──「私にできるだろうか」という不安を越えて
「求人票を見て興味は持ったものの、求められることが多くて、私に務まるのか不安でした」
子育てをしながら仕事を探していた青木さんは、求人情報を何度も確認しながら、応募するかどうかを迷っていたと話します。
前編では、応募までに感じていた不安や選考時の葛藤、パソコンスキルを身につけた過程、家庭と両立するための働き方について伺いました。
求人票を何度も開いては閉じた応募前の日々
インタビュー担当: 求人情報を初めて見たとき、どのような印象を持ちましたか?
青木さん: 正直に言うと、最初はかなりハードルが高そうだと感じ、求人情報を一度閉じてから再び開くということを何度も繰り返していました。
書かれている仕事内容や求められる水準を見て、「ここで働くのは大変そうだ」と思いましたし、時給が比較的高い分、それだけ責任も重いのだろうと考えていたからです。
一方で、利用者さんとお話しする仕事と事務作業の両方がある点には、自分がこれまで経験してきた仕事にも通じるものを感じていました。
不安はありましたが、自分に合う可能性も感じていたため、最後は少し勇気を出して応募することにしました。
インタビュー担当: 興味を持ちながらも、「本当に自分にできるのか」と何度も考えていたのですね。
青木さん: そうですね、特に子育てをしていると、自分のキャリアや仕事のためだけに時間を使うことが難しくなるため、新しい環境に挑戦することへの迷いは大きかったと思います。
それでも、社会とのつながりを持ちたいという思いや、自分にできる仕事で収入を得たいという気持ちがあり、応募を決めました。
パソコンスキルへの不安と驚いた実技試験
インタビュー担当: 入社前から、パソコンを使った業務には慣れていたのでしょうか?
青木さん: 独身時代に事務の仕事をしていたため、ExcelやWordを使った経験はありましたが、高度なパソコンスキルを持っていたわけではなく、できるのは基本的な操作やタイピング、インターネット検索という程度でした。
主婦として過ごしていた期間も長かったため、Googleスプレッドシートという名前すらよく分かっておらず、「権限を付与してください」「画面を共有してください」と言われても、最初は何をすればよいのか理解できない状態だったと思います。
Zoomも、友人と会えない時期に会話するために使った程度で、仕事のツールとして使いこなしていたわけではありませんでした。
インタビュー担当: 選考では実技試験もあったそうですね。
青木さん: 3時間の実技試験があると聞いたときも驚きましたし、試験中は「内容がほとんど分からない、もう駄目かもしれない」と思いながら、必死に取り組んだことを覚えています。
詳しい内容は選考に関わるためお話しできませんが、結果だけでなく、分からない課題に対してどのような姿勢で向き合うかも見られていたのだと思います。
最初からすべてができたわけではありませんが、分からなくても手を止めず、自分なりに考えて取り組んだことが現在につながりました。
自分で調べ、周囲に聞きながら身につけた仕事の進め方
インタビュー担当: 入社後、慣れていなかったツールや業務はどのように覚えていきましたか?
青木さん: 実際に使いながら教えていただいたことに加え、分からない点は自分で検索し、見よう見まねで操作するうちに、少しずつ使えるようになりました。
この職場は、最初から最後まで手取り足取り教えてもらえる環境ではなく、基本的には自分で調べ、考えながら進めることが求められます。
ただし、何も聞けないわけではなく、近くにいる方やチャットで関わる方に質問すると、皆さん丁寧に答えてくれました。
「すべて教えてもらう」のではなく、自分で調べたうえで必要なことを質問する姿勢があれば、入社時のスキルに不安があっても覚えていける環境です。
インタビュー担当: パソコンが得意かどうか以上に、学びに行く姿勢が重要になるのでしょうか?
青木さん: そう思います。私もパソコンを使うこと自体に強い抵抗はなかったため、「まずは触ってみよう」「分からなければ調べてみよう」と考えることができました。
入社時点で知らないツールがあっても、自分から覚えようとする気持ちがあれば、使っていくうちに少しずつ身につくでしょう。
子育てと両立するために調整された勤務時間
インタビュー担当: 現在は、どのような勤務時間で働いていますか?
青木さん: 基本的には午前10時から午後2時30分までで、30分の休憩を挟み、1日4時間働いています。
週の労働時間が20時間以上にならないよう、一部の日は午前9時30分から午後0時30分までの短時間勤務にしていただいており、家庭の状況に合わせて調整してもらいました。
子どもの用事や体調不良によって、午前中だけ休む場合や午後から休む場合、1日休む場合もあるため、実際の勤務時間は予定より短くなることもあります。
決められた仕事に責任を持つことは前提ですが、家庭の事情に応じて勤務時間を調整できる点は、子育て中の私にとって大きな支えになっています。
インタビュー担当: 朝は、中学生や小学生のお子さんたちの準備もあって忙しいのでしょうか?
青木さん: 送迎はありませんが、「ランドセルを持ってきて」「水筒を忘れているよ」と声をかけることもあり、朝はやはり慌ただしくなります。
子どもたちの進級や新学期が重なる時期は家庭内の予定も増えるため、仕事とのバランスを取る難しさを感じることもありました。
急な休みでも「代わりの人を探す」必要がない安心感
インタビュー担当: 子育て中の方にとって、特に働きやすいと感じる点はありますか?
青木さん: 子どもは突然熱を出すことがあり、当日の朝になって仕事を休まなければならない場面は、どうしても避けられません。
飲食店などのシフト勤務では、自分が休むことで現場に穴を開けたり、代わりに出勤できる人を探したりする必要があるため、私はそのことに強いストレスを感じていました。
現在の仕事も周囲にまったく影響を与えないわけではありませんが、基本的には自分で完結させる業務が多く、休んだ分をどのように取り戻すかも自分で調整できます。
急な休みが必要になったとき、誰かに代わってもらう罪悪感を抱えるのではなく、自分の仕事として後から調整できることが、この働き方の大きな利点です。
インタビュー担当: 子育て中の方にとって、仕事を続けやすい仕組みになっているのですね。
青木さん: そう思います。子どもの都合で休む可能性がある方や、シフトに穴を開けることを負担に感じる方には、相性のよい働き方ではないでしょうか。
ただし、自由に調整できる分、自分の担当業務には責任を持ち、必要な対応を自分で考えることが求められます。
後編では、青木さんが仕事の中で感じているやりがい、子育て経験が利用者さんとの関わりに生かされている理由、評価制度や職場の人間関係について伺います。