社内農園という取り組み
通称 Forema農園
Forema の敷地内には、小規模ながらも有機栽培をしている農園があります(Forema 農園)。
そしてここには重要な意味があります。
現代の日本では、多くの人が農薬や除草剤の有害性を知っています。消費者目線において、農薬不使用というキーワードはとても重要です。にも関わらず、有機栽培/完全無農薬の野菜のシェアはごくわずかです。
理由は明快で、値段が高いからです。そして値段が高いのは、手間がかかるからです。よって、今日も化学肥料が土中に過剰な窒素をばらまき、除草剤や殺虫剤がミクロの生物群系を撹乱し続けています。
こうした現状を深く理解するためにも、自分たちが実際に有機栽培に取り組むのは最低条件であると考えています。
実際にやってみてどうだったか
実際にやってみてわかったのは、
- 有機栽培はとたも手間がかかる
- やればできない事はない
の2点でした。
実体験としてこれを知ると、農家さんの気持ちや葛藤をそれなりに理解する事ができ、立派な野菜を見ると、それが100円の大根であっても無条件で敬意が湧き上がります。
現実問題として農薬なしでも野菜はできますが、倍増した労働コストや収穫量低減のマイナスを誰が負担するのか?そもそも日本の消費者市場に高額な野菜を受け入れるマインドは存在するのか?
こうした本質に向き合う事は重要なプロセスだと感じます。
社業にメリットはあるのか?
農園での取り組み自体は、社業や売上には直接的には貢献しません。一方で、「自然界との共存」を社是に掲げる中では決して避けてはならない道であり、こうした取り組みから得られる小さな英知の積み重ねは強力な社内文化に通じると考えています。
農園の生物群系
除草剤や殺虫剤を使わないForema農園では、ミツバチが多く、ミミズも多く、てんとう虫、少量のカメムシ、羽虫、それを捕食するクモなど、とても賑やかです。
そして畑なのに大量のアマガエルがいます(ここでは上位の捕食者)。
時にはアカハライモリすら畑にいたので驚きました。
これを知ってしまうと、ここに殺虫剤をまくという選択肢は絶対にあり得ません。こうした生物群系の営みを知るというプロセスこそが、「自然界との共存」のとても重要な一歩なのは間違いありません。
土中細菌の存在
と、ここまでロハス人間のつぶやきを晒してきたわけですが、話はここで終わりません。
私たちは、幸運にも、微生物など環境DNAを解析する手段を持ち合わせています。
実際に農園の土壌を複数箇所解析したところ、どの地点においても900種以上の細菌たちが検出され、非常に豊かな様相が確認できました。(すぐ近くの杉の人工林の土壌からは500種ほど)
化学物質を分解する細菌たち
除草剤や殺虫剤は昆虫を壊滅させ、ミツバチなどの促奇性を上昇させます。水系にもダメージを与え魚が減ることが分かっています。
土中細菌のレベルでは、検出される細菌種が減る一方で、科学物質を分解する細菌たちが増加します。
中でも重要なのは「デスルフォビブリオ属」というグループです。デスルフォビブリオ属は有害物質を分解する重要な存在ですが、体内に入ると有害で発癌にも関連する硫化水素を産生します。
また、デスルフォビブリオ属は
- 自閉症スペクトラム
- パーキンソン病
- 鬱病
- 双極性障害
- ADHD
などへの関与が知られています。農家に鬱病が多いのは、田舎の閉塞感が原因なのではなく、農薬との相関が有意な統計として報告されています。(米国では肥満との相関を報告する文献もあり)
農薬による悪影響は文献のみならず、Foremaラボの解析案件でもそれを裏付けるような類似事例が複数存在します。
こうした現実を知った上で、私たちは「自然界との共存」を強く掲げています。