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こんにちは、セブンデックスのしゅんといいます。セブンデックスという渋谷のスタートアップで組織開発責任者をしています。
組織開発ってなに?
ピンポン💡:このnoteでは組織開発というものを学術的にとか正しくとか捉えた話をする事はまったくできません。ただ僕たちが日々より良い会社にするために向き合っている中でたどり着いた考えをシェアしたいなと思っています。
まずは組織開発は何か?というところから。いろんな説明があると思うんですが、僕の中で一番しっくりきている組織開発というのは「人が豊かに働けるためにできることを何でもやること」だと思っています。人が豊かに働けることをあらゆる手を尽くしてサポートすることなのかなと。
簡単に言いましたがこれがなかなか曲者です。「豊かに働ける」といっても、それを実際に実現するのは生半可なことじゃないです。組織を作っておられる方全員が頷くと思います、組織を作るのはめちゃくちゃ難しい。ましてや豊かに働いてもらうことなんて究極の難しさです。
<何で難しいのか?→❶たくさんの教科で及第点が必要だから>
例えば、どれだけやりがいを感じている仕事でもそこから得られる給料が少なすぎて自分の生活に支障が出るような場合は長く続けられないと思います。また、いくらやりがいがある仕事でもそれを達成するための能力が自分にないと、どんどん自分を責めてしまってやりがいすら感じられなくなっていくかもしれません。そう、豊かに働くためにはたくさんの教科で及第点を取らなきゃいけないんです。1個が破滅的なら豊かとはいえなくなっちゃうかもしれない。
その他にも「人間関係がいい」「ビジョンに共感できる」「成長を実感できる」・・・などなど挙げ出せばキリがないほどいろんな要素が必要なんです。
「豊かに働ける」ための要素の一部
ここにあげたように、「豊かに働ける」を実現するためには、いろんな状態をコンプリートしていく必要があって、だからこそ、組織開発は何でも屋さんでなくてはいけないと思うんです。逆にいうと何でも屋さんじゃないとリーチできないものが多すぎる。
いろんな難しいことをクリアして、クリアして、クリアして、、、積み木のように1つずつ積んでいってやっとたどり着く頂点が「豊かに働ける」だから、そりゃあむずかしいわけだ。
↓こんな感じで施策をガンガンやってきたけど、正直まだ全然足りない・・・。
<何で難しいのか?→❷領域をめっちゃ跨ぐから>
人を採用する人、人を育てる人、評価をする人、評価基準を定める人、報酬を設計する人、などなど普通の会社だと別々の人が設計していると思いますが、別々だと辿り着けないのもまた事実。でも本来的にはぜんぶのコントロールができていることが大事だし、ぜんぶのバランスが大事。
<何で難しいのか?→❸実は組織開発≒経営だから>
もっというと、組織開発と言いつつ、給料を上げようと思ったら会社が儲かるようにしないといけないし、会社が儲かるようにしようと思ったら戦略や人材獲得・人材育成、オペレーションまで幅を広げなきゃいけないし…と、もはや一役職というよりは「経営者そのもの」のようにも思えてきたり…笑
そう気づいてしまった。
組織開発って実は、ほとんど会社経営と同義なのかもしれない。
モヤモヤ:会社ってなに?働くってなに?
さて、気づいてしまったところでそもそもに立ち返りたいんですが、
会社とは何のためにあるのか?というのも少し考えたいと思います。
みなさんは、会社は何のためにあると思いますか?
- 会社の目的は利益の追求だ
- 雇用や納税によって国に貢献することだ
- 株主のために長期的なFCFを最大化することだ
- お客さんのために良い商品やサービスを開発・提供することだ
- CSRを通して社会に貢献することだ
一般的にはこのあたりでしょうか。うん、視点によってはどれも正解かもしれません。
ただ僕は「これだけでいいんだっけ?」という疑問をずっと抱えてきました。会社を自分で経営していたときから会社はなぜ存在するのか?という問いに対するこういった回答にモヤモヤしてたんです。後になって気づきました。モヤモヤするのは、ここに挙げた「会社」からはそこで働く人たちの顔が見えないからだと。
会社の目的がこれだけで良いわけないでしょ、それが僕がずっと思ってきてることです。会社が存続することや、納税をすること、お客さんへのサービス提供と人一人の人生・豊かに働けるか、どちらが会社の目的なのかなんていう理論のことはわからない。
でも、せめて僕たちの会社では「働く人の豊かさを最大限大事にした組織のあり方を模索していきたい」そう思う。そっちの方が僕たちらしいから、そっちの方がかっこいいから。(会社の経営とは、バイブスなのかもしれない)
ちなみにこれは「利益より優先して働く人の豊かさを第一に考えるべきだ」と言っているわけじゃないです。ビジネスである以上は利益は出さなければいけないし、それを立派にやって達成したいよね。でもまず綺麗事を言っていこう。
ちなみに僕としては「儲かってなくて綺麗事いうだけの会社」の方が「儲かってはいるけど綺麗事をいえない会社」よりよっぽど好きです。みなさんはどうでしょうか。
ここで僕がすごく影響を受けた名著「会社という迷宮」から一節を引用します。
「人材」が稀少な資源になるということの含意は、優秀な「人材」の確保が競争上重要になるという次元の話ではなく、ヒトを「人材」にするというその役割が、「会社」の社会的使命として、その重みを増していくに違いないということだ。ヒトを人間ならではの仕事に活かすことで「人材」にすることができる「会社」だけが、将来においても「会社」たる資格があるということになる。
会社という迷宮――経営者の眠れぬ夜のために
産業革命の時に会社ができて以降、炭鉱で働いていた時に比べればすこしずつ働く人への処遇は改善されてきているとは感じるけど、正直まだまだ考え方は古いままだなと思ってきました。「誰にでもできる」「型化された」ような仕事をやるために人がいるわけじゃない。
僕は上記の一文を読んだ時すごくスッキリしました。これまで抱えていたモヤモヤに対する答えをもらったような気持ち。
「そうだ、僕たちはヒトを単なる労働力としてじゃなく人材として、豊かにのびのび働いてもらえるような会社になっていきたい」「そういう綺麗事を言ってもいいのかもしれない」と背中を押してもらったような気がした。
会社のことを儲けるための装置だと思っている人がいることは全く否定しないけど、儲かっていたとしてもその会社で働く人がみんな不幸であればそんな会社なくていいんじゃないかと思います。株主と顧客が幸せなら従業員は幸せでなくていい、なんて悲しすぎる。
紆余曲折だらだらかいちゃってますので、ここらで結論を。
会社とは、船だ。
ある社内のプレゼンで僕は、組織は船だ、と表現しました。その意味するところはいろいろあるんですが・・・。
「乗るのを決めるのもあなた」「降りるのを決めるのもあなた」「乗っている間は一緒の方向に向かって漕ぎましょう」「乗っている間はせっかくなら楽しみも、そして苦難も一緒に乗り越えましょう」「そして一緒にいい景色を見ましょう」そんな世界観をつくりたい、ということを強調したかった。
そのときの資料
日本ではあたかも義務かのようにいやいや働いている人も少なくないと思います。だけど本来誰も義務や強制でその会社で働いているわけではないはず。(お金のために仕方なく働いているという人も、本来そうありたいと願っているわけではないはず)
僕はみんなにこう堂々と言いたい。
この船を選んでくれてありがとう。一緒の目的地を目指してがんばろう。ここから一緒にこの船を漕ぐ中でそれが豊かな選択だと思えれば続けて欲しい。もしそうなれていないのであれば全力でサポートをする。もし万が一君が行き先が違うとか、ここにいることがくるしいとか、自分の乗るべき船じゃないと感じるのであればいつでも船を降りてくれてかまわない。降りたとしても、もしまた行き先が近いと感じて、また一緒に漕ぎたいと思うならいつでも帰ってきてね。
そんなふうに言える船でありたい。そうやって自由意志で選ばれる船はきっと強い。
スローガンは「日本一おもしろい」会社
僕たちが思う豊かさ、その重要な部分を占めるのが「おもしろい」というスローガン。「おもしろい」とは何か、それはまだまだ模索中なんだけど、今僕が思っているのは
挑戦・成長・インパクト
この3つがそろっている会社のことかなと。
挑戦をできて、失敗ができて、
今の自分よりも未来の自分が成長できると思えて、
社会に少しでも役に立てていると感じる
そんなポジティブな世界を作っていきたい。
挑戦といっても、事業を作るような大きな挑戦をしたい人もいれば、目の前のお客さんを喜ばせることを挑戦と感じることもある。それでいい。大事なのは自分にとって、会社にとって、社会にとって未知なことに挑めるかだと思う。
盛大に回り道をしてきましたがこれで最後にします。
組織開発とは何で、なぜ僕たちが命を燃やすのか?
人が豊かに働けるためにできることを何でもやること。そして、みんなが豊かでおもしろいと感じながら働ける船を作るために日々命を燃やす。これが回答です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!