What we do
amu株式会社は、使えなくなった廃漁具を回収し、新たな素材や製品として再生させることで、一見無価値と思われるものをアイデアや仕組みで価値あるものへ変えていきます。そのため漁師、地域、企業と協力しながら、廃漁具問題の解決に取り組んでいます。
■主な取り組み
1. 廃漁具の回収
全国の漁港を訪れ、廃漁具を買取・回収。日本の海岸に漂着している海洋プラスチックごみのうち、漁業関連ごみが質量ベースで59.5%を占めていると言われています。だからこそ私たちの活動は、全国の漁港を巡り廃漁具を買取・回収することからはじまります。回収した廃漁具を素材として生まれ変わらせることに加え、その漁具がどの地域でどんな漁業に使われたのか、漁具が持つストーリーを紡いでいくことも私たちは大切にしています。
2. 廃漁具由来マテリアル「amuca®」の開発・販売
回収した廃漁具を分別・加工し、高品質なナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの素材として蘇らせています。「amucaN6」これらの再生素材は、バージン素材と同等の性能を持ち、様々な用途に利用可能です。
3. amuca®を用いた商品企画・開発
自社ブランド製品の開発を通じて、再生素材の可能性を最大限に活かし、消費者に新しい価値を提供しています。そのためamuca®を用いて地域の特性に合わせた企画や商品化なども行っています。漁業を営むまちで暮らす人々が、そのまちに誇りを持てるようになることにも、私たちは貢献したいです。
今は“やっかいもの”かもしれない漁具を、amuca®として“未来の資源”にしていきます。
■「amuca® Tag」による価値の共有
販売される製品には「amuca® Tag」が付けられており、そのQRコードを読み取ることで、素材がどの地域で回収されたか、漁具提供者、回収量などの情報を確認することができます。この仕組みにより、素材の品質を保証し、購入者に素材のストーリーと価値を伝えます。
amu株式会社は、廃漁具の再資源化を通じて、環境負荷の軽減だけでなく、地域経済やコミュニティの活性化を目指しています。「編むちから」で、未来の地域と産業を支える新たな循環モデルを創造していきます。
■独自の生地「NYLON6」
化学メーカーと協業し、回収した廃漁具からケミカルリサイクル※によって高品質なナイロン6原料モノマー(εカプロラクタム)を生成しています。100%漁具由来にもかかわらず極めて純度が高く、バージン素材と同等の品質であることが特徴です。ナイロンの原料から取り扱っているため、ペレット、繊維、生地などご希望に合わせて幅広いロットで提供することが可能です。バージン素材とリサイクル素材の混合率も調整できます。
※ケミカルリサイクルとは、廃プラスチックを化学的に分解するなどして原料として再生する手法です。
Why we do
使えなくなった大量の漁具の山。
そして、そのやり場に頭を抱える漁師たち。
日本有数の漁師町・気仙沼で目の当たりにした光景から私たちamuの事業は生まれました。
使い終えた漁具をルールに従って処分すれば、経済的に圧迫される。
だからといって、海に漁具を棄てたくなんてない。
そんな漁師たちの葛藤が見過ごされてきたのは、「経済合理性がないから」と見て見ぬふりしてきた世の中と廃漁具をゴミと考える固定観念でした。
世間の誰もが、そして漁師自身も無価値だと思っていた廃漁具に新たな価値を見出すことはできないか。
漁師はもちろん、地域や企業と一緒に、みんなで廃漁具問題に取り組めないか。
そう考えた私たちは、廃漁具を回収し、新たな素材や製品として生まれ変わらせるビジネスを立ち上げました。
「amu」という社名の由来は「編む」。
一見、無価値と思われるものをアイデアや仕組みで価値あるものへ。
「編纂」のちからを意味します。
いま、日本中の地域が分岐点を迎えています。
希望に向かって進むのか。
人口減少の波に飲まれ衰退していくのか。
私たちは、その地域にある資源に目を向け、「編むちから」で新しい未来の1ページをつくりたい。
そして、さまざまな地域で価値の常識をひっくり返し続けることで、誰もが「すべてのものに価値がある」と思える世の中をつくります。
■「編むちから」で、地域に新しい1ページをつくる■
How we do
私たちは単なる素材の提供者ではなく、素材開発から商品化、販売支援、循環型社会の構築まで、幅広いサービスをお客様に提供しています。
1. ヒアリングを重視したサービス提供
amuでは、お客様との対話を何よりも大切にしています。お客様がどのような目的を持ち、何を実現したいのかを丁寧にヒアリングし、それに基づいて最適な素材やサービスをご提案します。目的に応じたオーダーメイドの対応が可能です。
2. リサイクル素材「amuca®」の販売
回収した廃漁具から再生された「amuca®」は、コストや用途に応じてバージン素材との配合率や形状(ペレット、繊維、生地など)をカスタマイズできます。日本全国の漁港から定期的に廃漁具を回収しているため、多様なニーズやロットサイズに対応可能です。
3. 商品開発の伴走
自社ブランド製品の開発を通じて蓄積したノウハウを活かし、お客様が「amuca®」を使用した商品開発に対して企画から設計、製造まで並走します。お客様が目指す製品の実現に向けて全力でサポートします。
4. 販売支援とブランディング
開発した製品が市場で適切に評価されるよう、ブランディングやプロモーションも支援します。また、製品には「amuca®タグ」を付けることが可能で、QRコードを通じて素材の品質を顧客に伝え、価値を明確に伝達します。
5. サーキュラーエコノミーの実現
amuは「amuca® NYLON6」をはじめとするケミカルリサイクル素材を活用し、使用後の製品を再び回収してナイロン原料に戻す循環型の仕組みを構築しています。この取り組みにより、資源の持続可能な利用を推進しています。
■Value■
-Sustainability(サステナビリティ)
・海洋保全:海洋プラスチックゴミ問題の主たる原因である廃漁具を有効活用することで、より良い海洋環境づくりと持続可能な資源の確保に貢献します。
・生物保全:海に流れる漁具を減らし、廃漁具が海洋生物に危害を加えるゴーストギア問題の減少に貢献します。
・雇用創出:就労継続支援施設と協業し、回収した一部の漁具の分別作業による雇用を創出します。
-Traceability(トレーサビリティ)
全国の漁港を巡り直接漁具を回収しているため、どの地域で回収した廃漁具を使用しているか、透明性を担保します。また将来的には「amuca®タグ」に記載されたQRコードから集積地域、漁具提供者、回収量などを見える化していきます。
-Circular Economy(サーキュラーエコノミー)
ケミカルリサイクル素材である「amuca® NYLON6」では、素材を使用した商品を再回収し再びナイロン原料の元として活用するサーキュラーエコノミーを実現しています。