AIに文章を書かせる。会議を要約させる。わからないことを質問する。
それだけなら、いまでは珍しくありません。
JOKER'Sが目指しているのは、一人ひとりがAIを便利に使う会社ではなく、会社に蓄積された一次情報を、次の仕事へ変え続けられる組織です。
会議で話したこと。Slackで決まったこと。現場で生まれたノウハウ。うまくいかなかった施策と、その修正。これらをNotionに蓄積し、CodexやClaude Codeが必要な文脈を探し、マニュアル、企画、分析、タスク、コンテンツのたたき台へ変える。そして最後は、人が判断し、責任を持って実行する。
これが、JOKER'Sが進めている「With AI」な働き方です。
2026年5月には、株式会社AXさんを招いて1DAYのAIエージェント研修を実施しました。以前の記事では、その背景と研修の様子を紹介しています。
▶︎ AI顧問に数百万円超を投資!?JOKER'Sが1DAY AI研修を実施した理由
今回は、その後に社内で何をつくり、各事業でどう使おうとしているのか。外からは見えにくい、JOKER'Sの現在地を紹介します。
目次
Notionは資料置き場ではなく、「会社の記憶」
JOKER'Sでは、Notionを完成した資料の保管場所としてだけ捉えていません。
会議の議事録、決定事項、業務マニュアル、過去の事例、改善ログ、コンテンツの型などを、AIが検索し、次の仕事で使える状態にするための共通メモリとして整備しています。
私たちの基本構造は、次の4段階です。
ポイントは、AIに毎回ゼロから質問しないことです。
JOKER'Sの事業、過去の判断、理想のアウトプット、守るべきルールを参照できる状態にすることで、個人のプロンプト技術だけに依存しない仕事の進め方をつくっています。
1.会議を「話して終わり」にしない
JOKER'Sでは、社内会議や外部パートナーとのミーティングを、AI議事録で記録・要約し、決定事項やアクション候補を整理しています。
ただし、議事録をつくること自体がゴールではありません。
- 何を決めたのか
- 誰が、いつまでに動くのか
- 過去のどの議論とつながるのか
- 新しいマニュアルやFAQに変えるべき学びは何か
ここまで整理してNotionへ残し、必要に応じてSlackで共有することで、欠席者のキャッチアップや次回の意思決定に使える状態へ変えます。
会議の記録が、次のタスクになる。
タスクの結果が、次のマニュアルになる。
マニュアルが、次に入るメンバーの立ち上がりを早くする。
議事録を記録ではなく、組織の学習データとして扱う。
これが、AI活用の土台です。
2.SNSマーケティングでは、分析と提案の初速を上げる
SNSマーケティングの仕事は、投稿をつくって終わりではありません。
公開後の数値を集め、何が成果につながったのかを考え、次の改善案や提案に変える必要があります。さらに、Slack、メール、Notion、スプレッドシートなど複数の場所で進む案件から、決定事項や期限を拾い続ける必要もあります。
そこでAIを、次のような領域に組み込んでいます。
- 会議やSlackから、決定事項・担当者・期限の候補を抽出する
- SNSの実績数値を整理し、レポートと改善案の初稿をつくる
- 過去事例や競合の発信を比較し、企画の仮説を広げる
- 提案書や投稿案のたたき台をつくる
- PR表記、NG表現、二次利用条件などの確認を補助する
一方で、顧客の事業背景をどう理解するか、どの提案に賭けるか、相手へどう伝えるかは人が担います。
AIが出した「それらしい分析」をそのまま提出するのではなく、現場の事実と照らし合わせて初めて、次の一手になります。
3.ライブ配信では、現場の経験をマニュアルと改善に変える
ライブ配信の現場には、配信者とのコミュニケーション、イベント運営、機材設定、面談、数値確認など、多くの知見があります。
しかし、経験がSlackの会話や担当者の頭の中だけに残ると、同じ質問への回答や、同じ失敗への対応を何度も繰り返すことになります。
ライブ配信事業では、Slackのログ、録画、スクリーンショット、既存資料などを材料に、CodexとNotionを使って手順書や状況別のマニュアルを整備する取り組みを進めています。
また、議事録や運営データを蓄積し、Claudeなどで傾向を整理することで、定点観測やフィードバック、運営改善のたたき台へ変える構想も進めています。
ここでも目指しているのは、AIに人間関係を任せることではありません。
AIには、情報整理やパターン発見を任せる。人は、配信者一人ひとりの状況を見て、信頼関係をつくり、どの支援が必要かを判断する。そんな役割分担です。
4.採用と広報では、トレンドを「自社の一次情報」に変える
採用では、求人、スカウト、面接準備、記事制作などの初稿づくりにAIを使っています。
ただし、この記事で伝えたいのは「採用文章をAIに書かせています」という話だけではありません。
たとえば採用広報では、毎週火曜9時にWantedlyのNow Hotや週間ランキングを確認する運用を定例化しました。
上位記事をそのまま真似するのではなく、
- タイトルでどんな問いをつくっているか
- 冒頭で誰の悩みを拾っているか
- どんな一次情報が読まれる理由になっているか
- 写真や構成、CTAがどう設計されているか
- JOKER'Sの直近の出来事へ、どう置き換えられるか
をAIと分解します。
その結果をNotionの企画データベースへ蓄積し、記事案、勝ち筋の仮説、公開後のPVや反応を残す。次の記事では、過去の結果をAIが参照し、企画の精度を上げる。
つまり、1本の記事をつくって終わるのではなく、トレンドの観察と公開結果を、次に使えるAI資産へ変える設計です。
候補者を探す場面でも、社内の事業議事録から仕事の実態を読み、活躍しそうな経験や検索キーワードの仮説を広げます。ただし、誰に声をかけるか、相手のどこに惹かれたか、採用するかどうかは、必ず人が判断します。
5.勉強会を、受けて終わりにしない
AI研修は、一度受ければ終わるものではありません。
JOKER'Sでは、株式会社AXさんとの研修・伴走をきっかけに、部署ごとの業務ヒアリング、CodexとNotionの活用講座、社内での事例共有を続けています。
実際、AIの使い方には部署差もあります。全員が同じレベルで使いこなせているわけではありません。
だからこそ、単に「もっとAIを使おう」と呼びかけるのではなく、
- 現在の仕事を分解する
- どこに時間や確認漏れが生まれているかを見つける
- 小さな業務からAIとつなぐ
- 人が確認するポイントを決める
- うまくいった手順をNotionへ残す
- 他のメンバーが再利用できるSkillやマニュアルにする
という順番で、各事業へ実装しています。
AI活用を個人のセンスで終わらせず、組織の能力へ変える。その途中にいることも、JOKER'Sのリアルです。
JOKER'Sで1つの仕事が「AI資産」になるまで
社内で目指しているループを、簡単に表すとこうなります。
1. 現場で一次情報が生まれる
会議、顧客との対話、配信現場、SNSの結果から、事実と学びが生ま。
2. AIが整理する
要約、決定事項、タスク候補、論点、再利用できる知識を抽出する。
3. Notionへ蓄積する
議事録、マニュアル、判断例、成功・失敗事例として残す。
4. CodexやClaude Codeが次の仕事で使う
過去の文脈を検索し、企画、提案、手順書、分析、タスクの初稿へ変える。
5. 人が確認し、決めて、実行する
事実、品質、相手への影響を確認し、責任を持って進める。
6. 修正と結果を、再び資産にする
人が直した内容と実行結果を、次に使える例やルールとして残す。
このループが回るほど、「詳しい人に毎回聞かないと進まない仕事」が減り、新しく入ったメンバーも過去の知見を使って早く挑戦できます。
AIに任せること、任せないこと
JOKER'SのValue「With AI」には、次の考え方があります。
AIに任せて時間を生み、自分の時間を、“心からやりたい”にFull Bet。
AIに任せること
- リサーチ、比較、整理
- 議事録の要約とタスク候補の抽出
- 提案書、記事、マニュアルの初稿
- データの集計、可視化、変化点の発見
- 定型的な通知、記録、繰り返し作業
人が任せないこと
- 何をやるか、なぜやるか、誰のためにやるか
- 顧客、候補者、仲間との信頼をつくる対話
- 事実確認、最終品質、優先順位
- 閲覧権限とプライバシーの判断
- 結果に対する責任
AIが答えを出したとしても、「AIがそう言ったから」は仕事の理由になりません。
速く進めるほど、最後に判断する人の責任は大きくなる。JOKER'Sは、AIと人の役割をそのように考えています。
便利さより先に、守るべき情報がある
AIが社内情報を読めるほど、権限とプライバシーの設計は重要になります。
JOKER'Sでは、公開情報、社内情報、閲覧を制限すべき情報を分け、AIへ渡すデータも必要最小限にすることを重視しています。
- 候補者や顧客の個人情報を、公開コンテンツへ転用しない
- 契約情報や非公開数値、内部URLを外へ出さない
- アクセス権限は、必要な人へ必要な範囲だけ付与する
- AIの出力を、人の確認なしに送信・公開・最終決定へ進めない
- 画面を記事へ載せる場合は、ダミーデータか公開許諾済み素材を使う
この記事も、実際のSlackやNotionを参照しながら、外部に出せない情報は削除・抽象化して作成しています。
AI活用と、無防備な情報共有はまったく別です。
JOKER'Sが探している「AIネイティブ」な人
私たちが考えるAIネイティブは、最新ツールの名前をたくさん知っている人でも、プロンプトを一度で当てられる人でもありません。
- 仕事の目的と条件を言葉にできる
- 一次情報とAIの推測を分けて確認できる
- 作業を分解し、AIへ任せる部分を設計できる
- プライバシーや権限の境界を判断できる
- うまくいった方法を、自分だけの技ではなく組織の資産にできる
- 最後は自分の意思で決め、結果に責任を持てる
そんな人です。
新卒か、第二新卒か、中途か。年次だけで線を引くつもりはありません。
AIを使って仕事を早く終わらせたい人より、AIによって生まれた時間と情報を使い、事業や顧客への価値を大きくしたい人と働きたいと考えています。
JOKER'Sは、完成したAI組織ではありません。
各事業で使い方を試し、失敗や修正もNotionへ残し、AIと一緒に仕事の仕組みそのものをつくり変えている途中です。
だからこそ、入社したあとに既存の仕組みを使うだけでなく、自分の仕事に合ったAI活用をつくり、それを会社の新しい資産にできます。
AIの回答を使う人ではなく、AIと仕事の仕組みをつくる人へ。
そんな新卒・第二新卒・中途の皆さんと、ぜひ一度お話ししたいです。
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