桜花スタジオ公式サイト
「桜花スタジオ」はネットイースが日本人のスタジオ長のもと中国・広州および東京・渋谷に設立した「家庭用ゲーム制作」を主目的とした開発スタジオとなります。
https://netease-ouka.163.com/
大家好!NetEase Games 採用担当の平野です。
前回に引き続きオザケン企画後編です。今まで語られることがなかった桜花スタジオの立ち上げ期の仕事や開発中の動き、そして桜花スタジオのこれからについて大いに質問してみました!
2019年12月に上海から広州に直接向かい、NetEase Gamesに入社しました。スタジオ立ち上げに関わることは早ければ早い方がいい、そのときしか見れない景色があると考えていました。
入社して半年間の業務として大きく2つ、開発修行と企画作りです。
そもそもUnreal Engineでの作業をやったことなかったので、エンジニアに教えてもらいながら簡単なデモ作りからスタートさせました。敵と戦って、バトルが終了したら地形がぐにゃぐにゃ動く流れになっている最小規模のモックアップ制作をはじめとした開発業務。そして企画ですね。日本のゲーム・アニメ・漫画の会社様に対して一緒に取り組める企画はないか、提案書をひたすら書いて哲也さん(※赤塚、桜花スタジオ長)と一緒に企画の種を作る仕事をやっていました。
企画の立ち上がり当初はプロデューサーとして企画書を書いて提案していましたが、半年ぐらいで徐々にデベロッパーとしての業務割合が増えていきました。開発はディレクター、セクションリードとしてレベルデザイン、シナリオ、システム、イベントの開発やチームマネジメントなど幅広く関わりました。
バトルパート(遊んでいてゲームとして楽しい/楽しくない)の手触りが重要視される部分は大いに吉田さん(※ディレクター、対談企画Vol.1に登場)の力を借りています。
バンダイナムコエンターテインメントで他の職能での経験があるとはいえ、30歳手前の人間がいきなりゲームエンジン触って技術デモを作ったり、セクションリーダーをやったりすることは前代未聞だと思います笑 桜花スタジオに来ていなければ経験出来なかったでしょうね。実装している人と近い距離でゲームの良さ、快適さ、面白さに対して色々な話をすることもプロデューサーだけをしていたらできなかったなとひしひしと感じています。
ゲームプロデューサーは担当タイトルをたくさん売ろう!多くのお客さんに楽しみを届けよう!と真剣に考えていろいろ現場に要望を出しますが、会社対会社という立場を挟んで関わる以上、どうしても言い方や伝え方にバイアスが掛かってしまうことがほとんどです。開発現場への指示内容の妥当性や必要性、結果犠牲になったことや発生してしまったことなどについて「本当のこと」を知ることができるケースは、実は多く無いと感じています。
ただ本プロジェクトでは、プロデューサーとしてステークホルダーとの約束事とスケジュール等を意識しつつ、ディレクター・リードとして制作スタッフとコミュニケーションを取りながら開発現場の状況を常に把握することができていました。
自分を含めた首脳陣が具体的かつ明確な回答を出さないとプロジェクトが前に進まない状況で両者を考えながら意思決定していくことは得難い経験でした。モノ作りから逃げられないというところがデベロッパーの大変なところですけど、一番楽しいと感じています。
「売れるゲームを考える」ということだけではなく「ゲームを完成させたい、作り込まなければいけない」部分を知れた点では、やっぱり開発の中に入れてよかったと思いますし、プロデューサーとしてだけやっていたらできなかった仕事だと思います。
渋谷オフィスのメンバーは99%が中途採用で集まっています。一人一人の得意分野や好きなことを重視して、まずは得意な仕事を通じてプロジェクトに慣れてもらうことから始めています。
そして大事なのは慣れてきた後ですね。活躍度合いや経験を踏まえて「その人がどうあるべきか、どうなってほしいか」を考え、その結果と本人の目標や意向を踏まえて、次の役割やタスクを伝えます。
若手に対してリードになるきっかけはどんどん与えますし、コミュニケーション力や自己発信力がやや足りないメンバーに対しては、国境を越えた情報収集が必要なタスクを与えたり。早い段階で壁に当たれるなら早い方がよくて、その乗り越え方は一緒になって教えてあげるようにしています。
スペシャリスト志向であっても、プロデューサー・マネジメント志向であっても、色々経験したうえで道を固めて欲しいです。はっきりとした目標を持ってその目標に到達するために今何をすべきかを考える機会を与えてるようにしています。
会社にいるときは意識して明るく過ごしています。よくメンバーの提案内容や資料を褒めるようにしたり、広州で仕事をしていても、昼休み中にGoogle meetで渋谷メンバーと仕事ではないコミュニケーションをする時間を取っています。あとは社内のチャットツールで自分のスタンプを作成して自分からピエロになりにいってます笑
↑自作スタンプの数々
そもそも『ゲーム制作』は不確定要素が多く、「面白さ」という曖昧なゴールを目指すプロジェクトなんです。PCを叩きながらツールで用意されたタスクを上から下までこなしたら、ゲームは完成するんでしょうけど、面白くなるかというとそれは別問題ですよね。
人が作らないとゲームは完成しない、いいゲームにならないという考えを持っているので、メンバーには実力を100パーセント以上出せるようになってほしい。同時にメンバーに150、200%の力を企画に注ぎ込んでもらうことだったり「この企画を早く小澤に見せたい!話したい!」と思ってもらうためには、どうすればいいか考えて実行することが肝心だと思っています。
そのために日頃からコミュニケーションを増やす、 任せられそうな人にはどんどん任せる、相手の提案はどんなときも無下にはしない、そのようなコミュニケーションを意識しています。
NetEase Gamesのキャッチコピーである『游戏热爱者、Passion of Gamers』が表現しているように弊社は「いいゲームが作れるかどうか」を軸に事業を決めている会社です。会社全体がゲームに対して熱心です。なんとなくの予算とスケジュール、ユーザー調査の結果だけを踏まえて、ボツか先に進めるかという残念な意思決定をしている組織もあるなかで、NetEase Gamesではきちんとゲームの話ができる。副社長をはじめとした上層部のレイヤーに提案をする場面がありますが、ゲームサイクルや仕様の話ができるんですよ。そこが出発点だからこそ、桜花スタジオはデベロッパーとしての道を歩んでいくと思います。我々が安定していいものが作れる、「桜花スタジオが作ったものはいいもの」というマーケットからの信頼が得られたら、その時はじめてパブリッシャーになるかならないかを検討していくことになると思います。
まず個人の好みと考えをお伝えすると、ゲームで遊んだ後に日頃の暮らしや人と関わりのなかで「どれぐらいそのゲームのことをもう1回思い出すか」ということがゲームの価値だと考えています。ゲームで遊んでくれた人がその先の人生のどこかで、ついつい思い出してしまう、忘れられないと思ってもらえるゲームを作りたいですね。生き方、考え方、具体的な行動を変えるきっかけになってくれたら最高です。
桜花スタジオとしては複数タイトルを開発できる体制が既に整ってきているので、マーケット規模が大きい、コアなゲームファンをわくわくさせるジャンルのゲームをオリジナルIPで挑戦していきたいですね。以前ファミ通さんの記事でチラっとお話した『オリジナルIPの協力型アクションゲーム』などは社内でかなり遊べるようになってきました。続報を皆様に届けられるよう頑張っていきたいです。
どんなジャンルのゲームにおいても中国大陸での売り上げは年々無視できない割合になっていますが、中国のクリエイターと一緒にゲームを制作している桜花スタジオは今後勝負しやすいのではと思っています。どのコンソールゲーム開発のプロジェクトチームよりも、中国のゲームユーザーに詳しく、中国語で響く言葉を選ぶことが出来ますから。中国のゲームマーケットの中で流行っている表現方法に対して高いアンテナが張れている優位性があると思っているので、絶対にその領域で勝負していきたいです。
あとはコアゲーム、AAAタイトルを作っているスタジオとして認知されたいですし、コンソールゲームで挑戦的な表現をしていきたいです。その結果として『桜花ゲー』というワードが世の中で出てきてくれたら嬉しいですね。カジュアルな方向に逃げたりせず、正面からゲームファンにぶつかっていくつもりです。せっかくNetEase Gamesという大きい本体が桜花スタジオにチャレンジする土壌を与えてくれているので、正々堂々と大きい挑戦を続けていきたいです!
今回の『聖剣伝説 VISIONS of MANA』の発表に留まらず、再び桜花スタジオから近いうちに何かしらの発表ができるかもしれません...ぜひお楽しみに!
公式HPもリニューアルしておりますので、ぜひチェックしてみてください!
これからもNetEase Games 桜花スタジオへの注目をよろしくお願いいたします!