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新入社員が入った時に、新入社員と既存社員がハッピーになるために意識すべきこと

Photo by Anthony Fomin on Unsplash

組織が新しい人を迎える時に起こりがちな問題について、まとめてみる。ちなみにこれは全部自分の実話。

新しく入った人が全てを否定し、既存社員が新しく入った人に暗黙知を期待する

新しい組織に入ると、新入社員は明らかに問題だと思えるものがたくさん目に入るようになる。それは(1) 既存社員からは見えない、ありとあらゆる制約を無視した視点を持っているからなのと、(2) 新入社員は、事業全体の整合性を抜きに、エンドユーザーとしての時点だけで見てしまうので、局地的な解、全体的な解が混在してしまうことだ。

例えば、1社目の前職では、グループウェアを持ってる会社の品質保証だったが、入社当初鬼みたいに使いにくいUIにいらいらし続けてストレスがやばかった。エンドユーザーの視点に立てば、「なんでこんな10年前のデザインでサービス売っているんだ!」という気持ちになったし、「こんなサービスそもそもUI変えないと売れないだろう!」と新入社員ながら上司に訴えたが白い目をされた。

しかし、(1) 仮になういUIにするためにかかるテスト観点の修正コストや、自動テストプログラムの作成コストは計り知れず、また予期しないエラーが起こることも多々あり、UI変更のリターンよりもコストの方が明らかに大きいということは起こり得る。さらに今まで書いてきたテストコードのアセットを全て捨てることになる。エンドユーザーのみの視点からすると、明らかに不満なものも、ビジネス全体や利害関係者全体で見てみると、実は今ある姿は議論され尽くした上で理にかなっていることが多い。

また、(2) toBの多機能なグループウェアとして、最も大事なのは、バグが一切なく、正常稼働してくれるシステムである。そしてビジネス的には、きちんと業務が回せるまでの機能網羅性が担保されていて、リプレイスされないことが重要である。もっといえば、買う人と使う人が大きく別れているので、ユーザー体験の要件が全く異なるのである。それを保証するためには、大規模なテスト体制が必要になる。

この時に既存メンバーとして新入社員を迎える時も問題がある。それは、組織に新しい風を持ってきてくれることを期待しつつも、新入社員が俯瞰的に全体感を持って理解していることを無意識に期待してしまうことだ。無論、入社数ヶ月でそんなことができるわけもないのだが、既存社員が新入社員の「無知」を意識するのはとても難しく、それができないことに気づかない。その結果、「お前何も何も知らないくせに正論ばかり言うな」とか「コイツビジネスセンスないのでは?」とか感じてしまう。そしてその結果、理想だけ掲げる人とか、制約条件を考えられない人とレッテルを貼ってしまいがちである。

どうすればお互い幸せになれるか

ということで、新入社員と既存社員がハッピーに仕事していく上で、お互いが何を意識したらよいのか考えてみる。

①新入社員:なぜその理想が達成されていないのか調べてみる

新入社員が目につくほとんどの問題点は、実は組織にいる人側も問題点だと認識していたり、すでにその問題に取り掛かったりしていることが多い。

で、新入社員はまずその可能性があることを自覚しておくのが第一歩だと思う。それが問題だと感じること自体は良いと思うので、そういった問題が過去にどんな議論をされていたのか、なぜ解決されていないのかを調べてみると良いと思う。

ここまで見えてくると、その問題を解くコストとリターン感とか見えてくるだろうし、そもそもそれが問題ではないみたいなことに気づくかと思う。

②既存社員: 前提を共有できていないことを疑い、新入社員がオンボーディングできるように伝える努力をする

既存メンバーは、新入社員が一見的外れだったり、過去に議論されてきた問題提示をしてきて面倒臭いな!と感じることも多いだろう。そんな時にまず確認すべきなのは、「お互いに同じ前提を共有しているのか」を確認することだと思う。この前提がないまま、問題点に関して議論すると、同じことを全然違う視点で話すことになるので、時間が非常にもったいないと思う。あと最悪の場合人格否定みたいな話になりかねず、お互いがハッピーに仕事するのが難しくなる。

新しい人にこそ、ビジョンや経営戦略を共有し、全員が同じ課題感を持っているのかつねに確認しておく必要があるのだと思った。

最後に

新入社員と既存社員、お互い目指している世界は一緒だけど、お互いが見てきている世界が違うことを意識するだけで、だいぶハッピーに仕事できるのではないかと思う。

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