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鳥取県とGEOTRAが推進する、交通課題解消のためのデータ活用【GEOTRA最新情報#3】

はじめに

今回は、GEOTRA最新情報として、2024年2月13日に開催した鳥取県×GEOTRAのWebセミナーの概要をご紹介します。

本セミナーでは、鳥取県様と共同で取り組んだ地域交通課題のためのデータ活用のご説明の他に、パネルディスカッションやQ&Aセッションなどを通して、交通課題解決×データのポイントや今後の展望について議論しました。

\\アーカイブ動画はこちらから!//

背景:鳥取県内の観光客の増加と渋滞対策

人口が全国最少の鳥取県にとって、財政面を考慮すると観光業は非常に重要です。
観光地の一つである鳥取砂丘では、大型連休時には1日2〜3万人が訪れ、周辺の高速道路や国道と鳥取砂丘を結ぶ道路では渋滞が発生しています。

図1:鳥取砂丘周辺の交通渋滞のイメージ
出典:鳥取県様セミナー資料より引用

鳥取県は、鳥取市を主体として国土交通省や鳥取県警と連携しながら大型連休期間の渋滞対策を行ってきました。
具体的には、臨時駐車場の設置やシャトルバスの運行、交通誘導員の配置、案内看板の設置、ライブカメラを通しての渋滞情報の発信です。

一方で、こうした対策は対処療法的なものであり、原因療法での解決に繋げていく必要があります。

図2:現在の鳥取市を主体とした渋滞対策の取り組み
出典:鳥取県様セミナー資料より引用

鳥取砂丘近くでは、令和6年にキャンプ場のリニューアル、令和8年にリゾートホテルの開業が見込まれており、インバウンド需要を含め、より多くの観光客が来訪することが見込まれます。

このような状況下、データを活用した渋滞対策の検討が開始されました。

図3:鳥取砂丘周辺観光マップ
出典:鳥取県様セミナー資料より引用

現状、鳥取砂丘の来場者数のデータや交通センサスデータ等が活用されてきましたが、従来、活用されてきたデータは局所的・断片的で、誰が・どこから・何のために訪れているのかといった詳細な分析が出来ず、根拠の乏しい結論を導くだけでした。

そこで、効率的なビッグデータを活用すべく、GEOTRAとのプロジェクトが始動しました。本プロジェクトは交通工学的見地を有する鳥取大学の先生方にもご協力頂きながら、産官学連携で推進しました。

図4:交通課題解決のための取り組み体制
出典:鳥取県様セミナー資料より引用

鳥取県×GEOTRAで導く答えとは?

GEOTRAの役割

GEOTRAは、鳥取県を対象エリアに、来訪者の属性やOD情報、移動手段、移動目的等を詳細に分析可能とする、GEOTRA Activity Data(以下、GAD)を生成しました。
GADでは、高速道路や国道だけでなく、市道レベルまで交通流が可視化されています。

図5:鳥取県全域の交通流再現データ、鳥取市周辺
出典:鳥取県様セミナー資料より引用

説明責任を果たす上で、“データの精度”が問われるため、鳥取県内各地に設置されているトラフィックカウンターデータ(定点観測でその地点を通過する車両台数を計測するシステム。以下、トラカン)と、GADを突合の上、比較検証し、GADの一定の有意性が確認されました。

図6:地点毎のGAD精度検証のイメージ図
出典:鳥取県様セミナー資料より引用

一定の精度が確認されたGADを用いて、交通課題を抱えるエリアに着目した分析をおこないました。
例えば、鳥取砂丘を訪問する観光客の鳥取砂丘訪問前後の立ち寄り先を可視化しました。下の図の通り、鳥取砂丘から約6km離れた鳥取駅周辺に、県による施策検討時の想定以上の人数が滞留していることが確認されました。

県では、同結果を踏まえ、従来は道の駅を中心に臨時駐車場や迂回路の案内チラシを配架し、交通が集中しないよう呼びかけをしてきましたが、次年度以降は、鳥取駅周辺のホテルや飲食店においてもチラシを配架するなど対応を強化することとしています。

図7:鳥取砂丘観光客が砂丘訪問前後に立ち寄る先
出典:鳥取県様セミナー資料より引用

具体的施策と今後の街づくり

鳥取県では、GADを用いて、交通渋滞時の現状把握や道路通行止め時の周辺道路への影響の把握、道路整備効果の可視化、渋滞緩和に向けた施策検討を行う等、様々なテーマでご活用頂いていますが、それ以外にも、バス路線・時刻表の最適化や空港からの二次交通の有り姿の検討等、公共交通部門での利用も進んでいます。

コロナ禍を経て、各地の観光が再び活性化している中、多くの自治体が、大型連休時の観光地における渋滞や市外地域における慢性的な渋滞等の交通課題を抱えています。
このような課題の解決に向けて、交通需要を評価する為に、人流データをはじめとしたビッグデータの活用がより重要となっています。人流データを用いて人々の行動を予測し、適切な資源を適切な場所に配置していく、そんな街づくりがこれから必要になってきます。
限られた予算の中で、産官学が連携し持続可能な観光地のあり方を考える、そのプロセスの中で、GEOTRAは大きな役割を果たしていきます。

鳥取県×GEOTRA−パネルディスカッション

パネルディスカッションでは、以下のテーマを中心に、まちづくりに携わるGEOTRA、鳥取県様の議論を展開しました。

図8:パネルディスカッションテーマ
当社作成

詳細に関しては、ぜひ本セミナーのアーカイブ動画をご覧ください!

最後に

ここまでご覧いただきありがとうございました。

本セミナーでは、大型連休時の鳥取砂丘周辺の交通渋滞を解消するための取り組み、そして今後の展望について、具体的な事例を交えてご紹介しました。

GEOTRAでは、独自の個人情報保護技術により、人々の動きや行動目的などが高粒度に可視化された人流データGEOTRA Activity Dataをご提供しています。更に人流データのご提供に留まらず位置情報データ全般に関する利活用促進のためのご支援を行っております。

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