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ソフトバンク・ビジョン・ファンドをはじめ国内外から資金調達を実施し、競合のスタートアップ企業を買収、アジアや北米といった海外への進出など、挑戦を続ける株式会社SODA。
経営企画室のデータアナリティクス部署でマネージャーを務める加藤氏にインタビュー。
海外進出を始め、今後さらなる飛躍を目指すSODAを「データ分析」で支える加藤氏に、SODAのデータアナリストでしか得られない経験、今後の組織作りについて話を聞いた。
様々な部署を横断して課題を解決する
—日々データ分析している加藤さんですが、データアナリストはどういった立ち位置で仕事をしているのでしょうか?
加藤:SODAのデータアナリストは経営企画室配下にあり、全部署横断した立ち位置になります。各部署で抱える課題を、データを用いて解決していくのがメインの仕事です。
—現在、SODAのデータアナリストは加藤さん1人で担っています。
加藤:はい。やるべきこと、解くべき課題は多くあるのですが、自分ひとりで担っているため全ての部署に関わることはできていません。事業を俯瞰して注力すべき範囲を絞り業務を行っています。過去の例だと、開発優先度を決める際にPMチーム、広告を強化する際はマーケチーム、不正利用ユーザーの検知をする際はCSチームといった形で、様々な部署と関わりながら仕事をしています。
—その都度、関わる部署が違うということなんですね。
加藤:今はまだそういった関わりではありますが、組織拡大した際にはデータアナリストを専属でつけるようにしたいと思っています。特にSODAでは、PM、マーケだけでなく、メディア、Logistics、CS、グローバルなど非常に多くのチームがあり、それぞれに課題がある状況です。
—数字・分析という面で、SODAの拡大を後押しする役割を持つ仕事なんですね。
加藤:もともと、データアナリストはプロダクト部門に属していましたが、つい最近経営企画室に移りました。それまではMAUやカテゴリ別のGMVなど大枠の数字を見ていましたが、現在は会社の戦略に沿ったKPIを設計したり、課題の解像度を高めるための分析など、より見ていく範囲は広がってきています。
「この規模の会社で1人目のデータアナリストが経験できる環境は他にはない」と転職を決意
—加藤さんは、これまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?
加藤:新卒でサイバーエージェントに入社し、5~6年ほど様々なtoCサービスのデータ分析を行ってきました。そこから、従業員20名程度のベンチャー企業にPMとして転職をして、プロダクトの立ち上げやプロモーションを行うなど、データアナリストのキャリアから離れていた時期が2年半ほどありました。
—そこからSODAに転職し、データアナリストとしてのキャリアを再スタートさせます。
加藤:自分の最終的なキャリアを考えた時、やはりデータアナリストとして活動していきたいと思ったので、「一度離れたけどまた戻ろう」と思い転職しました。
—なぜ、数ある企業の中からSODAでデータアナリストをやろうと思ったのでしょう?
加藤:自分が入社するタイミングではデータアナリストが1人もいない状況で、組織の立ち上げという点に魅力を感じました。当時、これだけ大きなサービスを運営しているのに、データアナリストが無いことに驚きました。転職にあたっては、最近テレビCMなどで有名になったインターネットサービスを提供する会社も複数検討しましたが、同じくらいのWeb系サービスは当たり前のように既に組織化されていることが多かったんです。でも、SODAでは「自分が1人目」の環境で、そこにかなり魅力を感じたんです。
—データアナリストとして組織を立ち上げるという環境は、そんなに魅力的なものなのでしょうか?
加藤:誤解される言い方かもしれませんが、エンジニアやデザイナーとは違ってアナリストの仕事は意思決定の支援をすることなので、最悪いなくてもサービスは運営されます。そのため、「何かアナリストがいるとうまくいきやすいよね」というような実感や実績がわかなければ、きっと分析組織は不要とされ解体されるんだと思います。逆にうまくいけばデータドリブンな組織をつくれるかもしれない。そういった部分に挑戦できる環境が自分にはすごく魅力に映ったんです。
—そんなポジションで、どのような挑戦をしているのですか?
加藤:これまで僕が働いてきた会社では、元々データアナリストの組織があることが多く、そこで働くみんなは「あの部署はこういうことやってくれるよね」という共通認識が自然とありました。ですが、当初SODAでは「データアナリストって何をしているの?」「何ができるの?」「関わると何が得なの?」などときっと思われていたはずです。実際、自分が入る前から、数字を見て意思決定をするということは要所で行われており、アナリストの必要性を強くは感じていなかったと思います。その中で、アナリストが入ることでさらに正確な意思決定や洞察が得られるということを伝えたいと思いました。言われたことをやっているだけではただの分析作業代行になってしまうので、重要な意思決定がありそうなところを嗅ぎつけて分析し、自分なりの解釈やプラスαを意識して幅広く業務を行ってきました。
数字を見て意思決定をする、SODAならではの土壌
—現在、加藤さんの他にデータアナリストがいない環境ですが、働きやすさはいかがですか?
加藤:そもそも、データアナリストは、事業を実際に動かしている人と比べると成果をダイレクトに感じづらい職種だと思っています。ただSODAでは、SQLを書けるメンバーが多く、数字を見てすぐにアクションに移す文化があります。今は隣のデスクに代表の内山がおり、日々データを見ながら会話をして意思決定と実行推進をします。データアナリストとして、データを見て意思決定をする土壌があるというのは地味ですが凄くありがたいことだと思っており、職種の割にかなりやりがいを感じやすい環境ではあるかなと思っています。
—分析結果が無駄にならないのは、データアナリストにとって嬉しい環境なはずです。
加藤:はい。分析結果が出ると、すぐに議論が進み次のアクションをどうするかを話になることが多く、どんどん実行されていきます。自ずと反応もすぐに得られるので、その効果検証をしようという話になり、なかなか追いつかないことも多いくらいです。やはり実行している現場や、マネージャー陣などとの距離が非常に近く、コミュニケーションのストレスが皆無なのはSODAならではの環境と言えると思います。
—実際に、SODAのスピードを感じられたエピソードはありますか?
加藤:昨年末にマーケットのリニューアル施策を行ったのですが、一部悪化してしまった指標がありました。検証期間は確保していましたが、初期の段階から明らかな課題として認識できる部分がありPMに報告したところ、直ぐにエンジニアやデザイナーを巻き込み改善プランを進行してくれ、次の検証にスムーズに移行することができました。スピード感があり、部署の連携がスムーズだからこそできたのかなと思っています。
—その他に、SODAのデータアナリストならではの面白さについて聞きたいです。
加藤:実際にデータに触れてみて、CtoCサービスのデータはすごく面白いなと思っています。スニダンで扱っている商品はスニーカーやトレーディングカードなど、日々相場が激しく変動して、その相場が購入や出品に大きく影響します。サービスの売買履歴を見ると分かるように分単位で取引が行われており、ユーザーの熱量を感じることができます。ここは株や計量経済学の知見のある方ならもっと面白く、経験を活かしてもらえる部分なのではと感じています。また、スニダンではHypeな商品を中心に扱っているので、価格が安いから売れたとか、送料が安いから売れた、みたいな単純な理由だけで説明できないケースが非常に多くあるんです。詳しい人に聞くと、「これはこのカラーリングだから売れるんだよ」とか、「この柄はこのモデルでは珍しいからね」とか、「今度はこの柄だから売れない」とか、数字では表現しづらい部分に売れるヒントがあり、この辺りを定量化・可視化できたら非常に面白いなと考えています。
ホームから外れた分野に挑戦するフェーズだからこそ、データアナリストが求められる
—お話を聞いていて、SODAでしか経験できない仕事がたくさんあると感じました。
加藤:先ほども話しましたが、やはりこれだけユーザーがいるサービスで、分析チームは未熟で立ち上げフェーズであるという点は面白いと思います。SODAはデータが大量にあるにもかかわらず、まだまだそれが価値化されていない部分も多いので、とにかくデータで解決できるお題が至る所に転がっている状況です。それを、自分次第で価値化していくことができるので、日々飽きないかなと思います。ここまでの大きさのtoCサービスで、これから分析チームを立ち上げようという会社は、少なくとも自分が転職活動をしていた時には見つけられず、「日本中を探してもこの会社くらいなのでは?」と思っています。
今後会社は事業の転換期に入ります。スニダンで販売するカテゴリーを広げたり、海外に進出するなど、過去自分たちが得意だった領域から一歩踏み出そうとしているフェーズに入ってきています。「数字で見るとどうなんだろう?」というように意思決定者がデータを欲しくなるはずで、こういったタイミングではデータアナリストは役割として求められると思っています。難易度が高いお題も多いですがそういった疑問にうまく答えられると、自然とデータアナリストが会社で輝くのではないかと思っています。
—挑戦を続ける会社だからこそ、これからさらにデータ分析が求められるケースが増えるんですね。
加藤:プロダクト部門から経営企画室に移るタイミングで、代表の内山からは「分析する内容を一緒に決めていきたい」と言われました。つまり代表含めデータをより活用していき、分析テーマを決め意思決定に活かしていきたいというメッセージだと受け取っています。
—会社の重要な意思決定とデータ分析は密接に関わっている。
加藤:そう思っています。特に難しいのは、スニダンはサービス拡大のために新たなユーザー層を取り入れなければいけず、自分たちの肌感のない外部のデータにも目を向けていかなければいけないこと。海外のデータ含め、このあたりをサービス内のデータと絡めて大きな意思決定に活かすのは個人的にはチャレンジングだと思っています。
「組織をデカくする」。主体性のある人材に来てもらいたい
—SODAにおけるデータアナリストの重要性が増した今、部署のフェーズは組織の拡大に移っていきます。マネージャーとして、今後どのようなチームを作っていきたいと考えていますか?
加藤:組織の最終的な想定は、マーケティング担当、プロダクト担当…のような形で、データアナリストが各チームに張り付いていくのが良いかなと思っています。アナリストと括っても、個人の経験や知識など様々だと思うので、相談して決めたいと思っています。
—理想を実現するために、どのような人材が必要なのでしょう?
加藤:組織を大きくするための主体性を持った方が理想的ですね。データアナリストはアシスト部門だからこそ、より「当事者意識」を持って動けることが大切だと思っています。
—分析したデータだけを提供する……で終わらないということですか。
加藤:はい。会社目線で考えると、データアナリストは付加価値部隊ですけど、組織の中で働く身としては、やはり当事者意識を持ち続けていたいんです。それが欠けてしまうと、他の部署と歯車が合わなくなってしまうと思っています。一緒に成果を出していこう、というシンプルなことなんですが、小さい組織だからこそ各事業部の実行まで見届け、同じ目線で動けると良いなと思っています。
—SODAのデータアナリストは数字の分析だけで終わるのではなく、社内でのコミュニケーションが求められる立ち位置ということでしょうか?
加藤:アナリスト部隊を作ってはうまくいかずに解散する……というケースは様々な企業であり、その理由を自分なりに考えた時、「事業部との温度感があるのではないか?」との結論に至りました。前職でPMを経験した際、分析結果というのは意思決定材料のほんの一部でしかなく、意思決定者の目線だと実際はもっと複雑で、いろんなことを総合的に捉えて判断しなければいけなく、本当に悩むのは正解が分かっているのに何らかの制約がありそれができない、といったケースでした。そんな中でぶっきらぼうに正論しか言わないアナリストの声に耳を傾けたくなるでしょうか?もちろん、アナリストという職種は、分析結果から得られた正しいことを伝えるのが役割です。しかしそれを言う際に、しっかりチームでの関係性を築き、意思決定者の立場を可能な限り汲んでいくことが必要なのかなと思っています。
—他者とのコミュニケーションをここまで重視しているのは意外でした。
加藤:僕自身は、分析はあくまでも手段であり、それをもとにみんなで前に進んでいきたいと考えるタイプです。分析はもちろんするのですが、それによって事業が動いていくとか、事業が成長することにやりがいを感じています。SODAはスウィングバイIPOや海外展開を目指していたりと、ますます急激に成長していき各所で成長痛が出てくるので、チームを後押しできるタイプの方がより活躍できるのかもしれないですね。
「やりがい」と「実績」の両方を得られる。SODAで働くメリットとは
—成長を続ける会社で得られるものは、データアナリストのキャリアとしても大きな財産になりそうです。
加藤:そうですね。IPO、海外展開、組織立ち上げと個人的な面で見ても面白いフェーズかなと思っています。ここから、他企業のように最終的にアナリストチームになり、チームが機能していく……という状態は、他では得難いSODAならではのやりがいと共に、キャリアとして大きな意味を持つのではないかと思っています。ちなみに、アナリストチームではデータサイエンティストも募集しています。データサイエンティストは社内第1号となり、アプリのレコメンド機能をはじめとする様々なことをお任せしたいと思っています。こちらもチームとして一緒に働けたら嬉しいです。
—最後に、これから一緒に働いていく方に加藤さんからメッセージをお願いします。
加藤:一応1人目ということでマネージャーという肩書きがありますが、これから入社される方と僕の間には上も下もありません。新しく入る方にもSODAの一員として「Growth First」の心を持って頂き、分析と意思決定はもちろん、組織づくりも共にやれると嬉しいです!
加藤 幸宏 / 株式会社SODA 経営企画室・データアナリティクスマネージャー
新卒でサイバーエージェントに入社し、データアナリストとして様々なプロダクトの分析に携わる。その後、ベンチャー企業でプロダクトマネージャーを経験した後SODAに入社。データアナリスト組織の立ち上げから関わり、現在は部署を横断して数字面から会社の成長に貢献している。