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海外事例で学ぶデータ活用最前線|株式会社GEOTRA 公式note|note
はじめに
近年、民間企業による人工衛星の打ち上げが急増しており、それに伴い人工衛星のデータを活用した新たなビジネスも次々と生まれています。
本記事では、人工衛星や位置情報データをAIで解析し、経済・環境・安全保障の分野で活用している米国のプラットフォームの事例をご紹介します。
地理空間データ分析プラットフォーム:Orbital Insight GO
Orbital Insight GOは、Orbital Insight社(米国)が提供するAI搭載の地理空間データ分析プラットフォームです。
人工衛星やドローン、携帯端末の位置情報などのビッグデータをAIで解析し、経済・環境・セキュリティなどの分野で活用できるインサイトを提供します。
- 対象ユーザー:政府機関、金融機関、小売業、エネルギー業界、防衛産業など
- 活用データ:衛星画像、モバイル位置データ、センサー情報、地図データ など
- 提供形態:クラウドベースのプラットフォーム(SaaS)
▼Orbital Insight GOの紹介動画
GOの主要機能

図1: GOの主要機能
当社作成
①人流データ解析
概要:モバイル端末の位置情報をもとに、人や車両の移動を解析
活用例
- 小売業:ショッピングモールの来店者数を分析し、マーケティング戦略を最適化
- 都市計画:交通渋滞の発生場所を特定し、道路整備計画に活用
- 国防・治安:国境付近の不審な動きを監視し、不法越境や密輸を検知
人の動きを分析する動態分析では、携帯電話のGPSを利用して該当エリアにどれくらいの人数が存在するのかを把握します。
対象のエリアを選択し、該当エリアにどの程度の人数が存在したのか時系列で把握することが可能です。

図2:沖縄県「波の上ビーチ」における動態分析
出典:Orbital Insight JAPAN HP

図3:上海の市街地を走行・駐車中の自動車を検知(青色部分)
出典:Orbital Insight JAPAN HP
②施設・インフラ解析
概要:衛星画像をAIで解析し、施設や建物の変化を自動検出
活用例
- エネルギー業界:石油タンクの貯蔵量を監視し、原油市場の動きを予測
- 建設業:工事の進捗状況をリアルタイムで把握
- 軍事・防衛:軍事施設の変化を分析し、リスク評価
以下の図では、衛星によって撮影された世界中の石油タンクの映像をもとに、独自の技術により石油タンクの蓋に映し出された影を分析して、世界中の石油備蓄量の推計を行っています。

図4:世界中の石油タンクの備蓄量を推計
出典:INTERNET Watch HP

図5:船舶の種類を分析、防衛分野や不審船の検知にも活かすことが可能
出典:INTERNET Watch HP
③土地利用・環境モニタリング
概要: 農地、森林、都市開発の変化を検出し、環境や経済活動の影響を分析
活用例
- 農業:作物の生育状況を監視し、食糧供給を予測
- 環境保護:違法伐採や森林火災の早期発見
- 不動産投資:新規開発地域の動向を把握し、投資判断に活用
森林や河川、建物などを色分けして土地の利活用の分析を行えるほか、洪水など災害が発生したときに氾濫した範囲を特定したり、森林伐採が行われているエリアを検出したりすることが可能です。

図6:土地の利活用を分析することが可能
出典:INTERNET Watch HP
④サプライチェーン・物流解析
概要: 工場、倉庫、港湾のデータを分析し、物流の流れを可視化
活用例
- 貿易:世界の港のコンテナ積載量を分析し、貿易動向を予測
- メーカー:工場の稼働状況を監視し、サプライチェーンのリスクを回避
- 金融機関:製造業の生産動向をもとに、株価の予測に活用

図7:Orbital Insight GO で福岡県郡山市周辺・工業地帯をモニタリング
出典:Orbital Insight HP
Orbital Insight GOの活用事例: Unilever社
英大手消費財メーカーのUnilever社はパーム油のサプライチェーンの透明性向上を目的に、Orbital Insight GOを導入。
人工衛星画像や位置データを活用し、供給元の農園や製油所の実態を可視化しました。
主な活用方法
1.人工衛星データとAIを活用し、農園・製油所を特定
- 取引業者が提供する情報と衛星画像データを照合し、実際の生産拠点の位置を特定
- 供給業者が申告していない施設も発見可能
2.トラックの移動データを分析し、原材料の流れを把握
- 携帯端末の位置情報や物流データをもとに、パーム油の供給ルートを分析
- 違法伐採や不正取引が疑われる地域を特定
3.環境破壊リスクの検出
- 森林の減少や土地利用の変化をリアルタイムで監視
- 違法伐採や農園の拡大による森林破壊の兆候を察知し、対策を講じる
導入の効果
✅ サプライチェーンの可視化率向上
以前は供給元の約40%しか把握できなかったが、導入後は約80~90%のサプライチェーンの透明性を確保(※概算であり、正確な数値は未公表)
✅ 違法伐採リスクの早期検知
短期間で違法伐採や環境破壊が疑われる農園を特定し、サプライヤーとの契約見直しを実施
✅ 持続可能な調達の促進
環境や倫理基準を満たした業者を特定し、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを強化
Unilever社はOrbital Insight GOを活用し、パーム油サプライチェーンの透明性を向上。
環境負荷の低減と持続可能な調達を実現し、ESG経営を強化しました。
当社での取り組み
当社では、個々の移動経路や目的・手段を再現(モデリング)した「GEOTRA Activity Data」を提供しています。
このデータは、人の移動を詳細に把握できる「非集計トリップデータ」であり、仮想的な人流データを活用することで、シミュレーション予測が可能です。
さらに、KDDI Location Dataや公的データを活用し、複数のデータ加工・プライバシー保護技術を組み合わせて、都市の人の動きを再現する「デジタルツイン」を構築しています。
この技術は、まちづくり、交通、土木、観光、防災など幅広い分野で活用されています。
詳しくは、当社ホームページの「提供サービス」ページをご覧ください。
株式会社GEOTRA(ジオトラ)
最後に
ここまでご覧いただきありがとうございました。
本記事では、米国の地理空間データ分析プラットフォームについてご紹介しました。
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