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【心が揺れた私の一冊】豊田 新一

こんにちは!Brully 人事部です!

今回は「心が揺れた私の一冊」というテーマのもと、豊田 新一(とよだ しんいち)さんにご紹介していただきたいと思います!

それでは、行ってきます!


また会いたいと思われる人。2度目は無いと思われる人。

〈著者〉中谷彰宏


ーこの本が豊田さんの心に揺れた本として選出されましたがどのような理由からだったのでしょうか。


(豊田):この本の概要というのは、人と接する時にどういう心構えでいるべきかという内容なのですが、これがなぜ自分の中で心に残ったのかというと、この本にそもそも出会ったのがたしか20歳前後ぐらいなんですね。

私が上京したのが18歳の頃で当時仕事がなかったんですよ(笑)超氷河期時代だったのでかなり面接したのですが100社以上全部落ちたので、いた仕方なしに派遣業をして食い繋いだりした時期でもありました。

そもそも何で雇ってもらえないのかとか、あとは東京出てきた時に知り合いがいなかったんですよね。ただ当時奥さんと一緒に暮らし始めたばかりでして、奥さんがこの本を紹介してくれたのがキッカケでしたね。

「この本は凄いタメになるから読んでね!」と言われたのですが、たぶん3年ぐらい放置しました(笑)

当時は自己啓発というものがなんか読んでも楽しくなかったんですよ。元々すごいオタク気質なんでライトノベルとか漫画だったりとかああいうのは全然ジャンル問わず食い散らかしていくタイプの人なんですけど、自己啓発とかビジネス書って呼ばれるような類のものっていうのがあんまり好きじゃなくて…

19歳の頃に工場に入ってそこでなぜかリーダーに抜擢されて、5人ぐらいですかね。その5人のスタッフさんを管理しなきゃいけない立場になってしまったんですね。

そうなった時に人付き合いってどうするんだろうみたいなことがどうしても出てきてて、そこの現場自体は1年ぐらい継続したのですが、もっと仕事をやりたいっていうことで移動したんですけどそしたら今度は200人ぐらいいるところになっちゃって、ただその部署が最初のチームが8人だったかな。

8人体制のチームで派遣会社もバラバラで社員さんが3人いるみたいな感じのところで、まあ人間関係ごちゃごちゃしてたんですよ(笑)

でも一緒にやる仲間だし会社が違うとはいえ協力体制を取っていかなきゃいけないみたいなのもあり、そこでようやくこの本を読みました。

本の内容の中をざっくり言ってしまうと、人付き合いとはなんぞやみたいな話とか、おもてなしとはなんぞやみたいなことではあるんですね。

ただこれって商売をするにあたって結構重要な話で、相手の期待を上回らないとダメだ!みたいな話が書いてあるんですね。これが当時の自分がやり始めた仕事が徐々に規模が大きくなっていって、やることも増えていって何故かエンドユーザーにも対応するようになり...みたいな状況だったので半分営業みたいな感じだったんですよ。

この本のおかげで全て好転したとまでは言いませんが少なくともこの本自体の魅力に取り憑かれたというか、この人おもしろいな、もっと読みたいぞ!ってなって、当時妻がその人のファンだったので家に100冊ぐらいあったんですけど、結果的には全部読んで今に役立ってるんだろうなとは自分は思ってますね。

ー実質実務にそれがものすごいプラスになっていったというのが実感できたのですか。

(豊田):うん。なんかこう改めてこの前読み直してみて、なんか自分のベースになってるのって多分この人何だろうなっていうのが感じましたね。

ー20年近くの経過してると思いますが。

(豊田):思いますね。あのー自分って元々普通に不良だったんで(笑)あのーなんだろうな。こんな真面目じゃなかったんですよっちゃなんですけど、その本の影響でここまで真人間に戻れたっていうところもあるので、まあ、影響力はすごいと思います。



ーこの本の冒頭でも記載されてたのですが、他人と関わりを持つ時の1度目は会社の力で、2度目は個人の力っていうのが冒頭であったんですよ。なんか当たり前のことかもしれないですけど、割とこう文字で起こされたのを読んでみると、あ、でも自然に考えたらそうか!と。一方で初めての感覚に陥る人も多いんじゃないかなって思ったりしたんですよね。


(豊田):結構そのーなんだろうな。タイトルだけというか、内容を読まないで、変な話目次だけバーって読んでも内容がなんとなくわかるんですよ。本ってそういうように作られてるんですけど、 中谷さんのお話って、実際にそのエピソードみたいのが色々書かれてるんですけど、読んでみると「あーあるある!」みたいなのが結構あって親近感が湧くんですよね。

このパターン自分も経験したことあるぞみたいなことが結構あって、自分はあの時どうしただろうとか、結果どうなっただろうかっていうのを考えると中谷さんの言ってることは的を得ているなっていうのを凄い感じるんすよ。

単純に読み物としても面白いし、あとは、今後起こりうるであろう経験の予習みたいな感覚で読むというのも一つの手なのかなとは思いますね。


基本行動への昇華

ーこれから営業をやってみたい方やエンジニアになりたいと思ってる方も読んで損はないですか。

(豊田):人付き合いをスタートするにあたってどういう心構えであるべきなのかっていうところは業種関係ないと思うんですよ。人が生きていく中でコミュニケーションって絶対取らなきゃいけないし。

社会に出て1人で生きていける人ってまずいないと思うので、そうなった時に仕事もそうだしプライベートもそうだし、誰かと付き合う。長く付き合っていくみたいなのって、やっぱり最初が肝心だと思うんですよ。

最初でコケちゃうと次はないなというか、次があったとしても多分あまり進展しないみたいなことって結構あるので。


ーおっしゃる通りですね。今の話でも繋がるんですけど、この本の中でこれ面白いなって思ったのがありまして、ノリの良し悪しってあるじゃないですか。ノリが悪いとかのノリですね。

そのノリの良し悪しについて、たった一言で書かれてるところがあって、「ノリとは1秒で反応することだ」って書いてあったんですよ。

豊田さんは普段から教育もされていて社内でもいろんな方にコミュニケーションとったりしているのを見ていて、ユーモアのセンスというか人が話しやすい人柄だなと思うのですが、そのあたりは意識されてるのですか。


(豊田):今でこそ意識はしてないですけど、昔は結構考えながら実践してやってましたね。最終的に200人全員を面倒見なきゃいけないみたいなことになって、教育係みたいなことになるんですよね。

すみませんちょっと忘れましたが心理学か何かの話なんですけど、そりが合わない人っていうのが25%いるらしいのですよ。性格が完全に合わない人が25%なので単純に50人はいるんですね。

そういう方達に話をするケースが絶対出てくるので心を掴むためにはどうすれば良いのかみたいなことを当時はすごい考えながら接していた記憶があります。

要するに仕事をするにあたって、私が管理側に回っていたというのもあるんですけど、業績を伸ばさなきゃいけないわけですよ。業績を伸ばすのは具体的に何かというと生産数を上げていくっていう話になるんです。

生産数が上がらない理由が人によって違うので、技術的な面だったりメンタルの面だったりの理由で伸びなかったりするので、まずは ”観察” なんですよ。

ある程度目星をつけたところで話をするみたいなことよくやってて、そこで言いづらいこととかもやっぱりあるんです。職場内の人間関係とかメンタル的な面でもあるので。

そういう場合は人が関わってるので、外掘りから埋めながらなんですが、やっぱり話しやすい環境っていうのは、たとえば1対1だと話しづらいけど、その人の仲良い人がいると話しやすいとかっていうのもあるのでそういう面談の場とかを作って対応したりだとかはしていましたね。

ーそれが今では自然にできるようになってるという経緯ですね。

(豊田):基本行動に昇華したといえば良いのかな。それがもう自分にとっては当たり前みたいな。

ただそれも経験値の積み重ねに過ぎないので、じゃあその経験を効率よく経験値として貯めるにはどうすればいいかというと、その原理原則みたいなものを知る必要があると思うんですよ。

なぜ人はこうなるのか、こう考えるのか、どう動くのかみたいな行動原理だったりだとか。そういう話が分かってくるとある程度コントロールしやすいというか「自分が予測できる」ようになるんですよね。

そんなに大した回数こなさなくても、予習というかシミュレーションした分だけ経験値になっていくので早いんじゃないかな。



背景を研ぎ澄ます

ー影響を与えるような人間になるには影響を受けやすい人になるべきみたいなことが書かれているのですがそん点については豊田さんはどうお感じになられてますか。


(豊田):自分の解釈だと、要するに「アンテナを広げろ」っていうことだと思うんですよ。広げた分だけたくさんの情報が入ってきますが、その情報をもとに自分からまた発信してとなると色んな人が集まってきて周りに影響を与えるよねっていうような感覚。

何か物事を見た時に何も心が動かないで何も考えてないのかなと。例えば絵を見た時にその絵が描かれた背景が分かる人って多分なかなかいないと思うんですよね。

感受性が豊かな人はそういうところも読んじゃうんですよ。自分で思ったことを話ができると、その視点で見たことなかったなと思ってもう一回みてみようとかで話が膨らんでいったりするんです。

実は人って日常的に自分が仕入れた情報を発信してることはありますよね。あんまり意識してないと思いますが、ご飯食べに行ってあの料理のここが良かったとか美味しかったよねとか普通に話するじゃないですか。

でもそれすら話ができない人って世の中には結構いるんです。意外と分かれます。人格否定をしているのではなくて、単純に影響を与えたいなら、情報を仕入れてもアウトプットしないと意味がないなというだけです。自分自身で楽しんでる分にはまた話が変わりますが。

あとは本を読む時に字面だけで意味を捉えてしまうと理解できないこととかよくあるんですよね。物語とかライトノベルとかもそうなんですけど、たとえばサスペンス系の本とか読んだ時に騙されるじゃないですか。

最終的に犯人はわかるんですけど、なぜかわからないっていうのあるじゃないですか。あれって文面に騙されてるからなんですよ。答えは書いてあるんですよね実は。でもそれの裏を読めるかどうかっていう話なんですよね。

中谷さんの話も読んでて、「それは違うんじゃないかな」っていうのは結構あるんすよやっぱり。そう思ってしまう理由というのが、そもそも住んでる世界違うじゃないか!っていうのがあるので(笑)

いわゆる上流階級に属する人で一般人の感覚からはかけ離れてる発想を持ってる人なんですけど、それを一般の人たちにも当てはまるよねみたいなことをツラツラと書いてくれる人なので普通に読みやすいし共感できる箇所が多いっていう話で。

中谷さんのエピソードで、何が面白いかっていうと、一般庶民では絶対味わうことができないであろう世界のことも書いてくれてたりするんですよ。そういうエピソードとかが結構楽しくて、なるほど、 うん、なんか、一流の会社に勤めてる人ってこういうことになるんだ、みたいな話とかが結構あるんすよ。

そこが単純に読み物としても面白いみたいなのもありますよね。あとは、別の本とかで女性の口説き方みたいなのもありますよ(笑)

ーそういうのもあるんですか(笑)

(豊田):そうそうやってるんですよ。その中で女性と付き合えない男っていうのは、単純に約束を取り付けるのが下手くそなやつだ!みたいな書き方されてて。

誰かと付き合う時って理由がないと会えないじゃないですか。その理由作りをするための口実というかそのテクニックがいろいろあるんですよ。

たとえば、約束は別れる前にしようとか、次のデートは今のデートのうちに決めるみたいな。その会話の中で食べ物の話をしててどこどこのお店が美味しかったよみたいな話がでてきたら、じゃあ今度そこ行こっか!じゃあ何日でよろしくね!みたいな感じで次の約束をその場で取り付けるみたいなやり方。簡単に言ってるのでよくある話っぽくはなりますが。

なのでこれって人との付き合い方というカテゴリーでみるとやってること自体は別にそんなに変わらないんですよ。やってることはとてもシンプルです。意識してやれるかどうか。

意識してやってるうちにいつの間にか基本行動になっていくのでそれができるようになると強くなるんじゃないかなとは思います。

ー受け手の場合はどうでしょうか。こちらの著書からのご紹介ですが、たとえば「出身はどこですか?」と聞かれた時に「東京ですよ」というとそれ以上踏み込まない方がいいのかなと思ってしまいますが、「戸越銀座です」と答えると話が広がりやすいよねということだったのですが。


(豊田):投げられたボールをどうやって返すのかっていう話なんですけど、キャッチしやすいように投げてあげるのが大事じゃないですか。取りにくいところにすごい高速球で投げられても取れるかいっ!っていう話なので(笑)

仕事の話とかで例としてあるのが、大企業と呼ばれる大きな会社に行った時に上の人たちがとんでもなく使えないみたいなことがあったりするんですよ実際(笑)

年功序列でこの人は役職についたんだろうなみたいな人っていうのが割とまだあるんですけど、そういう人たちの仕事の指示っていうのがかなり曖昧で具体性がないことがよくあるんですね。

社内でその人がどういう人間なのかを知っていて、こういう発言をしてるからこうしなければいけないっていうのは社内のルールじゃないですか。ただ社内では通じるかもしれないけどクライアント先はあたりまえですが社外なんですね。

一言であれやっといてみたいな。あれって何みたいな(笑)それをまた同じ仕事をやってる人に聞かないといけんですけど、そもそも説明してくよっていうのが多々あるんですね。

前提条件になるであろうプロジェクトがあって、それを知らないと今のプロジェクト話進まないよねとかざらにきたりするんです。IT企業でもそういうのあったりしたんですけど、明確なゴールをくれないので「良い感じに仕上げといて」みたいな感じなので良い感じってなんだよみたいな(笑)

なので仕事において指示出しするときは、なるべく具体的にすることは大事だし、その後の結果や仕上がりに大きく左右するんじゃないかなとは思います。


ーありがとうございました。ビジネスマインドがこんなにまだまだ深くあるんだなと感じました。では最後に豊田さんのワクワクを教えてください!

(豊田):そうですね(笑)本の延長線上でいうのであれば、人と出会うことですかね。つまり自分の知らないことを知ってる人に会うっていうのはチャンスなんですよ。

その人の性格がどうやって形成されていったのかはその人の過去の経験の積み重ねや環境で出来上がっているので自分が知る由もないSTORYを絶対もってるはずなんですよね。

そんな話が聞けると、まあ楽しいというとちょっと失礼かもしれませんが、いろんな生活があるなとか思えたり。

仕事に対する熱量とか考え方って絶対個人差あるじゃないですか。同じゴール設定をしてもその熱量の差が生まれるのってその人の経験からくるところだったりするのでそういうのが知ることができるのは結構楽しいかなと自分は考えます。

多様性の世界が広がるのは最高ではないでしょうか。



豊田新一(とよだ しんいち) 生年月日1982/4/2
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