CEATEC JAPAN 2018に出展!ローソンが目指すデジタル技術の革新によって実現する未来のコンビニ | イベント
ローソンデジタルイノベーション(LDI)の宮田です。今回は、ローソンのオープン・イノベーションセンター(OIC)を中心に取り組んだCEATEC JAPAN 2018出展プロジェクトについて、ご紹...
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こんにちは。ローソンデジタルイノベーション(LDI)の佐野です。今回は私が担当しているオープン・イノベーション・センターについて、ご紹介します。
人手不足や人件費の高騰等といった社会環境の変化に伴う経営課題を、テクノロジーを用いて解決する事を目的とした組織として、ローソンは2017年5月にオープン・イノベーション・センター(以下、OIC)を組織し、それに合わせて、これらの新技術を実験する研究施設として本社に近い都内某所に「ローソン・オープン・イノベーション・ラボ(以下、OIL)」を設立しました。
これまでは、技術によっては実店舗にいきなり導入するとお客様にご迷惑をかけたり、お店の仕事の邪魔をしてしまう可能性があり、なかなか導入が進められないケースがありましたが、この研究施設を活用することで、店舗への導入前にきちんと技術検証し、OKなら実店舗で実験することができるようになりました。これにより、「導入検討」⇒「ラボ検証」⇒「実店舗実験」といったサイクルを複数回回すことができ、新技術の実店舗への展開をスピーディに実施する事が可能となっています。
LDIはOICの設立当初から、OICのコアメンバーとして参画し、ローソンと一体となって技術検証を進めてきました。技術選定の段階からエンジニアが参画することで、本当に良い技術を選定しスピーディに実証実験を行うことが可能となっています。
設立以降、国内外問わず、様々な企業と共に実証実験に取り組んでいます。
例えば、ある電機メーカーと共同でレジ業務の効率化を目的にロボを開発し、その実証実験を複数回実施しています。カメラ・センサーを使った顧客行動分析の実験も実店舗で実施しています。
また企業だけではなく各省庁とも連携しており、経済産業省とは電子タグをつかった実証実験を毎年行っています。当然ながら、これらの実験を進めるにはエンジニアの参加が必須となっており、LDIのエンジニアが積極的に支援する事で実験を進める事が可能となっています。
2018年10月にローソンが小売業界で初めてCEATEC JAPANに出展しましたが、この展示内容を支えるテクノロジーに関しても、LDIのエンジニアが深くかかわっています。
出展に際し、「OICで取組んでいる新技術をCEATECで展示することで、ローソンのテクノロジーに対する取り組みをアピールすることとなりました。
ローソンでは、経済産業省が2017年に策定した「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」にも賛同し、かねてより電子タグの実証実験を進めていました。この宣言は、一定の条件のもと、2025年までにコンビニ全店で販売する商品すべてに電子タグ(RFIDタグ)を貼り付け、商品の個品管理を実現するといったものです。CEATECでの展示のコンセプトが「2025年のローソン」となったことで、全商品に電子タグが貼り付けられたらお客様の買い物体験や、店舗運営はどのように変化するのかを、体験できるような展示内容を検討する事となりました。
社内・及び社外の多くの関係各社と討議を重ねたうえ、以下の2つのシステムを開発して展示する事が決まりました。
1) ウォークスルー決済システム
2) リアルタイム在庫管理システム
システム開発にあたっては、かねてよりOIC支援に関わっていたLDIメンバーのみならず、その他のエンジニアやLDI社長・役員も率先して関わり、まさにLDI全社を挙げて取り組むこととなりました。
商品すべてに電子タグが貼り付けられた世界では、決済も今のレジによる決済とは全く違ったものになります。
現在、混雑時はレジに行列ができてしまい、お客様をお待たせしてしまうことがありますが、商品すべてに電子タグがつけば、人が通った瞬間に商品を検知する事が可能となり、レジの無いフリクションレス(摩擦の無い)決済を実現する事が可能となります。
電子タグを読取るセンサーについては、かねてよりメーカーから提案を貰っていたものを一部改良して使い、個人を識別するモバイルアプリケーションと決済のシステムはLDIエンジニアによる内製で構築しました。
展示にあたっては、“リアルな購買体験”をしていただきたいという想いから、実際にローソンで売っている商品を並べ、来ていただいたお客様に商品を買っていただくことを目標にして開発を進めました。
“商品を売る“ところまで展示会でやる必要があるのか?と、社内でも賛否両論ありましたが、結果的に連日1000名を超えるお客様に体験いただき、行列ができるほどの盛況ぶりでした。通常のレジ会計に比べ、圧倒的に速いスピード(有人レジの半分以下)で決済が出来ていたことも好評だった理由かと思います。
企画・開発に携わったエンジニアもお客様が体験する姿を目の当たりにすることができ、非常にやりがいのある取り組みとなりました。
商品すべてに電子タグが貼り付けられれば、製造・物流・販売といったサプライチェーン全体での効率化が実現可能です。すべてのお店でどの商品が何個並び、何個残っているのかといった在庫情報がリアルタイムで確認可能となり、製造・販売の効率化に期待が寄せられています。今回の展示では、これらに加え、ローソンの棚にセンサーを取り付け、商品の陳列状況やPickupの回数までリアルタイムで可視化し、お客様への利便性向上や店舗運営効率化に役立てられないかを検討することとなりました。
商品の陳列状態やPickupの回数を取得することは簡単ではありません。棚に置かれている商品を一定期間(ごく短い期間)でスキャンし、その都度、クラウド上の在庫管理システムにデータをアップロードする必要があります。また、このアップロードのタイミングについては短すぎると高負荷でコストがかかり、長すぎるほどリアルタイム性が損なわれるといった、費用とデータの鮮度が相反する関係となってしまいます。これを、どの程度のタイミングで収集する事が最適なのかを、ビジネス視点・テクノロジー視点で見出す必要があり、この落としどころを探るべく、LDIのエンジニアとメーカー、協力会社のエンジニアが一つになって、ソフト/ハードの両面で開発を進めました。
おかげさまでCEATEC JAPAN 2018は大盛況で、当初の目的であった「ローソンのテクノロジーに対する取り組み姿勢」も大いにアピールでき、その結果としてこれまで付き合いのなかった様々な企業ともコネクションを持つことが出来ました。現在もこれらの企業や、当然ながらLDIのエンジニアと共に、日々ワクワクするような企画がいくつも走っています。
今後もLDIでは、よりスピーディに新しい技術の検証・導入を進めていくため、積極的に仲間を募集しています。先端技術に興味がある方、企画や技術検証からプロジェクトに携わりたい方、コンビニ「ローソン」のテクノロジーに対する取り組みに少しでも興味を持っていただけた方は、お話をできればと思っています。
ローソンの企業理念である「私たちは “ みんなと暮らすマチ ” を幸せにします。」の実現に向け、技術力と情熱にあふれたエンジニアの応募を心よりお待ちしております。