こんにちは!株式会社NTTデータ フィナンシャルテクノロジー(以下、NTTデータFT)決済イノベーション事業部です。
決済イノベーション事業部では、2025年4月に新組織「Innovation Hub」(以下、iHub(アイハブ))を立ち上げました。iHubのミッションは、「自ら手を動かしてつくる」という原点に立ち返り、現場の変革を促進することです。
今回は、iHubを課長として率いる田村さやかさんへのインタビューをお届けします!
課長昇進と同じタイミングで、iHubのマネージャーを任された田村さん。メンバーは、自分より技術力の高い“つよつよエンジニア”ばかり。「自分にできるのか」という不安からのスタートでした。
しかし田村さんには、二つの強みがあります。インフラからアプリ開発まで「幅広い技術領域での経験」と、育児と両立しながら培った「マネジメント力」。技術もマネジメントも楽しみながら、自分ならではの役割を見つけ、iHubの活動を前に進めています。
そんな田村さんに、これまでのキャリアやiHub1年目の手応えと課題、そして技術者が働きやすい環境づくりについて語ってもらいました。ぜひご覧ください!
田村 さやか
NTTデータ フィナンシャルテクノロジー 決済イノベーション事業部 事業推進担当 課長
2008年にNTTデータFTの前身であるNTTデータネッツへ新卒入社。基盤運用からBI構築、スマホ決済アプリやWeb開発まで幅広い領域を経験。クラウドやアジャイルなど新技術にも挑戦し、技術×マネジメントの強みを確立。現在は「Innovation Hub」課長として、組織横断の技術支援と人材育成をリードしている。
課長昇進と同時に、「つよつよエンジニア」集団のマネージャーに
――本日はiHubを課長として率いる田村さんにお話を伺います!はじめに、田村さんがリーダーに就任した経緯を教えてください。iHubは2025年4月に発足しましたが、田村さんにはいつ話があったのでしょうか。
田村:本当に直前でしたね。記憶があいまいなんですけど、4月1日ちょうどか、前日だったかもしれません。iHubの発足は、ちょうど私の課長昇進と同じタイミングだったんですよ。管理職への昇進は最後の面接で落ちる方もいるので、結果が確定してから配属先が決まる事情もあり、かなりギリギリでしたね。
菱沼部長と森永さんから、「このチームはこういう意図で発足したチームで……」と軽い説明があった後、「あとはよろしくね」という感じでした(笑)
――「iHubのリーダーをよろしく」と言われたとき、どう思いましたか?
田村:正直、ワクワク感よりも不安のほうが大きかったです。まず「iHubとは何か」から理解する必要がありましたし、メンバーを見て驚きましたね。“つよつよエンジニア”ばかりで。
全員が私より技術力が高いし、だいぶ年上の方もいる。それに、私は育児をしながら働いているので、時間的な制約もあります。「私がマネージャーでいいのだろうか」「この人たちをまとめられるのか」と思いました。
――そうした不安を、どのように乗り越えたのでしょうか。
田村:菱沼部長と森永さんに、ちょっと笑い話っぽく「できますかね?私」と伝えました。そうしたら、「自分たちもサポートするから」と言ってくださって。大きな安心感になりましたね。
それに、あえて私を選んだのには、会社や上司として何らかの意図があるはずだと思ったんです。任された以上はその期待に応えようと、意識を切り替えていきました。
――そんなiHubの発足から1年が経ちました。改めて、iHubの役割や活動内容を教えてください。
田村:iHubは、決済イノベーション事業部全体をより強くするための少数精鋭ユニットです。情報発信、開発支援、新人育成など6つの柱を掲げ、各現場だけでは進めづらいテーマを中心に、技術的な知見とサポートを提供しています。少数で小回りよく動いて、必要なところに質的に関わることを大切にしています。
※立ち上げの経緯はこちらの記事で紹介しています
――技術に強いメンバーが集まる中で、田村さんはどのような役割を担っていますか。
田村:まず、メンバーはそれぞれ自分の専門性を活かして技術支援や情報発信を行っています。一方で私は、他部署との窓口や案件支援の調整を担っています。管理職の立場を活かして事業部全体に働きかけながら、活動を前に進めていく。これが私の役割ですね。
――iHubの普段の運営はどのように進めているのでしょうか。
田村:他チームからの相談案件については、まず私が窓口として受け付けます。その内容をiHubの定例会で共有し、適任と思われるメンバーと一緒に初回のヒアリングに入ることが多いですね。
定例会ではLT(ライトニングトーク)会の企画や技術イベントの情報交換など、いろいろな話をしています。面白い技術の話になると盛り上がって止まらなくなるんですよ。「事務連絡をするから、そろそろ静かにしましょう」と、私が場を整理するのが恒例になっています(笑)
――iHubの1年目を振り返って、どのように自己評価していますか。
田村:少人数ながら、1年目としてはかなり充実した活動ができたと思います。天気に例えるなら、各プロジェクトへの支援や新人育成は「晴れ」です。一方で情報発信については、継続発信の文化はできたものの、参加者の偏りがあるので「曇り」かなと。成果と課題の両方が見えた1年でしたね。
技術もマネジメントも楽しむ。制約の中で見つけた、チームを動かす面白さ
――iHubの「成果」と「課題」については、後ほど詳しくお聞きします!その前に田村さんのキャリアについて伺いたいのですが、かなりオールラウンドなキャリアを歩まれてきたそうですね。
田村:インフラからアプリケーション、ネイティブアプリまで、幅広くいろいろなことを経験させてもらいましたね。
私は2008年に、NTTデータネッツ(NTTデータFTの前身組織の一つ)に新卒で入社しました。最初の3年間は、オープン系サーバーの保守やシステム監視など共通基盤系の業務を担当しました。
その後はBIシステムの立ち上げ、スマホ決済用のiOS・Androidアプリの開発、Webシステムの更改など、大小さまざまな開発案件に携わりました。「広く浅く」かもしれませんが、本当に多角的な経験を積ませてもらったなと。いま話しながらしみじみ思いました。
――エンジニアとして幅広い領域で手を動かした経験は、現在のマネジメントにも活かされますね。ところで、田村さんは若手の頃からマネジメントに興味があったのですか?
田村:いえ、全くそんなことはなくて。もともとはテクニカル志向が強かったんですよ。プログラミングはもちろん、サーバールームでラッキングもしていました。新しい技術を調べたり、資格取得に取り組んだりすることも好きで、技術を突き詰めるキャリアをイメージしていましたね。
――そこからマネジメントへ軸足を移したのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
田村:大きな転機は、結婚・出産を経て育休から復帰したタイミングです。復帰した時期がちょうど、親会社のNTTデータで「デジタルペイメント開発室」の前身組織が発足したタイミングと重なって。その発足メンバーの一人として参画しました。
クラウドやアジャイル開発といった、新しい技術・手法を手探りで学び、実践していく。同時に、育児しながら短時間勤務で働くようになり、仕事の進め方も自分自身も大きく変わった時期でしたね。
――「仕事」と「家庭」の変化が重なったと。具体的には、どのように変わったのでしょうか。
田村:自分で何時間もかけて作業を進めることが、物理的にできなくなりました。復帰してしばらくは、午後3時には会社を出ないと保育園のお迎えに間に合わない状況で……。常に逆算して「何をいつまでにやるか」を考えるようになりました。
限られた時間で成果を出すために、誰かにお願いして、チーム全体で動く。今振り返ると、この制約がマネジメント力を身につけるきっかけになったのかなと思います。
徐々にリーダー的な役割も担うようになって。最初は戸惑うこともありましたが、メンバーそれぞれの「得意・不得意」や「やりたいこと」を見極めながら、任せる業務の種類や量を調整していきました。そうしたら、うまく回るようになったんですよ。「チームを動かすのも面白いな」と意識が変わりましたね。
――手を動かすエンジニアからマネジメントへ移ることに、もどかしさはありませんでしたか?
田村:最初は自分でやっちゃいたい気持ちも強かったですよ。でも、だんだんと人を育てる面白さに気づいたんですよね。広い意味で、育児に似ているなと。人間が成長していく過程に伴走する面白さというか。チームの成果を最大化するマネジメントにも、自分の適性があるのかなと感じるようになりました。
とはいえ、技術への興味がなくなったわけではありません。生成AIをはじめ面白い技術がどんどん出てきているので、業務に関係ないところでこっそり調べたり試したりしています(笑)。iHubの強いメンバーについていくためにも学び続けていますが、楽しいので全然苦にはならないですね。
「支援」と「育成」を積み重ね、頼られる存在へ。iHub1年目の成果
――ここからはiHubについて深掘りします!まず「1年目の成果」についてお聞かせください。先ほど支援活動は「晴れ」と評価されていましたが、特に印象に残っている事例はありますか?
田村:上半期は、前回の森永さんのインタビューでもお話ししていたとおり、CAFISの担当チームでの生成AI活用の事例が大きかったです。
下半期で特に印象的だったのは、ネットワークチームへの支援ですね。若手社員による業務改善の取り組みだったのですが、OJTの一環ということで、上司と二人で相談に来てくれました。
ネットワークの保守業務では、CPUの使用率やネットワークの帯域といったデータを日々取得して、トラフィックの傾向を見たり、トラブルの予兆を発見したりしています。大量のデータを分析する作業はまさに生成AIが得意とする分野です。その部分に生成AIを組み込んで、最後にレポートを自動で出力するところまで仕組み化しました。
――「業務改善」と「新人育成」の両方に貢献できた。iHubにとって、大きな成果ですね。
田村:ネットワークチームの中だけでもある程度は進められたと思うんです。より良い取り組みにするためにiHubを頼ってくれて、嬉しかったですね。iHubが少しずつ、「困ったら相談してみよう」と思ってもらえる存在になってきているのかなと感じています。
――新人育成も「晴れ」評価とのことですが、新卒向けの研修にもiHubが関わったそうですね。
田村:はい。前提のお話を少ししますと、決済イノベーション事業部のデジタル部門に配属される新卒メンバーは、途中から通常の新人研修から離れて、別ルートで研修を行っています。1年がかりの研修で、2024年度まではNTTデータの新人と合同だったのですが、昨年度(2025年度)から下半期はNTTデータFTだけで進める形に変わりまして。その研修プログラムをiHubが中心となってつくりました。
技術の会社として製造や開発プロセスをしっかり学べる内容にしつつ、現場で起こりうるシチュエーションのロールプレイも取り入れました。菱沼部長がお客様の責任者役、私がマネージャー役、森永さんが社内の営業役で、それぞれ役になりきって。演じるのはちょっと恥ずかしかったんですけどね(笑)
――技術だけでなく、実践的な対応力も身につく研修だったのですね。昨年度の新卒メンバーは8名いましたが、この4月に各プロジェクトに巣立っていきました。自信を持って送り出せましたか?
田村:そうですね。中には「ちょっと大丈夫かな」と不安がっている子もいましたけど、今はうまくやってくれているんじゃないかなと思います。
課題は、iHubの活動をどう広げるか。「何でも知っている身近な人」を目指して
――続いて、先ほど「曇り」と評価されていた「情報発信」についてお聞かせください。
田村:まず成果として大きいのは、LT会を毎週開催する文化をつくれたことですね。iHubのメンバーが持ち回りで登壇し、生成AIやAIエージェント、技術トレンドなどをテーマに発信してきました。月に1~2回は自分の順番が回ってくるハイペースで、メンバーは本当に頑張ってくれました。
最近は、iHubメンバー以外が登壇することも増えてきたんですよ。若手社員が「自分も発信したいです」と手を挙げてくれたり、管理職にこちらからお声がけしたり。少しずつ場が開かれてきているなと感じています。
――手応えを得られた一方で、今後に向けた課題をどのように捉えていますか?
田村:大きな課題は「事業部全体にどう広げていくか」です。LT会は毎週続けられてはいるんですが、参加者が固定化しつつあって……。新しい人をどう呼び込むかが悩みどころです。参加者が広がらないと登壇者も増えないので、マンネリ化するリスクもあります。
現在のLT会の参加者は、平均して30人前後。決済イノベーション事業部全体では200人弱いるので、できればもう少し多くの人に参加してもらいたいですね。
――「新しい参加者が増えにくい」要因は何だとお考えですか。
田村:この4月に事業部全体に向けてアンケートを取ったところ、参加できない理由として多かったのは、まず「時間が合わない」こと。それと、テーマの技術レベルが高く見えてしまい、参加する前から「自分には難しそう」と感じている方も少なくないようでした。「標準」と思う技術レベルに、iHub内外でギャップがあるのかもしれません。
――ギャップを解消する。そのためには、情報発信の内容はもちろん、テーマの見せ方や伝え方も工夫する必要がありそうですね。
田村:そう思います。iHubは技術的に優れた人たちの集まりなので、「すごい人たち」「畏れ多い」と見られやすいんです。でも、目指したいのは「何でも知っている身近なおじさん」みたいな存在で(笑)。「気軽に相談していいんだ」というイメージに変えていきたいですね。
――課題解決に向けて、すでに取り組んでいることはありますか?
田村:アンケートの結果を受けて、参加しやすい形を探っているところです。従来は金曜日だけの開催でしたが、水曜日枠も新設しました。テーマも、技術的に高度なものだけではなく、もっと親しみやすい内容を織り交ぜる方向で企画しています。
実際に、技術に特化しないテーマで盛り上がった回もあるんですよ。総務部門の人がゲストで登壇して、「社内の人脈をつくるにはどうするか」というテーマで話をして。そのときは、通常よりも質問がたくさん集まりました。iHub主催だからって、必ずしも高度な技術テーマだけを扱う必要はないんですよね。
あと、課題は参加者の「数」だけではなく、「部門の偏り」もあります。現在はデジタル部門からの参加者が多く、他の部門へのアプローチがまだまだ足りません。今後は、デジタル部門がある渋谷オフィスだけではなく、泉岳寺オフィスで開催する“出張iHub”のような取り組みもしていけたらと考えています。試行錯誤しながら、iHubの活動を事業部全体に広げていきたいですね。
誰もが新しい技術に触れられる環境で、自分らしいキャリアを築く
――iHub発足から2年目を迎えましたが、どのような方針で活動していきますか。
田村:基本方針は1年目と同じです。支援活動は意欲あるチームから小さく始め、成功事例をつくって周囲に広げていく。メンバー全員が本業のプロジェクトと兼務していますし、無理に広げるよりも質を大切にしています。
個別の支援活動に加えて、環境づくりにも力を入れていきます。トレンドに合わせて開発のあり方も変わっていく。その変化に対応できる状態を整えておく必要があります。一部の人だけが新しい技術を使えるのではなく、事業部の誰もが新しい技術に触れられる環境をつくることが大切です。
――環境づくりについては、具体的にどのような取り組みをしていますか。
田村:たとえば、昨年度から事業部全体でクラウドを自由に使える環境を整備しています。また、希望者にはGitHub Copilotのライセンスも付与しています。
「興味はあるけど、個人では試しづらい」という人は少なくないと思うんです。技術に興味がある人たちが、新しいツールやクラウド環境に気軽に触れて、学び、業務に活かす。そんな環境づくりにも力を尽くしていきたいですね。
――組織も環境も変化しているNTTデータFTですが、田村さんから見てどのような人が合うと思いますか。
田村:新しい技術や変化を楽しみながら業務に取り組める人ですね。個人的には、技術が好きな人はもちろん、まったく違う業界を経験されてきた方にも興味があります。前職での経験を、NTTデータFTの業務にどう活かすか。「自分はこういう役割で貢献したい」という考えを持っている人に来ていただけたら嬉しいですね。
――最後に、この記事を読んでいる方、特にNTTデータFTへの就職・転職を検討している方へのメッセージをお願いします。
田村:NTTデータFTで働く魅力は、決済という社会インフラを支える仕事に携われる「誇り」と、自分の志向や状況が変わっても新しい役割を任せてもらえる「成長機会」にあると私は思います。バリバリ技術を磨く人もいれば、ライフスタイルに合わせながら自分の持ち味を活かす人もいる。それぞれの形で活躍できる組織だと思いますし、私を含め、子育て中の女性管理職も増えていますよ。
技術を楽しみながら自分らしいキャリアを築きたい人が、気持ちよく働ける。そんな場所がNTTデータFTにはありますし、より広げられるようiHubも活動していきます。だから安心して入ってきてください。エンジニアとして技術を楽しむことを、どうかやめないでほしい。私の勝手な願いですが、心からそう思っています。
――田村さん、本日はありがとうございました!
今回は、iHubを課長として率いる田村さんにフォーカスし、iHub1年目の成果と課題、技術を楽しみ続けるエンジニアのキャリアについて紹介しましたが、いかがでしたか?
少しでもNTTデータFTや決済イノベーション事業部について知っていただけたら幸いです。
当社に興味を持ってくださった方は、ぜひ一度カジュアル面談でお話ししてみませんか。
お会いできることを楽しみにしています!
企画・編集:株式会社スリーシェイク 文・撮影:三谷恵里佳