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諦めない。不屈の精神で生きる。

 皆さま、初めまして経営企画室@藤井です。私は昨年9月に入社して早くも1年3か月が過ぎようとしています。今年の12月で54歳になります。

 大手企業からオーナー経営の会社まで数社を渡り歩き数々の修羅場も経験して参りました。その中では、あり得ないくらい美味しい思いをしたこともあれば、コイツいつか海外出張中に砂漠で消してやろうか、、、と思うような事も経験してきた分、今までやってきたことの結果が人となりとして年齢とともに人相に出て来ているのでしょう。なので、私は社長をはじめ社内の皆様方から「目つきが怖い」とか「威圧感が半端ない」とか言われ続けております。w

 さて、私が社会に出てきて何の仕事をやってきたかというと、M&Aと航空機リース機材の管理が中心でした。なお、バカっぽさ全開のカバー写真の謎は本文を読み解いていくとのちに判明します。

 M&Aでは、あるゲーム機器メーカーの経営企画室に在籍していた時、生産管理部の偉い人から「筐体の製造コストを下げるのと生産工数削減をしたいから何とかならないか?」と相談を受ければ、G2Eというゲーミング機器の国際展示会にノコノコ出向き良さげな法人何社かをピックアップ。

 ショー期間中の会食や、のちにゴルフで仲良くなったあとに「あなたの会社売ってくれませんか?」とアプローチをして、アジアのプラスチック部品射出成型工場と米国の筐体製造工場を買い取り、結果として原価率を下げることが出来て利益も大幅上昇という会社にとって良い方向へ導くことが出来ました。

 他方では、商品開発部の偉い人から、「国内の映像開発委託先では人月が掛かりすぎるのでオフショアでクオリティーが担保できるVFXやCG製作の法人が欲しいから相談に乗って欲しい」と言われればE3などの国際ゲームショウへといそいそと出向き、設立5年目くらいだけどすでに大手映画会社の下請けを受注しているような米国の小規模法人を買ってきて、結果としてハリウッドクオリティーの映像チームを手に入れることが出来て、映像品質を一気にハイエンド化させた結果、受注数の大幅拡大に繋り、そんな感じで皆さんの裏方で地味に暗躍する感じのクロスボーダーによるM&Aのお仕事が中心でした。

 しかし、これらのクロスボーダーM&Aはすべてゼロから始まる渉外交渉からの業務内容なので孤独感に悩ませられることもたびたびありました。

 一方でM&A業務と並行して担当していたのは航空機リース機材管理のお仕事でした。会社は節税対策でエアバスやボーイングなどの旅客機をレバレッジドリースで運用するのですが、投資事業組合を管理する金融機関が判断を誤り、万が一経営が思わしくない小規模航空会社へリース会社が貸し出してしまった場合、リース料は支払われなくなり、ずうずしい航空会社ではリース料も払わず我が物顔で運航を続けたりするケースもあり、デフォルト(倒産)になれば、いの一番に機材を差し押さえにいかなくてはなりません。そのようなことにならないよう、保有機材が今何処を飛んでいるのか何処で重整備をしているのかなどを管理するのがミッションでした。

 しかし、ある時デフォルトになった北欧の小さな航空会社で、会社が貸し出していたボーイング767をそのままケニアを経由して第三国へ移動させ機体をバラバラにして部品として売り飛ばすという、映画ミッションインポッシブルさながらの信じられない大事件が発生します。

 その一報は投資事業組合を管理していたとある英国系金融機関から深夜に電話で知らされ、私は焦って翌朝オーナーに緊急報告すると当然烈火の如く激怒するわけです。

 「一体お前は何を管理してたんだぁぁぁぁ!この役立たずがぁぁぁ!!お前が弁償しろぉぉぉ!!(ソレハムリっす)」と管理担当の私はめちゃくちゃ怒鳴り飛ばされ、、、(汗)

「あぁぁ、オーナー企業あるあるでこれで能力不足ということで解雇かなぁ」と思いきや、しばしの沈黙のあとオーナーは真顔で「おい!お前、ライセンス取得しろ。ヒコーキ好きだろ(ハァト)」という無茶ぶり指令が飛び、業務として2年と数ヶ月米国西海岸のFAA(米国連邦航空局)管理のフライトスクールに放り込まれます。しかも通常の業務もあるためほとんど寝る間も無く、日本と米国を2週間おきに移動するという無茶苦茶な生活がスタートしました。

 しかし、元々乗り物好き・ヒコーキ好きが相乗効果となり、航空操縦士として以下のFAA(米国連邦航空局)認証資格を取得します。

◎Private Pilot License(自家用操縦士)=一番最初に目指すライセンスで17歳以上であればOK(単発のプロペラ機で取得します)取得までに90時間の講習と実機フライト

◎Instrument Rating(計器飛行証明)=外の景色を見ることなく計器だけで飛行するライセンスです。取得までに200時間の講習と実機フライト

◎Multi Engine Rating(多発証明)=双発のプロペラ機で取得しその後ジェットへ移行。ここは結構難関で最低600時間の実機訓練とシュミレーター講習で無理矢理突破

      【下の写真は思い出深い元エアカナダのボーイング767の訓練機です】

 あとは単独飛行訓練とか色々通過しなければならない関門を何とか通過。なお、このライセンス取得時のストレスとプレッシャーは半端なく頭髪は一気に抜け落ち現在に至ります。w

 本来この後は、航空会社のパイロットになるためのCommercial pilot Licence(事業用操縦士資格)というパイロット最難関のエベレスト山頂を目指すことになるのですが、私に課せられたミッションは保有機材を乗り逃げされないようにするための自家用という括りでのライセンス取得が目的でしたので私には不要です。あとは機種ごとのレーティング資格を取得することになります。

      【下の写真は常に脇の下が汗でびっしょりな多分最終見極め試験の様子です】

 字数の関係で割愛しますが、一番最初に取得したレーティングは乗り逃げされたボーイング767のレーティングです。そのレーティングを取得する過程ですっかり大型旅客機の背中にグッと押し付けられる巨大な推進力の魅力にハマった私は、いつかサラリーマンとしての務めを終えたら、米国系の航空貨物輸送会社でのんびりと貨物機を飛ばそうという想いもあり自費でボーイング777(現在は787と併用可能)のレーティングも後日追加で取得しました。ちなみに、毎年航空身体検査を受けてメンタル面も含めて動態的+身体的な問題がなければライセンスは永遠に有効で年齢制限も一切無ければ、米国の航空貨物輸送会社では何歳であっても航空身体検査とシュミレーター試験にパスすれば仕事にありつくことが可能です。

 はい、こんな感じで私は日本だけでなく海外での様々な人間模様や世知辛さを見て生きて参りました。しかし、時差を無視した無茶苦茶な生活を何年もしてきたおかげで、ある日身体を壊してあえなく退職。1年間の療養を経てから、米国のM&Aのお仕事でご一緒していた弁護士さんの有難いご紹介もあり、国内のハイヤータクシー会社の経営企画の職に就くことができました。そして、同社の海外進出のお手伝いとして米国の日系リムジン会社のM&Aに携わりそのまま気候の良いロサンゼルスに駐在してのんびりとM&A後の統合作業をおこなっていたところ、、、

「父親が倒れた。すぐ帰れ。」

 という連絡が妹からあり、慌てて帰国すると要介護待った無し状態で呆然とします。まず何から始めようか、介護ってどうすれば良いんだっけ?と全てが手探り状態の中、家族にかかりっきりの生活が始まります。しかし、家族介護のためだけに時間を割くこともできません。生活もあります。勢いで日本へ帰国したものの仕事どうしようか、、、と思っていた矢先にオファーをいただいたのがアガルートだったのです。

入社以来所属している経営企画室での業務は本来企画の立案・策定や管理など、経営に関わる課題を解決する役割を担う部署です。しかし近年、経営企画室の役割は大きく変わり新たな収益確保・拡大のために新しい収益源の創造、M&A、新規事業の立ち上げが中心となります。

 例えば、今私が担当しているのは、海外コンテンツの輸入や推進を模索して経営層と協議をおこない、承認がおりたら今度は案件を推進するために部署間の垣根を超えて調整したりと一見地道な作業が中心のお仕事ですがコツコツと積み上げていく過程は自分の性格に合っているようです。

 その中でも入社以来、社命として拝命した最重要ミッションがM&Aです。最近では猫も杓子もM&Aの仲介事業に進出していますが、仲介する営業担当にもより折角の交渉があっけなくブレイク(破談です)してしまったりということも多々あります。M&Aで企業を譲渡・買い受けるという一連の流れはある種お見合い結婚に近いものがあります。ある日突然企業文化や考えが全く異なる会社がお金を出してその会社を買うわけですから、様々な軋轢が生じることを予測しなければなりません。そして、円満合意に達したとしても一番難しいのが統合作業です。

 統合の範囲は、経営、業務、意識など企業統合に関わるすべてのプロセスに及びます。実はこれに失敗すると業績の落ち込みの誘因や従業員の離職に繋がったりしてしまうことになります。この統合作業を成功させる方法はとにかく買収先に足を使って出向きお話をすること。何も無くても通うこと。そうすることで、人は自然に向き合うものだということを、過去の経験から学びました。

 まだ実績らしい実績を出したわけではありませんが、そんな私の過去のM&Aの経験を通じ、社長がいろいろな形で少しでも具現化出来ればと汲んでいただいて出来たのが「アガルートM&Aアドバイザリーサービス」です。後継者不足に悩む米国在住の日本人経営者が譲渡先として日本企業への売却のお手伝いを担う業務や、日本国内でのM&Aが中心となります。アガルートとしてM&Aは出来ないけど、「ぜひ御社でこの法人さんをM&Aしてみませんか?」というアプローチをおこなったりします。

 このように、人と人とを会社を通じて繋いでいく仕事は人間力も問われるお仕事です。根気が必要な業務内容ですが、人間模様の模索から始まり進んでいく過程の中で本質を見抜くという駆け引きが楽しく思える私はある意味とても能天気なのかもしれません。(了)

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