こんにちは!株式会社NTTデータ フィナンシャルテクノロジー(以下、NTTデータFT)決済イノベーション事業部です。
私たち決済イノベーション事業部では、日本最大級のキャッシュレス決済総合プラットフォーム『CAFIS』をはじめ、約80の決済サービスを開発・提供しています。
今回お話を聞いたのは、決済イノベーション事業部 第一担当で、CAFISの開発・維持を担う城所 康久さんです。
2011年に新卒で入社後、小売店向け決済ASPサービス『PastelPort』や3Dセキュア関連サービスなど、決済領域のさまざまなサービスに携わってきました。2022年7月からはCAFISの担当となり、現在は品質管理や新規開発の推進、お客様やNTTデータ側との調整などを担っています。
CAFISに関わる面白さ、止めてはいけないシステムを支える責任、レガシーとモダンを横断できる組織づくりについて語ってもらいました。ぜひご覧ください!
城所 康久
決済イノベーション事業部 第一担当 課長
2011年新卒採用入社。NTTデータFTの前身組織であるNTTデータフィナンシャルコアに入社後、PastelPortの開発、大手百貨店向け導入プロジェクト、3Dセキュア関連サービスの企画・開発などを経験。2022年7月よりCAFISの開発・維持に携わり、現在はマネージャーとして品質管理、新規開発の推進、顧客・NTTデータ側との調整などを担う。
日本最大級のキャッシュレス決済総合プラットフォーム『CAFIS』を担う第一担当とは
――城所さん、本日はよろしくお願いします!まずは、現在所属されている決済イノベーション事業部 第一担当について教えてください。
城所:よろしくお願いします。第一担当は、大きく言うとCAFISとセキュリティ系サービスの2つを担っている組織です。
第一担当全体では約50名、そのうちCAFISのコアなサービスを担当しているNTTデータFTのメンバーは25名ほどです。そこにパートナーの方々が30名ほど加わり、開発・維持を進めています。ベテランもいれば、20代の若手メンバーもいます。
CAFISは、NTTデータが提供している国内最大級のキャッシュレス決済総合プラットフォームです。クレジットカードなどの取引が行われる際、加盟店とカード会社、金融機関の間に位置して、オンライン取引を安全に届ける役割を担っています。
もう一つが、3Dセキュアと呼ばれるセキュリティ領域です。セキュリティ側ではAWS上でのサービス構築も進んでいますが、CAFIS本体はフォールトトレラントマシン、いわゆる汎用機に近いものを扱っているのが特徴です。
――CAFISは長い歴史のあるサービスでもありますよね。外から見ると、少し堅い雰囲気の組織なのかなという印象もありました。
城所:トラブル時はもちろんピリッとしますが、普段から重苦しい雰囲気というわけではありません。むしろ、みんな楽しくやっていると思います。
CAFISでは、取り扱っているデータの性質やテスト環境の都合上、出社が必要になる場面が多いこともあり、チームメンバーと顔を合わせる機会が多く、コミュニケーションも取りやすいです。デバッグルームに行くと、みんな楽しそうにやっていますね。
PastelPort、セキュリティ企画を経て、決済の“中心”であるCAFISへ
――城所さんご自身のキャリアについてもお聞かせください。最初はどのような業務を担当していたのでしょうか。
城所:入社してから一貫して、ペイメント領域に関わってきました。最初の5年ほどは、小売店向けの決済ASPサービスであるPastelPortの開発・維持を担当していました。
PastelPortは、小売店が決済サービスを導入するときに、自前で決済サーバーを持たなくても済むようにするサービスです。その後、大手百貨店向けの導入プロジェクトでは、オンライン領域の有識者として、ICカード対応やクレジットカード番号の非保持化、POSベンダーさんとの接続調整などを担当していました。
その後、PastelPortの次期システムの開発に関わり、2019年から2022年までは、非対面決済の不正対策や3Dセキュア関連サービスの企画・開発を担当しました。
――CAFISに異動したのは、どのような経緯だったのでしょうか。
城所:セキュリティ企画をやっていた時期に、開発にあまり携わらない状態で今後どうしていくのか、考えるようになりました。NTTデータFTは基本的に開発会社なので、企画をやり続けるだけでいいのかという思いもあったんです。
もともとオンラインの開発やサービス維持には自分の強みがあると思っていましたし、CAFIS側の方々とコミュニケーションを取る機会も多かった。そこで、決済ネットワークの中核を担うCAFISで、もう一度開発にしっかり関わりたいと思い、異動を考えるようになりました。
当時は管理職に上がるタイミングでもあり、開発に関わり続けたいという思いから、転職という選択肢が頭をよぎったこともあります。ただ、会社のことは好きでしたし、人にも恵まれていました。CAFISで開発に関われるなら、辞める必要はないなと思いました。
NTTデータとNTTデータFTの垣根なく、一つのチームとして動くCAFISの文化
――CAFISでは、NTTデータの方々とも一緒に開発を進めていると思います。役割分担はどのようになっているのでしょうか。
城所:ありがたいことに、かなり任せてもらっていると感じています。品質管理についても、NTTデータ側のメンバーも含めて私が見ている部分があります。
最終的な判断は、もちろんNTTデータ側の部長や課長に確認します。ただ、そこでOKが出れば、あとは基本的に私たちで進めていく。案件の割り振りも、NTTデータ、NTTデータFT、パートナーの方々を含めて、全体の状況を見ながらバランスを取っています。
――「ここからここまではNTTデータ」「ここからはNTTデータFT」というより、本当に一体で動いているんですね。
城所:そうですね。CAFISでは、所属会社によって役割を分けるというより、NTTデータ、NTTデータFT、パートナーの方々が一体となって動いています。
セキュリティ領域にいた時は、役割や責任範囲が比較的明確に分かれている印象がありました。一方でCAFISでは、所属の違いをあまり意識せずに進められる場面が多いです。PastelPortの頃から続く、CAFISらしい文化なのかなと思います。
「もう開発は少ないと思っていた」。40年続くCAFISに残る、想像以上の挑戦
――2022年7月からCAFISを担当されていますが、実際に関わってみて感じた面白さは何ですか。
城所:まず、仕事が集まってくることですね。正直、CAFISに異動する前は「もうそんなに開発はないんじゃないか」と思っていたんです。長く続いている成熟したサービスなので、新しい機能追加もそこまで多くないだろうと。
PastelPort時代にCAFISにも少し触れていましたし、同じマシンを使っていたこともあったので、ある程度わかっているつもりでした。でも、実際に入ってみたら、開発テーマがものすごく多かった。「まだこんなにあるのか」と驚きました。
CAFISは決済ネットワークの中核を担うサービスだからこそ、周辺サービスやお客様側のシステムに関わる相談も多く寄せられます。お客様によっては、自社側だけでは対応が難しい開発テーマもあり、「CAFIS側で何とかできないか」と相談されることもあります。やることがたくさんあるので、飽きる暇がないですね。
――長く続いているシステムだからこそ、新しい機能を追加する際にも考えることが多そうですね。
城所:そうですね。CAFISは40年ほど積み上がってきたシステムなので、仕組みが非常に複雑です。
その複雑な仕組みを理解した上で、新しい機能をどう追加するかを考えなければいけません。既存のどの機能を使えばうまく開発できるのか、どこに影響が出るのか、どうすれば安全にリリースできるのか。そういったことを考えながら設計していくことも、CAFISならではの面白さだと思います。
――一方で、歴史あるシステムというと、レガシーな印象を持たれやすい側面もありますよね。
城所:そうですね。ただ、そこも今変わりつつあります。
CAFISのコアはレガシーなアーキテクチャですが、最近はAWSなども取り入れながら、運用改善やモダナイゼーションに取り組んでいます。たとえば、システムが出力するログを分析し、業務上「このログは出ていいのか」といった状態を確認できる基盤をAWSと組み合わせてつくりました。ログ分析には生成AIも活用しています。
長く続いているサービスと聞くと、「既存システムを守ることが中心なのでは」と思われるかもしれません。ただ実際には、お客様から新しい相談が寄せられることもありますし、運用改善やモダナイゼーションのように、これから変えていける領域も多くあります。
まずは運用の自動化を進め、その先でAIをどう取り入れていくかも考えています。レガシーな部分を守るだけではなく、新しい開発や運用改善にも取り組めるところが、CAFISに関わる面白さだと思います。
低レイヤーからクラウドまで。システムの“全貌”を見られるエンジニアへ
――レガシーなシステムを守りながら、新しい技術も取り入れているんですね。
城所:はい。そこはずっとやりたかったことでもあります。レガシーな部分だけをやっていると、やはり新しいこともやりたくなりますから。
私たちの組織の魅力は、昔からあるアーキテクチャに加えて、仮想化やクラウドにも触れられることだと思っています。古くから使われてきた技術と新しい技術の両方を経験できることで、エンジニアとしての視野も大きく広げられるはずです。
トラディショナルなシステムを経験する価値は、通信の仕組みや低レイヤーの部分まで理解できることです。CAFISでは、通信をつなぐ部分やアプリケーションの仕組みも自分たちでつくっているので、システムの裏側まで意識する必要があります。
モダンな環境から入ると、どうしても上のレイヤーからしか見えないことがあります。でも、低レイヤーの仕組みまで理解していると、システム全体を見渡しやすくなる。何か起きたときに、「この部分でこうなっているのでは」と考えられるようになると思います。
――これから入社する方にとっては、どのような成長機会がありそうでしょうか。
城所:まず、コアな部分では、長年稼働してきた大規模システムを支える開発スキルが身につきます。一方で、今はAWS環境の整備も進めていて、既存のアーキテクチャとクラウドの両方に触れられるようにしているところです。
レガシーかクラウドか、どちらか一方だけではなく、古くから動き続けてきたシステムを理解した上で、新しい技術をどう組み合わせていくかを考えられる。そういう経験は、エンジニアとしての強みになると思っています。
あとは、大規模開発ならではの進め方も経験できます。CAFISは止めてはいけないサービスなので、新しい機能をリリースするときも、お客様への影響をできる限り抑えながら進める必要があります。
止めない前提で、どう設計し、どう切り替え、どう安全にリリースするか。単に機能をつくるだけではなく、社会インフラに近い決済ネットワークを動かし続けるための考え方を学べるのは、CAFISならではだと思います。
「止めてはいけない」。CAFISを守り続ける責任と緊張感
――CAFISを担う上で、特に責任の重さを感じるのはどんな場面ですか。
城所:繰り返しにはなりますが、一番は、止めてはいけないサービスであることです。CAFISは多くの決済に関わるネットワークなので、止まってしまうとお客様やその先にいる利用者にも影響が出てしまいます。そこが一番大変であり、一番大事にしているところです。
2022年の年末に、アプリケーションの不具合で一部の取引に影響が出たことがありました。CAFISには障害を検知したら切り替える仕組みがありますが、そのときはうまく検知できず、1時間ほど影響が出てしまいました。
復旧自体はできたのですが、大変だったのはその後の影響調査です。どのお客様にどれだけ影響があったのか、対象の取引が不整合になっていないか、お客様側で消し込みが必要なのか。そこを正確に出す必要がありました。年末は決済量も増えやすい時期なので、関係者と連携しながら、影響範囲を一つひとつ確認していきました。
普段の開発や運用はメンバーに任せていますが、トラブル時は、自分が前に出るところだと思っています。普段はメンバーに任せているからこそ、こういう時に出るのが自分の役割だろうと。
――そうした責任のある現場を支える上で、マネージャーとして意識していることはありますか。
城所:なるべく口を出しすぎないようにしています。言いすぎると、メンバーが萎縮してしまいますし、自分でやっている感覚も薄れてしまうと思うんですよね。
だから普段の開発や運用は、できるだけ現場に任せています。私が直接話すのも、基本的には直属の課長代理層までにしていて、メンバーに直接伝えることは、あまりしないようにしています。
CAFISに来たときによく相談していたNTTデータ側のマネージャーが、そういう関わり方をしていたんです。メンバーに直接言うのではなく、「飛び越えて言われたら嫌でしょう」と。それを聞いて、たしかにそうだなと思いました。
受け身ではなく、プロダクト価値に踏み込む組織へ
――今後、城所さんご自身として挑戦したいことはありますか。
城所:昔から考えているのは、NTTデータFTとしてのビジネスモデルを少し変えていきたいということです。
私たちはNTTデータの100%子会社で、基本的にはNTTデータから仕事を受ける形で事業をしています。開発を一括で受注する形や、人月で働いた分の対価をもらう形が中心です。
ただ、それだけでいいのかという思いがずっとあります。CAFISというプロダクトの価値に対して、自分たちがどれだけ貢献できたか。その価値に応じて対価を得るような形に変えられないかと考えています。
プロダクトが得た利益の一部をもとに、次にどんな価値を増やせるかを考えて開発したり、業務改善や開発効率化に投資したりできるようにしたいんです。その方が、自分たちがプロダクトにどれだけ貢献しているのかも見えやすくなると思っています。
あとは、CAFISのコアなサービスアーキテクチャで使っている、障害時にも処理を継続しやすいNonStop系のサーバー技術について、社外で同じように扱っている会社さんと定期的に意見交換をしています。知見や仕事をシェアできる枠組みもつくれたら面白いですね。
大規模だからと構えなくていい。一緒に前向きに変えていける人と働きたい
――CAFISのチームには、どのようなエンジニアが多いですか。
城所:守備範囲が広い人もいれば、尖っている人もいます。CAFISには大きく業務寄りの領域と基盤寄りの領域があります。基盤側では、GPやHOSTと呼ばれるコアなアーキテクチャにものすごく詳しい人たちがいます。一方で、業務寄りのメンバーは、サービス全体を広く見ながら対応することが多いですね。
金融の知識を最初から持っている人ばかりではありません。新卒メンバーの中には、プログラミング経験がなかった人もいます。それでも主体的に動いてくれる人が多いと思います。
――今後、どのような方にジョインしてほしいですか。
城所:大変そうに見えるかもしれませんが、あまり構えないでほしいです。たしかに責任はあります。ただ、普段からずっと大変というより、トラブルが起きた時に大変になるという感じです。
今は、これまでレガシーな部分を中心にやってきたCAFISが、新しい領域にもチャレンジしようとしているタイミングです。そこに一緒に並走してくれる人が来てくれると嬉しいですね。
大規模なシステムだからといって、小規模なシステムの経験しかない人が活躍できないわけではありません。新しいことにチャレンジしたい気持ちがあり、前向きに取り組める人であれば、これまで経験してきたシステムの規模は問いません。
――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
城所:CAFISは大規模なシステムなので、簡単なことばかりではありません。影響範囲が大きいからこそ、慎重に考えなければいけないことも多いですが、その分チャレンジできる領域も多いと思っています。
組織としては非常に明るい組織だと思っています。仕事は生活の一部なので、楽しくやれるような雰囲気をつくっていきたいですし、そういうチームでありたいと思っています。
大規模だからと臆せず、新しいことに挑戦したい方には、ぜひ気軽に応募してもらいたいですね。お待ちしています。
――城所さん、本日はありがとうございました!
今回は、PastelPortやセキュリティサービスの企画・開発を経て、現在はCAFISの開発・維持を担う城所さんにフォーカスし、CAFISに関わる面白さや止めてはいけない決済ネットワークを支える責任、そしてレガシーとモダンを横断しながら新しい挑戦を進める開発現場について紹介しましたが、いかがでしたか?
少しでもNTTデータFTや決済イノベーション事業部について知っていただけたら幸いです。
当社に興味を持ってくださった方は、ぜひ一度カジュアル面談でお話ししてみませんか。
お会いできることを楽しみにしています!
企画・執筆・編集:スリーシェイク