Vol.3 大口顧客との出会い(2016年5月~12月)
皆さんこんにちは、このシリーズでは、ムスびが今までどの様な沿革を経て今に至るのかを、代表の水口に質問形式で当時の事を振り返って頂き、なぜその答えで進んだのか。なぜそう考えたのか。等々思いや考え方について余す事なく皆さんにお伝えしていければと考えています。
コンセプトは「どうせ働くならもっと有意義に、楽しく、充実感を持って働きたい。」です!
このシリーズを通して、少しでも弊社を気になったり、質問したいなと思って頂ければ嬉しく思います。という事で、本日はVol.3大口顧客との出会いについて質問していきたいと思います。
ついに”あの”事務所を移転する時がきたのですね!なぜこのタイミングで事務所移転されたのでしょうか。
“あの”事務所、実は父所有の古いビルでして、当時お金が全くない私は親のすねかじり枠を使い1部屋をタダで勝手に使っておりました。
といっても、8部屋あるビルの5部屋は空室だったんですけどね。
そしてこの時の引っ越し先は大きな一戸建ての、オーナー様のご自宅一階部分、25坪ほどを月10万円で契約いたしました。
余談ですが、“あの”事務所時代、PC環境は古いiPadを別売りの安いキーボードを引っ付けて使い、ネット回線は携帯のテザリングで対応しておりました。
契約しているギガ数も当然多くなく、毎月通信制限との闘いでした。
そして徐々に受注が増え、在庫が増え、前事務所では当然荷物は入りきらず。
父のビルをもう一部屋追加で無断で使用していたのですが、何十キロもある荷物を昔の鬼の急こう配階段を上り下りが相当危なく、いつか死にそうな気がしておりました。
《表向き》
いつまでも親のすねをかじっていられない
《本音》
いつか階段で死にそう
そのような理由で新しい事務所への移転を決意しましたが、当然毎月10万円は当時の私には超高額な家賃で震えておりました。
ただ、少し安定して受注が入り出したこともあり、今は自分の給料よりもまずは環境を整える事、と考え、移転を決意しました。
移転時にネット環境もテザリングからWiMAXにグレードアップしました。
電波が弱すぎてアルミ箔で自作アンテナを作っていたのもいい思い出です。
引っ越した当時、弟と二人で「広いなぁ!声が響くなぁ!」「あー!!あー!!!」とそれはそれは喜んでおりました。
2016年5月、この頃に現在も取引が続いている大口のお客様と出会いがありましたが、問い合わせをいただいた時にどのように感じていましたか?
アメリカのお客様なのですが、正直お問合せ頂いた際におっしゃる希望の数が多すぎて半信半疑でした。アジア、特に中華圏の方々からの問い合わせは「これだけの数買うから安くしてくれ」と言うところから入ってきます。
確かに安ければ注文は決まるのですが、二度目、三度目と長く続く関係にはならないため、弊社は安く大量に、のお問合せは対応しておりませんでした。
このアメリカのお客様も最初は同様のイメージだったのを覚えております。
しかし、メールや電話でやり取りを重ねていくうちにどんどんイメージが変わり、これはとんでもないお客様になるかもしれない、と日々感じておりました。初めは物を買っていただくだけの関係だったのが、現在では切っても切れない様な深い結びつきがある会社だと思います。
ここまでの関係性を築くのに大事にしていた事はなんですか?
我々だけが稼いでも仕方がない。
お客様に稼いで頂き、発注を増やして頂く事で結果我々が儲かる、と考えて会社を運営しております。
いかに高く、いかに利益が残るように買ってもらうか。と考えて商売をしていれば、それはたしかに表向き会社は潤います。
しかし長くは続かない商売だと私は考えています。
事業の内容をヒアリングし、物を売る以外に我々にできる事はないか、何が力になれるかを模索し、時には赤字覚悟の価格で、時には正直に話し少し高い価格で、となんでも話せる関係性の構築を最重要に考えております。
その一環で、単身渡米し、事業内容を詳しく聞き、日本側で何か手伝えることはないかと話し合い、現在の関係性に至っております。
※渡米時に代表が撮影した写真
※アメリカで先方の代表から事業のヒアリング。
この出会いがムスびが大きく躍進する切っ掛けになりました。
この頃からある程度売り上げの目途が立ってきたと思います。それでも当時不安だった事を教えてください。
会社を経営する上で大きな柱となる事業、得意先は何本も持ちたい物です。
一本の大きな太い柱で立っている会社は、その柱が崩れると一気に会社自体が崩れてしまいます。
この時期、人を雇用できるほどの売り上げとはなってきておりましたが、それでもやはりその一本の大きな柱の状態では、いつどこで何があるかわからないと考えると不安で夜も眠れない状態でした。
特に私一人であればなんとでもなりますが、従業員を雇用するとその子たちの生活や、楽しく毎日を送れるのか、路頭に迷わせてしまう事はないか、と全て私にかかっており、相当なプレッシャーに押しつぶされそうになりながら毎日を送っておりました。
●最後に●
長い文章をお読みいただきありがとうございました。
次回は事業が軌道に乗るまでをお伝えしていきます。
では次回も楽しみにお待ち頂ければと思います!
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※おまけ①
製品の詰め合わせセットのパッキング作業の見積もり依頼を受けた代表。
しかし当時そんな作業をやったことも無ければ見積もりを提出した事も無いため、ご自身で箱並べてパッキングのタイムアタック中。
この分からない事でも兎に角なんでもやってみる代表の精神は今尚変わっておりません。