こんにちは!株式会社NTTデータ フィナンシャルテクノロジー(以下、NTTデータFT)決済イノベーション事業部です。
今回は、7月7日に開催されたRe+主催のイベント「AI時代、SREはどう変わるのか?生産性向上の裏で起きている現場のリアルとこれから求められる役割」の参加レポートをお届けします。
NTTデータFTからは、森永がパネルディスカッションに登壇し、菱沼がファシリテーターを担当。さらに、菅野又がLTに登壇しました!
生成AIの活用が広がり、コード生成やテスト、ドキュメント作成など、開発現場の生産性が高まる場面も増えています。その一方で、生成されたコードの品質やレビュー負荷、AIを前提とした人材育成など、新たな課題も生まれています。
こうした変化の中で、SREにはこれからどのような役割が求められるのでしょうか。本レポートでは、LTやパネルディスカッションでどんな話があったのか、当日の様子とともにお届けします!
菅野又が「コードの調査を民主化しよう」をテーマにLT!
イベントは、3名の登壇者によるLTからスタートしました。
NTTデータFTからはフルスタックエンジニアの菅野又が登壇。「コードの調査を民主化しよう―AIを使ったソースコード探索bot―」と題し、問い合わせ対応や仕様調査の負担をAIで軽減する取り組みを紹介しました。
菅野又が携わるシステムでは、管理画面のソースコードだけでも、TypeScriptで約44万行に及びます。問い合わせ対応のために必要な仕様や処理を調べるには時間がかかるうえ、開発者以外がAI支援ツールを使うには、セットアップなどのハードルがありました。
そこで取り組んだのが、開発者以外でも必要な情報を調べられる「コードの調査の民主化」です。
最初は、ソースコードから作成した約250個のMarkdownファイルを読み込ませたチャットボットを構築しました。しかし、質問に関係する情報をうまく探し出せないことや、ソースコードの更新に合わせてファイルを手作業で更新する必要があることが課題となりました。
そこで方針を変え、問い合わせが登録されるとAIが複数のリポジトリを横断してコードを調査し、結果を社内チャットへ投稿する仕組みを構築。最後は人が内容を確認し、正式な回答を返します。
この仕組みにより、一次回答の作成負担を大きく軽減でき、開発者以外のメンバーも利用できるようになりました。一方で、調査結果が返るまでに20分ほどかかる場合もあり、回答速度には改善の余地があるといいます。
LTでは、最初の方法でうまくいかなかった点も含め、AIを業務に組み込むまでの試行錯誤が紹介されました!
登壇資料はこちら
続いて、パネルディスカッションへ
登壇したのは、NTTデータFTから森永、KINTOテクノロジーズ株式会社の粟田さん、株式会社ギフティの牧さん。ファシリテーターは、NTTデータFTの菱沼が務めました。
まず菱沼が聞いたのは、各社でどのようにAIを活用しているのか。
インシデント発生時のログ調査や日々のコーディングなど、それぞれの事例が紹介されました。3名に共通していたのは、AIの活用によって、自分でコードを書く機会が大きく減ったという変化です。
作業が速くなった一方で、AIへ何をしてほしいのかを伝える「言語化」の力が、以前よりも必要になったという話もありました。
現場は速くなった。でも、組織全体では?
森永は、NTTデータFTにはオンプレミスを中心としたシステムからクラウドを中心としたシステムまであり、AI活用の進み方にも差があると紹介しました。
クラウド中心のシステムでは開発領域での活用が進んでいる一方、運用領域ではまだ十分に使えていない部分もあります。また、従来型のシステムでは、必要なデータがファイルサーバーなどに分散していることも、活用を進めるうえでの壁になっているといいます。
さらには、現場の作業が速くなっても、人員配置やマネジメントの考え方が変わらなければ、組織全体のコストには反映されにくいという話もありました。
AIの使い方によって、同じ人数でもアウトプットやコストが変わるため、これまでのように人数を基準に開発規模や工数を見積もることも難しくなっています。現場だけでなく、組織の仕組みや計画の立て方も変えていく必要がありそうです。
AI時代ほど、「なぜつくるのか」が問われる
議論の中で何度も出てきたのが、「言語化」と「構造化」という言葉です。
AIはコードを素早く生成できますが、そもそもなぜその機能が必要なのか、誰にどのような価値を届けるのかを考えるのは人です。
プルリクエストの作成やレビューにもAIを活用できるようになったからこそ、「なぜこの変更をするのか」「なぜこの結論になったのか」を、自分の言葉で説明することが大切だという話がありました。
AIに任せられる範囲が広がるほど、目的を整理し、最後に判断することが、人の大切な役割になっていきそうです。
若手エンジニアは、最初からAIを使うべきか?
続いて話題は、AI時代の若手エンジニア育成へ。
若手には、まず自分でコードを書いてもらうべきなのか。それとも、最初からAIを使うことを前提に育成すべきなのか。登壇者からは、それぞれの考えが紹介されました。
粟田さんは、AIに任せれば成果物はつくれるものの、自分で試した経験を積み重ねることが、その後の成長につながると話しました。牧さんからは、書くこと自体よりも、コードを読み、その内容を理解できることが大切ではないかという意見がありました。
AIを前提としながらも、自分で試す経験や、コードを読み解く力をどう育てていくのか。各社でも模索が続いているテーマであることが伝わってきました。
AI時代にSREはどう向き合っていくか
最後は、「AI時代にSREはどう向き合っていくか」をテーマに、登壇者それぞれが考えを共有しました。
牧さんは、AIでさまざまな業務を効率化できるようになっても、「この人に任せておけば大丈夫」と思ってもらえる信頼が大切になると話しました。
粟田さんは、監視やインシデント対応、原因調査などはAIによる自動化が進みやすい一方、テストやリリース、今後の開発など、未来を見ながら次に必要なことを考える役割は、これからもSREに求められるのではないかと話しました。
森永は、そうした判断や信頼を支えるものとして、サービスや利用者への理解、過去のトラブルなどのドメイン知識を挙げました。AIに任せられる業務が増える中でも、サービスの背景を理解し、地道に向き合ってきた経験は、SREにとって大切な強みになりそうです。
AI活用の現状から若手育成、これからのSREに求められる役割まで、幅広いテーマについて考える時間となりました。
イベントの最後は懇親会!
パネルディスカッションと質疑応答の後は、懇親会が行われました!
登壇者への質問はもちろん、それぞれの現場でのAI活用や、現在感じている課題について情報交換する姿も見られました。パネルディスカッションを終えた後も、登壇者同士の話は尽きません!
LTやパネルディスカッションで取り上げられたテーマをきっかけに、登壇者と参加者がそれぞれの現場で感じている課題や工夫を共有する場面も。会場のあちこちで話が広がり、最後までにぎやかな時間となりました!
おわりに
今回のイベントを通して、AIによって開発現場の作業が速くなる一方で、組織の仕組みやマネジメント、人材育成にも変化が求められていることが見えてきました。
AIに任せられる範囲が広がるほど、「何のためにつくるのか」を言葉にし、最後に判断する力がより重要になります。また、サービスや利用者への理解を深め、周囲との信頼関係を築くことも、AI時代のSREに求められる大切な役割です。
いかがでしたでしょうか?本記事を通して、少しでもNTTデータ フィナンシャルテクノロジーや、決済イノベーション事業部におけるAI活用、SREの取り組みについて知っていただけたら幸いです。
当社に興味を持ってくださった方は、ぜひ一度カジュアル面談でお話ししてみませんか。
みなさんとお会いできることを楽しみにしています!
▼今回参加したメンバーのインタビュー記事もぜひご覧ください!
菱沼:
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