営業として一定の成果を上げている一方で、ふとした瞬間に「会社や商材が変わっても、同じように成果を出し続けられるのだろうか」と不安を感じたことはないでしょうか。
今回は、会計系ERPベンダーでセールスとしてキャリアを築いた久司(写真:右)と、給与計算のアウトソーシング会社でセールスとして経験を積み、パトスロゴスに入社した齊藤(写真:左)の二人に話を伺いました。
久司は「前職で通用していた進め方が、そのままでは通用しなかった」と振り返ります。一方の齊藤は「営業スタイル自体は大きく変わらないが、求められる情報の解像度やコミュニケーションの細かさが段違いだった」と語ります。
パトスロゴスの営業に共通するのは、顧客組織を深く読み解き、勝ち筋を組み立てていくこと。二人が現場で磨いてきた「普遍的な営業力」の中身を、具体的なエピソードとともに紐解きます。
「商材を語る前に、顧客を読む」パトスロゴスで求められる営業の前提
——まずは自己紹介と、パトスロゴス入社への経緯を教えてください。
齊藤:私は前職で、給与計算のアウトソーシング会社に4年ほど在籍し、営業を担当していました。業務領域としては現在と近い部分もありましたが、アウトソーシングという形態そのものに限界を感じる場面も多くありました。また、「もしこういうサービスがあれば」という課題意識を持っていたこともあり、入社を決めました。現在はセールスだけでなく、新しく入ったメンバーのオンボーディングなども兼務しています。
久司:私は新卒で会計系ERPベンダーに入社し、ITディストリビューターを経て、3社目としてパトスロゴスを選びました。30歳という節目を前に、このまま大企業の安定した環境に甘んじていていいのかという漠然とした不安があったんです。もっと難易度の高い環境に身を置き、個としての実力を一から鍛え、市場価値を高めていきたいという思いで、スタートアップの世界へ飛び込みました。
——前職でも営業として実績を積まれてきたお二人ですが、今までのやり方が通用しないと感じた場面はありましたか?
久司:正直、想像以上のギャップがありました。前職も営業活動が盛んな会社でしたが、当時は製品カタログの内容をいかに正確に説明できるかが重要で、それで売れてしまう側面もあったんです。
しかし、パトスロゴスで同じことをやろうとすると、「製品の説明はいいから、まず顧客を理解して」と言われます。機能以前に、顧客組織の状況をどこまで深く、多角的に捉えられているかが問われるのだと思い知らされました。
齊藤:情報の深さには驚きましたね。BANT(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)のような基本情報のさらに一歩先、組織内の人間関係や背景にまで踏み込むことが求められます。
この担当者は、社内の誰とどんな関係性で、どのようなミッションを背負っているのかといったところまで把握しなくてはなりません。以前は組織図をなぞるだけでしたが、今はその裏側にある組織の力学を読み解いていく感覚です。
——久司さんは、上司から情報の背景まで問われて、答えに詰まってしまうこともあったそうですね。
久司:そうなんです(苦笑)。マネージャーから「その情報は、誰が誰に対して、どんな意図で発信したものなの?」と深掘りされるのですが、答えに詰まってしまって。自分が集めてきた情報がいかに表面的なものだったかを突きつけられました。
その断片的な情報だけでは、お客様の真の課題は判断できないと指摘され、情報の引き出し方そのものを根本から変える必要があると感じた瞬間でした。
同じ「前向き」でも意味が違う。情報の重みを決める“発言の文脈”
——今のお話からも、パトスロゴスが求める情報の粒度がいかに高いかが伝わってきます。そのレベルまで深掘りする際、具体的にどのような視点を大切にされているのでしょうか。
久司:同じ言葉であっても、誰が、誰に対して、どういう経緯で発したのかによって、情報の重みが全く変わってくるんです。
例えば、担当者の方が「前向きです」と言ってくださったとしても、それがご本人の主観的な感触なのか、それとも情報システム部門や決裁ルートとの合意に基づいた言葉なのかでは、意味合いがまったく違います。その発言が、組織内のどういった背景や力学から生まれているのかまで突き詰めて考えるのが私たちのスタイルです。
齊藤:結局、人間関係の深いところまで踏み込んでいくんですよね。誰が誰に対して影響力を持っているのか、誰と誰が連携しているのかといった相関図が見えてこないと、情報の真偽や重みは判断できません。単に聞いた情報を伝えるだけの伝書鳩ではなく、組織の構造を読み解くアナリストとしての視点が常に求められていると感じます。
——久司さんは、前職には言語化されたものはなかったが、ここには「型」があると仰っていましたね。その型を学ぶことで、視点はどう変わりましたか。
久司:前職のような強い営業組織であっても、結局のところは個人の勘やセンスに委ねられている部分が大きかったんです。ですが、パトスロゴスには、営業経験豊富なメンバーたちが磨き上げてきた「型」があります。このフレームワークに沿って情報を整理していくと、一見複雑に見える大企業の意思決定プロセスが、まるでパズルを解くようにクリアに見えてきます。これは大きな発見でした。
——実際に受注に至った、最も印象的なエピソードを聞かせてください。
齊藤:やはり、初めて受注をいただいたお客様のことは忘れられません。商談開始からご契約まで半年以上かかったのですが、そのうち最初の4ヶ月ほどは、何度もお電話で状況を伺い続ける日々でした。一見するとただの進捗確認のようですが、実はそこが一番重要です。その対話を通じて、お客様の社内にコーチ(共創者)を作り上げていったんです。
——「コーチ」とはどのような存在ですか?また、どのようなコミュニケーションを積み重ねたのでしょうか。
齊藤:製品の良さを一方的に語るのではなく、そのお客様が、社内でプロジェクトを成功させ、評価されることを一緒に目指すパートナーのような存在です。
「上司の方はこう仰っていますが、現場の本音はどうですか?」と踏み込んだ対話を重ねることで、それならこのタイミングで、こういう順序で社内を通しましょうといった作戦を一緒に立てられるようになります。2週に1回、雑談を交えながら他社の検討状況や社内のパワーバランスを伺います。そうして築いた信頼関係をもとに、コーチと二人三脚で社内を説得していくプロセスは、まさに共同プロジェクトでした。
営業は“映画監督”になれ。社内リソースを戦略的にキャスティングするスピルバーグという文化
——パトスロゴスでは、映画監督のスピルバーグになれという独自の文化があるそうですね。詳しく教えてください。
久司:受注まで一人で全てを完結させる必要はなく、社内のリソースをいかに戦略的に使いこなすかが重要だという考え方です。
例えば、この決裁者を動かすには、社内のこのメンバーと一緒に商談した方がベストだと判断したら、役員やマネージャーを演者としてキャスティングします。営業担当は、商談を成功させるためのディレクター的な役割も担います。
——マネージャー陣を案件を成功させるための強力なアセットとして捉えるのですね。具体的にどのようなやり取りが行われているのでしょうか。
久司:「今、こういう情報を掴んできたのですが、次にどう動くべきでしょうか」と、マネージャーの席まで直接相談に行きます。時にはシビアなフィードバックを受けることもあり、「その情報の解像度では判断できない。もう一度しっかり聞いてきて」と差し戻されることもあります。一方で、「それなら、あの人を巻き込んでこういう話をしよう」といったように、自分一人では思いつかないような、より踏み込んだ次の一手を提案してもらえることもあります。
齊藤:まさに「上司を使い倒す」という文化だと思います(笑)。指示を待つのではなく、目的に応じて自ら同席を依頼したり、壁打ちをお願いしたりします。自分の案件を前に進めるために、誰の知見が必要か、また誰の立場や影響力を借りるのが効果的かを主体的に考えています。
——手厚いフォローを待つのではなく、自律的に周囲を巻き込むことが求められる環境なんですね。このカルチャーが、個人の成長を加速させるのはなぜでしょうか。
齊藤:自分より経験豊富なメンバーを動かすためには、自分の中に誰よりも確固たる”根拠”がないといけないからです。上司を単なる相談相手ではなく、戦略的な武器として使いこなすためには、自分が一番顧客を理解し、納得感のあるストーリーを描き切る必要があります。自分がプロジェクトのオーナーとして、プロを動かすという経験が、単なる営業スキルの枠を超えたビジネス完遂力を鍛えてくれると感じます。
どこでも成果を出せる手応え。キャリアを数倍速にする経験
——パトスロゴスに入社して、ご自身の中で身についたと感じている営業スキルはどのようなものがありますか?
齊藤:受注までの再現性のある勝ち筋を、自分の中で言語化できたことです。どの情報を、どの解像度で取りに行き、誰をコーチにして、どう組織を動かすかというプロセスをロジカルに組み立てられるようになりました。この考え方は、特定の商材に限らず法人営業全般で活かせるものだと感じていて、環境が変わっても成果を出せるという手応えにつながっています。
久司:私の場合は、単にモノを売る技術ではなく、関係者を巻き込みながら組織を動かしていく力が身についたと感じています。前職では、どこか自分の感覚やセンスに頼っている部分があり、環境が変わったときにも同じように成果を出せるのかという不安がありました。ですが今は、そうした不安はなくなり、どんな環境でも応用できる営業スキルが身についてきていると実感しています。
——「会社のブランド力で売れているのではないか」「安定した環境に安住しているのではないか」と、自身の市場価値に危機感を抱いている営業職の方々へ、メッセージをお願いします。
齊藤:もし今の環境に物足りなさを感じているなら、一度パトスロゴスを検討してみてほしいですね。根性で売ってこいという場所ではなく、むしろ、磨き抜かれた「型」を武器にしながら、自分自身が主導権を持って戦略を立て、お客様の組織を動かしていく手応えのある営業が求められます。
一人のプロとしてお客様の経営課題に深く入り込む経験は、将来どこへ行っても通用する、本当の意味での自信に繋がると思います。
久司:パトスロゴスでの日々を例えるなら、急な坂道をずっと走り続けているような感覚です。階段を一段ずつ登るような緩やかなスピード感ではなく、日々自分を更新し続けなければ置いていかれます。ただ、弊社での経験は、キャリアを数倍速で進めるショートカットになると思います。折れない信念を持って、手強い難問にチャレンジすることを楽しめる方と一緒に働きたいですね。
——最後に、お二人が思うパトスロゴスにしか存在しない面白さとは何でしょうか。
久司:日本になかった全く新しい発想のプロダクトを、真っさらな状態から市場に浸透させています。そして、歴史も実績もある競合他社を、自分たちが描いた戦略でひっくり返していきます。競合他社に対して、こちらの戦略で勝ち切れたときの達成感は大きいです。
齊藤:さまざまな会社と商談をしますが、一社として同じケースがないので、毎日が新しいチャレンジの連続で飽きることがありません。大企業を相手に、社内の関係者や意思決定の流れを読み解きながら、毎回違う打ち手を考えて進めていきます。初回から受注までのプロセスも案件ごとに異なるので、学びが多いのが面白さだと思います。