2024年7月、社会人・従業員教育領域責任者として入社した吉川さんは、これまでモノグサが切り拓いてきた学生教育領域と全く異なる市場の開拓を担っています。営業のみならず、人事や経営まで含めた幅広い視野を培ってきたキャリアと、Monoxerに見いだした可能性についてお話いただきました。
新卒で新日本製鐵株式会社(現:日本製鉄株式会社)に入社。4年間中東・北米向けの海外営業と営業チーム全体の収益マネジメント、中国・タイのジョイントベンチャー運営に従事。その後、八幡製鉄所(現:九州製鉄所 八幡地区)にて2年間の現場人事業務に従事。
その後、PwCコンサルティングに転職。組織人事コンサルタントとして製造業のクライアントを中心に幅広く顧客の組織課題に向き合う。
3社目では、物流系スタートアップのオプティマインドでSMB・エンタープライズ営業に1年従事した後、COOとして約2年間経営に携わる。2024年7月にモノグサにジョイン。
目次
- 人が持つ”見えない”価値、可能性を広げる鍵はMonoxerに
- 「本当に必要?」からアハ体験に導く、社会人・従業員教育領域の魅力
- 「記憶を日常に」に向けて、グローバル展開も狙う
人が持つ”見えない”価値、可能性を広げる鍵はMonoxerに
――モノグサに入社するまでの吉川さんのキャリアについて、教えてください。
吉川:2012年にキャリアをスタートさせてから2024年にモノグサにたどり着くまで、私は3社で営業・人事・経営の領域に携わってきました。
新卒で日本製鉄に入り4年間、まず中東向けに高級鋼材である錫メッキ鋼板(通称:ブリキ)の海外営業を、次に営業チーム全体の収益マネジメントを担当しました。製鉄所と営業間の調整業務などを通じ、営業の面白さとやりがいを実感したことが、今の自分にも繋がっています。
その後、人事部に異動となり、北九州の八幡製鉄所で工場の現場で働く方々の人事を担当することになりました。
当時は鉄鋼業の大不況時代、過剰になっていた生産ライン数を適切なものにするため、ラインの削減やそれに伴う現場の方々の配置転換が求められ、さらに顕在化しつつあった人手不足に対応するため、ベテランの再雇用、若手への技能継承、鉄鋼現場で女性が働くための環境整備なども推進する必要がありました。ここで2年間、現場の方々と向き合う経験を積みました。
ーー大手事業会社の組織人事と現場の世界も経験したのですね。
吉川:そこから次のキャリアとして、外資系コンサルティングファーム・PwCで組織人事コンサルタントの経験を経て、事業会社のフロントラインで組織や事業と向き合いたいという思いから、オプティマインドという物流SaaSのスタートアップに転職しました。SMB営業やエンタープライズ営業を担当し、2年目からはCOOとして資金調達支援や営業組織・マーケティング・CS・一部プロダクトのPDMチームを率いて経営に携わっていました。
ーー経営に関わる立場から、なぜモノグサを4社目の新天地に選んだのでしょうか。
吉川:私はこれまでのキャリアを通して「機械化を進めれば人の労働量が削減できる」という類の提案やサービスの提供を重ねてきました。ですが、その中で「機械が人の仕事を代替する時、その人が蓄積してきた経験やスキル、そこで培われた行動特性などに価値はなくなってしまうのだろうか」という漠然とした疑問が生まれてきたのです。
私たちは仕事に必要なスキルを身につけるために自分と向き合いながら試行錯誤を繰り返しますし、その中で自分の向き不向きやトップパフォーマンスの出し方を学んでいきます。その中で培われる目に見えない”人の懐”には確かに価値があると、私は思います。
しかし、これまでのキャリアで取り組んできた人員合理化や人員削減DXの経験を通じ、先に述べたような個々人の「定性的な良さ」を価値として自覚したり、活かすことができずに、目先の業務において「情報を知らない」、「形式知がまだ憶えられていない」といった事象から自身の能力が不十分であると判断してしまう人を数多く見てきました。
私はこの問題を解決する可能性を、Monoxerというプロダクトの中に感じました。
ーーどういうことなのでしょうか。
吉川:まず一つは、Monoxerがあれば即戦力として活躍するための「学ぶハードル」を下げることができるのではないか、ということです。必要とされる業務知識とテクニカルスキルをMonoxerを通じて容易に学ぶことができれば、培ってきた「課題に粘り強く取り組む根性」や「目先の課題から学びを抽出できるポジティブさ」などのマインドセットを、テクニカルスキルと掛け合わせてもっと早く・高度に活躍できる人が沢山いるはずです。
もう一つは、Monoxerによる記憶の可視化が、「スキルの可視化」につながっていくのではないかということです。これまで、スキルを証明する手段は「資格の有無」や「テストの結果」「これまでの経歴」などが一般的でしたが、これらの証明方法は、一側面を切り取った情報に過ぎず、全体像をダイナミックに捉えることが難しいと感じています。
例えば、過去にとあるプロジェクトに携わった経験を踏まえてスキルがあると評価して採用したものの、実際には期待通りにスキルが発揮されない…であったり、本当は業務で深く携わったことがあるのに、短期間での経験故に即戦力として評価されない...といった能力認識の誤謬的なものが生じることがあります。
このような状況を乗り越えるためには、通常、多くの時間やエネルギーを費やすことになりますが、もし個人のスキルを可視化し、手軽に明示することができれば、各人が自分の強みを早い段階で把握し、それを最大限に活かすことができるようになります。その結果、生き生きと活躍できる人が増えるはずです。
これは、企業の「人的資本の効果的な活用」にもつながるのではないでしょうか。
ーーそこまで強い思いを持つようになった要因はどこにあるのでしょう。
吉川:やはり新卒で入社した日本製鉄の社風と、そこでの経験が大きいのだと思います。
私が社会人4年目に赴任した北九州の八幡製鐵所(現:九州製鉄所 八幡地区)は毎日二万人が出入りするような巨大な組織なのですが、そこの所長は毎月現場の人と交流し、日々現場に足を運び、そこから現場で働く個々人のスキルや能力を熱心にくみ取っていました。時に命すらかけて働く製鉄所の現場において、一人ひとりが真剣に人生を生きていることを自覚し、そうした人材の良さや特徴をしっかり生かそうとする姿勢を学んだからなのかもしれません。
また、私自身が人事として現場で働く一人ひとりと向き合う中で、徐々に見えてくる現場の方々の豊かな能力に驚かされたと同時に、彼ら・彼女たちの良さを生かしきるための情報や時間が足りないな…という課題感を持ったこともあると思います。
ーーもしMonoxerによって「学ぶハードル」が下がり「スキルの可視化」が実現したら、どのような変化が起きると考えますか?
吉川:組織としては、戦略実行において、個々人の能力をより的確に把握し、活用することが出来るようになるでしょう。それによって、戦略が現実的に遂行できるかどうかを判断する精度も向上すると思います。加えて、社員の能力やスキルを向上することに腐心するのではなく、より本質的な競争優位性を生み出す企業文化や風土(優秀な人材を育てたり、積極的なチャレンジを促したり、イノベーションを促進するような)の形成・醸成に時間を割けるようになることも期待できます。
働く個々人の観点から言えば、形式知やテクニカルスキルの習得ハードルが下がることで、自分の人的資本価値を向上するために本質的に積むべき経験や乗り越えるべきハードルに焦点を当てやすくなります。また、保有するスキルを証明し、市場や会社において認めてもらうハードルが下がることで、自分のスキルや人材価値をより活かしやすくもなると思います。
「本当に必要?」からアハ体験に導く、社会人・従業員教育領域の魅力
――吉川さんの社会人・従業員教育領域責任者として取り組んでいる業務について教えてください。
吉川:大きくは二つ、その一つが社会人・従業員教育領域の事業開発セールスです。チームが相対する従業員教育市場は、まだ未成熟であり、プロダクト自体もまだまだPMFしているとは言えません。そのため、単にプロダクトを説明するだけで、サービスが即時に共感を得て導入を決めていただけるという段階までには距離があります。
例えば、Monoxerの可能性に興味を持ってくださったお客様に対し、「記憶の活動を通じてどのように事業成果を創出していくのか」、そして「PoCを通じてそれをどのように検証してくのか」を丁寧に組み上げて提案するなど、私たちとの取り組みを通じてMonoxerの価値に共感してくださるお客様を増やすためのアプローチを行っています。
もう一つが、この領域をどのように成長させていくのかの舵取りです。
現在のチームメンバーには、比較的不確実性の高い事業を動かしてきた経験が豊富な方々が揃っており、すでにチームは自律駆動している状態にあります。したがって、手取り足取りマイクロマネジメントを行っていく必要性は低い一方で、アイディアが膨らみすぎてリソースが分散しないように打ち手の優先順位と方向付けを行う必要があり、そこも私の役割になります。
――吉川さんはキャリアの中で人事コンサルティングや経営にも足を踏み入れています。その中でなぜ”セールス”に魅力を感じていらっしゃるのでしょうか。
吉川:新卒の海外営業時代から、単純にセールスという仕事が好きですね。人事や経営にも携わりましたが、広義においてはそこで経験したことも営業的な要素が強かったのではないかと思っています。例えば人事でも採用候補者に自社の魅力を伝えますし、経営でも自分の提案をできる限り社内外のステークホルダーへ魅力的に伝えることが求められます。
私は「自分が良いものだと信じているものの魅力を、素直に伝え売り込むこと」そのものが好きなのだと思います。だから、Monoxerのセールスでも「こんなの本当に意味あるの?」という反応のお客様の場合には、かえって燃えてしまうところがありますね(笑)
ーー相手が懐疑的な場合、及び腰になってしまう人もいると思うのですが、なぜその状況で熱意を燃やせるのでしょうか。
吉川:自分がそのプロダクトに対して抱いているビジョンが伝われば、お客様が見ている世界が劇的に変わるアハ体験を起こせると自信を持っているからです。その際、「大きな役割を果たせたな」とやりがいも感じられます。
大切なことは、そもそも扱うプロダクトに心から自信を持ち、それが普及することで面白い世界につながると信じられているかどうかです。だから、転職時のプロダクトの見極めは非常に重視してきました。正直、そのようなプロダクトになかなか出会えず、転職活動自体を辞めかけたこともあるぐらいです。
Monoxerに対しては、自分自身勉強が得意なタイプではなかったため「こんなアプリケーションがあったら良かったのに」と思う気持ちも強く、先ほどお話した人事目線での可能性、変革できる領域の広さなども含め、大きな魅力を感じました。
ーー実際に社会人・従業員教育領域の開拓を進めていく中で、迷いや困難を感じることはないのでしょうか。
吉川:割といつも悩んでますね(笑)
社会人・従業員教育の特徴として、学生教育のように次から次へと単元が進むにつれて記憶量が増えていくというようなことが無く、例えば業務に最低限必要な知識を携えたら、あとは業務を通じて憶えていけばいい、といったかたちで記憶の必要性にも濃淡がありますし、普段の業務で使う情報などはそもそも忘れませんので継続的な利用ニーズを喚起しにくいという課題があります。加えてこれまでのお話でも触れましたが、憶えたら事業成果に繋がるといった相関を証明しにくいというハードルもあります。
今までのプロダクトとは異なる、ユーザーの課題感とMonoxerのコンセプトのつながりをどう醸成していくかにハードルが大きく、さらに、市場のニーズや期待する価値を解像度高く言語化しどのようにプロダクトチームへ伝えていくか、そこにも難しさがあります。
社会人・従業員教育の領域は、顧客の事業規模に基づき取引額も大きいため、当社の事業成長を牽引していくことへの期待値も高い一方、既存の「学校や塾の領域で使われている」という権威性のおかげで、顧客の信頼を勝ち取れている側面も多分にあります。
さらに言うと、景気や社会情勢の先行きが不安定なときに社会人教育の領域は真っ先に反応を示します。モノグサにとって、学生教育領域は祖業であり母屋であるわけで、そうした安定性のもとにビジネスができていることで大きな恩恵を受けている側面もあります。そのため、学生教育領域のお客様からのニーズや課題を差し置くような事は当然できません。
そうした中で、色々な方向から飛んでくる顧客ニーズに応え続けているプロダクトチームの現況を正確に理解し、社会人教育領域の要望を正確に接続していくことは重要であり、同時に難しいポイントでもあります。
しかし、新領域ならではのニーズをプロダクトチームに伝えていくことで、結果としてすべてのユーザーにより良い価値が届けられるチャンスをつかむことが出来ると捉えて取り組んでいます。
「記憶を日常に」に向けて、グローバル展開も狙う
――今後、モノグサで取り組んでみたいことはありますか?
吉川:私としては今後、Monoxerのグローバル展開を熱望しています。
日本のスタートアップの多くが海外で成功したビジネスモデルやプロダクトを日本市場向けにローカライズしたものであるのに対して、Monoxerが取り組んでいるのは、世界を見渡してもまだ競合他社や成功事例が存在しない領域です。
『記憶』は言語や国籍に関わらない共通課題のためグローバル展開のハードルも低い。しっかりとアドバンテージを取り、「日本発でもグローバルで成功するスタートアップを作ることはできる」ということをぜひ証明したいと考えています。
――社会人・従業員教育領域において、早期にグローバル市場を目指すことにはどのような狙いがあるのでしょう。
吉川:まだ日本の従業員教育には時間もお金も投資が少ないのが現状で、生産性が向上して得られた利益が十分に人的資本への投資に回っていない、という構造上の問題があります。これを変えていくためには、早期に海外での普及を狙うことが最良のアプローチだと考えています。
まず従業員教育のマーケットが大きいアメリカ、そして、成長著しいインド、このような質の良いコンテンツも揃った環境で「タイパのいい学習法」の代名詞として市場に食い込み事業拡大できれば、「日本発のプロダクトにも関わらず、すでに海外で先行して活用が進んでいる」と、国内変革へのインパクトも与えられるはずです。歴史的に見ても、危機意識が強く、コミュニティに共有されることで一気に国が動く事例は散見されるので、この方法が有効なのではと見込んでいます。
また、私の頭の中では「グローバル/ドメスティック」という区別はあまり意識していません。
市場とは、結局、顧客の集合体であり、顧客が抱える課題は何で、どんなプロダクトが求められているのかを探しに行くという活動の一環でしかないような感覚です。例えば、社会人教育の領域で言えば、アメリカは日本の15倍市場が大きく、それぞれを顧客と見なし、年間1,000万円の売り上げが期待できるお客様と1.5億円の売り上げが期待できるお客様がいると考えた場合に、1,000万円のお客様が完全に使いこなせる状態を作りきって一息つくまで、1.5億円のお客様には一切アプローチしない…ということはなかなか無いかなと思うんですね。
もちろん、国境をまたぐことで税制や契約法務など様々なハードルがありますが、それらを乗り越えた先にどんなお客様が待っていて、どれくらいの事業規模になりうるのかを早めに把握しておき、それらを念頭に置いて、足元のビジネスでプロダクトやサービスを作って進めて行くことが重要です。
何より、不確実性が高い市場環境の中で特定の市場に尖りすぎることはリスクを高めることにもなりますから、広い視野を持って事業を動かしていくことは重要だと考えています。
ーーそれでは「記憶を日常に」が実現した世界がどのようなものになると思うか、吉川さんのお考えを最後に教えてください。
吉川:新幹線に乗るとき、横に座った社会人の方が本を読むように何気なくMonoxerをしている。そんな存在になっていたら嬉しいですね。
現代においてデジタルツールが巧みに生み出す没入体験から完全に距離を置くことは難しく、どのようにそれらと付き合うかが問われています。お酒やたばこのような規制はありませんが、自分の時間を有意義にしていくために自重する必要があるーー
そんな中、手持ち無沙汰な時間になんとなく手を伸ばす健全なデジタルツールとして、Monoxerが第一想起される状態を目指していきたいです。
そのような存在を目指して、「今Monoxerに足りないものは何か」「この届け方でいいのか」「今作るべきユースケースは本当にこれでいいのか」といったことを、今後も一つひとつ突き詰めていきたいです。
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少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう!
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