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概要
本稿では、新規開業施設のADR(Average Daily Rate:平均客室単価)を予測するための手法を提案します。新規施設の開業におけるマーケットレポートないしはパフォーマンス分析において、正確なADRの予測は非常に重要です。ADRは収益管理戦略の中核をなし、施設の収益性担保に直結するためです。
競合施設の各種指標とADRの関連性を分析し、ランダムフォレストモデルを用いて新規開業施設のADRを予測します。さらに、シーズナリティを考慮した年間のADR予測と、RevPAR(Revenue Per Available Room:1室当たり売上高)の予測に必要なOCC(Occupancy Rate:客室稼働率)の予測手法についても述べます。
競合施設の分析
新規開業施設のADR予測のために、まず競合施設のADRと関連する指標を分析します。例えば、以下の指標を定量評価を使用します。
- 施設のタイプ(ビジネスホテル、リゾートホテル等)
- 客室数
- 立地(都市部、郊外等)
- 施設の設備・サービス(レストラン、フィットネスジム等)
- 客室の設備・アメニティ(浴室、デスク等)
- 周辺の観光資源・アクセス利便性
同時に、競合施設のある断面(月)のADRを取得し、上記指標との関連性を分析していきます。
ランダムフォレストモデルによるADR予測
ADRを目的変数、関連する指標を説明変数としてランダムフォレストモデルを生成します。ランダムフォレストは、複数の決定木を用いたアンサンブル学習手法です。
決定木とは、データを分割していくことで、目的変数を予測するモデルです。ランダムフォレストでは、データの一部をランダムに選択して複数の決定木を作成し、それらの予測結果を平均化することで最終的な予測を行います。この手法により、単一の決定木よりも高い精度と汎化性能を達成できます。また、ランダムフォレストは非線形な関係性を捉えることができるため、ADR予測に適しています。
新規開業施設についても同様の指標で定量的に評価し、競合施設のデータを学習させたモデルを用いて学習断面のADRを予測します。
シーズナリティの考慮
ADRは季節によって変動するため、シーズナリティを考慮する必要があります。同エリアの施設の月別ADRから、将来のADRの月別の波を予測します。
具体的には、時系列分析手法(例:SARIMA モデル)を用いて、同エリアの施設の過去のADRデータから月別の変動パターンを学習します。この変動パターンを、ランダムフォレストモデルで予測した学習断面のADRに適用することで、年間のADR予測を算出します。
RevPARの予測値を算出するためのOCCの予測
RevPARを予測するためには、ADRだけでなくOCCの予測も必要です。月別のOCCが取得可能な施設を、施設のタイプ、客室数、エリアなどの特徴量として用い、機械学習モデル(例:ランダムフォレスト)を構築します。
こちらも同様に、新規開業施設の特徴量をインプットに月別のOCCを予測します。予測したOCCと、シーズナリティを考慮したADR予測を用いることで、RevPARの予測値を算出できるようになります。
まとめ
本稿では、新規開業施設のADR予測手法を提案しました。競合施設の分析、ランダムフォレストモデルによるADR予測、シーズナリティの考慮、OCCの予測を組み合わせることで、精度の高いADR・RevPARの予測が可能となります。
10pct.は、機械学習に対する深い知見と高度な分析技術を駆使することで、上記のような高精度のADR予測を実現できます。新規開業施設の収益管理戦略立案において、10pct.の予測は貴重な知見となります。適切なADR設定とOCC予測により、新規開業施設の収益最大化を支援いたします。