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やりたいことなんて、なくてもいい ~流通小売から金融までマルチに活躍する「山ちゃん」の仕事の流儀~


山ちゃん
学習院大学 文学部卒業。2016年、新卒でオープンリソースに入社。プログラミングはほぼ未経験ながら、流通小売から金融まで幅広い開発現場でマルチに活躍。現在は百貨店のシステム開発に従事している。


学業に没頭した学生時代。卒論をやり切りたいという想いから、1年間の就職留年を決意。

ーまずは、学生時代や就職活動について教えてください。

隠すことではないので正直に話すと、私は、就職活動のために1年間留年をしています。いわゆる「就職留年」ですね。

大学では古代ギリシア哲学を学んでいたのですが、私なりに情熱を持って取り組んでいたので、就活により学業が疎かになってしまうことを危惧していました。また当時は卒業論文の執筆にも力を入れていたので、納得できるまでやり切ってから就職活動に注力したいという想いもありましたね。

結果として卒論は満足いくものが作れたので、この決断に後悔はしていません。それに就活に関しても、1年間の猶予が出来たことで新しい資格を取得したり、プログラミングを学ぶなど、有意義に過ごすことができました。


ー文学部に所属していたと伺いましたが、学生時代からプログラミングを学んでいたのですね。

はい。IT業界に興味があったので、就職活動を進めるにあたって、まずは独学でプログラミングを学び、自分に合っているかどうかを見極めることにしました。

実際にやってみて感じたのは、シンプルに「プログラミングって面白いな」ということ。「こういう仕様のものを作りたい」という完成イメージに対して、どのようにプログラムを組めば実現できるのかを考えるプロセスの楽しさもありますし、作ったものが正常に動いたときには、自分の考えたことが正解だったと実感を得られる点も、面白いと思えた理由の1つです。



入社1年目で実装も担当。それが叶った理由とは。

ー入社1年目の頃は、どのような仕事をしていたのでしょう。

入社から数ヶ月間は新入社員研修に参加し、Javaという開発言語を学びました。研修の前半では講義や演習などを通して基礎知識を身に付け、後半はグループごとにアプリを制作する、というものです。

研修終了後は、大手スーパーの従業員の方が使うシステムの開発プロジェクトに参加。その時に作っていたのは、マスタデータ(※構築するデータベースにおける基礎情報のこと)のメンテナンス画面と、エクセルで管理している売上データを取り込むための画面の2種類です。私は主に、プログラミングとテストを任せてもらいました。


ー1年目からすぐに実装にも携わっていたのですね。

そうですね。文学部哲学科出身の私が、まさか入社から数か月で、誰もが知る大手企業様向けシステムの実装に携われるようになるとは、入社前の私が知ったら間違いなく驚いたと思います。だけど、それが叶う環境がオープンリソースにはありました。

その1つは、やはり前述の技術研修ですね。このプロジェクトではJavaではなくC#を使ったのですが、JavaとC#はどちらも「オブジェクト指向言語」と呼ばれ、共通する概念に基づいた言語です。そのため似ている点が多く、研修で学んだことをすぐに実務で活かすことができました。

もう1つは、周囲の皆さんのサポートによるものです。分からないことがあれば一人で抱え込まずにすぐに相談できる体制だったので、とても助けられました。

また、これまで多くの案件を手掛けてきた会社だからこそお手本にできるソースコードが社内にあったことも、要因の1つです。こういった社内の環境のおかげで、ほぼ未経験で入社した私でも事業の一端を担うことが出来たのだと思います。


ー初めての開発プロジェクトで学んだことはありますか。

学生時代に独学で取り組んでいたときは、「仕様をどのように実現するのか」といった、表に出る部分にばかり気を取られていたことに気づかされました。

例えば、エクセルデータの取り込み画面を構築するときには、画面上は見えていないのですが、裏側にはエクセルのプロセスが残り続けてしまいます。これをそのままにしておくと処理が重たくなってしまうので、都度削除するようにプログラムに組み込まないといけません。

このように、目に見える仕様だけでなく「非機能要件」ーーつまり、システムの裏側で何が起こっているのか、という点にも目を向けて開発に臨むようになりました



流通小売→金融と経験し、再び流通小売の世界へ。

ーその後のキャリアについても教えてください。

その後も流通小売業界の案件をいくつか担当したのち、入社3年目から金融案件に携わるようになりました。オープンリソースに入社して丸8年経ちますが、そのうち約6年間は、金融案件を担当しています。クレジットカード会社で発行しているギフト券のシステムや、コンビニエンスストアのスマホ決済システムなど、本当に沢山のことを経験させてもらいましたね。

中でも、特に印象に残っているのは金融案件での最初のプロジェクトです。クレジットカード会社におけるカード情報非保持化対応のシステム開発で、私は詳細設計からプログラミング、実装、テストまで担当していました。

お客様がクレジットカードを使用した際に、お客様情報がカード会社に送られますよね。その際に「PCI DSS」といって、「カード会社はお客様情報を保持してはいけない」という、クレジットカード業界の情報セキュリティ基準があるのですが、それに準拠するようシステムの改修を行いました。



ー約6年間、金融案件を担当していたのですね。流通小売から金融の開発に移ったことで、違いは感じましたか?

金融業界向けのシステムでは、金銭情報や個人情報などセンシティブな情報を扱うので、高度なセキュリティ要件が求められます。その分テストの回数も多く、その莫大さに驚きましたね。

例えば、影響が出ない箇所に関しても、「無影響である」ということを証明する必要があり、リグレッションテスト(※プログラムに機能を追加したり変更を加えたことによって、今まで普通に動いていた部分が動かなくなっていないかを確認するために行うテストのこと)を実施する必要性があります。

また、前述の「PCI DSS」もそうですが、金融業界ならではの制約も多く、それに加えてクレジットカード会社独自のルールもあります。それらに則って作る必要があるので、より一層緊張感をもって開発に励んでいました。

実は今年の5月から、百貨店のシステム改修プロジェクトに参加しており、古巣である流通小売の案件に戻ってきている状況です。これまで沢山のことを経験してきたので、それを今の場所でも活かしていきたいですね。



基盤がある会社だからこそ、沢山の経験を得られる。

ー現在入社9年目。これまで続けてこられた秘訣や、原動力とは何でしょう。

20年を超えれば老舗と言われるIT業界において、当社は1997年に設立し、今年で28年目。これまで沢山の企業様と、強固な関係性を築いてきました。こういった基盤のある会社だからこそ、私たち社員は様々なプロジェクトに携わることができます。変化のある環境だからこそマンネリ化せずに働けますし、多くの学びが得られる点が魅力ですね。

原動力は、やはりシンプルに「プログラミングが面白い」ということですね。それは入社前からずっと変わらず根底にあります。

上手くプログラミングするためには、設計の段階から緻密に行う必要があります。曖昧な点を整理し、仕様をどうプログラムに落とし込むのかを考え、それが徐々に形になっていくのは、9年続けた今でも楽しいと思えます。


ー最後に、就活生へメッセージをお願いします!

「やりたいことが見つからない」と悩む就活生は多いと思うのですが、私は、やりたいことはなくてもいいと思っています

もちろん、やりたいことが明確なのは素晴らしいこと。ですが、それを見つけるのは簡単ではないですよね。「やりたいこと」が見つからない方は、「どんな事なら興味を持てそうか」「どんな事なら強みを活かせるか」、そんな風に別のアプローチから就活に取り組んでみてください。

実は私自身も、「こんなプロジェクトに携わりたい!」という希望はありません。「やりたいことがない」と表現するとマイナスな印象に聞こえるかもしれませんが、言い換えると「どんなボールでも、来たら必ず打ち返す覚悟がある」ということ。だからこそ、流通小売から金融まで、幅広いプロジェクトに携わってこられたのだと思います。これからもどっしり構え、選り好みせずに様々なプロジェクトに参加しながら、着実に力を付けていきたいと思っています。



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