最初に描いていた道は、市役所だった。
アルバイトから始めて、いまは事業部を率いている。
「地域を良くしたい」——その想いだけは、一度も変わっていない。
株式会社プラーナは、茨城県つくば市を拠点に複数の飲食業態を展開する企業です。モスバーガーのフランチャイズをはじめ、横浜家系ラーメン「たくみ家」、油そば「元祖油堂」などを手がけています。社名はサンスクリット語で「生命エネルギー」を意味します。お客様の「お腹も心も満たす」状態=「幸腹度」を高めることを理念に掲げ、創業以来積み重ねてきた土台をもとに「第二創業期」へと歩みを進めています。年商50億円・70店舗の実現を掲げ、茨城発の食のリーディングカンパニーを目指しています。
同社の第一事業部を率いるのが黒澤英さんです。担当するのは、主力業態の横浜家系ラーメン「たくみ家」です。この7月には、新業態の中華そば店「麺屋つむぎ亭」の立ち上げも手がけています。学生時代は地元・土浦の市役所を目指し、卒業後はプラーナでアルバイトをしながら公務員試験に挑戦。悔しい結果に区切りをつけ、社員として飲食の道を歩み始めました。以来16年。店長、マネージャーと役割を広げ、いまは事業部の数字と人を預かる責任者です。
「市役所じゃなくても、食で地域を良くできる」——そう気づいた日から迷いは消えたと語る黒澤さんに、その歩みと、仕事への想いを聞きました。
プロフィール
黒澤 英(くろさわ すぐる)|株式会社プラーナ 第一事業部 部長。39歳。茨城県土浦市出身。大学卒業後、地元に貢献したいという想いから公務員を志し、プラーナでアルバイトをしながら試験に挑戦。社員となってからは店舗のオペレーション、店長、新店の開業チーム、マネージャーを経て、2年前に第一事業部 部長に就任。プラーナ歴16年。
最初に描いていたのは、別の道だった

―― まず、プラーナに入るまでは、どんな道のりだったんですか。
地元が茨城の土浦で、この街が本当に好きなんです。大学では山梨に出ていたんですが、「地元に貢献できる仕事に就きたい」と考えたとき、真っ先に浮かんだのが市役所でした。大学4年から公務員試験の勉強を始め、卒業後は地元に戻って、アルバイトをしながら試験を受け続けました。
―― そのアルバイト先が、プラーナだったんですか。
そうです。オープンして3〜4か月のラーメン店で、とにかく忙しかったですね。覚えることも多かったぶん、やりがいも大きくて。「楽しい」という感覚はいまでも覚えています。働きながら2年間、公務員試験に挑戦し続けました。
―― 結果は、どうだったんでしょう。
筆記試験でどうしても受からず、面接まで進めませんでした。悔しかったですよ。地元のために働きたい一心で勉強してきたのに、入り口にも立てなかったわけですから。
市役所じゃなくても、食で地域を良くできる
―― 悔しさに、どう区切りをつけたんですか。
以前から専務に「社員にならないか」と誘いを受けていました。上司にも恵まれていましたし、仕事そのものが楽しかった。「それなら、ここで頑張ろう」と腹を決めて、自分から「お願いします」と伝えました。
―― 公務員への未練は、なかったんですか。
入社してからは一切なくなりました。20代前半の頃は「市役所じゃないと地域貢献できない」という思い込みがあったんです。働くうちに、飲食でも地域は活性化できると気づきました。店を出せば、お客様がいらっしゃって、笑顔で満足して帰っていく。それは間違いなく地域の活性化につながっています。目的は変わっていません。手段が変わっただけです。
―― 地元・茨城への想いは、どこから来ているんでしょうか。
住みやすい土地なんですよ。自然が豊かで、東京へのアクセスもいい。農業が盛んで、気候も温暖。何より人が温かいんです。大学時代に一度離れたからこそ、この街の良さを実感しました。生まれ育った地域を良くしたい。その気持ちはずっと変わらないですね。
店をつくることは、地域に居場所をつくること
―― 社員になってからは、どんな歩みだったんですか。
最初はキッチンもホールも、オペレーション全般を担当しました。店長になってからは4〜5年で3〜4店舗を経験しました。唐揚げ業態を経てラーメンに戻り、新店を立ち上げる開業チームへ。複数店舗を束ねるマネージャーを数年務め、2年前に第一事業部の部長になりました。
―― 新店の立ち上げは、既存店の運営と何が違うんですか。
既存店には完成されたシステムやマニュアルがあります。新店や新規事業にはそれがない。自分で考えて、組み立てて、開業日に間に合わせる。オペレーションづくりからスタッフの育成まで、自分たちの手でつくり上げていく難しさがあります。そのぶん、面白さも大きいですね。
―― 立ち上げのやりがいは、どんなところにあるんでしょうか。
新たに店を出すこと、その地域の人たちとのつながりが生まれることです。たとえば龍ケ崎は、土浦で育った自分にはなじみのない街でした。店を出したことで、地域の方に喜んでもらえた。新しい街に居場所ができていく感覚は、この仕事ならではです。
―― 地域とのつながりは、店を出した後も続いていくんですか。
続きます。地元の中学生の職場体験を何年も受け入れ続けている店舗もありますし、常連のお客様も本当に多いんです。お名前を伺ったり、お仕事の話をしたり。差し入れをいただくこともあります。
―― 常連のお客様と、そこまでの関係を築ける理由は何でしょうか。
プラーナは創業から30年以上、「お客様の幸せづくりに一生懸命」という理念で経営してきました。それを体現するのは現場です。週に何度も来てくださるお客様なら、顔だけでなく麺の硬さなどの好みまで覚えて、「いつもので良いですか」と声をかけよう。そう指導しています。一言添えるだけで、お客様は従業員のことも覚えてくださって、店全体とお客様のコミュニケーションが生まれていく。「恥ずかしいことじゃないから、楽しんで接しよう」と伝え続けていますね。
―― 店づくりで、一番大切にしていることは何ですか。
貴重な時間とお金を使って来てくださるお客様に、決して粗相をしてはいけない。感動していただける時間を提供しよう。これはよく話しています。飲食店の評価は、料理の品質・接客・清潔さ——いわゆるQSCでほぼ決まります。しっかりした商品を、気持ちのいい接客で、きれいな店で提供する。その当たり前を積み重ねるだけです。
感情で叱っても、人は動かない
―― 事業部長としてのいまの仕事は、どんな内容ですか。
事業部の売上拡大と利益の最大化です。数字への責任を負いながら、マネージャーや店長はもちろん、現場のキャストまで、ほぼ全員と顔と名前が一致する距離感でコミュニケーションを取っています。
―― 部下と向き合ううえで、意識していることはありますか。
頭ごなしに「数字を出せ」とは言わないことです。たとえば人件費が計画を超えていたとして、「何をやっているんだ」と叱っても何も良くなりません。会社が成長していくうえで大事な数値だから、一緒に改善していこう。そう伝え方を選びます。相手のやる気を削がずに改善を促す。そこはずっと意識していますね。自分にできたことは誰にでもできると思っているので、想いや情熱を込めて「こういう店をつくろう」と話せば、みんな応えてくれます。
―― これまでで一番苦しかったのは、どんな時期でしたか。
複数の店舗で人手が足りない時期が重なったことがありました。現場の負荷は確実に上がります。そのとき支えになったのが、店舗同士の横のつながりです。茨城の近いエリアに店舗が集まっていて、店舗間は4〜5kmほど。「じゃあ、うちから応援を出すよ」と店舗の垣根を越えて助け合いました。従業員には事情を正直に話して、「会社はこういうビジョンに向かっている。必ず良くなるから力を貸してほしい」と伝えました。一人では対応しきれない規模でした。仲間と一緒だったから乗り越えられたと思います。
どこで働くかより、誰と働くか

―― 個人として、これから描いている目標はありますか。
地域貢献は死ぬまで続けます。いまは飲食に携わっているので、食でできることを考えたい。子ども食堂や、災害時の炊き出しのように、食で困っている人を助けられる企業でありたいし、個人でもありたい。生涯の目標です。
―― 会社として、事業部として目指しているものは何ですか。
北関東で一番の飲食企業になることです。そのために、年商100億円を1つの目標として掲げています。この7月には、新業態の中華そば店「麺屋つむぎ亭」もオープンします。新しい挑戦を重ねながら、事業部として会社の成長を引っ張っていきたいですね。
―― プラーナでは、どんな人が活躍できると思いますか。
明るく、元気に、素直に、真面目に。この4つを持って仕事に向き合える人です。スキルや知識は、入ってから身につけられます。それ以上に大事なのは、会社の方針に共感して、情熱を持って取り組めるかどうか。真面目に取り組んで実績を出せば、年齢や社歴に関係なく責任ある仕事に挑戦できます。実際に、30歳を前に事業部の責任者になった仲間もいます。私自身、アルバイトから始めて事業部長になりました。
―― 挑戦を後押しする文化がある、ということでしょうか。
そうですね。入社年数に関わらず、「こういう事業をやりたい」という声を叶えられる会社です。「将来カフェをやりたい」という社員がいれば、「会社としてどう実現するか、一緒に考えよう」と動く。実際に店を出したこともあります。熱意があって、ビジョンをきちんと語れる人であれば、会社がバックアップして新しい挑戦を後押しする。ここはプラーナの一番の強みだと思います。
―― 職場の雰囲気は、どんな感じですか。
上下関係が厳しすぎない、アットホームな会社です。若いから発言してはいけない、という空気はまったくありません。会議でもみんなが明るく素直に話しています。一足飛びに成功を狙うより、コツコツと愚直に同じことを積み重ねてきた結果が、いまの会社の規模です。真面目な人が多いんだと思います。
―― 最後に、職場選びに悩んでいる人へ伝えたいことは何ですか。
仕事は「どこでやるか」より「誰とやるか」だと思っています。給料が良くても、休みが多くても、一緒に働く人と合わなければ、毎日職場へ向かうのがつらくなる。仕事は人生の大半を占める時間です。「今日も仕事に行きたい」「明日も頑張ろう」と思える人に出会える職場を見つけることが、一番の幸せにつながるはずです。会社の経営陣や、現場で働く人の人柄をよく見て選んでください。私は人に恵まれてこの道を選びました。16年経ったいまも、この会社で働けて良かったと思っています。
株式会社プラーナでは、一緒に働く仲間を募集しています。
募集に関してはこちら
【新卒応募】
【中途応募】
千葉・東京でも同様の募集をしていますので、こちらもご確認ください。