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【花谷 愼也】未来の会議を変える。5人家族を支えるサラリーマンの挑戦


花谷 愼也(はなたに しんや)。本業では新素材開発に従事しつつ、社内副業制度を利用して『RICOH PRISM』プロジェクト(「最大化されたチームワークを体験する」ための、映像や音を駆使した空間づくりプロジェクト)に参加。ブレスト支援ツールである『Brain Wall』の開発に携わる。


「うん、変えたい。やる」

ーーRICOH PRISMとの出逢いはどういったものでしたか?

花谷:かつて同じ部署だった後輩に誘われたのがきっかけです。

「花さん今暇ですか?」みたいなラフな問いかけから、「今の会議かえたくないですか?」と。その後輩を信頼していたし、何より楽しそうだったので、その場で「うん、変えたい。やる」と即決しました。

未来の会議室を作るという話だったので、最初は「エンタメ寄りの話かな」と思っていました。そうであれば自分の興味がある分野とは少し違ったのですが、「ただの遊びの場所にはしたくない」と言ってくれたんです。それも参加を即決できた理由でしたね。

ーーそこから社内副業制度を用いて参加されました。花谷さんくらいの年次の方(入社18年目)が社内副業制度を利用することに、周囲の反対はなかったですか?

花谷:あまり反対はなかったですね。部署のリーダーとの関係がすごく良かったので、話しにいく前から絶対参加を認めてもらえる確信がありました。

とはいえ説得の際には「本業に迷惑かけへんよな。好きなことだけやったらええんちゃうぞ」と脅されはしましたね(笑)。「絶対に本業に迷惑はかけません!空いた時間でやります!」と宣言して乗り切りました。



ーー最近では社内副業に関する捉え方は変わってきていると思いますか?

花谷:当初(2018年)とはかなり変わったと思います。

今の私の部署では、むしろ「絶対に副業をしろ」くらいの雰囲気があります。実際に面談の目標設定の中にも「副業すること」のような項目が入っています。結果として、副業している人はやはり多いです。

これは、自分のように社内副業制度を利用している人たちが、本業にも良い影響をもたらしているからだと思います。自分もその一端を担えたと思うと嬉しいですね。

ーーRICOH PRISMチームメンバーの印象はいかがですか?

花谷:すごい。とにかくすごい。すごいしかないです。

私は入社当初からずっと沼津事業所に勤務しています。狭い世界に居るんです。なので、ちょっと勘違いして「自分は優秀なんじゃないか」くらいに思っていました。

でもRICOH PRISMの開発に携わるようになって、正直けちょんけちょんにされましたね(笑)。メンバーが若いのもあって、吸収が速くてすごい勢いで伸びていく。

そして何より、全員が主体的に動くんですよね。「それは言われてないからやりません」みたいなことが全くない。これは本当にすごいなと思います。

リコーは組織が大きくなる中で、「上の人の言うことを聞いてれば仕事が回る」という素晴らしいシステムを作ってきたと思っています。でも、そのおかげで自分で考えない人も増えてしまった。

そういった中でRICOH PRISMの開発メンバーのような人たちに囲まれると、良い刺激をもらえます。



やらせるではなく、やってもらう

ーーRICOH PRISMの開発への参加は、本業での仕事観にも影響を与えていますか?

花谷:はい、すごく大きな影響がありますね。これまでは自分のチームメンバーに対して、「俺が決めるからその通り動け」っていうスタンスで仕事をしてきたんです。ですが、RICOH PRISMの開発に携わる中で、「自分で考えてしっかり行動するメンバーがいる時には、この考え方は危ないな」と気づきました。

本当に優秀なメンバーばかりなので、私がやるべき仕事は「お互いを応援するような雰囲気をつくる」、「メンバーが迷わず進めるように少し背中を押す」。これだけなんです。それだけで、どんどん仕事を進めてくれるんですよね。これは私のキャリアにおいて初めての経験で、すごく刺激になりました。

こういった経験から、本業でもこういうチームを作りたいと思うようになりました。なので、チームメンバーには「やらせる」んじゃなくて「やってもらう」。それを意識していますね。

ーー本業にはうまく活かせていますか?

花谷:今のところ順調です。まず、基本的に私が持っている情報を全部出すようにしました。これは、RICOH PRISM開発チームのリーダーがやっていることを真似したものです。

くわえて、報告を待つんじゃなくて、なんでもすぐに私から相談する。「私はあなたの事を信じてるから全部伝える。だから何かあったら言ってね」というスタンスです。それが上手くいっている気がします。

若手は本当にすごくて、そういった環境を作ってあげると、今まで意見を言っていなかった人もちゃんと言ってくれるようになるんです。上の人が率先して環境をつくることが重要だと痛感しました。

会社の業績が良くない今、これまでの「去年と同じことを繰り返せば良い」というやり方ではダメだと思っています。新人は「会社を変えよう!」っていう熱い想いを持って入社してくれるのに、「まず1年は言われたことをやって…」というのは違うんじゃないかなと。

そういう新人の想いを消さないような環境づくりをしていきたいです。

みんなに笑顔で居てほしい

ーーRICOH PRISM開発における目標はありますか?

花谷:まずは『Brain Wall』というコンテンツをしっかり完成させたいです。

その中で、しっかりとロジックにこだわる。抽象的な感情論ではなく「この演出にこういう効果があるんです」としっかり説明できるような体験、そして価値づくりをしたい。「楽しいだけで終わらせない」というのを意識しています。



ーー花谷さんがはたらく上での目標のようなものはありますか?

花谷:「自分自身がどうありたいか」はあまりないんです。でも、「周囲の人にどうあってほしいか」ならあります。それは「みんなに笑顔で居てほしい」です。この感覚が自分のコアな所にあるんだなと、最近思うようになりました。

飲み会の企画が好きだったり、60才で退職される方のお別れパーティーの幹事やったり、やったこともない野球の監督やったり。そういった私がしてきたことは、すべてこの「みんなに笑顔で居てほしい」に繋がっている気がします。

ーー仕事において「みんなに笑顔で居てほしい」とはどういった意味になるのでしょうか?

花谷:たとえば何かしらの開発に携わるなら、プロジェクトが終わった瞬間にみんなに笑顔で居てほしいと思っています。

完成度を上げることでお客様に喜んでもらえるなら、製作中は山程文句を言って完成度を上げるのに努めることもあります。なので、こんな偉そうなことをいいながら、短期的にはチームメンバーとぶつかってしまうことも多いですね。

ーー笑顔で居てほしい周囲の人というのは、どこまでが含まれるのでしょうか?

花谷:まずはお客様。くわえて現場で一緒に作業する人たち、設計の人たち、関わる人みんなです。でも、言うのは簡単ですが、ものづくりにおいて企画のような上流の人と、現場の人が理解しあうのは難しい。

はたらくことを考える時によく使われる、レンガ職人のたとえをご存知ですか?ただレンガを積んでいると思って仕事をするか、人々の心を落ち着かせるための教会をつくっていると捉えるかで、仕事へのやりがいが変わるという話です。

現場の人は、どうしても「レンガを積んでます」で終わってしまう事が多いんです。でもそれだとあまりやりがいがないですよね。それは嫌なので、自分がリーダーとして動く時は、現場の作業がなんのためにやっているかをしっかり伝えるようにしています。

逆に上流の人は「教会作ります」だけ言っててもダメだと思っていて、レンガの積み方を知ってほしい。レンガの積み方を知らないで最終的に教会は作れません。なので、自分が現場サイドで動く時は、上の人にしっかり現場の意見を届けるようとしています。

そんなことを考えて仕事をしていますね。…と、偉そうに言いましたが、いま答えていて初めて気持ちがまとまりました。


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