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キャリアは、調和を生み出す「空気」を纏う者が手に入れていく時代へ
今日は、これまで書いてきたような「社会がどう変わるか」「人はどうあるべきか」といった抽象的な話は少し置いて、
もう少し地に足のついた、“スタートアップの現場”の話をしたいと思います。
組織において、そして個人において、本当に大切なことってなんだ?
今日はそこを、できるだけ具体的に掘っていきます。
以前、私はnoteで
『虹を操る少年に教えてもらった、大事なこと』
https://note.com/milyuya/n/n48e9dac03c8a
という記事を書きました。
その中で、現代社会の価値観を
「幻想の高度化」 と 「外側の共通化」
という2つの軸で捉え直しました。
幻想の高度化:目に見えないもののほうがリアルになった時代
かつて、人は“実際に触れるもの”を信じていました。
見える、匂う、食べる、働く、感じる──生身の体験こそが現実だった。
しかし今の社会では、お金、数値、データ、効率、AIの最適化といった、
“抽象的なもの”がリアルを上書きしている。
人間の感覚よりも、数字の方が正しいとされる。
これが、私の言う「幻想の高度化」。
つまり、「生きている実感」よりも、「数字で説明できること」こそが現実になってしまった状態。
私たちは、知らないうちに幻を信仰しているんです。
「霞食って生きてけねーよ」って昔ありましたが、
普通に霞食ってますね、我々。
私は霞なんか食いたくない、魚をタベタイ
■ 外側の共通化:誰でも測れることしか信じなくなった
もうひとつの軸は、「外側の共通化」。
これは、“みんなが納得できる価値”ばかりを追い求める社会のことです。
学歴、年収、SNSのフォロワー数、スキルのリスト。
それらは客観的に見える。
だが、どれもあなたそのものではない。
一方で、
- ある人だけが感じる空気の読解力、
- 誰にも想像できない瞬発的な判断、
- テンポ、笑顔の更に奥にある声の震え
そうした“内側の固有性”こそが、本来のあなた。
また、そこに向き合うことから個人だけの豊かさを見つける道である。
自分が感じている”自分らしさ”と、
自分以外が必要としている”他人から見た自分”
この差が少なければ少ない方が自然体でいられる。
でも今の社会は忙しい。圧倒的に、徹底的に。
だから、人は“共通の物差し”に逃げ込んできた。
「わかりやすい基準」で測れる方が、楽だから。
それが学歴であり、年収であり、フォロワー数であり、スキルのリストです。
そんなものはあなたの一部でしかなく、全部でありえない。
だが、圧倒的に浸透してきてしまった。
網も仕掛けも手作り、あなたの学歴も、年収も、フォロワー数も目の前の作業にはなんの役にも立たない。
幻想から実在へ。共通化から固有性へ。
これまでの社会は、「誰でもわかる指標」でしか人を見てこなかった。
数字で測れるものこそが、価値だと信じてきた。
でも、人間の本質は“本当に全て定量化し、測ることができるのか?
数字にできない曖昧さ、他人に伝わらない感覚、
言葉にならないこだわりや愛情──
そうした“測れないもの”こそが、私たちを人間たらしめている。
異性を好きになることも、子どもを愛おしいと思うことも、
誰かと比較しての結果ではなく、
目の前の存在そのものが愛おしいと感じる衝動から生まれる。
そこに、価値の原型がある。
そして今、テクノロジーが極限まで進化したことで、
私たちは再び“温度”を取り戻そうとしている。
キャリアも人生も、数値で競い合う時代から、
自分の感情や温度を軸に生きる時代へと回帰しつつある。
そこでは、心が動く方向に人が集まり、
共感の温度が合う人たちが新しいコミュニティをつくる。
それが、キャリアであり、友人であり、家族を縁取っていく。
つまり、“生き方の構造”そのものが、
もう一度「実在」に戻ろうとしているのだと思う。
そしてそれは、都会のビルの中ではなく、 自然や人の手の中に、すでにそっと存在していた。
テクノロジーがどれだけ進化しても、 「人が何を大切にして生きるか」は、 すでに私たちの暮らしの中に根付いていた。
そんなことを、 この九州出張で出会った漁師たちから教わった。
今日はその第一弾として、 福岡・玄界島の宮川さんという漁師から学んだ話を、少しゆっくり共有してみたいと思う。
導入なげーーー!!!
正直宮川さんの話に飽きて、猫を見ていた兄妹、子供ってサイコー!
「ウオペイ」が教えてくれた、感謝でめぐる経済
玄界島の漁師・宮川さんは、福岡でも屈指の技術を持つベテランの漁師。
新しい取り組みにも積極的で、地元の漁師や農家、畜産農家など、さまざまな生産者と垣根を越えて交流を続けています。
そんな宮川さんが笑いながら話してくれたのが、 「ウオペイ」という仕組み(※正式名称ではなく、宮川さんの冗談交じりの呼び名)でした。
仕組みといっても、厳密なルールがあるわけではない。
イベントなどで、素晴らしい生産者たちが顔を合わせると、 自然とこんなやりとりが始まるそう。
「えー、玄海島の魚いいなあ。うちのお米送るから、お魚送ってもらえませんか!」
「だったら、うちの野菜と交換しよ!」
「うちのお肉も入れてよー」
そんな井戸端のような会話が、軽やかに交わされる。
そこには、みんなが大好きな“円”のやりとりは存在しない。
ただ、紡いできた魅力ある土地、技術、それらを大事にしているという人から溢れる魅力が作る信頼。
そこに、「ありがとう」や「美味しかったよ」という言葉が、ゆるやかに、しかし確実に巡っている。
正確に換算しようとなんてしません。
「まあ、だいたいこんなもん」
という“感覚”が、関係を続かせるリズムになっていて、
宮川さんは笑いながらこう言いました。
「最近の人はすぐに円で計算しようとする!そんな奴は入れんぞ!笑」
それを聞いたとき、私は思いました。
私たちは生まれてからずっと、
「これは1万円」「これは1000円」という“高度化された幻想”の中で生きてきた。
でも本来、人の営みというのはもっと大らかで、もっと感覚的で、
“人の魅力に魅力を返す”ようなリズムで動いていたのではないか。
少なくともウオペイの輪には、
「損得」ではなく「感謝の循環」があった。
その曖昧で温かいリズムの中に、経済の原型が今も静かに息づいていて、この感覚を大事にすべきなんじゃないかと感じました。
宮川さんかっけーー!泊まっている船の中を見せてもらった!
3Dで自分の仕掛けの仕掛けをデータ化し、漁のデジタル化を進めていた。
いや漁師ちゃうん!すごすぎて全くついていけなかた
息子は必死にうなづいていた。なんもわかってないけど。えらいぞ。
キャリアの獲得を決めるのは実は、「調和の空気」なんじゃないか
ウオペイの輪を知り感じたのは、 経済も、組織も、そしてキャリアも、 実は“空気”で動いているのではないか、
ということ。
キャリアを高めるために必要なのは、もはや「知識がある」とか「金を生み出すスキルがある」ということだけではないのではないか。
なぜならそれらは誰でもアクセスできる「共通の情報」であり、いずれ代替されるものだから。
だからこそ、これからの時代、キャリアを決定的に分ける力は、
調和を生み出し、周囲の人やチームのミッションに温度を与えられる人です。
会議で、ただ正論を言う人ではなく、
その場の空気を一瞬で前向きに変えられる人。
誰かの挑戦を本気で応援しながら、自然と場に熱を生む人。
それは、マニュアルにもKPIにも書き込めない領域です。
その人の身体性と感性から立ち上がる、再現不可能な“響き”またそこから産まれる”共鳴”。
数値で測れる成果ではなく、
「その人が場にもたらす温度」こそが、真のキャリアの資本になっていくんじゃないか。
これを私は自分の所属する会社でも重要視していきたいと思っています。
適した写真が見つからず、出張ちゅうも仕事してるっぽいアピールを再掲しておこう。
MiLが大切にしているのは、“温度”
MiLは、スキルや経験を軽視しているわけではありません。
しかしそれ以上に、チーム、ステークホルダーにどんな空気を生み出せるか、この温度を大切な評価軸として見ています。
誰かの困りごとに自然と手が伸びる人。
沈んだ空気を一言で変える。
未来に向けた期待感を場に灯す。
こうした数値化しにくい調和の力こそ、MiLを前に進める“実在の経済”に深く紐づいています。
そして、その「温度」を構成する根幹にあるのが、MiLの5つのバリューです。
5つのバリュー──温度を生み出す習慣体系
MiLの5つのバリューは、単なるスローガンではありません。
それぞれが独立したスキルではなく、相互に循環しながらチームと個人の成長を高め合う“生き方の習慣”です。
① 心身の健康
全ての創造と挑戦の土台となる。
最高のパフォーマンスは健やかな心身からしか生まれない。
② 感動体験
自分自身が心を動かす体験を持ち、その熱量で仲間や顧客の心を動かす。
感情のないところに価値創造は生まれない。
③ 細部へのこだわり
プロとして、最後の1ミリまでこだわり抜く。
期待を超える瞬間に“信頼”が生まれる。
④ 共創と信頼
尊重と信頼を土台に、異なる視点を結びつける。
チームが“自分ごと”になるとき、組織は強くなる。
⑤ 未来を創る挑戦
不確実性を恐れず、挑み続ける。
小さな一歩が、新しい世界を切り拓く。
循環する5つのバリューが、キャリアを育てる
この5つのバリューは、直線的ではなく循環構造を持っています。
健康が感動を生み、感動がこだわりを呼び、
こだわりが信頼を育み、信頼が挑戦を支え、挑戦がまた健康を鍛える。
MiLでは、評価の中にバリュー評価を組み込み、これらが等級や報酬へ連動し循環していく構造を目指しています。(今期できたばっかり!なのでまだまだ運用開始!ですが。)
この循環を繰り返すことで、私たちはより良い未来を共に創っていく。
そしてこの循環を続ける力こそ、どんな時代においてもキャリアの最大の武器になるとMiLは信じています。
テクノロジーやスキルは陳腐化しても、
「温度」をもって人やチームを前に進められる人は、いつの時代も必要とされると思っているからです。
次回のnoteで書こうと思っていたのですが、少しだけ先に。
長らくお世話になった先輩が、IT企業の経営を離れ、南の島で農家として新しい挑戦を始めました。
先日、その畑と使われなくなった工場を訪ねたときの一枚です。
もともとその工場は、地元の食品メーカーのオーナーが長年使っていた場所。
彼は、全くの未経験者である先輩にその工場を無償で譲ったそうです。
理由は、きっとそこには数字では測れない何かがあったのだと思います。
自分の手で島の未来をつくろうとする真っすぐな姿勢。
そして、その姿勢から滲み出る“温度”。
誰かが動くとき、その背景にはいつも「温度ある姿勢」がある。
それが、人を動かし、場所を動かし、また新しい循環を生んでいくのだと思いました。
そしてそれは、起業家に必要なものではない。誰もに必要なものになってきた。
という話なんだと思う。
Value Star──“感謝でめぐる経済”を文化にする
MiLでは、この“温度”をチームの中で見える形にし、
感謝を循環させる仕組みとして「Value Star」制度を導入しました。
Slack上で、仲間の行動がバリューを体現した瞬間を
短いメッセージとともに称え、スターを贈り合う。
数字やKPIでは測れない“感情の価値”を見える化し、
互いの行動が組織のカルチャーとして蓄積されていく。
それは、漁師の宮川さんが話してくれた「ウオペイ」にも似ています。
貨幣ではなく、“ありがとう”という感謝の振動が
信頼と喜びを巡らせ、コミュニティを支える。
この「感謝でめぐる経済」を、私たちは組織の中に再現しようとしているのです。
宮川さん、マジでありがとうーーーー!
そして紹介してくれた井口社長ほんとありがとうーーー!
https://fishlle.com/
フィッシュル、いいサービスなのでぜひー!
キャリアに必要なのは、“スキルや知識ではなく温度”なのかもしれない
結局のところ、キャリアとは、
どれだけの知識を持ったかではなく、
どれだけの温度を周囲に生み出せたかで決まるのでは、説、いかがだったでしょうか。
技術やスキルはツールでしかなく、
“温度”を生み出すのは、いつだって感動ある原点、そして人の熱い想いと行動。
MiLは、この5つのバリューを軸に、
それぞれのメンバーが感謝と温度でめぐる経済の担い手となる組織を目指しています。
おわりに──“温度”がめぐる未来へ
これまでのnoteで、私はキャリアや価値観の変容について繰り返し触れてきました。
かつての自分も、「成果」や「効率」を軸に物事を測っていた時期がありました。
しかし、時間を重ね、失敗を経て気づいたのは、人を突き動かすのは合理ではなく、感情だということです。
誰かに感謝された記憶。
誰かの挑戦に心が震えた瞬間。
誰かの言葉に救われ、もう一度前を向けた経験。
そうした“温度のある出来事”が、人の成長も、組織の進化も、社会の変化も生み出していく。
MiLという場は、まさにその温度が循環し続ける仕組みを形にしたいと思います。
これからのキャリアは、
「何を持っているか」よりも、「どんな空気を生み出せるか」で決まる時代になる(かもよ)。
スキルも実績も、AIが模倣できる時代において、
唯一模倣できないのは“その人ならではの温度”。
感謝がめぐり、挑戦がめぐり、信頼がめぐる。
その中で、個人の人生と組織の物語が重なり、また新しい感動が生まれていく。
私たちはこれまでも、温度のある生産者やメーカー、小売の皆さんと共に、この“感謝でめぐる輪”を少しずつ広げてきました。
そしてこれらを、もっともっと社内から。
MiL自身がそのバリューを体現できるチームとして、“温度を持って小さく意義ある循環”をつくっていきたいと思います!
ご覧いただきありがとうございました!!!!!
娘、そらちゃん、やっと笑顔ができるようになってきました
可愛すぎ!
毎日、子育て本当にお疲れ様です。
この「身体を通した実感の積み重ね」の大切さを痛感し、「もっと多くの親子と、このかけがえのない体験を共有できないか」「同じように悩む親御さんたちの、小さな手助けができないか」という想いが、私の中にずっとありました。
また、その想いを形にするために仲間たちと始めたプロジェクトが、「the kindest」でもありました。
もし今回の話に少しでも共感していただけたら、私たちがどんな想いで、どんな活動をしているのか、少しだけ覗いてみていただけると嬉しいです。
子どもたちの未来も、そして私たち親自身も、共に豊かになれるような場を、皆さんと一緒に作っていけたらと願っています。
- “共に悩む”という体験価値のデザインに挑戦する
- 商品開発とブランド体験をあえてごちゃっと混ぜる
- AI時代における“人にしかできない価値”を問う
- お客様と真っ直ぐ向き合える組織文化とチーム
the kindest というブランドは、子育てをしている親御さんの隣に立ち、
「あなたの選択は、きっと正しい」と伝えられるブランドでありたい。
もし、そんな未来を一緒につくってみたいと思ってくださった方がいたら、
ぜひ一度、MiLの採用ページをのぞいてみてください。
“何を選ぶか”ではなく、“悩み選ぶプロセスを共にする”。
そんな価値観で仕事をしたい方、ご応募お待ちしております。