「もっと給料が高い会社も、もっと整ったポジションもありました。」
そう語る川又さんが選んだのは、当時まだ組織として未完成だった株式会社イット。
高校時代は遊び呆け、大学を中退して水商売の世界へ。トップセールスとして700人中1位を獲得し、起業と事業売却も経験してきました。数々の挑戦を経て彼がたどり着いた答えは、「自分が成功すること」ではなく、「関わる組織を社会にインパクトを与える存在にすること」でした。
現在、営業責任者・パートナーサクセス責任者・人事責任者としてイットを支える川又さんのキャリアに迫ります。
偏差値65の進学校にいた“不良少年”。大学中退から始まった人生の遠回り
——まずはこれまでのご経歴を教えてください。
今でこそ役員をしていますが、学生時代は優等生とは程遠かったですね(笑)。偏差値65以上の進学校に通っていましたが、どちらかというと夜通し仲間と遊び呆けたりしていた典型的な表面だけ優等生を装ってました。
大学にも進学しましたが、1年生の時に「このまま何となく通っていても意味がないな」と思い、中退しました。その後は家を出て、当時付き合っていた彼女――今の妻ですが、一緒に暮らしながら昼は日雇い労働、夜は水商売の世界で働いていました。振り返ると、かなり無鉄砲だったと思います。
「営業で人生を取り戻したい」——700人中トップセールスへ
——その後、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか?
25歳で結婚を考えた時に、「このままではダメだ」と思ったんです。そこで飛び込んだのが営業の世界でした。
最初は中古車販売の店長として働き、その後は通信業界の営業へ転職しました。当時扱っていたのは、即断即決で数百万円規模の契約をいただく事務機器商材です。正直、営業経験も十分ではありませんでした。でも、自分のキャリアを取り戻すには営業で結果を出すしかないと思ったんです。結果として当時700人以上いる営業組織の中でトップセールスになることができました。その後は責任者を任され、大阪支社の立ち上げにも携わりました。
フリーランス、起業、事業売却。成功の先で見つけた違和感
——そこから独立されたのですね。
はい。当時は「自分なら一人でもやれる」という自信がありました。実際にフリーランスとして活動し、十分な売上粗利を生み出していました。
ただ、そこで大きな違和感を感じたんです。どれだけ売上を上げても、それは自分自身の時間や能力を切り売りしているだけでした。再現性がない。自分が動かなければ止まってしまう。そこに限界を感じて、事業経営を本格的に学ぶためにアドテック企業へ再就職しました。そこで初めて、ネット広告、サービス開発、営業戦略、経営企画を経験したんです。
その後、2016年に起業しました。当時はInstagram運用代行の会社自体がほとんど存在せず、事業は非常に順調でした。しかし競合が増え、市場が拡大する中である違和感が生まれました。「流行に乗っているだけではないか」。本質的な価値ではなく、ブームに支えられたサービスになっている気がしたんです。その結果、事業をバイアウトしました。
「自分がトップじゃなくてもいい」と気づいたコロナ期間
——そこからイットとの出会いがあったのですね。
そうです。コロナ期間中は通販事業を手伝ったり、新規事業の立ち上げ支援をしたりしていました。でも結局、自分の知識や経験を切り売りしているだけだと感じていました。
そこで改めて考えたんです。「自分は本当に何がしたいのか」と。その時に出た答えが、「自分が主役じゃなくてもいい」ということでした。
自分自身が目立つ必要はない。でも、自分が関わった組織が社会に大きなインパクトを与える存在になったら、それが一番面白い。そう思えたんです。そんなタイミングで出会ったのがイットでした。
「何も整ってない会社だった」——だからこそ挑戦したかった
——なぜ数ある会社の中からイットを選んだのでしょうか?
正直に言うと、最初は「何も整ってない会社だな」と思いました(笑)。ルールも整備されていない。組織としての仕組みも十分ではない。それぞれが自分の領域だけを担当している個人事業主の集まりのように見えました。でも、だからこそ面白いと思ったんです。
もっと条件の良い会社もありました。役員ポジションで迎えてくれる会社もありました。
それでもイットを選んだ理由は二つあります。一つは、自分自身への再チャレンジ。この組織を変えられたら、自分の価値を証明できると思ったからです。もう一つは、伊藤代表の存在でした。代表と本気で意見をぶつけることもありました。それでも、良いと思った意見はしっかり受け入れてくれる。自分にないものを持っている人だと感じました。全く正反対の得意不得意がある人だからこそ、自分の力を最大限発揮できる。そしてその力を素直に求めてくれた。。その懐の深さと素直さに大きな魅力を感じたんです。
半年で役員就任。今は組織づくりの中心へ
——現在はどのような役割を担われていますか?
入社当初は部長候補でしたが、半年後には役員に就任しました。営業責任者、パートナーサクセス責任者、人事責任者として組織全体に関わっています。私が一番大切にしているのは、お客様の売上を最大化することです。そこに価値を提供できれば、自然と次の仕事も生まれます。
また、自分自身が営業担当、中間管理職、経営者のすべてを経験してきたからこそ、それぞれの立場の気持ちが分かります。
だからこそ、社員一人ひとりへの共感を大切にしています。
「強い組織をつくる。」それが今の自分の仕事
かつてはトップセールスを目指し、起業家としても成功を収めた川又さん。しかし今、彼が目指しているのは自分自身の成功ではありません。組織が成長し、人が成長し、その結果として社会に大きな価値を届けられること。
「自分が一番じゃなくていい。」
そう語る姿には、多くの挑戦と挫折を経験したからこその説得力があります。イットが次のステージへ進むために。
今日も川又さんは、人と組織に向き合い続けています。