こんにちは。株式会社ビーイング 開発部のK.Kohjiです。
私はビーイングのパッケージソフトである土木積算システムの開発に携わっています。
*土木積算システムについては、私の前々回ストーリー「自分の思いを、カタチにできる楽しさ」でも詳しく紹介しています。
「土木積算」という言葉から想像されるように、土木建設工事に関連した業務用ソフトウェアで、お客様は土木建設工事を請け負う施工会社様や、土木建設工事を発注する国や県などの地方自治体の積算業務を行う部署の方です。
「積算」という業務は、ざっくり言うと一つの工事を完成させるのにいくら掛かるのか見積ることです。
工事を請け負いたい施工会社様にとっては、自分の会社が工事を受注するため、競争相手より有利になるように算出しなければなりません。
現在では積算は計算も細かく、競争はシビアになっています。
開発者としては、実際にお客様が、資料とにらめっこしながら積算ソフトを使ってどのように積算業務を行っているのか、知る必要があります。
これまで何度か、直接お客様を訪問してヒアリングできたことがあります。
私がヒアリングで使ってきたノート(カバー写真)から、お客様の声を聞いて感じたことを紹介します。
計算条件の選択作業をシステムが自動的に行う仕組み(自動選択)を作った後で、「実際に使用してみてどのように感じておられるか」を何社かにヒアリングしました。
その中に、「自動選択機能を使って二回積算し、さらに一回はすべて自分で条件選択して積算してみる」というお客様がありました。
自動選択機能は使えないわけではないが、「自分がノウハウとして蓄積してきたやり方で積算してみなければわからない部分もあるから」ということでした。
(ということは、お客様がお持ちのノウハウを活かせるソフトをどうすれば作れるか、に繋がるわけです)
積算の専門家ではない方も努力して積算しておられるんだということを感じたのは、家族経営のごく小規模のお客様のところでお話を伺ったときでした。
積算をやっているのは社長の奥様で、土木工事の現場経験がある方ではありません。
社長は工事現場に行かなければならないので、奥様が事務作業や積算をされているということでした。
主に市が発注する工事を扱っているのですが、市の工事には特殊な部分があり、積算が合わないことがあるそうです。
この方は「工事を取れなかった(受注できなかった)」で終わるのではなく、なぜ取れなかったのかを必ず調べて次に活かそうとしている、と話されていました。
このようなお客様のご意見を活かしたいという思いが、お客様と発注者の積算結果の違いを蓄積し、次の積算時に発注者の考え方の根拠として活用する機能の開発に繋がりました。
ある大手のお客様には、受注者と発注者で行う協議のやり方について教えていただきました。
「○○の資料を使って受発注者間で協議を行う」ということは知識としてはあっても、実際にはどのような形で行われるのか、現場で何を見ながら協議するのか、協議の落とし所はどのように探るのか、というようなことはわかりませんので、実際にやっていることを聞けて参考になりました。
内容自体もありがたかったのですが、このヒアリングの機会は、お客様の方から聞きに来ないかと言っていただいたものでした。
それだけビーイングに期待していただいているのだなぁと感じた機会でした。
開発がヒアリングの機会を持てるのは、営業部門がお客様と良い関係を築き、サポート部門が丁寧に対応してくれているおかげでもあると思います。
あるお客様には「いつも親切に対応してくれている人たちの顔を見たいから、サポート部の人達の写真を送って欲しい」と言われたこともありました(残念ながら送れなかったと記憶しています)
お客様の声を形にできる実感を得られるビーイングの開発部に興味を持っていただけたら幸いです。