私たちG-genは、Google Cloud の最上位パートナー認定をいただいているクラウドインテグレーターです。「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」をビジョンに、Google Cloud のプロフェッショナルとしてお客様に伴走し、お客様のビジネスの成功に寄与することを目指しています。
今回は、ソリューションエンジニアリング本部 開発部の部長を務める小川さんにインタビューを実施。部門のミッションや、目指す組織のあり方などをうかがいました。
【プロフィール】
小川 智寛:ソリューションエンジニアリング本部 開発部 部長。
顧客のビジネスに最適な技術的価値を提供する部門
――小川さんのこれまでのキャリアを教えてください。
ハードウェアのエンジニアを数年経験したのち、ソフトウェアエンジニアに転身しました。IT分野での経験は25年以上。その間、20年ほどフリーランスの期間がありました。
G-gen合併前の旧トップゲート社に入社したのは、昔からの友人であったクラウド支援部の部長に声をかけてもらったから。同社の経営方針や経営層の思いに共感したため、執行役員CPMOとしてジョインしました。
――合併のフェーズにおける小川さんの役割は?
技術部門のトップとして、旧G-genの技術系部署とどのように融合していくか、調整する役割を担っています。互いに両者の強みを活かし、補完し合おうという意識を強く持っているため、スムーズに話を進めることができていますね。
旧G-genはクラウドインテグレーションなどインフラ側に強みを持っていますが、旧トップゲートはバックエンドとフロントエンドの双方を扱うことが多く、システム全体のコンサルティングを行ってきました。今後もシステム開発の超上流から対応できるメリットを活かしながら、事業を継続していく予定です。
――開発部のミッションを教えていただけますか?
「テクノロジーで社会のフロンティアに果敢に挑戦し、企業と人々の可能性を無限にUPDATEし続ける」ことが開発部のミッションです。
今後、AIに限らず革新的に進化していくテクノロジーがもたらす世界がフロンティア(未開の地)なのだとしたら、まず我々がテクノロジーをもって挑戦をしていこう、と。挑戦は失敗を伴う可能性がありますが、開発部ではそれを推奨・称賛していきたい。そしてその挑戦の結果として得られたものを、クライアントやその先のカスタマーに届け、広め、可能性に気づいてもらえるよう努力をしたいと言う思いです。
多種多様な案件に対応できる技術力の高さ
――開発部の組織体制は?
現在はプロジェクトマネジャーを束ねる「PMO課」と、実務をメインで行う「エンジニアリング課」に分かれて活動をしています。前者は6名、後者は12名程度の組織で、私はエンジニアリング課の課長も兼任しています。実際の開発工程においては、BP(ビジネスパートナー)さんなどと協力しながら進めるケースが多いですね。
――どのようなバックグランドを持ったエンジニアが多いのでしょうか?
プログラマーとして尖ったスキルを持つような、若いエンジニアが4割程度。その他は大手のIT企業などを経験したベテランエンジニアです。なかには、Google Open Source Peer Bonus (国際的なオープンソース貢献者を表彰する賞)を受賞したメンバーや、ラーメンの構造解析をしたメンバーなどユニークな経歴を持ったエンジニアもいます。案件ごとに役割を調整しながら、それぞれの強みを活かせるようなアサインをしています。
――具体的な開発事例をお聞かせいただけますか?
例えば、大手航空会社のお客様では、搭乗中のCAの方々が地上と通信をし、機内に不足している資材などをスムーズに補充するためのWebシステムを開発しました。また、大手旅行会社のお客様では、全国の支店の売上状況を一括管理する会計系のシステムを開発。ほかにも、映像メディア系のスタートアップ企業では、オンプレミスからクラウドへのリフト案件をお手伝いした事例もあります。業種や業態、会社規模を問わず、さまざまな開発事例がありますね。
ちなみに、直近では生成AIのPoC案件が特に増えました。官公庁や自治体から、地方の農家に至るまで、幅広いニーズがあります。例えば、ある農家さんからは「野菜を分類する際に生成AIを活用できないか」とのご相談をいただきました。また、某インテリアメーカーでは、サポートセンターへの問い合わせを簡略化するために、生成AIを用いた壁紙の提案サービスを開発するに至りました。生成AIの進化の波はおそろしく速いスピードですが、そのスピードに負けないスピードで生成AI案件は全て喰らい尽くしてやる!と強く強く思っています。
当社はこれまで Google Cloud と密に連携を取りながら多くの実績を積んできましたので、大きな案件から細かな案件まで、多種多様なご相談をいただくことができています。
顧客へのバリューを提供しやすい開発環境
――開発部に新たにジョインするメンバーは、どのようなステップでスキルアップをしていくのでしょうか。
まずはOJTという形で、先輩エンジニアやベテランエンジニアと一緒に案件に加わりながら学んでいただきます。もちろん事前のインプットも行いますが、私としては「習うより慣れよ」の心持ちで臨むほうが、成長が早いと考えています。
また、当社は Google Cloud の専業パートナーということもあり、Google Cloud 関連の資格取得を推奨しています。取得メリットが大きい資格をあらかじめお伝えしていますし、社内でも資格を取るためのTipsを教えてくれるメンバーが多数います。
そのほかに、案件外のSlackチャンネルでも精鋭メンバーのSlackグループである @geniusにメンションして質問できる体制を設けており、社内のメンバーに対して相談しやすい体制が整っている点も特徴的です。
――なるほど、エンジニアが仕事をしやすい環境が整っているのですね。
そうですね。働き方の面でも、当社はフルリモート・フルフレックスを導入しています。私たちの組織では仕事のプロセスよりも、プロジェクトや顧客に対するバリューの提供を重視しているため、それが実現しやすい環境があると言えますね。
――そのようななかで、小川さんがマネジメントをするうえで意識していることは?
まず、PMたちには「プロジェクトの立ち上げ方が重要だ」と常々話しています。具体的には、BPさんなども含め細かく体制図を作り、各メンバーにロールを与えてやるべきことを明示してほしいと伝えています。
そして、システムは作るだけではなく、きちんと運用してバリューを生み出すことが大切です。同様にプロジェクトにおいても、チームを組成して立ち上げただけでは意味がなく、チームがしっかりと運用されていくことこそが恐ろしく重要です。そのような考え方をもとに、PMたちにはプロジェクトの運用ルールや進め方などを明らかにしたうえで取り組む意識を持たせるようにしています。
一方で、部門としてのマネジメントについては、目標管理制度を導入しています。目標を設定するだけではなく、日常的にどう運用されているかを細かいサイクルで確認していくこと。また、リーダークラスのメンバーに対して、各メンバーと定期的に振り返りの場を設けてもらうことを仕組み化しています。
求めるのは「縦幅」の大きいエンジニア
――開発部が求める人材像を教えてください。
フルスタックエンジニアのような技術スキルの幅が広い方はもちろんのこと、PMやPLもできるなどポジションの幅が広いエンジニアを求めています。具体的には、5年以上の開発経験を持ち、自分がやるべきことを自ら考えられるエンジニア。また、分からないことが発生した場合に能動的に質問できるエンジニアの方であれば、私たちの仕事にアジャストしやすいはずです。また、エンジニアである以上、先端技術やセキュリティ技術を常に追いながら、高い感度を持ちつづける姿勢も大切だと思います。
これらの要素は、今後入社される方々だけでなく、現在開発部で働くメンバーにも求めるところです。
――「縦幅の大きいエンジニア」という話がありましたが、縦幅を広げるためにはどんな意識や行動が必要だと考えますか?
ポイントは視点の持ち方だと思います。自分の仕事だけにしか焦点を当てられないと、いつまで経っても1プログラマーの域を抜け出すことができません。自分自身の仕事だけでなく、他のメンバーやプロジェクト全体に意識を向けること。そして、プロジェクトが開始してから終わるまでの全体像を雑多な点の集まりではなく、時間の幅でイメージすることで、売上やコスト、コストを抑えるための方法が考えられるようになるはずです。エンジニア業務の延長線上として、自身の仕事の範囲や視点を広げていくことで、自ずと縦幅も大きくなるのではないかと考えます。
――最後に、部門の将来像や今後の目標を教えてください。
「超上流から、テクノロジーを用いて、顧客課題を高速で解決できる切れ味の鋭い部門」になることを目指しています。そのためにまず、一人ひとりのメンバーが持つ技術力をさらに磨いていく。さらに言えば、技術力の中には言語スキル等だけでなく最新テクノロジーを高頻度で積極的に活用できる能力がとてもとても重要だと考えています。そして、私たち自身は少数精鋭の組織でありながらも、BPさんやオフショアエンジニアなどと協力しながら、さらなる顧客提供価値の創造を追求していく必要があると考えています。
今、私たちの会社は2つの組織が融合するという大きな転換期を迎えています。旧G-genが得意としているリセールビジネスと、旧トップゲートの事業の柱であるSIビジネスは、それぞれ別々のもののように見えますが、実は相互に深く関連しています。例えば、リセール側からSI側に顧客課題が共有され、システムを開発することで解決につながるケースもあります。逆に、システム開発に伴い Google Cloud を導入したお客様に対し、その利用料金の部分をリセール側が担うなどの連携が発生することもあります。相互に良い回転を生み出しつつ、その回転を滑らかにしていくことが今後の目標ですね。