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キャッシュレス化への取り組み!レジに並ばず、アプリで会計できるローソンスマホレジ!

初めまして。記事をご覧いただきありがとうございます。ローソンデジタルイノベーションの中野です。

私は現在、当社のモバイルアプリチームでPMをしています。 今回はそのチームで取り組んだ「ローソンスマホレジ」についてご紹介します。

そもそも、ローソンスマホレジとは?

ローソンスマホレジは、ローソン公式アプリで提供しているサービスの1つです。

スマートフォンにローソン公式アプリをインストールして、会員登録・ログインをすることで、店内の商品のバーコードをスマホートフォンで読み取るだけで、レジに並ばず決済が出来ます。

ローソンスマホレジは決済サービスではありません。
レジでバーコードをスキャンしてお金を払うという「従来の商品購入の流れをスマホだけで行い、レジに並ばずにお買い物が出来るようになるサービス」と説明すると、分かりやすいかもしれません。

スマホで無人レジを実現し、お買い物体験を変える

ローソンスマホレジは、「無人レジ」を実現することで、レジの行列に並ばずにスピーディーに買い物をすることができる「キャッシュレス化」への取り組みの一つです。モバイルアプリを利用し、お客様のスマホとリアル店舗をつなぐことで、お買い物体験を変えるというチャレンジングなプロジェクトでした。

「無人店舗」も視野に入れて検討を行い、いくつかプロトタイプを作りましたが、日本では様々な課題があり、それらを優先付けしていくうちに、今のローソンスマホレジの形になりました。

もともとはPOCとして行い、RFIDなどの最先端技術を利用したサービスまでの代替となるかを検証する短期プロジェクトの予定でしたが、ご利用頂いたお客様からの、サービスを継続して欲しい、他の店舗でも実施して欲しいとの要望からプロジェクトをどんどん延長して、1,000店舗を目指すまでになりました。

ローソン公式アプリの内製化を実現するLDIのモバイルアプリチーム

ローソンデジタルイノベーションでは、ローソン公式アプリの開発・改善行なっており、私はそのPMを担当しています。

もともとローソン公式アプリの開発は外部の企業に委託していましたが、アウトソース型のシステム開発から、企業主導型のシステム開発体制に移行していく取り組みのなか、ローソン公式アプリについても内製化を進めることになりました。

私がLDIに入社して最初のミッションは、そのローソン公式アプリを内製するためのモバイルアプリチームの立ち上げでした。

ローソン公式アプリは、既に世の中に出ているアプリだったので、引き継いだ当初は、ローソンのマーケティング部と話し合いながら、既存のバグや課題を改善しつつ、チームビルティングを行なっていました。

そんな中、ローソンスマホレジは、ローソン公式アプリの開発引き継ぎ後、初の新規サービスとして追加し、進め方やステークホルダーの範囲が今までのそれとは大きく異なり、調整や仕様確定も難易度が跳ね上がりました。

決済を行う機能がなかったため、クレジットカードや各決済手段のルールにそった、アーキテクチャやUI/UXを考慮したり、もちろん脆弱性診断対応を行う必要もありました。なによりもスケジュールがタイトだったので、仕様要件が吸収出来ず、調整をLDI内部でも色々なメンバーを巻き込んでリーズナブルなポイントに落としながら、臨機応変な対応を求められました。

ローソン社内リリースして検証を実施!そして店舗導入へ

そんな紆余曲折を経て、β版のアプリ開発が完了しました。

本リリースでは、店舗導入を3店舗検討していましたが、その前にβ版を社員専用のアプリとしてリリースし、ローソン社員やLDI社員に実際に利用して貰い、フィードバックを得る事になりました。

その後、ローソンの中で様々な立場で働く方々からのフィードバックを得て、UIなどの改善を行い、システム的にもオペレーション的にも、リリースするにあたっての課題を洗い出し、反映した後、正式にリリースすることとなりました。

店舗導入!そして拡大!もっと便利なサービスへ

本リリースでは、最初に3店舗のみに導入し、その後、徐々に導入店舗を拡大していっています。

ローソンスマホレジの機能も、リリース当初と比較するとより利便性を求められるようになり、現在は、決済方法の追加、UI/UXの変更などのアップデートを行なっています。

決済方法は「クレジットカード」、「Apple Pay」、「楽天ペイ」、「LINE Pay」に対応しています。

変更のひとつとしては、ペットボトルなどの飲み物ではバーコードが縦に印字されているため、バーコードをスキャンする際に横向きでしか読み込みできないと不便との声があり、縦向きのバーコードも読み込めるように対応しました。

キャッシュレス化への挑戦と重要性

ローソンスマホレジを含めたキャッシュレス化を促進するプロジェクトは、ローソンの中でもいくつかありますが、「キャッシュレス」と言うキーワードに関連するプロジェクトは今後重要な位置づけを成すと考えています。

政府の動向としても、経済産業省が(キャッシュレス・ビジョン*1)にて日本のキャッシュレス比率を2027年までに4割へ高める目標を掲げています。このレポートによると、現在、日本のキャッシュレス比率は、18.4%しかなく、韓国の89.1%、中国の60%に比べると相当低いことが伺えます。キャッシュレス化を推進することで、「実店舗等の無人化省力化、不透明な現金資産の見える化、流動性向上と、不透明な現金流通の抑止による税収向上につながると共に、さらには支払データの利活用による消費の利便性向上や消費の活性化等、国力強化につながる様々なメリットが期待される」としていて、引用後半にある「支払データの利活用」は、消費者にとっても欲しいものを欲しいときに買える、レシートをアプリで見られるなど、キャッシュフローの管理を容易にするなどと言ったメリットを産む可能性があります。

キャッシュレス・ビジョンの中でもスマートフォンによる決済はピックアップされていて、技術のトレンドのみではなく、こう言った政府の動向やマーケットのトレンドにもマッチしたプロジェクトに参加出来ることは、仕事のモチベーションの向上にもつながってくると思っています。また、自分たちが送り出したシステムをマーケティング戦略でも活かしてもらうことで、社への貢献度も実感できると思います。

一方で、一口にキャッシュレス決済と言っても、クレジットカード決済以外に、電子決済、キャリア決済など決済方法が多様になりすぎて煩雑になっていることも事実です。日本人のカード保有枚数は7.7枚/人(*1)で、世界的に見ても保有率が高いのにもかかわらず、日本のキャッシュレス化が進まないという課題については、サービスを提供する側も、技術的、オペレーション的なアプローチ側面から打開策を考える必要があるのではと考えています。

キャッシュレス化が進まないという課題に対応するひとつの手段として、eコマースを利用してもらうというのがあると思います。店頭でクレジットカードや電子決済を利用せず現金で払っている消費者も、ネットショッピングではカードで支払を行っていることは多いのではないかと思います。経済産業省の「電子取引実態調査」ではBusiness to Consumer(BtoC)におけるECの市場規模は2017年で5.79%と年々増加しています。*2

また、同調査によると、2017年の物販のBtoCにおけるECの市場規模のなかで、スマートフォンを利用した比率は35%となっています。

店頭でクレジットカードや電子決済を利用するよりも、スマートフォンにあらかじめ決済手段を登録しておいて、eコマースと同じ様な感覚で利用することができれば、現金を利用するよりも、速く便利な買い物が可能になります。「ローソンスマホレジ」はこう言った切り口でも先進的な挑戦をしています。

CEATECに向けて開発したウォークスルー決済

LDIではローソンスマホレジのサービスをヒントに、2018年10月に行われたCEATEC2018の出展コンテンツのひとつとして、Amazon Goなどでも採用されているボックス型決済にチャレンジしました。

CEATECでは、RFIDが埋め込まれた商品をゲートに通すことでRFIDが読み込まれ、レジを介さず決済まで一括して行われるという、ウォークスルー決済と呼ばれる決済システムを出展しました。

消費者は、あらかじめスマートフォンアプリに決済手段(カード)を設定しておきます。お店で商品をカバンに入れて、アプリでQRコードを表示させたら、そちらをゲートに読み込ませることで、個人を特定します。その後、商品の入ったカバンごとゲートに読み込ませると、商品の個数、値段を計算して合計金額を自動で決済します。展示会でリアル決済を実施したことが、ユーザ体験としてうけたのか、連日行列が出来るほどの大きな反響をいただきました。

CEATEC JAPAN 2018に出展!ローソンが目指すデジタル技術の革新によって実現する未来のコンビニ | イベント
ローソンデジタルイノベーション(LDI)の宮田です。今回は、ローソンのオープン・イノベーションセンター(OIC)を中心に取り組んだCEATEC JAPAN 2018出展プロジェクトについて、ご紹...
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未来店舗を実現するためのアプリ開発

CEATEC2018で使用したアプリは、ローソンアプリと違ってCEATECのために0から作成しましたので、UI/UXだけではなく、アプリ、APIなどのアーキテクチャにもこだわって、最先端のトレンドをなるべく取り入れ、エンジニアの技術力アップも鑑みたプロジェクトとなりました。また、CEATECでは未来型店舗というコンセプトで技術優先のプロジェクトだったため、最先端とはどう言ったものなのかを考えながらエンジニア同士で議論し、エンジニア主体で進められたプロジェクトであったとも思います。

ユーザや消費者からは技術者泣かせの要望がよくあります。それらを解決したエンジニアから、「どや!」と言う感じで嬉しそうにデモをしてもらう時は、こちらもおもわず笑顔になってしまいます。
技術力、問題解決力を披露した際に、素直に「おぉ、凄い!」と褒めあえることは、モチベーション、さらなる技術力、問題解決力の向上にもつながるきっかけになるのではないでしょうか。

最後にまとめ

「ローソンスマホレジ」はこれから1,000店舗展開に向けて、消費税増税対策や、セキュリティ対策、他のキャンペーン連携などを含めて、まだまだ進化していく過程にあります。

また、「無人決済」としても色々な手法・手段の決済方法を検討しながら、未来のコンビニはこんなに便利になる!というのを考えるのと共に、その先駆者としてプロジェクトに関われることは、とても有意義で色々な意味で向上できるのではないかと思います。

現在LDIでは、そんなモバイルアプリを一緒に開発していく仲間を募集しています。
興味がある方は一度話しを聞きにきていただけると嬉しいです。

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株式会社ローソンデジタルイノベーション

【引用・参考文献】
- 『キャッシュレス・ビジョン』経済産業省 2018/4 *1
- 『電子取引実態調査』*2
- 『店内どこでも決済!ローソンスマホレジを一部店舗で展開中|ローソン研究所』
- 『「CEATEC JAPAN 2018」に小売業として初出店|ローソン公式サイト』

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