【Innovation Partner of the Year受賞】「かけはしプロジェクト」から得た、フレクトが発揮する今後のプロフェッショナリズムとは
こんにちは。フレクト採用担当の富岡です!
この度、フレクトは株式会社セールスフォース・ドットコムが主催するパートナー向けイベント「Salesforce Partner Summit 2020 Partner Award」において、株式会社タンバリンとともに”Innovation
Partner of the Year”を受賞しました!
受賞対象の「かけはしプロジェクト」について、クラウドインテグレーション事業部 副事業部長の山本(写真左)と部長の中澤(写真右)に、プロジェクトの開発経緯やこの経験を通してフレクトが得たことなど聞いてみました。
■多彩な繋がりを目指した、革新的で先進的なプロジェクト
ー 最初に「かけはしプロジェクト」について教えてください。
山本
GROOVE X株式会社が発売している、可愛いに特化した先端技術の塊、LOVE×ROBOT=「LOVOT(らぼっと)」を世の中に届けるプロジェクトでした。
GROOVE X様はPepper(ペッパー)を手掛けた林要さんが、”可愛い”に特化したロボットを作るために立ち上げた会社です。当時でおよそ57億円の出資を集めて、3年ほどR&Dだけに費やし研究開発と製品開発をひたすら続けておられました。
そして、いよいよLOVOTを世の中に届ける段階に来た時、ECサイトでの販売、サブスクリプション契約、購入後のお客様との繋がりを続けていくことを含めて、業務を立ち上げていくためのご支援にフレクトは携わることになりました。
中澤
プロジェクト名の「かけはし」には、”多様な繋がり”という意味が込められています。またLOVOTを購入していただいたお客様に新たな体験を届けて、その後も繋がり続けていく意味も込められていると考えています。
私たちもかけはしプロジェクトに参画することで、LOVOTをしっかりとしたビジネスとして成立させる目的を通じて、ベンダー同士も密に繋がることができました。
ー このプロジェクトで受賞された賞について教えてください。
山本
今回いただいた「Innovation Partner of the Year」は、セールスフォース・ドットコムが自社製品を扱う500社以上のパートナー企業の中から、最も革新的で先進性なプロジェクトを実現した企業に贈られる賞です。
ー 500社の中から受賞ですか、嬉しいですね!過去にも受賞したことがありましたよね。
山本
はい、直近では2018年にも同じ賞を受賞しています。また2019年に、米国セールスフォース・ドットコムがサンフランシスコにて開催する年次イベント「Dreamforce2019」にて、「Salesforce Partner Innovation Award」を受賞しています。
国内ベンダーがグローバルのイベントで表彰されるのは初めてだったので、日本で一番イノベーティブなSalesforceベンダーだと認めていただいたのかなと思っています。
■線引き無きマルチベンダープロジェクト
ー どのような経緯で、このプロジェクトは始まったのですか。
山本
名立たるコンサル会社やSIerとのコンペでした。
当初GROOVE Xさんは、プライムベンダーへの一括発注とマルチベンダーのどちらのスタイルを選ぶのか悩まれていました。そこで我々は、当社がメインベンダーとなりながらも多様なベンダーと有機的に繋がり1つのプロジェクトを仕立てるご提案をしました。その結果、セールスフォース・ドットコムとタンバリンと我々フレクトの3社を中心としたマルチベンダーのスタイルでご採択されました。
ー 山本さんと中澤さんの「かけはしプロジェクト」での各役割について教えてください。
山本
一昨年2018年7月にキックオフをして、2018年いっぱいはBPP(ビジネス・プロセス・プロトタイピング)をメインでやっていました。2019年以降になると、実際に開発するフェーズで中澤を含めてサービス毎にPMを立てて進めていき、私は統括という一歩引いた形でお客様と関わり、開発は皆に任せていきました。
実際に取り組んだ内容としては、GROOVE X様は社長の林要さん以外が完全フラットな組織で、そんな組織でどのように業務を成立させるか議論をするところから始めました。この時点では具体的な業務プロセス設計やシステム要件定義というよりは、もっと大枠の抽象的な議論でした。
ー そこから始まったのですね。中澤さんの役割についても教えてください。
中澤
私は、LOVOTを購入していただいたお客様が利用するポータルサイトのPM(プロジェクトマネージャー)を担当しました。こちらはHerokuを利用して開発しました。他にフレクトが担当した大きな領域としては、GROOVE X様が管理業務を行ったりカスタマーサポートを行ったりする業務系のポータルサイトがあり、こちらはSalesforceのService Cloudを利用して開発しました。また、GROOVE X様と一緒にLOVOTそのものを管理・運用するクラウド部分の開発サポートも行い、それぞれのPMと密に連携をとりながら開発を進めました。
ー このプロジェクトでの苦労や大変だった事を教えて下ください。
中澤
販売開始時期に合わせてサービスをリリースすることが必達であり、多くのベンダー様やシステムが複雑に絡み合う中において、限られた期間で品質を達成するのに苦労しました。特にフレクトが担当したポータルサイトは多くのサービスを繋ぐ部分でもありますが、その連携先サービスも同じ期間に開発をしているため、仕様変更を管理しながら連携方式を合わせていくのが難しかったです。
連携における1つ1つのインターフェイスで、機能を実現するための組み合わせの調査や、エンドユーザーに提供できる価値について常に考え、他のベンダー様と一緒に丁寧に進めていきました。
ー 山本さんからも、プロジェクトについて何か教えていただけますか。
山本
このプロジェクトの特徴的だった点は、線引きをできるだけしないというマインドでベンダー全体がお客様の立場に立ってプロジェクトを成功させたことです。
マルチベンダーのプロジェクトの場合、責任範囲をお互いに線引きし合うことが多いです。そうするとお客様としてはグレーゾーンができてしまい困ってしまいます。ただ今回は、ベンダー間が有機的に繋がれた点が良かったと思っています。我々も開発規模の大きいメインベンダーとして、GROOVE Xさんの立場で全体最適の提案も都度実施し、成功へと近づけました。
― 苦労したことなどはありますか?
山本
純粋な苦労話で、日々、要件仕様が変わった点です。
BPPでシステム要件まで落として開発してみるものの、充分に煮詰まりきっておらず停滞したり、お客様のビジネス状況が変わって白紙になったり、ということも起こりました。すでに作ったものに変更が入ることもありましたが「じゃあ、今後どうしていきましょうか」とビジネスを成立させる為にお客様と一緒になって知恵を絞りました。ベンダー各社にとっての影響範囲も多岐に渡るので、お客様の要件が変わった際に全体の整合性を取りながら進めていく部分はとても苦労しました。
■癒しを届け、知見と信頼をさらなる強みへ
ー プロジェクトについて周囲からの評判はどうですか。
山本
身近なところで言うと、「LOVOTはうちがやっているんだよ」と家族に伝えると「すごい!」と言われるので自慢しています。
我々の仕事は、お客様の名前が出せないことも多く、企業の中のシステムを扱う場合にはなにをやっているのか人に伝わりにくいことが多々あります。しかし今回は、LOVOTという製品自体が魅力的、先進的でTVなどでも多く露出していますし、加えてAwardを受賞したこともあり表立って言えます。
中澤
新型コロナ禍によるステイホームの中で「LOVOTにとても癒やされている」といったお声を聞けたりすると、純粋に嬉しく感じます。LOVOT自体をつくったわけではありませんが、影ながらご支援させていただいた達成感や充実感があります。
ー このプロジェクトを通してフレクトが得られたことはありますか。
山本
2つあります。
1つ目は、技術的な挑戦をしてテクニカル面で得るものがあったことです。例えばGoogle Cloud Platformで一部Go言語での開発をしました。またタンバリン社からECのノウハウを学び、開発ナレッジを身に付ける機会にもなりました。
2つ目は、大規模プロジェクトを行う組織的なケイパビリティが身につけられたことです。プロジェクトの受注当時は、数億単位のプロジェクト予算と自社の企業規模を比較して実現できるのだろうかと思いましたが、現在は同等規模のプロジェクトが珍しくないです。
中澤
その他には、ポータルサイトの開発を通じて、様々なサービスとの連携の技術を実際に組み込めた点です。特にサブスクリプションや決済については、他のプロジェクトに横展開できる知見が得られたのは大きいと思っています。
また、プロダクトリリース後もお客様から「フレクトさんは全体的な視点で見ていてくれていますね」と信頼を得られている点も大きいと思います。
■ECのプロフェッショナリズムを発揮し、新しい価値提供へ
ー「かけはしプロジェクト」の経験を、今後フレクトではどのように活かしていきたいですか?
山本
ECサイト構築の経験を、自社のケイパビリティに繋げていこうと今まさに手掛けている途中です。
フロント側だけではなく、注文や在庫管理から発送、決済といった裏側の仕掛けの知見が今回のプロジェクトで得られました。それを活かし、今年の4月にECサイトの構築サポートを大々的にリリースしました。今後、クラウドインテグレーション事業のサービスの1つとして拡充していきたいと実際に動き出しています。
中澤
サブスクリプションや決済など様々なービスを利用した知見が、他のプロジェクトでも役に立っており、お客様へのご支援の範囲が広がったのは強みと感じています。また、ベンダー様やシステムの境界を意識しながらも一歩踏み込んで相手のことを考え、新しい価値を生み出すチームとしての進め方を実践した経験も大きかったです。
山本
単なるインテグレータではなく、より一層お客様のビジネスにコミットし、クラウドの技術知見に加えてECサイトやサブスクリプションのビジネス知見を活かしていきたいと考えています。
フレクトは、2005年に創業し、現在は国内屈指のクラウド・ネイティブ・インテグレータとして新たな成長に挑戦しています。 クライアントに対して利益拡大に向けての提案をしていきたい方、クラウド業務経験が少なくても学ぶ意欲がある方、責任感を持って自発的に行動できる方は大歓迎です!
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