いし、集中しながら理解する上ではいいし。ワンクッションを置いた時に、ふっとカメラをつけて、言いたいことをまとめて伝えるとか。ある意味、場の空気を壊すようなやりとりをあえてするとか、それこそ、押したり引いたりという呼吸が、より付けられるようになった会議のやり方なのかなと思いますけどね。
羽田さん、会議エピソードで、何かあります?
○羽田:そうですね。今ぱっと思いついたのだと、大関さんが、もちろん当たり前に先生じゃないですか。しゃべる体力ってどうなのかなと思っていて。それは、1時間当たりとか、1日とか、1カ月当たりの量があるような気がしていて。
僕は、そういう機会は、当然大関さんより少ないですし、とはいえ、今週、シグマアイでもとあるお客さま向けのウェビナーみたいなもので、一人ひとりしゃべった時に、大関さんは僕よりボリュームも多いですし、その前も授業をやられていたというところで、しゃべる体力とか、聞く体力とか、読む体力とか、そのバランスで会議は構成されている気もしていたり。
そういった意味では、明日こういう会議があるぞといった時に、この会議でしゃべりたいので、午前中は抑えめに行こうぜみたいな。しゃべり体力が少ない僕は、そんなことをやったりしている気もしますね。
○大関:1日中会議しているとヘロヘロになりますよね。
○羽田:ヘロヘロになりますね。
○大関:でも、会議にもいくつかの種類があるような気がしますよね。
なまじハイブリッド的になってきたから、リアルとオンラインが両方復活し始めているので、新幹線の移動が最近また増えてきたんですよ。移動のタイミングを考えたりしますよね。これは聞く会議だとか。
○羽田:確かに確かに。
○大関:これはコメントをする会議だ。これは、逆に、演説じゃないけど、ちゃんと僕の考えをみんなに伝えるために、とにかく子細漏らさず聞いてもらおうみたいな、そんな感じでやったりしますけれどもね。
会議の種類とか、制限された中でいろいろと分かってきたことがあるのかなと思いますね。
○羽田:確かに。
もう1個そういった意味では、大関さんもリアルな出張とか、いろいろと増えてくると思いますし、僕のほうも、シグマアイで事業開発を進める中で、現場に行かせていただく機会が、今月いくつかはあったんですよ。その時に、今コミュニケーションしている方の現場に入った時に、久しぶりで朝3時に起きて、朝4時に現場に入るというのがありまして。
午前中に、シグマアイ内のミーティングがあるじゃないですか。
○大関:そうですね。
○羽田:向こうさまの現場で、ちょっと場所を貸してくださいというのが通じるようになっていて。それは、全然考えられなかったことだと思うのです。
○大関:なるほど。
○羽田:「うちの現場でウェブミーティングするやつなんて」とあると思ったんですけど、そういうのが普通になっているなと。今、冷静になると、結構すごいことだなと思っているのです。
○大関:確かに。一角、借りますね。
○羽田:借りますよね。
会社的な組織の区切りって、実は結構溶かせるんじゃないかな
○大関:大学話にはなってしまうんですけど、この前、大学を歩いていたら、学生さんの交流スペースみたいなのがあって、そこで授業を聞いていました。3、4人ぐらいが集まって、その授業について議論しているんですよ。先生がここでつまずいているよ、とかもそうなんだけど、一応、教科書を開きつつ、レポート用紙を出しつつだから、議論しながら授業を受けている。
○羽田:いいっすね。
○大関:授業って、議論はしろって言われたらできるけれども、3、4人がはっと思った時に、何かうわっとしゃべった時に、それは、授業にとっては、聞こえてしまう雑音になってしまうわけですよ。だけど、もしそういうふうに別の場所で授業を受けているんだったら、そうした雑音も、授業は邪魔しない。だけど彼らにとっては大事なやりとりが発生しているのかなと思って、そういう意味では、あ、これ、ありだよなって思ったりしましたね。
○羽田:いいですね。僕も、そういった経験を先週の月曜日にしたんですけど。
その翌日に、現場を見させていただいた後に、その方々と深いディスカッションをするような設計だったんです。翌日はワークショップ形式だったので、ワークショップについて現場で、明日一緒になる方々と企画をして、最後の詰めの話を社内メンバーに伝えたかったので、そこにいる人たちは全員、翌日の参加者だという話なんですよ。
そうすると、もちろん秘密情報とか、機密保持とか結んでいるので担保されているんですけど、社内メンバーに、明日こういう企画で行こうと思っていますということを、今、目の前にいる誰々さんと企画しましたと言うと、「いいですね」としかならないじゃないですか。
そういう一体感というか、チーム拡張感みたいなところがすごくあって、そうすると、物理的な区切りとか、会社的な組織の区切りって何なんだろうと。実は結構溶かせるんじゃないかな、というふうに気付いたところがあります。
○大関:うんうん。そうですね。やり方の階層性というか、ある種分割されているから、それぞれで分かれてしまっているから、閉ざされているかのようなんだけれども、それがどんどんつながっていくと逆にダイナミズムが生まれてくるというか、動き、うねりになっていくなというのは、最近、気づきとしてありますね。
コミュニケーションツールに音声とテキストを混ぜると、テキストがインデックスになる
○大関:こんな感じで、シグマアイでは、日々思ったことをとにかく考えるという感じで会議をやっているのですけれど、このまま続けるといくらでもしゃべってしまうので、やばいといういつものパターンなんですけれども、一応振り返ってみると。
第6回までやっていて、前回から羽田さんに来てもらって、事業開発をしていきましょうと。今回の第6回も、PoC事業化に向けての議論ですよ、みたいな話があると思いまして。今まで僕が、iPhoneアプリとか、その他もろもろ、ウェブブラウザー上で使える、要するに皆さんが日常的に使えるようなアプリを、基本的には目指している。だけれども、ほかにはないような、ちょっと面白い感じのものを作りたいなということを願って、遊びだしたというわけですね。
例えば、前回は、文字起こしの話もそうでしたけれども、音声なのか、テキスト打ちなのか、どっちでもやりとりができるもの。それで、ある意味、コミュニケーションデータを収集することもできるよね。音声のデータもそうだし、テキスト、文章にされているやつ。
実は、最近、困っていることが、みんなあるらしくて、YouTubeとか動画時代になった。だけれども、動画のどこで何の話がされているか、分からないらしいのです。検索に引っかからない。もちろんチャプターで割ったりして、そのチャプターで、テキスト文章で概要を書いていく。それは人間だったり、ある程度学習した人工知能とかがやっているんだけれども、なるほど、あのイベントが終わった後、もしくはその間に考えたのかもしれないですけれども、音声とテキストを混ぜ混ぜすると、音声に対してはインデックスになるんだなと思って。
やっぱり、音声は聞きたいじゃないですか。その人の感情もこもっているから。残念ながら、テキスト文書にしてしまうと、感情までは正確には表せないので、音声って重要だよね。だけど、音声って検索がまだできないよね。だけど、テキスト起こしされたデータがあるのだったら、それで検索して、あ、どんなやりとりしてたっけって思うことができる。
そんな感じで、音声も、テキストも、とにかくコミュニケーションだよと。人間が何かを発した証しであると。それが蓄積されていくというのが、今ある、ある種システムであったり、ツールの正体なんですよね。
事業者側は、そのデータを使って、いわゆるリコメンデーションであったり、広告配信であったり、そういうものにつなげているとは思うんです。われわれは、そういうところで、もちろん広告配信とかに手を出したら、それはそれでビジネスが成立すると思うんだけれども、何に手を出すか、何を事業化していこうかということを考えてきたわけですよ。
人と人との関係性が可視化される、チャットツールを開発
○大関:こちらでさりげなくチラチラ見せていますけれども、シグマアイのウェブページ、ないしWantedlyのところに載せていますけれども、最近入社しました、デザイナーの山本あずささんという方が、すごいやり手でございまして、こちらにいらっしゃるんですけれども、すっごいやり手でございまして。
この背景も作ってくれまして、シグマアイのデザインセンスを一手に引き受けていただいて、こんな感じで、面々も、ラインアップも更新されました。ウェブページも真っ黒だったんだけども、爽やか爽やかで全然雰囲気が変わりました。こういう感じで、振り幅がでかいやつらというのが、シグマの特徴でございます。
この下のほうに行きますと、Sigma-i Meet upの今回の告知もさせていただいてますし、アーカイブはこちらと書いてあるんですけど、ここに文字起こし記事が書いてあるんですよ。全部見るわけにはいかないですけれども、さかのぼっていくと、結構長いことアプリをいろいろと作っています。基本的にはコミュニケーションであったり、チャットツールの進化版を考えていたりします。
初回は何も作っていないですけれど、こんなもん作ったら、いいんじゃないか?みたいな感じで、去年の10月には、「やっぱり分断されているよね、世の中」と言って、簡単に考えたらオフィスが離れています。リモートで働いている。じゃあ、コミュニケーションどうしましょうか。もちろん、電話がありますよとか、テレビ会議がありますけど、そういうんじゃないんだよなと。
年がら年中電話するのも、リモート生活をするようになって、個々の仕事に集中するようになれたじゃないですか。そうすると、余計その集中を妨げたくないという遠慮もそうだし、本人なりの、集中したいからちょっと邪魔だよという気持ちも、どうしても持ってしまうわけですよね。
そんな中で、チャットツールというのは、最低限、邪魔をしないで情報伝達をする。非同期の通信ができるよねということで、必ずしもすぐ見なくても良いよね。そうした時に、なんか寂しいよねと。後から見直すというのは、さっきの音声とチャットのくだりで言うと、検索性を向上させることができれば、前にああいう話をしていたよな、俺たち、というときに検索しやすいようにテキストにはなっているしとか、音声のやりとりですらも、文字起こしとひも付けることによって検索性が良くなるから、さかのぼることができる。あとは寂しさを解消する。
そのためには、どんなチームなのかということを理解できたらいいよねというので、第3回だったかな、第4回だったかな、実は、アプリの一番最初のほうに、いい感じのひな型ができていたんですよ。あ、これこれ。忘れもしない、チャットが一番多かったのはここだったと思うんですよ。
これは何だったかと言うと、まさに僕と観山でしゃべっていましたけど、チャットですよと。左のウインドウがあって、何かしらの文章を打ちます。その文章が打たれたら、これはそれぞれトピックごとに分かれていて、何か関心事がありますと。食べ物のことですとか、確かこの時は焼き肉の話が出たと思うんですけど、お仕事の話ですとか、好きなアイドルの話ですとか、それぞれトピックごとに分かれていて、いわゆる2ちゃんねる的な感じですよね。
それで、どれかのトピックに傾倒して、いろいろやりとりを深めていくと、ああ、その人はそのトピックに興味があるんだねとか。もっと言うと、あの人の後にこの人はよく発言するよねとか、実はここで、人間の興味関心から決まる関係性というのが眠っているはずだということに注目したんですね。
そうすると、この右側のほうにありますけれども、丸で示されていて、ちょっとちっちゃくて見えないんですけど、実はこれ、社員の名前が書いてありまして、それぞれ位置があるわけですけれども、これは、興味関心が近い人たちが近くにいて、興味関心が別の人たちが離れたところにいます。そうするとまとまりがあるよね。
簡単に言えば、いつもの仲良しグループかもしれないし、外れたところにいるのは、人とは違った考えを持っているので、アイデアを出すときには役に立つかもしれない。そういうふうな位置関係を、やりとりをしたら即座に示すというツールを作ったんですね。
しかも、これは、独り言もオーケー。なので、独り言をすると、ある意味家で落ち着いてとか、夜落ち着いて、反省会を自分で開いたりすると思うんですけど、そのアイデアをどこに書こうか。自分のメモに書いてもいいんだけど、こういうツールに書いてもいいよねという話が出ました。
そうすると、ぐぐっと位置関係がリアルタイムに変わって、リアルタイムに変わるからこそ、あ、何々さんと俺、今近い考え方をしているのかとか、今度、ミーティングを開いてみようかなとか、ミーティングの時に、すれ違ったらお話ししてみようかな、みたいなのを作っていたわけですね。
社内のSlackのデータを解析。人と人との関係性を可視化できるアプリ
○大関:これを作ったままほったらかしていたんですよ。ほったらかしていたので、音声で入力するとか、そういう入力の部分は作れたので、入力した先に何を使うか、作るかということを考えると、この原点に戻ってきたところがあって、こいつを突き詰めて行こうかなと思いましたと。
せっかくならば、チャットツール系なので、手元で使えるほうがいいよねということで、今回、前回までもiPhoneアプリで。私はいわゆる社長ですよ。社長なのに、そんなことどうでもいいと。ただ僕が作りたいから作ってみるということで、社内の秘密プロジェクトとして、そんなiPhoneアプリを作るというようなことをやっているわけでございます。
前回の配信で、誠に皆さんに申し訳なかったのが、iPhone2台で何とか見せようと思ったら、画面とか、音声とか、うまくさばききれなかったので、今日は無理せずシミュレーターでお見せしておりますけれども、いわゆるiPhoneの画面です。
デプロイすることができますけれども、これが完成図です。完成図というか、こんな感じのものを作っちゃいました。三次元空間に存在するただの玉でございますけれども、玉にしたのはもちろんグラフィックの描画上の都合でございますけれども、これ、実は、赤丸君は、ポチッと押すとmohzekiと出ますよね。これ、僕なんですよ。
隣にいるのは誰なんだろうと言ったら、なるほど、学生アルバイトさんでございますねとか。今の瞬間の、実はこれ、わが社のSlackのデータから解析して、先ほどの話題の興味、関心とか、傾倒具合とかが似ている人は近いし、ちょっと違う感じのタイミングの人は離れているしという空間的構造をまさに反映したものになっております。
もう7時過ぎちゃいましたので、お仕事はないんですけれども、裏でSlackで打っておくと変化します。なので、もしも見ている社員の人がいたら、適当に打ってください。いや、分からない。このマシン自体は離れた部屋のやつなので、もしかしたら動作が止まっているとか、そういう不具合はあるかもしれないですけれども、一応こんな感じでiPhone上でも例のアプリが動くようになっております。
でね、この時に、これは見ているだけで結構かっこいいんですけれども、ちょっと転がっているでしょう。転がっているんですよ、これ、実は、ころころ、ころころって。これは、今、適当に打ったんですけれども、適当に打ったやつぐらいじゃ響かないぐらいの強固な結果が出ているんですけれども、これは三次元空間上にやったので、ここにいる人、誰だみたいな感じで、クリックして、あ、Yoshiokaさんだとか、ここにいる人、誰だと。Taguchiさんだとか、Yoshioka君がTaguchi君のほうに近づいているとか、そういうのが見えるんですよ。
そうすると、単純に面白いんですよ。面白いということはどういうことかというと、どんどん打ちたくなるんですよね。そうすると、コミュニケーションの活性化であったり、そういうのにつながる。
これで、たまたまどういう動きをするかというのは僕もよく分からないので、それは何でかと言ったら、社員の人たちのSlackによってどんどん、どんどん変わっていくので。これが玉なので、衝突するじゃないですか。衝突すると、その人とのやりとり、Slackのやりとりで、今回はイベントなので見せられないやつが出てしまっては困るから出さないですけれども、ちゃんとぶつかった人は誰で、そのぶつかった人が最近こういうコメントをチャット上、Slack上でしていましたよということがポップアップするんですよ。
そうすると、そんなことを彼は今、考えているんだということで、失われた雑談をしやすくなるわけです。
ゲームちっくなバーチャルオフィスにもなる
○大関:これは別の会議でも、社内の中でも議論になったんですけれども、オンライン会議ができちゃうから、オフィスを持たなくていいよねいう話も一時期ありました。オフィスを引き払ったり、縮小したりとかあるんですけれども、その後に今度は、バーチャルオフィスというのがはやったんですね。バーチャルオフィスをやってみたんですけど、面白いんですよ、最初、ドラゴンクエストみたいで。だけど、かったるいんですよね、歩くのが。
すごいですよね。人間って、普通に歩くのも、健康のためとか運動のためだったら歩くんだけど、わざわざオフィスの中で歩きたいかと言ったら、べつに歩きたくないと。何かアイデアを発想させるためには歩いたりはしますけれども、面倒くさいんですよね。オフィスの移動とか、会議室の移動とか、講義室の移動とか。
実は、バーチャル空間でもそうなんですよ。空間的な移動を、歩くという動作でわざわざやるというのは、面倒くさいよねというのがあったので、私は、テキストによるやりとり、Slackでのやりとりでこういうふうな位置が変化するものを作りました。
赤のやつを押しますよね。それではじきますよね。そうするとポーンとはじくことができます。これは結構面白いなと思ったのは、ぶつかると、先ほど申しましたように、ぶつかった人が誰で、ぶつかった人が最近こんなことを考えていますというのが表示されるんですよ。Slackで言っていたこと。
これは、マネジメントする人とか、新人さん、使えるよね。
○羽田:いいですね。
○大関:誰に聞いたらいいか分からないし、どんな人がいるか分からないんですよね。それはリアルの良さなのかもしれないし、いや、それでも難しかったよねと言う人もいると思うんですよ。僕は、少なくともそうなので、リアルでいらっしゃっても、ああ、ああ、ああってなっちゃう人なんでどうしようかなって悩んでいたんですけど、これだったら、どんな人かを裏で調べることができるんですよ。
もしくは、本当はすごいワンアイデアがあるんだけど、誰かに伝えたい。誰に伝えたらいいか。会社の機微がよく分からないという時に、当たって砕けろが実際にシミュレーションでできるんですよね。
○羽田:確かにね。
○大関:うん。今、壁とか全然作っていないので、これは、赤のやつをポンとやると、本当に端っこまで行っちゃうので、ああ、どうしよう、壁を用意しなきゃいけなかったなって後で後悔して、この時間になっちゃったのでやめておいたんですけれども。
そういう、よく分からんけどゲームチックなというか、バーチャルオフィスってこういうのありなんじゃないかなと思って。
別に机は家にあるわけですし、なぜかバーチャルオフィスでも、机とか、そういうのを用意しがちじゃないですか。だから結局変わらない。面倒くさい。面白さがないようなオフィスになりがちなんですけれども、ちょっと原始的ではありますけれども、デザインのことを一切考えていないんで。だけれども、こういうプリミティブな形で考えると、あれ、これありかもしれないというのが出てきて、今こいつに僕は傾倒しながら実験しているところでございます。
「誰がどこにいるのか」は、われわれが生きる全ての根幹になっている
○大関:はい、ちょっとコメントで、あきさんが「その玉が、そのうちアバターになったら面白そう。」と。
○羽田:ああ、なるほど。
○大関:そのアバターが、任天堂のWiiのMiiがごとく、捕まってポイッと投げられるというのがね。よく言いますよね、上司の人が新人さんに対して「何々さんのところに行ってこい」と。それがリアルにできるんですよ。ポイッと。
そうすると、その中で、あ、こんな感じの雰囲気のチームなんだ。こんな感じの例えば先輩なんだって分かって、本当に飛び込むことができるようになる、そういうツールになりました。
こんな感じで、ちょっと変わり種ではあるんですけれども、裏では、データの分析をゴリゴリとコンピュータで行っています。その結果をこいつに配信しているので、結構ハードなことをやっているんです。私たちが技術を知って、お客さんとか、社員も含めですけれども、人間にめちゃくちゃ興味があって、その人間を分析する時に、ただのアンケートデータとかでやるんじゃなくて、しかもわざわざ取るとなると抵抗感があるので、日々使っているもので、自然に仕掛けを作るというのがいいのかなと思って、やりましょうかなと思いました。
「その話題”うづうづ”指数表示でしょうか。」。うづうづ指数表示って何だ。
○羽田:これはね、前回もお話ししたように、事業開発とか言っておきながら、全然ビジネスじゃないじゃないところから入るのが僕のスタイルというところが、シグマアイメンバーは分かっていると思うんですけど。
○大関:ええ、そうですね。
○羽田:僕もイメージの人なので、これが何に見えるかみたいな話をちょっとしたいなと。前回は、カーリングとか、将棋の駒みたいな話をしていました。
○大関:はい、していましたね。
○羽田:一個一個細胞みたいにも見えるし、星にも見えますし、ちょっと考えたのが、今、ロシアとウクライナの話があって、戦争が起こってしまっているんですけど、ニュートラルに見ても、人類って戦いをやっていた時に、経営戦略を学ぶと、古代の戦いの話が出てくるんですよね。
それで今、思ったのは、僕らは、空間認知として三次元とか、デジタルツールがあるので、幼いころからできるんですけど、そういうツールがない人が三次元的な戦いって、どうやっていたのかと、すごく思ったんですよ。
○大関:ほうほう、ほうほう。
○羽田:今から解き明かせば、地形を駆使して、軍隊の数が少ないほうが巨万の軍隊に勝ったとかがあって。それって、地形情報とかを引いて見る情報があれば分かると思うんですけど、それを、その時代の空間認知能力、情報能力でどうやったんだろうみたいなところが、すごく気になったところが、まず発見であって。
それを思うと、人がどこにいるかというところを、戦いのみならず、死後を含めて天国にいるとか、あるじゃないですか。誰がどこにいるかみたいなところは、われわれが生きる全ての根幹になっているんじゃないかと思ったので。たまたまオフィス文脈だと、今の大関さんの文脈はすごくあるなと思いますし。
もう一つ思ったのが、何をバーチャルにすればいいかみたいなところは、結構事業開発的な考え方かなと思うんです。パソコンでGUIを作った時の話だとか、会社のデモみたいな時に、全部の作業が置き換わっているわけではなくて、心地よいようにデジタルになるものみたいに、たぶんデザインされていると思っていて。
それで、大関さんがおっしゃったように、これぐらいのものがバーチャル、デジタル化されていて、これぐらいの、前回お話ししたような僕の話だと、大局観みたいなものがすごくつかみやすいなと思っていて、全体がどこかみたいな大局観と、一人ひとりに寄り添うところがシグマアイの事業開発のスタンスである時に、これが何か見えた気がしまして、全体でつかみつつも、一個一個が気になるじゃないですか。こう表示させると、一人ひとりがものすごく気になってきて。
○大関:そうですね。
○羽田:そこのマインド醸成みたいなところに、ものすごい価値があります。デジタルだと、ある意味触れるだけで誰か分かるとか、見るだけでどういう状態か分かるとか、その変化が、人間は差分で感じやすいと思うんです。リアルタイムの変化もあれば、1日単位とか、先ほど話したように1カ月単位の変化があって、年間単位で見た時に、今今の関係性もあれば、10年たった時の関係性みたいなところをかみしめるようにできているのも人類だと思うので、時間軸を超えた関係性を同時に体験できるものじゃないかな、という捉え方をしているところです。
メンバーの意識変化やプロジェクトの方向性が変わったときに、玉の位置関係が大きく動く
○大関:これ、シンプルだから本当にいいですよね。
○羽田:本当にいいですね。めちゃくちゃ分かりますよね。
○大関:あ、動いた。そうそう、こんな感じで。しかも、玉で衝突させたというのが結構、物理学者だからかもしれないのですけど、インタラクションを感じるんですよ。いわゆるデータの分析から決まる点があるので、そこに意味があるというか、そこが結局答えの候補というか。それを信じて僕らは解析しているわけですけど、そこに行くまでに、実はぶつからせたいんですよ。そうすると思った通りにいかないんですよ。
そこが、実は、本当の面白さってこれだって思ったんですよ。もちろん、座標とか、その動きに、本来的な意味って分からないんだけれども、何か意識の変化だったり、プロジェクトの意向があった時に、たぶんこれって結構がっつりと変わると思うんですよね。
そうすると、球が右から左に入れ替わるがごとく動くわけですけれども、そうするとコツンってなって、誰と誰が入れ替わったからこそ会うことができたか、見えることができたか。
○羽田:なるほど。
○大関:Slackでも、すごく分断していると感じたんですよ。チャンネルの機能のおかげなんですけど、社内プロジェクトそれぞれがあって、それぞれみんな頑張っているから、それはそれで正しいんだけど、でも、ふと考えてみると、あれ? あの人と会わなくなった。そのプロジェクトじゃないから、僕はなかなか会えない。じゃあ、あえて飲み会をやるのか。それも違うよねという。
○羽田:今ちょっと思いついたんですけど、デジタルツールも、Slackのチャンネルみたいなところで、まず境界を作った後に人を充てるじゃないですか。
○大関:うんうん、うん。
○羽田:大関さんの今の物理現象の話があった時に、逆がいいんじゃないかなと思ったんですよね。
○大関:うんうん、うん。
○羽田:こういうやりとりがあるから、チャンネルはこういう境界にする、みたいな。まず、わちゃっとインタラクションしてみて、その結果、チャンネルはこうしますとか、そういうところがデジタル側でやると面白いなと思ったのと。
さっき、地球上で生きる、戦うみたいな話があった時に、地形があるから分断が起こるみたいな話があったと思うのですけれど、逆に、人間がわちゃわちゃ素で活動した時に、その後に、ここに川があるといいよねという設計は、結構面白いんじゃないかなと思っていて。
まず、みんなで相互作用し合うみたいなところがあった上で、あえて必要な分断を起こすと、今の時代だと、新しい可能性が見えたり、同じプロジェクトって意味があるのかどうか、みたいなところも問いを立ててもいいんじゃないかなと思っていて。
話したい人には話すわけだし、みたいな話があった時に、プロジェクト以外の人が参加しちゃ駄目というのは、世の中で結構起こりがちだと思うんですけど、シグマアイではそんなことはないし、よく見てみたら、ものすごくパッションを持っている、常にブラウン運動をしている人がいるぞ、みたいなものが見えたりすると思いますし。
その話だあと、倫理ってあるじゃないですか。ethic。あれって獣道という意味もあるらしくて、つまり、一番通った道が倫理になる。先に倫理があるわけじゃない、みたいなところも含んでいるのかなと思った時に、仕切るみたいな、境界みたいなところが後から作られる世界観は、すごく見てみたいなというところと。
そうやって作られて組織とか会社が、どんなパフォーマンスを発揮するのか、みたいなところは、今のチャンネルとは違ったものが生まれるんじゃないかなと、ちょっと思ったというところですね。
リアルに基づいたバーチャルの世界。ここで新しい人間関係が生まれる
○大関: 今、こういうふうにウインドウが出ましたけど、名前は出せないので出していないですけれども、こんな感じで、誰々とこっちの世界で会ったというのが表示されるんですよね。これで、一人で赤丸を打ち出せるモードで遊んでいた時に、これ、チャットするのはなんかしんどいというか、何も考えられないんだけど、聞きたい時に、パンとはじいて聞くというのもできるし、はじかれて別のところに行っちゃって、それでほかのリアルタイムに共有も可能です。この座標はみんなの世界なので、あ、俺、こんなところにはじき出されているとか言ってはじき返すとかして、さっきのバーチャルな世界での分断だったり、集合離散を経て、え? この人と一緒にやると面白いんだと。
そういうのは、広くて狭い空間を作らないと発見にはつながらない。だけど、それを追体験できる、代わりにできる世界が、仕事で仲間なので、会社だよね、基本、という時に、会社から離れない限りできないわけじゃないですか。
それを、ポリシーとしてあえて自分でグループを変えましょうとかしていればまたできたかもしれない。でも、もう大きくなっちゃった組織とか、歴史がある組織とか、お話の脈絡ができちゃっている場合には、なかなか難しいよねといって時に、こっちの世界で、バーチャルな世界で、新しいきっかけを捕まえるとか、新しい組織、裏組織ができるとか。
○羽田:確かにね。
○大関:グーグルさんが30%ルールとかいって、自分のエフォートの30%をほかのグループに振り分けて良いというのがあるじゃないですか。振り分けるにしても、どのグループに?というのも、情報を収集しに行く時点での勉強だったりするんだと思うんですけど。そういう営みをするためにも、自分に対して新しい気づきをする意味でも、壁をぶっ壊すにはこれがいいなと思って、ボン、ボンってやっていたりしましたね。
○羽田:そうですね。自分が思い込みで作ってしまった壁とか、壁に確かにいろいろありますよね。さっき言ったように生まれてしまった壁みたいなところとか、人間は、そういうふうに壁を意識できるとか、理解するとか、壁を壁として扱ってしまうじゃないですか。
○大関:うんうん、うん。
○羽田:それをこういうところが壊してくれているから、壊れたよねという認識が、これがあるから持てるみたいなところは、すごく価値があるんじゃないかなと思いましたね。
○大関:お、動いた。そうなんですよね。みんな大人なので、みんなちゃんとしているんで遠慮するんですよね。
○羽田:そうですね。正しく遠慮します。
○大関:それが自分の身を縛っていたり、何かしらの最終的にはストレスを生んでいるんだとしたら、不幸なことなので、そこから離脱することができるのが、いわゆるメタバースなんじゃねえのって思う部分は分かるんですけど、全部取っ払うって、また違うんですよね。
そこから友達を作るのもまた大変というのがあるので。もちろん、得意な人はいるかもしれないですけど。そういう意味で、中間的なメタバースというか。
○羽田:確かにね。
○大関:今までの世界に射影ができる別の世界とか、軸があるのかな。そういうのが用意できるのかなと思って。だって、これ、普段のSlackのやりとりベースですからね、だから、これはこれで、今の世界というか、本来の世界なんだけど、本来の世界のオフィスの形とか、空間的な隔たりとか、時間的な隔たりとか、そういうのを超えることができているので、新しい形の人間関係の構築にはつながりますね。
だから、それこそうちの山本あずさが、出会い系にいいですねと言っていましたけれどね。
○羽田:そうですよね。社内で話すと、あずささんに加えて、出会い系という話はよく出ますしね。でも人生って出会い系の集合体な気もしますし。今、うちのSlackチャットは大喜利大会が始まっている。
○大関:ほんとだ。適当なことを打てって言ったら、本当に適当なことを打ちやがって。
○羽田:それはそうですよね。いろいろな若手メンバーも打ってくれて、面白いなと思いますし。
冒頭に大関さんが、会議エピソードとか、Slackエピソードみたいな話があった時に、あえて嫌な役、嫌な言い回しをすることを、たまにやっているんですね。そのやり方が正しいとは思えないんですけど、僕だったら、それを言われたらハートに火がつくなみたいな時に、あえてそういうことをやったりする時に、それを今の表現で言うと、「俺をはじき飛ばしてみろ」みたいなやつがいるみたいな感じですかね。
○大関:うんうん、うんうん。
○羽田:そこをはじき飛ばしてくれたら、新しい関係性ができたとか、お客さまと逆に近づいたとか、みたいなのがあったりするとか、世界の見方が違うね、みたいなものがあるので、被弾ボールみたいなやつがいてもいいんじゃないかなと思ったりしていたんですよ。そいつにぶつかると、いいことあるぞみたいな感じですかね。
関係性の観点で組織を見ると、色々な事業やビジネスが見えてくる
○大関:これ、逆に社内の枠を取っちゃって、世界中を相手にした時は、どんな気持ちになるんでしょうね。
○羽田:確かに、そうですね。
○大関:簡単に言うと、Twitterさんが、フォローの関係で、ある程度知っている人とか興味ある人で分けられているわけですけれど、あれもあれで、やり続けていくと、自分の興味がどんどん先細りしていくのを感じるんですよ。
○羽田:うんうん。
○大関:どんなウェブメディアも、検索があるせいで、そして検索エンジンの結果のせいで、「おまえ、これ、好きやろ?」みたいな感じで。もちろんそれは広告ベースで考えると正しい戦略なわけですよね。お客さんがこういうことに興味を持っているから、それに合わせていこうということなので、自然なんですけれども、だけれども、はたと自分のためにということを考えると、実は、アイデアを作るためには、ほかの知識を得るためには分散していなきゃいけないとか、散らばっていかなきゃいけない。
そう考えると、こういうふうにはじき飛ばせる何かが欲しいよなと思って。これが、それこそTwitterをやっているユーザーだとして、Twitterのデータから分析して、こういう地図ができたとします。そうしたら、赤丸をはじき飛ばして、全く別のコミュニティーに飛び出すとか、飛び込むということができたりするんじゃないかなと思ったりしますけれどもね。
○羽田:最後の違う世界に飛び込める感というのは、リアル空間で味わうとは思うんですけど、そこの例えば勇気を持たせてくれるとか、動機が中間的な世界から影響を受ける世界というのは、ある人にとっては心地いいんじゃないかと思ったりしますよね。
○大関:これ、元に戻れというか、中心に集まれる力みたいなのが全然ないから、はじき飛ばすと、どんどん、どんどん、散らばっているんですよね。そこら辺も改修しなきゃ。
○羽田:確かに。牽引力か。
○大関:そうそう、そうそう。それがいいのかどうなのか、というのもありますけどね。
○羽田:確かに確かに、そうですね。
○大関:さっきの地政学的な話がありましたけど、これは今、平面だからのっぺらというか、ありとあらゆる方向に行けるわけですけど、ここに地形があったらどうなるんでしょうね。川があって、谷底があって、そこにみんなはまっちゃってと。それはうれしいのか。
○羽田:それが、例えばほんとに会社の状態を示しているとか、今のこの地球を示しているみたいなところはあるかなと思っていて。こういう関係性の観点で、組織とか人の集合体を見てみると、いろんな面白さだとか、事業につながるような価値があるんじゃないかなと思いますね。
○大関:ということは、点の位置そのものじゃなくて、その点の位置を生み出している地形をこの世界に投じてあげたら、面白いかもしれないですね。
○羽田:うんうん。そこまでインタラクションがあると、すごく面白いなと思いますよね。
○大関:そうしたら、あの部署とこの部署は本当に山があるんだなとか。
○羽田:そうそう、そうそう。後で見ると、そうなっていたみたいなところを、今の地球の表現でやってみると分かりやすいと思うので、そうすると、うちの会社は日本列島みたいに鎖国的な会社だったんだなとか。そういう相手まで含めると、それで地形的なメタファーを使うと、今の世界でどう暮らしているんだという感覚はそのままに、特定のお仕事だとか、部活だとか、学校の仲間みたいなところが、その感覚で関係性を見ると、友達を超えたような関係性が定義されていくような気がしますよね。
外の世界とつながるきっかけを作りたい
○大関:途中であったコメントで、あきさんが、「サンプル数が増えれば、それぞれの関係性や特徴がスピングラス的になっていたりして。」と。僕の専門に合わせてくれてありがとうございます、というのがあるんだけど。
実際、去年のノーベル物理学賞がスピングラスという話題と、気候の温暖化のモデルとか、いろいろな理由で、お三方が受賞されたわけですけれども、その温暖化とか、気候、いろいろなところで寒いとか、暑いとか、隔たりがあるのはなぜかといって、それが複雑な世界のよくあることなんですよといって。
その一つが、それを単純にというか、本質部分をえぐり出して解析したのがスピングラスという現象だったりするんですけれども、ある意味、時間スケールで隔たれてしまっていて、ここの人たちは進化の末こうなっちゃって、ここの人たちは進化の末にこうなっちゃって、全然違う状態ができている。
そういうふうな、ある意味山と谷がでこぼこできていて、気持ち的に分断されたような世界が生み出されている。それが、気候を作っているし、実は、物質の中でも複雑な形のまま固まってしまうガラスみたいな現象があるよねと。
人間関係も、長年やっていると固まるじゃないですか。僕は飽きっぽいので、飽きたと言って別のプロジェクトに首を突っ込んだりもそうだし、やっているものを止めちゃって別の興味のほうに行って、今日みたいにまた第1回、第2回、第3回のプロダクトに戻ってくる感じのことで、行ったり来たりをしないと腐っちゃう自分が分かっているのでやっているんですけれども、それに対する処方箋なのかもしれないですね。
○羽田:確かに。
○大関:これで、ぶつかった人の意見コメントが出るのを見るだけでも、ちょっとずつ自分が変容していくはずで、あ、こんなことを言っていたんだと。Slackのチャンネルなので、もしもこれを本当にアプリにして使ってもらおうとなったら、このチャンネルは絶対見せられません、みたいなものがきっとあると思うんですけど、それはハンドリングするとして、でも、実は聞いても良くない?と。
管理上の都合で、どうしても割り当てるのを忘れていたけれども、だけど、聞いても良くない?みたいなチャンネルはいくらでもあって。それで、あ、こんなプロジェクトがあるんですねと言って話題と出合うのもそうだし、人と人が出会うのもそうだし、そういうのがSlackの世界から別のものに射影して、枠をある意味取り払った別の空間でやったら、それが効果的に行われるということなんだなと。
○羽田:うんうん、うんうん。
○大関:あえて言い直すと、よく分かってきたな、自分、という感じでございます。
○羽田:確かに。特にロジカルな会社、社会だと、説明責任みたいなのがどうしても起こるような社会じゃないですか。説明できないところを、パッションで押すとか、人間力で押すとか、そういうのはあると思うんです。その一方で、説明できないんですけどうまくいくんです、なぜならこのツールがそれを示してくれるからです、みたいな使い方とか。
今、エビデンスとか、データといったところが、過度にも、ふさわしくも使われている時に、第三の証明方法として、これが認知されながらという世界観はちょっと面白いなと思いましたね。
○大関:「世界中の人の繋がりのデータで解析できれば株で大勝ちしたり、戦争止めたりできるかも。」と。戦争を止めたりできるかもというのは、そんな気がするんですよね。ものすごく長い歴史があって、今回のロシア・ウクライナの話があるというのは認識しているんですけど、それも結局、思考が固まっちゃっているわけじゃないですか。やっぱりこれが正しい、これが正しいというので、民族というのは政治を行っているわけだし、民族を守ってきたわけなので。そうすると、どんどん、どんどん分断しますよね。
飛行機があります、自動車があります、移動が自由な世界だとしても、国境はあるし、考え方の違いはある。だけど、ミクロなレベルでは、人同士ぐらいは、一人一人ぐらいはこういう交流のツールがあって、おまえ、そう考えるんだ、俺、こう考えるけれどもね、というのがけんかしない範囲で、けんかしないレベルぐらいからのコミュニケートが他人とできたらすごいよなと思って。
LINEがあったり、Slackがあったり、本当に連絡はしやすいんだけど、でも、やっぱり友達と、ごく親しい人と、話が通じる人としかしないじゃないですか。話が通じないとは言わないけど、でも、実は会ってみたいんだよね、別の国の人。じゃあ、海外旅行にいきなり行けますか。お金もそうだけれども、コロナもあるしとか、しんどいしとかいうのでためらう。けれども、外とつながるやりとりができる初めになるかもしれないですね。
○羽田:確かに。
関係性から、その人の考えや背景が分かる
○大関:いいですね。こんな感じで、いろいろとみんなで議論すると思いつくわけですね。羽田さん、またさらに思いついたりした?
○羽田:ちょっとビジネス支援でどうしても置き換えてしまうんですけれども。
○大関:ぜひぜひ。
○羽田:われわれも、いわゆる営業だとか、プレゼンだとかするじゃないですか。ものすごく共感が最初から生まれてという方もいれば、これだけやっても全然足らないと分かった時に、後者の時は、正直、僕らでも心が折れたりする。
そうなんですけど、けんかするとか、本当に辛辣に言う人ほど、実はそこにエネルギーを割いてもらえるという考え方があると思うんです。その言葉とか感情含めたものを、どう受け止めるかも結構大事だなと思って。分断がある前提で、かつ、悪意とかは除きたいと思うのですけど、そうじゃなくて、自分の価値観とは違うからこういう意見になる、というところをいかに受け取り切れるかが、ビジネスシーンでも、生きる上でもすごく大事になっていくのかなという考えがあった時に。
その方の考えとか背景が、さっき言っていたように世界中の人とつながると何となく分かってくるのかなと思ったりしますし。でも、その方が住む世界だと、今の表現で言うと、この人が場を作る人で、場を作る人でということもあるかもしれないというところなので。
自分たちの世界にするとこういう振る舞いをする、みたいなものと、その人の世界はどうなっているんだろうところに興味を持つという意味では、そこの入り口としてすごいい世界かなと思っていて。そこをつないでくれるツールにもなるんじゃないかなと、今思ったところです。
○大関:最初にこれを作った時、玉じゃなかったんですよ。アバターにしよう、人間にしようとも思ったし、四角にしていたんですよね。立方体にしていたんですよ。ゴロゴロ転がるようにしていたんです。それでぶつかるほうがいいよね。ぶつかって、四角だとどん詰まっちゃうから、見た目に良くないなとなって玉にしたんですけど、その時に思ったのが、これって黎明期のころのRPGの世界だよねと。
話す。そうすると、「ここはアリアハンです」とか、「ラダトームです」と言ってくれるわけですよね。それは何なのかというと、これからやろうとしていることのヒントだったり、物語性が強くなってくると、なんで魔王がこのまちを襲ったのかという背景を教えてくれるわけじゃないですか。
○羽田:なるほど。
○大関:本当のことは魔王自身に聞かなきゃ分からない。だけれども、その魔王を取り巻く環境とか、取り巻く人々がいるおかげで、表現はいろんな表現です。その表現は、今回の場合Slackだったり、その人ならではのテキストの打ち方によって出てきた言葉があるわけですよね。
それで、あの人の直接の言葉はよく分からないし、思想も違うなと、それこそさっきの話で思ったんだけど、どうもその周りにいる、例えば部下の人、同僚の人、先輩の人とかがたぶん近いわけですよ。
○羽田:うんうん。
分断からつながりを再開させるツールになりうる
○大関:もしくは、全然違う会社の人だとしても、近い考えを持っている人がいたりして、その人たちの表現を借りると、あ、そういう理由でこの人、こう考えたのねと。怒られた後に、上司に怒られた後に、なんで俺、あんなに怒られたんだろうなと。その上司の周りの、例えばこの赤丸が上司だったとしますよね。そうしたらその周りの白丸のところに、取りあえず見てみる。そうしたら、何かその時の様子か、もしくはその前後の話とかが聞こえて、あ、だから俺、怒られたんだとかね。
やっぱり直接って怖いんですよ。直接で怖かろうが勇気を持っていくというのは正しいのだけれど、やっぱりそこで表現が違う、表現が自分の受け取りやすいものではなかったとか、さっきの音なのか、テキストなのかでも違うだろうし。怒っているテンションだったから違うだろうしとかある時に、違う切り取り方、違う受け取り方、違う感受性を持って、総体として感受性で意味を理解することができるかなと。
そう思うと、人間がまた仲良くなるというか、うまい生かし方。僕らは集団で生活できるけどもだ、けどもだ、だけどコンビニも発達したし、食うには困らないし、ネットワークがあればいろんなことができるしってなった時に、一人で良くない?って思ったんだけど、やっぱりチームの力はすごいし、サポートしてくれる仲間がいるというのは助かる。だけど、サポートというのもグラデーションだよねと。0か1かではなくて、グループに入っているか、いないかでもなくて、グループにちょっと近いところにすり寄って、あ、なるほどこういうことがここだったらできるんだとか、こういう理由でこのチームができたんだとか、もっと深い理解につながるというのが、ゼロイチじゃない世界にはあるのかなと思いますね。
○羽田:それを話しながらちょっとだけで、最後に思いついたんだけれど、出張が増えたみたいな話があった時に、まだいろいろな感染症の波があると思うんですけども、旅行みたいなことは意識されてきているなと思って。
ある方と話した時に、お子さんと旅行に行くにしても、お子さん自体が情報社会に慣れ過ぎているので、事前に調べまくってしまって。行った時に、あ、調べたあれだ、みたいな答え合わせの旅になってしまうということを聞いて、それはそれであるのかなと思いますし、でも、ちょっと寂しいなと思うところで、人に会いに行く旅もあるじゃないですか。
○大関:うん、うん、うん。
○羽田:旅先に行って、どういうことが起こるんだろうとか、事前の自己の関係性があった旅ってどうなんだろうみたいな、人に会いに行く旅ツールにもなるかなと思っていて。それが、先ほどおっしゃったような、世界の人を知る時に、旅行を通じて知るというところは、ずっとあったと思いますし、それの世界を広げてくれる。分断社会だから、コロナといういろんな意味の分断があった時の、ある意味再開ツールとしてすごくいいんじゃないかなと思ったり。
一次産業、特に農業をやられている方は、新規就農の方だと、土地の中で借りて、いろいろな人に教えてもらって、特にほかから来た人だと、正直いろいろ馴染むのに大変だみたいな。とはいえ、日本の食を支えてくれる人がいるから僕らも暮らせているといった時に、本当は、いろいろ僕らは感謝しないといけないし、地元の人たちも一緒の仲間としてたぶん働かないといけないのに、自己肯定感が低かったり、モチベーションが低くなっている。
受益する人がすごく離れている、消費者としてのわれわれは離れているのだけれど、その人のおかげで生きていて、でも、その人はそのワールドでは結構苦しんでいる。そこで、僕らは買う以外で何ができるかみたいなところに、つながるといいなと思ったりしましたね。
外の世界に出られる。心の旅行アプリ
○大関:今でこそ、Twitterでも応援メッセージを送ったりはするんだけど、届くかというと、まだ届かないんですよね。もちろんその人たちがそういうツールを使っていなきゃとか、わざわざ自分を見なきゃいけないというか。
だけど、もしかしたらこれって噂を広げることにもつながるかもしれないですよね。良かったよというのを誰かが言っていたので使ってみました、というので広がりを持ったメディアになっているような気もするので。
拡散するというのも、掛け算的ではないというか、じわっとしている部分もあるから、ちょうどいいバランスになったらいいなと思って。そこらへんが、たぶん細かい機能だったり、使用感だったりにつながっていくのかな。
だから、コンセプトが、そこを強めることであるとすればいいのかな、というのが分かってきましたね。
やっぱりこの1時間、毎度毎度僕は、作るたびに、こんな、これ、分かってもらえるだろうかとか、思いながら。
これね、本当にけったいなやつで、Twitterで僕はそれこそ言いましたけれども、事前の打ち合わせもなければ、事後の反省会もなくて、ただ大関がこんなんできましたけれども、どう思う?という、本当にシグマアイでいつもやっていることをそのままやっているので、恥ずかしくないのかという話なんですけれども。1時間たっぷりと、あっという間でございましたけれども、過ぎてしまいました。
というわけで、いろいろなところに展開するなというのと、旅行だねというのもありますね。心の旅行というか。
○羽田:うんうん、うんうん。
○大関:という意味では、新しいテーマも見えてきたかなと思いますので、次回にも、そういった話を続けていければと思います。
いきなり、大関が飽きたと言って全く違うことをやるかもしれないですけども。
○羽田:そうそう、そういうのがあるんですよ。本当にあるんです。しかも、その後に、これが3年後にまたよみがえるとかがあるんですよね、本当に。
○大関:あの時のあれはこのためだった、みたいなことを平気でやるので、楽しみにしていただいて。
○羽田:大関さんのアイデアがぶつかり合っているという可能性が見えますね。
○大関:毎回毎回、これ、必死ですからね。毎月1回ぐらいありますけれども、このためだけに俺は生きているんじゃないかというぐらいに集中させていただいてます。これもひとえにシグマアイのみんなと、これを見てくれる人がいらっしゃるからでございますので、また来月、そのぐらいには、あっと驚く、もしくはじわっとするようなアプリだったり、コンセプトだったり、われわれの思いをえ実現するプロダクトのゼロバージョンができたらいいかなと思いますので、引き続き応援していただければと思います。
ちなみに、最後のコメントで、「世界を変えられる会社だ!まさに、革命!」。伝わった、うれしいという。
○羽田:無謀にもそれしか考えていない集団です。
○大関:そうです。青二才と言われようが、何だろうが関係なくて、四十前後のおっさんたちが、何を言っているんだと。メインパートがそういうやつらなんですけれども、でも、若い人だったり、年配の方もいらっしゃって、だからこそ優しくあるというか、こんなのができたら本当にいいよねというのを、かんかんがくがく議論しながら前に進んでいる次第でございます。
はい、長々となってしまして、5分を過ぎてしまいましたけれども、今日も楽しんでいただけたでしょうか。改めまして、今日お越しの皆さま、どうもありがとうございました。
○羽田:ありがとうございました。