長女として生まれ、親に迷惑をかけないように「しっかりしなきゃいけない」と過ごしてきました。そつなくなんでもこなせることから、学校でも優等生キャラ。そんな自分の性格や周りの目から「よりしっかりしないと」という思いが強くなったといいます。そんな彼女の価値観が変わったエピソードと現在の自身に対する考えについて様々伺ってきました。
<インタビュワー:常世田>
廣重明理/プランニング&ディレクション本部 ディレクション部
専門商社での営業職を経て、2019年4月にD2C R中途入社。音楽と海外旅行とインターネットが好きで、休日は趣味に没頭中。
自分のやりたいことをすればいい。留学を経験し、変わった価値観。
常:優等生キャラというところで!しっかりしている印象はありますよね!
廣:幼少期はそうですね笑
自分ではあまりそういう感覚はないのですが、長女だからか責任感の強さ?はもともと備わっていて、そう思われることが多かったです。
あまり怒られていることに慣れていないというか、怒られるのがあまり好きではないのでしっかりしなきゃという思いはずっと前からありました。
常:(…わかるなぁ。)怒られたエピソードで何か印象に残っていることはありますか?
廣:怒られたこと…なんだろう。兄弟喧嘩して怒られるとか笑
弟と妹がいるのですが、喧嘩をすると必ず年上である私が怒られていました笑
どちらかというと褒められるのが好きだったので、経験を積む中で悪いことをするよりはいい子でいたいという気持ちが強まってましたね。
あとは責任感かなと。親が苦労して自分たちを育ててくれているのを幼心に感じていて、親にこれ以上迷惑をかけられないと思っていたので、私がしっかりしなきゃという思いもありました。
常:いまの廣重さんの原点がわかった気がしました。
そして、学校内のアンケートでも他者評価がすごかったと。※○○になりそうな人ランキング など
廣:そうなんです。ほぼ全部の項目にランクインしていて…。派手でもなく地味でもなく、ずば抜けて人気があるわけではなかったのですが、なんとなく認識はされていてそれがアンケート結果に出てるかなといった感じです。セレブになりそうな人にランクインしていて、それはよくわからなかったですけど笑
常:でもそのお友達の気持ち何となくわかるかもしれないです笑
いまの価値観を形成したのはやはり幼少期ですか?
廣:いえ、留学していた1年間が大きいですね。留学するまでの自分はなんでもしっかりしていなきゃいけないといった固定概念があって、自分の中で苦しく感じていた部分でした。
ですが、1年間マレーシアに行って、いろんな人に出会う中でこれまで持っていた価値観が崩れたタイミングでした。それこそ幸せの基準もだいぶ下がって、毎日ご飯が食べれて、仕事があるだけで幸せみたいな。友達のお家にホームステイに行ったりもしたんですけど、お湯がでない家で。笑
常:そういう環境ありますよね…。
廣:でもみんな楽しそうに暮らしていて。
あまり金銭的に決して余裕があるわけではないはずなのに、私が遊びに行くとご馳走と手土産で大歓迎してくれてそれがすごくうれしく感じました。
その他にも、限られた環境の中でも自分のやりたいことを何とか実現しようと貪欲にチャレンジする現地人の友達や、家族のために母国を飛び出して出稼ぎに来ている友達、日本で安定した職に就くことを捨てて海外生活にチャレンジする日本人等、いろんな人に出会いました。
その中で、何も周りが求める優等生でいることが全てじゃない、自分の欲をもっと表現してもいいのかもって価値観をひっくり返された1年でした。日本に帰ってきてからは、今まで抱えていたストレスがなくなりましたね。自分が思い立ったら行動すればいいという考えになったというか、アクティブになりました。
常:いい経験ですね!それで就活は海外で働きたいという軸があったんですかね?
廣:海外の人と働くや海外駐在に行くなどのイメージで商社を見てました。
あとはエンタメが好きだったので音楽業界とか。地方で就活をしていたのもあって周りの友達は公務員やメーカーに就職をする人がほとんどで、私は広告やITに興味はあったものの周りの環境もあって結果商社を選びました。
東京という風土が自分の「やりたい」を味方した。
常:商社もなかなか大変な仕事のイメージがあります…!
廣:そうですね。
基本的に部品を調達し自社工場で物を組み立てて、それをお客さんに納品するという仕事内容でした。在庫を最小限に抑えつつ、部品の仕入れや生産スケジュール管理を求められる環境で、とてもプレッシャーを感じながら取り組んでいました。海外に工場があるのでそことやり取りをするんですけど、国によっては在庫管理が煩雑で部品が急に消えることもしばしば。急いで仕入れ先に電話して取り寄せるんですが、すぐには手に入らないということもよくありましたね。
常:(胃が痛くなる…。)前職は何年間在籍されたんですか?
廣:ピッタリ3年間ですね。2年目くらいに転職を考え始めました。
常:どういうきっかけでITに行き着いたんですか?
廣:自分が好きな音楽を誰かに発信するようなことを将来やりたいと思っていて、それがきっかけでした。音楽業界も考えたんですけど、音楽って自分の中でのエンタメなので、仕事で絡んでしまうと嫌いになってしまうんじゃないかと思い選択肢からは外しました。
その周辺の業界でサポートできるような会社がいいと思って広告とPR系をメインにエントリーし、最終的にD2C Rで内定をもらったので入社を決めました。
常:いきなり自分のやりたい方向へ動き出したイメージなのですが、そのきっかけは何かあったのでしょうか?
廣:そうですね。前職では自分に何ができるのかというのを考えて商社の営業で入社しました。だけど扱っているモノに全く興味はなくて、そこで働いていたいかと言われれば違うんですよね。ということがあり、つらくなってしまったタイミングがあって。
東京に出てきてからいろんな人に会う機会があり、自分の夢に近いものを追い求めて転職している方の話を聞いて。東京という風土なら私にもできるんじゃないかと。かつ、IT業界は柔軟な考えを持っている人も多いし、私も新しいことが好きなので馴染めるのではないかと思ってチャレンジしましたね。
器用貧乏であることの承認。自分を認めることができたMVP。
常:D2C Rでのチャレンジはどうですか?
廣:そうですね。運用部に入って1年半くらいの時に部署のMVPをいただきました。その時は複数案件を担当していて、かつ新人メンバーも多かったので同時に教育も求められていた時期でした。みんなヒーヒー言ってましたしね笑
そこでの処理能力の高さというか、大きな案件を担当しながら教育もして、事故もなく遂行できていたことを評価いただきました。
常:素晴らし…。安定感という表現は廣重さんにピッタリな印象です。
その表彰を受けてどういう風に思いました?
廣:私、器用貧乏であまり自分の取柄がわからなく、大きな成功体験もない。ただそんな自分に満足できていなかったんです。1人で任せられるようになったから満足というタイプではなく、他の領域でもそつなくまんべんなくやりたいと思うタイプで。実際やれているところもあるんですけど、あまり自分に自信がなかったんです。
ですが、改めてMVPに選んでいただき、廣重さんのこういうところがすごいと思いますと言ってもらえて単純に嬉しかったのと、自分が積み上げてきているものが無駄じゃなかったのかなと感じました。あとは上司に対する信頼度が上がりました笑
常:素敵ですね笑
廣:ミスをしてから頑張って評価されることはありがちですが、そつなくこなしているタイプってあまりフィーチャーされにくく、仕事をしていても満足感を得られないという話をちょこちょこ聞きます。
常:なんとなくわかります。
廣:私もそれに似た感情を感じていて、自分ちゃんとできているのかな?と不安だったんです。そんな中でMVPに選ばれそれが払拭されて。もっと自分に自信持ってもいいかなって思いました。
常:なるほど、確かに。他者からの評価もそうですけど、自分の中で認めてあげるプロセスがめちゃめちゃ大事だと思っていて。それをMVPを通して経験できたのはよいなと。
廣:そうですよね。やっぱり周りからの意見やアドバイスがないと気づけないものなので、それって会社で働いてる醍醐味だなと。ちょっと前にフリーランスが流行った時期があったじゃないですか?私もフリーランスになってやるぞ!って色々調べた時期はありました。
常:そうなんですね!?!?笑
廣:転職のタイミングで、それこそ音楽関係のライターとかコーディネーターとか頭によぎったんですけど、やっぱり会社という組織に入ってよかったなと。自分の成長にはこのようなできごとがすごい大事だなって言うのはとても思いましたね。
正直に、誠実に。仕事に向き合っていく。
常:最後に廣重さんが大事にしていることについて知りたいです。
廣:パッと思いつくことでいうと、チームメンバーには正直でありたいと思ってます。
自分のミスってどうしても隠したくなるし、できれば見つけられたくないって思っちゃうんですけど、隠すことはやっぱり良くないですね。
新卒の時に自分はなんとなくできると思いながら仕事をしていたのですが、ミスをしてしまい…。隠した時があったんですけど、その後先輩に見破られて怒られ、言えばよかったなという経験がちょこちょこあって笑
今はちょっとでもまずいことがあればメンバーや上司に必ず共有していて、新卒の子にも隠していいことなんて何もないよって伝えてます。あとは、即レス即報告はもちろん、途中経過を報告してアドバイスももらってます。
常:基礎力の高さがわかった気がします笑
廣:予防線をすごいはるタイプというか、パーフェクトなものを一発でだせるとは思っていないので…。
常:でもそれができる人とできない人がいますし、それが廣重さんの強みなんだろうと思います。
廣:なので運用という仕事は自分に合っているんだと思ってます。
不正確な情報は伝えたらいけないし、確認しなきゃいけないところはいっぱいあるし、やる量もたぶん多いと思うんですけど、そこがうまく積み重なってるのかなと。
あとは、全国の器用貧乏さんと共有したいですね。この思いを。
常:いいですね笑 僕もどちらかというと器用貧乏なのでわかります。
廣:たぶん視野が広いんでしょうね、器用貧乏さんって。
だからなんか空気もちゃんと読めるし、このタイミングでは自分が必要とされてるという感覚は持っていて。そんな人だからこそ組織には必要とされる存在なんだなと思いますし、自分のやりたいことを素直に感じて、自分にも正直に行動していければいいなと思います。
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器用貧乏であるからこそ、必要とされること、できることがある。D2C Rにきてそう感じるようになりました。その大きな力を今後は組織に還元していきます。
今後ディレクション部の土台はより強いものになると確信できたインタビューでした。