100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「フリーランス大量廃業時代到来!?・・・だぶつくホワイトカラー人材」について話していきます。(元記事:https://wizpara.com/2821/)
最近、悩みや疑問があるときに、知人や友人に相談することが少なくなりました。
代わりに悩みや疑問の相談をぶつける相手は、ChatGPTなどのAIです。
ChatGPTの応えは実に的確で、誠実で、紳士的で、タイムリーで、幅広いジャンルの質問にも答えてくれます。
答えをもらった後、あまりの感謝に実際には必要のないお礼の言葉をAIに投げかけるくらいに価値のある答えをくれます。
AIは圧倒的回数の試行学習が日々繰り返され高度な問いの最適解を導きだすための開発が日々行われています。
人間は情報処理作業に関してこの圧倒的回数の試行学習を行うAIには絶対に勝てません。
もちろんまだ人間の方が優れている領域もありますが、それは生身の身体や感情を持たないAIならではの特徴が要因である領域にとどまり、知的な分野でのAIとの競争ではもはや人間はAIには勝てなくなったと言わざるを得ません。
そして今まで人間がこなしていた多くの仕事がAIで代替えされるようになりました。
アッという間の出来事でした。
じぶんもフリーランスとして、主にWebの仕事をしていますが、AIが台頭してきてからの仕事をとりまく状況の変化を肌でひしひしと感じています。
もっともシンプルに言うと、Web系フリーランスの仕事の多くが無くなったという実感です。
もう少し詳しく深掘りしていきましょう。
フリーランス大量廃業時代到来の理由
どうやらフリーランスが大量に廃業しなければならない時代が今まさに到来しています。
いまのフリーランスが大量に廃業せざるを得ないという昨今の社会的変化にさらされる状況以前から、フリーランス(個人事業主)の廃業率は、1年以内に約30%、3年以内には60%以上、10年間継続できるのは10%程度と言われています。
それが昨今の社会的変化に影響され、フリーランスの廃業がさらにめちゃくちゃ加速するというのが今回の話です。
いくつか原因を見ていきましょう。
AIがいよいよ賢くなってきている
〇〇ショックやコロナの大流行などといったブラックスワン(株式市場の大暴落や疫病の大流行など事前にほとんど予想できず、起こったときに大きな衝撃を与える事象)は、ある日唐突に何の前触れもなくやってきます。
そのため、事態に事前に備えることが非常に困難です。
そして関係者だけではなく、社会全体に不景気などの影響を長期で及ぼし続けることになります。
世界大恐慌やブラックマンデー、リーマンショックやライブドアショック、最近ではコロナショック・・・。
いわゆるブラックスワンと呼ばれるこれらイベントと同じく、社会的構造の激変も、ある日、唐突に起こります。
AIも、年々じわじわ進化してきたというよりは、ある時期、唐突に偶然からパラダイムシフト(AIのありえないくらいの急激な変化)が行った印象です。
そして一気にAIの実用化が進み、AIに仕事を奪われる人が急増しているというのが今の実情です。
すでにAIのIQは人間の平均100をゆうに超えていると言われますし、AIの進歩・進化はこれからも指数関数的に進んでいきます。
賢いだけでなく、AIの作業スピードは圧倒的です。そして休息も必要なく、愚痴を言うこともなく一晩中作業させることが出来ます。
これは人間は情報処理分野でAIには勝てないことを表しており、AIと張り合おうというのがそもそも間違いで、AIが得意な分野の作業は、とっととAIに任せて人間は別の仕事を選ぶべきです。
もう一度言います。
AIが得意な分野でAIと張り合って仕事を獲ろうとしても勝てませんし稼げませんし、疲弊してボロボロになるだけです。
AIが得意(フリーランスが奪われる)な仕事は?
◆Webデザイン・マークアップ
いわゆるWebデザイナーと呼ばれる人が担う仕事です。
モックアップ・デザインカンプをおこし、より細部をつめたあと、HTMLやCSS・javascript・PHPなどでマークアップ(Webページの構造やレイアウト)を意識しながらコーディングしていきます。
もしかしたらフリーランスで一番多くの人が携わっている業務かもしれません。
そしてこれらホームページを作成する業務の多くが、AIで代替え可能になってきています。
◆プログラミング
プログラミングは言語も豊富で、目的も多種多様、すべてのプログラミングがAIで代替えされるようになったとは言いませんが、プログラミング工程の多くをAIで代替えできるようになってきています。
そして年々、カバーされる言語の数が増え、内容も高度になってきていますので、高度なプログラマーだからといって安泰とは言えなくなってきています。
◆ライティング(文章作成)
AIはブログ記事、SEOライティング、ニュース記事など、特定の形式や情報をもとにしたテキスト作成を高速かつ安価にこなせます。
あたりまえですが、AIは誤字も脱字も出しません。
特に汎用的で個性が求められない文章が影響を受けやすいです。
◆CG・グラフィックデザイン
ロゴデザイン、バナー制作、テンプレートに基づくデザインは、AIツールで自動生成が可能になっています。
手軽で低コストな各種生成サービスが台頭中です。
◆翻訳
機械翻訳(DeepLなど)は品質が向上しており、特に汎用的なビジネス文書やウェブサイト翻訳はAIで代替されることが多いです。
高度な文脈理解や創造性が必要な翻訳は依然として人間が優位ですが、それもいつまで人間優位かと言われると時間の問題かもしれません。
◆写真編集・加工
AIを使った画像補正、背景除去、色調整は短時間で高品質に仕上げられるため、基本的な写真編集業務は淘汰されつつあります。
◆動画編集(基本的な編集)
自動で字幕を生成したり、トリミング、BGM挿入を行うAIツールが普及中です。
YouTube向けの簡易編集を行っていたフリーランスなどはもろに影響を受けて絶賛廃業中です。
◆カスタマーサポート(チャット対応)
FAQ対応や定型的な質問への回答は、AIチャットボットで十分対応可能です。
◆Office系資料作成
資料作成なども、かなりの精度でAIが自動化できるようになってきました。
営業事務作業員が担っていたこれら作業は今後ほぼAIに代替えされることが考えられるため、フリーランス問わず多くの会社のホワイトカラーが職を奪われることが予想されます。
◆ぶっちゃけWeb系フリーランスの仕事全般
まだ挙げていない内容のWeb系フリーランスの仕事であっても、AIに奪われる心配がないとそんなことはありません。
Webマーケターの諸業務であったり、Webコンサルタントの諸業務であったり、Web系フリーランスと言われる人たちが担ってきた多くの業務がAIで代替えされるのは確定路線です。
もしまだWeb系フリーランスとして、仕事が潤沢に舞い込んでいる状態だとしても、それは運よくクライアントがAIを使いこなせていないだけの可能性が高いです。
Web業界はレッドオーシャン!?増えたフリーランスによるパイの奪い合い
じぶんがフリーランスとして独立したのは16年前、まだフリーランスという働き方は世間に認知されていない時代でした。
当然、フリーランスの数も少なく、当時、Web案件が増え始めた時代ということもあり、仕事の獲得も苦労しませんでしたし、単価も今よりかなり高かったと記憶しています。
しかし16年も経つと、時代は様変わりしますね。
たった・・・16年でです。
今はフリーランス志望の人が増加し、実際に多くの人が脱サラしてフリーランスになっています。
とくにパソコン一つで場所や時間を選ばずに仕事ができるイメージのWeb系フリーランスは人気が高く、多くの人がこの業界に集まってきました。
当然、限られた仕事を奪い合うわけですから、Web系フリーランスが増えれば、当然ひとりひとりのフリーランスが得られる仕事・報酬は減る傾向が強まります。
そしてそこにきて、超高性能AIの台頭というわけです。
もともとはWeb系フリーランスが担っていた仕事の多くがAIで事足りるようになってしまったわけです。
当然、フリーランスの仕事は急激なスピードでなくなります。
日本自体は空前の人手不足という時代でありながら、Web系フリーランスが主戦場としているフィールドでは人余りが起きているのです。
フリーランスとして生き残れる仕事・立ち回り方
AIに仕事を奪われないフリーランスとは
AIに仕事を奪われないフリーランスの条件やスキルを見ていきましょう。
1. AIがカバーしきれない複雑な業務を担えるよう高度な専門性を身につければ生き延びることができます。
2. クライアントとの「コミュニケーション力」を強化することはAIではできないスキルです。
具体的には顧客ニーズを引き出し、具体化するスキルを磨くことは非常に強力な武器になります。
3. デザインや体験設計の「クリエイティブ力」を高める。
AIでもクォリティの高いクリエイティブのアウトプットが出来ますが、それでもユーザー体験(UX)やブランド価値を追求したクリエイティブはまだ人間がリードできる範疇かなと思います。
4.戦略的な「Webマーケティング」の知識を身につける。
クライアントのビジネス業態を詳しく分析し、ニーズを深くくみ取り、最新のアプリやSNS、Webサービスを組み合わせてWebマーケティングすることができる人材はまだまだAIに仕事は奪われないでしょう。
AIを使う側に回る
AIを商売敵ととらえるのではなく、自分の生産性を上げるためにAIを使う側に回れば、生き残れるフリーランスに回れます。
言うは易く行うは難しではありますが・・・具体的には
◆AIで日々の業務を効率化しつつ、人間にしかできない仕事に集中する
・コーディングやデバッグの一部をAIに任せる
・AIによるデザイン自動生成をベースにカスタマイズ
・コンテンツ生成AIを利用して、Webコンテンツの初稿を迅速に作成
AIがアウトプットしたものそのままでは付加価値が生まれませんし、誰でもできるため競合が増えてしまいます。
「AI+人間」の組み合わせにより、短時間で高品質なアウトプットを実現して、勝負することで勝機が見えてきます。
Web系にこだわる理由はない
数十年前、産業用ロボットが進化し、ブルーカラーの人の仕事が機会に奪われると騒がれた時代がありました。
今はその時によく似ています。
その時は知識階級・ホワイトカラーは仕事は奪われることはないと、ブルーカラーよりもホワイトカラーの方が尊いみたいな風潮でしたが・・・時代は変わりました。
今は、AIの台頭でいわゆるホワイトカラーの仕事が根こそぎAIに奪われ始めています。
逆にガテン系やブルーカラー労働の現場は、空前の人手不足の状態で、人材のミスマッチが起きています。
フリーランスというと、何故かWeb業界、Web系のスキルを身に付けた人というイメージが先行していますが、これからAIが加速的にWeb系人材の仕事を奪っていく時代に何もWeb系のスキルを身に付けてフリーランスを目指す必要はないということです。
Web系にこだわらなければまだまだAIやロボットでは担えない、人間だけが可能な仕事というのは山ほど存在しています。
チャンスは無限にある、そのチャンスを一発モノにする
昨今のAIの爆発的進化を20年前に予見できた人はほとんどいないでしょう。
それほどまでに今の時代はテクノロジーの進化スピードがはやく、社会の常識がめまぐるしく変わっていっています。
そんな中でフリーランスとして30年も順調に仕事にありつけていること自体が奇跡中の奇跡と考えるべきでしょう。
しかし変化のスピードが早いということは、既得権益者から仕事や富を奪う一方、激変の際に大きなビジネスチャンスが到来するものです。
フリーランスがとるべき戦略は、長期間コンスタントに稼ぎ続けることを目指すのではなく、キャリアの中で一発大きなチャンスをモノにしてまとまったお金を手に入れることを目指すというものです。
時代の流れがこれだけ早く、大きいと、今まで稼げていたのにある日唐突に稼げなくなるという事態に何回も遭遇します。
それであれば、コンスタントに稼ぎ続けることを予め無理だと判断し、一度でも時代の波に乗り大きく稼ぎ、生涯に必要なお金を稼ぎきることを目指す戦略が賢いと言えるでしょう。
(必ずしも上手くいくとは限りませんが、取るべき戦略としては非常に賢いと思います。)