なぜ「即レス」が最強の武器になるのか
現代のビジネスにおいて、「手紙」から「メール」、「メール」から「チャット(Slack,Teams,Messenger,Googleチャット)」へと移行しました。
この変化は単なるツールの変化ではなく、ビジネスの速度(ベロシティ)そのものへの要求が変わったことを意味します。
多くの人が「返信は後でまとめてやろう」と考え、未読通知を溜めていく中で、トップパフォーマーたちは呼吸をするように即レスを繰り返します。ただ、決して「暇」なわけではありません。むしろ、誰よりも多忙です。
では、なぜ異常な速さで返信ができるのか?そして、その習慣がどのようにしてキャリアに圧倒的な差をもたらすのか。そのメカニズムを解剖します。
目次
なぜ「即レス」が最強の武器になるのか
「即レス」はスキルではなく「哲学」である
①脳の「ワーキングメモリ」を解放し続ける
②「ボールを保持する」ことのコストを理解している
③相手の「不安」というノイズを消す
実践編:なぜ「速く」返せるのか?
「60点」で投げ返す勇気
定型文とショートカットの徹底活用
感情を排除し、情報に徹する
アスレバが「即レス」を文化にする理由
1分以内のリアクションが「標準」
「脳内に無駄を残さない」プロ意識
「安心感」という付加価値
「即レス」がもたらす恐ろしいほどの「信頼の複利」
チャンスは「速い人」に集まる
「返信の速さ」は「相手への敬意」のバロメーター
【注意】「即レス中毒」にならないための線引き
「即レス」はスキルではなく「哲学」である
仕事が速い人にとって、チャットの返信は単なる連絡事項ではありません。それは以下の3つの哲学に基づいています。
①脳の「ワーキングメモリ」を解放し続ける
人間の脳が一度に処理できる情報の量には限界があります。返信を後回しにするということは、頭の中に「あ、あの件返信しなきゃ」という小さな付箋を貼り続ける行為です。
仕事ができる人は、この「脳のメモリの無駄遣い」を極端に嫌います。その場で返せば、そのタスクは脳から完全に消去され、次の仕事に100%の集中力を注げるからです。
②「ボールを保持する」ことのコストを理解している
ビジネスはパス回しです。自分がボールを止めている間、プロジェクト全体の時計が止まります。
・自分が返信を5分遅らせる=相手の次のアクションが5分遅れる
・相手の仕事が止まれば、プロジェクトのゴールも5分遠のく。
仕事が速い人は、自分を「ボトルネック」にしないことを絶対のルールとしています。
③相手の「不安」というノイズを消す
相手が「あの件、どうなりましたか?」と催促してくる状態は、最悪のコミュニケーションです。即レスは、相手に「あなたの要望は届いている」「現在進行中である」という安心感を与えます。この安心感が全体の心理的安全性を高め、結果として情報の流通速度を上げます。
実践編:なぜ「速く」返せるのか?
精神論だけでは即レスは継続できません。「仕組み」で速さを実現しています。
「60点」で投げ返す勇気
仕事が遅い人は、完璧な回答を準備しようとして返信を遅らせます。
一方、速い人は「まずは受け取ったこと」と「いつまでに回答するか」を即座に返します。
「確認しました。本日18時までに詳細戻します!」
これだけで、相手は次の段取りを組めます。100点の回答を3日後にするより、60点の状況共有を3分後にするほうが、ビジネスの現場では価値が高いのです。
定型文とショートカットの徹底活用
PCやスマホには、凄まじい数の単語登録がされています。
・「おせ」→「お世話になっております。〇〇の××です。」
・「しょ」→「承知いたしました。進めていただけますと幸いです。」
タイピングの時間を物理的に削り、思考の時間を最大化しています。
感情を排除し、情報に徹する
チャットを「会話」ではなく「データの同期」と捉えています。丁寧すぎる挨拶や過剰な装飾を削ぎ落とし、箇条書きを活用して、相手が最短で理解できる形式でアウトプットします。
アスレバが「即レス」を文化にする理由
この哲学をアスレバは組織全体で体現しています。
アスレバにおいて、即レスは単なるマナーではなく、「クライアントや仲間に対するコミットメント(約束)」そのもの。
実際に現場で起きている、アスレバ流の思考回路を紹介します。
1分以内のリアクションが「標準」
アスレバのメンバーは、メッセージを「タスク」ではなく「パスが回ってきた瞬間」と捉えています。
・結論が出ない場合でも「確認しました!」と1分以内にスタンプや一言を送る。
・相手が画面を閉じないうちに返信することで、3日かかる調整を5分で終わらせる。この「同期」へのこだわりが、プロジェクトの圧倒的なベロシティ(速度)を生んでいます。
「脳内に無駄を残さない」プロ意識
私たちは、常に複数のプロジェクトを並行して動かしています。
その中で高いパフォーマンスを維持できるのは、「脳のバックグラウンドでアプリを起動しっぱなしにしない」から。
「あとで返そう」という小さな迷いを排除し、常にCPU(脳の処理能力)を課題解決のために空けておく。これがアスレバ社員のプロ意識です。
「安心感」という付加価値
『今、必要な時』に返信が来る安心感こそが、大きな仕事を任せられると確信する材料になるという点も重要です。
特別な技術ではなく、スピードという形で「誠実さ」を表現し続けた結果、信頼が積み上がっていきます。
「即レス」がもたらす恐ろしいほどの「信頼の複利」
最も伝えたいのが、この「信頼の複利」という概念です。
チャンスは「速い人」に集まる
あなたが新しいプロジェクトのリーダーだとして、誰に声をかけますか?
Aさん:仕事は丁寧だが、返信に1日かかる
Bさん:仕事はそこそこだが、常に5分以内に返信が来る
この場合、間違いなくBさんです。
なぜなら、プロジェクトのコントロールがしやすいからです。即レスを続けることで、「この人に投げれば話が速い」というタグが業界内で定着します。その結果、さらに質の高い情報やチャンスが、先行してその人に集まるようになります。
「返信の速さ」は「相手への敬意」のバロメーター
「忙しいから返信できない」は、裏を返せば「あなたへの返信の優先順位は低い」というメッセージを無意識に送っていることになります。逆に、どんなに多忙な役員や経営者が即レスをくれたら、相手はどう感じるでしょうか。「自分のことを尊重してくれている」と感じ、信頼関係は一気に強固になります。
【注意】「即レス中毒」にならないための線引き
もちろん、24時間365日即レスをしろ、ということではありません。
・深い集中が必要な時間(DeepWork)は通知を切る。
・時間の猶予を設ける。(最低でも△時まで/△分以内には返す)
真に仕事ができる人は、「レスを止める時間」すらもコントロールしています。
「今は集中しているからレスが遅れる」というステータスを表示する、あるいはあらかじめ伝えておく。これもまた、広義の即レス(=状況の即時共有)です。
返信の速さは、「誠実さ」そのもの
仕事が速い人がチャットの返信を速くするのは、それが最も効率的で、最も相手を尊重し、最も自分を自由にすることを知っているからです。
「チャットの返信が速い」というだけで、あなたは周囲の上位5%に入ることができます。特別な才能はいりません。ただ、スマホを手に取り、文字を打ち、送信ボタンを押す。その数秒の積み重ねが、数年後のあなたのキャリアに、取り返しのつかないほどの大きな差を生み出すのです。
さあ、この記事を読み終えた瞬間、未読になっているあのメッセージに返信することから始めてみませんか?