What we do
私たちGramEyeは、AIや画像解析技術を活用して医療の課題に取り組む、大阪大学医学部発ベンチャー企業です。現在、グラム染色の工程を自動化することによって、すばやい菌種推定を可能にする機器を開発しています。
■開発内容■
・菌種推定AIの開発
・グラム染色ハードウェアの開発
【グラム染色とは?】
グラム染色とは、菌種を特定するための手段として、広く実施されている微生物検査です。感染症検体をプレパラートに固定し、3つの染色液で菌を染め上げ顕微鏡で観察、色や形状から菌種を推定します。グラム染色は、細菌を特定するために有効な手段ですが、非常に多くの時間とマンパワーを要します。医療機関で行うと数日~1週間は時間がかかってしまう状況にあり、グラム染色が実施されている医療機関はごくわずかです。
【薬剤耐性菌とは?】
上記のような事情から、感染症疑いの患者が来院しても、医療機関は原因菌種を特定することができません。そのため、検査がなされることなく広域抗菌薬が投与されている現状があります。原因菌種を特定できないために、
・本来、抗菌薬の必要ない疾患に抗菌薬が処方されている
・多くの菌種をカバーしなければならず、広域な抗菌薬が処方されている
といった問題が生まれています。
抗菌薬の投与は、本来薬が効くはずだった菌に突然変異を生じさせ、薬が効かなくなる菌、つまり薬剤耐性菌を生み出します。ほかにも薬剤性腸炎、CDI等の重篤な副作用ももたらす可能性があります。
私たちは、菌種の特定と適切な薬の処方が医療機関でしっかりと行える環境を整えることを目指しています。
■グラム染色AIの開発■
私たちが現在開発を進めている「グラム染色AI」は、AIと画像解析技術を組み合わせることで、手間と時間がかかるグラム染色から判定までの完全自動化を実現します。また、ハードウェアと連動させることで最短5分程で識別までを完了させます。医療機関においてスピーディな菌種推定ができれば、広域抗菌薬を投与する前に適切な診断が可能になります。
■開発の今後■
現在機器は試作段階。これから量産機の開発を目指します。将来的には全国の医療機関に導入していただき、臨床現場を支える力になりたいと思っています。医療機器なので薬事承認を取る必要があるなど、やらなければならないことは多いですが、一つ一つ取り組んで、しっかりとした製品として市場に出していきたいです。
■さまざまな検査への応用を目指す!■
現在私たちが開発している機器は細菌特定のためのものですが、グラム染色自体はウイルス検査への応用が可能です。新型コロナウイルス判定にも有効な手段なので、コロナ禍を解決に導く手段としても確立を急ぎたいと考えています。
Why we do
■AIを使い薬剤耐性菌に取り組む■
薬剤耐性菌の出現は抗菌薬の使用によって必ず生じる自然現象です。私たちは、世界中の医療現場で抗菌薬が本当に必要な感染症患者にだけ処方される世界を目指します。
■薬剤耐性菌の持つ課題へ挑む!■
グラム染色は時間と手間がかかる検査です。そのため、医療現場では「微生物検査技師への過剰な業務負担」「広域抗菌薬投与による病院の原価負担の高額化」「入院期間の長期化」の3つが大きな課題となっています。
私たちは、グラム染色AIとハードウェアの開発を通じてこれら全ての課題にコミットし、抗菌薬を必要とする全ての方へ行き渡る世界を創ります。
How we do
■私たちの強み■
私たちの強みは、医療業界で大きな課題となっている薬剤耐性菌に真正面から取り組んでいること。また、専門性の高い事業開発メンバーや、検査技師・薬事アドバイザーなど優秀な方たちと同じゴールを共有しているのも、事業の安定につながっています。私たちの事業の成長性と革新性が評価され、多くのコンテストでの受賞を経験し、助成プログラムにも採択されているなど、大きく注目されています。現在すでに資金調達を完了していることもあり、ベンチャーながらしっかりとした開発環境を構築しています。
■メンバーについて■
10名ほどのメンバーが活躍しています。事業開発チームや検査技師チーム、エンジニアチーム、外部薬事アドバイザーが一丸となって開発に取り組んでいます。大学発ベンチャーということもあり、20代のメンバーや学生も活躍しています。
ほかにも、機械学習に必要な情報を集めるためのアノテーションに携わる方達を雇用することもあります。
■働く環境■
オフィスは大阪府茨木市にあります。実機を触っていただく必要があるので、基本的にはオフィスに出社できる方が望ましいです。
組織内ではオンラインでのコミュニケーションが中心です。非同期的なやり取りも柔軟に取り入れ、ミーティングなどは最小限にしています。メンバー同士は仲が良く、プライベートで飲みに行くこともあります。