地域おこし協力隊に「インターン」という制度があるのをご存知でしょうか?
2週間〜3ヶ月の短期で、地域での就業を体験できる総務省の制度です(2泊3日のおためし地域おこし協力隊という制度も。自治体によって導入制度が異なります👀)
▼地域おこし協力隊に関する情報はこちら https://www.soumu.go.jp/main_content/000943959.pdf
そんなインターンを世界遺産「知床」がある斜里町で経験したので、本記事でご紹介します。 地域おこし協力隊インターンや斜里町・知床に興味がある方の参考になれば嬉しいです!
インターンに行った人(筆者)
奈良県で生まれ進学で京都、就職で東京へ。新卒で大手人材会社へ入社、求人広告を通じて200社以上の採用支援を実施。その後、社内異動で広報・PRへ。地方自治体の採用PRやスタートアップでのPRを経験。社会人10年目のタイミングで、働く場所・働き方についてフラットに考え中。
斜里町って?
インターンに行った斜里町は北海道の東、道東と呼ばれる地域にあり、人口約11,000人。観光・漁業・農業が盛んです。
2005年に世界自然遺産となった「知床」のある町としても知られています。
昨年度インターンに来て、今年地域おこし協力隊として移住された松井さん作イラスト
「斜里町」にインターンに来たのは?
きっかけはWantedlyのスカウト。「知床」のワードと、自治体がWantedlyのスカウトを活用している点が面白く求人を見に行きました。
私自身が地方出身者なので、元々地域や地方創生に興味が強かったということも。
求人情報はこちら https://www.wantedly.com/projects/1793333
各ページの写真やテキストなどのクオリティが高く、斜里町への興味が高まりました。また、サイト上で一緒に働く人の「顔」が見えたのも大きいところ。ブランディング部署でのインターンのため、経験してきた広報PRや採用関連の知見が少しでもお役に立つのでは…と思い、まずはオンラインでお話を聞くことに。
これまでのキャリアで自治体と仕事をする機会が多く、「中の人」ってどういう働きをしているんだろう?各施策が生まれる現場を見てみたい、地方自治の理解を深めたいという思いもあり、2週間のインターンにエントリーしました。
インターンで何をした?
斜里町役場での勤務になるため、毎日役場へ出勤。知床ブランディングを担うプロジェクトマネージャーの初海さんに同行し、町内外で活動される方々にお会いしたり、各取り組みの場へ参加させてもらいました。
毎日通った斜里町役場、奥に見える海別岳にうっすら雪が積もったりいろんなところで季節を感じる日々でした
最初にオリエンとして斜里町の概要などを共有いただいてから、インターンがスタート
北海道大学ゼミのフィールドワークへ同行
観光という観点での斜里町の強みや課題、これから解決すべき領域などへ知見が深まりました。
斜里高校見学、教育委員会ヒアリング
斜里が直近力を入れている「地域みらい留学」や地域における高校の役割や課題についてなどお話をお伺いしました。
知床自然センター
野生生物の保護管理・調査研究、森づくりなどを行う公益財団法人「知床財団」へも訪問。自然保護の取り組みや採用に関する意見交換の機会をいただきました。
斜里町が包括連携協定を結んでいる株式会社ゴールドウインが運営するTHE NORTH FACE / HELLY HANSEN 知床店や、知床の自然環境を理解できるオリジナルムービーが視聴できる映画館も
道の駅しゃりに新しくできた 「COBAKO」
2024年7月に道の駅内にオープンした販売・交流拠点「Shiretoko Sustainable Station COBAKO Shari」。知床ブランディングの成果を引き継ぎ、役場とブランディングを進めている一般社団法人知床しゃりが運営しています。産業活性化に向けて、道の駅をどう活用していきたいのか?などお話をお伺いしました。
斜里町産トドマツ材など北海道産の木材がふんだんに使われた店内、ドリンクも飲めます☕️
地域交流拠点施設「中斜里シャトラン」
2024年4月にオープンした「中斜里シャトラン」へ週末に遊びに。この拠点は町民同士が地域の社会問題に対して意見や改善案を出し合うシャリバタ会議から誕生し、地域と町の協業で運営中。物販や皆で夕食を食べる「夕方食堂」、季節に合わせたイベントなどを開催しています。
この日は夕方食堂。皆でちゃぶ台を囲み夕飯をいただきました。
インターンで実際に取り組んだこと
様々な方との交流やヒアリングを通じて、インターン中には以下のような取り組みを実施させていただきました。
・中途採用市場のトレンド解説:役場内で採用を担われている複数課と、町外の団体さんと採用について意見交換の場も設けていただきました。
一般社団法人 知床しゃりの皆さんとの打合せ風景
・求人広告の見直し:求人の改善案や改善ポイントをまとめて提案
・副町長への成果発表会
最終日には副町長へ2週間の取り組みと採用に関する提案を発表する機会をいただきました。
インターン生の経験や意向を加味して、テーマや内容が決定されるのも嬉しいところ。(私は地域活性化のプレイヤーにたくさん会いたい&これまでの採用関連の知見をテーマに)参加される時期や人によって内容は変わるそうです!
土日の過ごし方、斜里での暮らし
斜里町は初訪問だったので、役場の皆さんに滞在先のアサインはじめかなりサポートしていただきました…。羽田空港から女満別空港までは1時間半、AIRDOで往復2〜3万円ほどで行けました!(7〜9月は関西からもPEACHで直行便が出ているそうです🛫)
実際の斜里暮らしはというと…自炊ができる滞在先だったので、スーパーで買い物をしたり
おいしすぎる新鮮な食材が超手頃な値段
地域のお祭りに参加したり
地域おこし協力隊の鈴木さんと一緒に✨ お供は斜里名産のにんじんジュース
地元の飲食店で食事をしたり
ウトロ地区にある「ボンズホーム」さんのジャガイモカレー(別日にグラタンも食べました)
ガイドさんと一緒に森歩きも楽しみました🚶♀️
森に同化しつつあるワタシ ヒグマの生態や開拓の歴史なども聞かせてもらえてとても楽しかった…
最後に
数日ではなく2週間「暮らし」ながら「働く」ので、すごくリアルに斜里町での暮らしをイメージすることができる期間でした。初めて触れる大自然の大きさと近さに感動。世界遺産がすぐそばにあり、気づけば世界遺産の中にいるような環境は他にはないなあと。
また、斜里町は他に類を見ない大自然に囲まれている特徴を持ちつつ、他自治体と同様に人口減少等の課題を抱えています。貴重な大自然を10年〜20年後先も保ちながら、斜里町に関わる人口をどう増やしていけるのか?という問いに向き合えるのは斜里町ならではですし、役場の皆さんも熱量を持って取り組みを進められているのがとても印象的でした。
インターン期間中は役場や町民の方にもたくさん会えるので、旅行ではできないリアルを知ることができます。移住を考えている方や、地域おこし協力隊に興味がある方はインターンでまずトライしてみることもおすすめ。私のおすすめ自治体は、もちろん斜里町です!(今年度のインターンまだ枠があるそうですので興味がある方はぜひ、斜里町のWantedlyに"気になる"や"エントリー"を✨)
オホーツク海に面する以久科原生花園からの夕日。退勤後に連れてきてもらった忘れられない一枚