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医療の力で女性のチャレンジを支援したい。フェムテック企業の創業からシードラウンドまで (大塚目線)

こんにちは!HerLifeLabの大塚です。

私は2022年に創業したこの会社の共同創業者となっていますが、実は私自身は起業するとか全く目指していなかった人間でした。 (汗) 

それでも今は「更年期」というテーマで創業してよかったと思いますし、なんとか会社もサービスも回り始めています。だから自分のやりたいことがまだクリアじゃなくても、いつでも起業出来るし、その機会があったらぜひ飛び込んでみて欲しいと思います。

この記事をみて、もちろんHerLifeLabに興味を持ってくれたら嬉しいですし、また個人的には女性でスタートアップに挑戦する人がもっと増えてほしいなぁと思うので、私の経験を見て「お!私もいけるかも」という勇気になったら嬉しいです。

今日は、私たちの会社がどのように生まれ、成長してきたのか、そしてなぜ私がこのクレイジーな冒険に飛び込んだのか、時間の流れとともにお話しします。


それでは、スタート!

プロフィール
大塚響子
COO

2015年東京工業大学大学院卒業。セールスエンジニアとしてキャリアをスタートし、2018年からは米国シリコンバレーのCVCで最先端技術を活用したスタートアップの発掘、本社とのビジネス協業、投資業務に携わる。2020年よりRevCommにてB2B SaaS事業の販路拡大、協業促進によるGrowthのManagerを担当。2022年5月にHerLifeLabを共同創業。


🌱 全ては一粒の種から:オリガの原体験(2020年)

私たちの原点はコロナ真っ只中の2020年、現在の私のビジネスパートナーであるオリガが「更年期の女性たちをサポートしたい!」と自分が更年期に苦しんだ末に考えたことがきっかけでした。

でも更年期の女性を救うといっても何をしたら良いのか、医療なのか医療じゃないのか。デジタルなのかアナログなのか。日本なのか海外なのか。

どこから出発するのが良いのかかなり迷ったみたいです。

オリガは祖国では医師、日本では医学博士なので、医療の知識は豊富です。

でも彼女が行き着いたのは「会社を立ち上げて、ビジネスで更年期の女性を救いたい」という結論でした。


オリガ:“医師として救えるのは多くて1日100人だけど、会社をやれば1日数万人の人を救える”

そう考え、ビジネスで更年期に対する解決ができないかと感じたのです。


🚀 アイデアを磨け!アクセラレータでの奮闘(2021年前半)

「更年期の女性を救いたい!」そんな思い一心でオリガは勇気を振り絞って、当時所属していた大学期間のOIST (オイスト)のスタートアップアクセラレータプログラムに飛び込みました。

アクセラレータでの日々は、オリガにとってまるでジェットコースターのようで喜びと落胆、希望と不安が交錯する毎日だったそうです。


経営のお金をエクセルで計算する話が一番意味わからんかったと言ってました。(笑)


それでも、サービス開発において、「ユーザーの声を聞く」ことがとても大事だということは彼女にとっても納得がいく教えだったようです。

その教えから、オリガは日本や韓国、台湾出身の様々なバックグラウンドの女性たちにインタビューをし、更年期の課題の本質へと近づいていきます。

更年期女性たちは「自分自身にさえ何が起こってるのか分からない」「うまく説明できなくて理解されない」そんな気持ちを抱えていたのです。

このときはまだどんなソリューションが良いかはまだ分からなかったけど、オリガ自身も更年期を経験していたからこそ、気持ちに共感しながらインタビューをしてきた発見だと思います。

この発見は、この時から3年後の2023年にサービスローンチした更年期女性向けオンライン診療サービス Vivalle (ビバエル)のコンセプトにもなっています。


そして、この過程で「更年期ケア」という、ニッチだけど重要な分野に取り組むことへの重要性を理解してくれる人が少しずつ増えていきました。

その一人が現在のHerLifeLabのヘルスアドバイザーでもある高宮城直子医師です。彼女も自身の開業した婦人科クリニックを運営しながら、現代の医療では更年期女性へのケアが十分でないことも感じていて、オリガと一緒に新しいケアの形を探すことに共感をしてくれたのです。

またもう一人このタイミングで出会ったのが、後に私たちのシードラウンドのリードインベスターとなるインキュベイトファンドのPaul (ポール) さんです。ポールさんはまだアイデアの種しかない時から、アイデアの壁打ちや、他のスタートアップ成功事例を通じたディスカッションなど様々な知見を提供いただいていました。


👋 運命の出会い:私、大塚の登場(2021年後半)

そうなんです。ここまで私、出てきてません。(笑)

私はオリガが起業を決意した時から約2年が経ってからオリガと出会いました。

その頃の私は、AIスタートアップで働いていました。私が入社して4ヶ月ほどでSeries Aのクローズを迎え、その会社はその時大きな成長ステージにいました。ビジネスグロースを肌で体感することができ、毎日がエキサイティング。元々成長意欲の強かった私には「成長できるこの環境いいな」と思っていたんです。

ちょうどそのころにプライベートでは妊娠も発覚し、長年不妊治療をしてきた自分にとって出産準備で忙しくしていました。

そんなある日、元々繋がりのあったインキュベイトファンドさんから「面白いプロジェクトがあるんだけど、一度話を聞いてみないか」と声をかけられました。


最初この話を聞いた時「更年期かぁ・・・うーんよく知らない」と正直思ってしまいました。(無知な自分が今では本当に恥ずかしい・・)

元々女性医療には興味があったものの、32才の自分にとって、正直生理や不妊の方が興味のあるトピックでした。

「これが不妊治療の会社なら、自分もやってみたいかな」そんなことも考えていました。


でもその晩、好奇心と話のついでに、実家の母親と電話したついでに、「ママって、更年期あったの?」と聞いてみました。


すると...


「あったよ、しかも結構ひどかった。内科で軽い“うつ” ですね、って言われてショックだし、恥ずかしいし相談もできなかった」


え゛っ!?あんなに元気な母が、そんな苦しみを抱えていたなんて...。

しかもうつ??

汗が出るとか、生理が止まるんじゃなくて??


この衝撃が、私の人生を大きく変えることになりました。


🤝 二人三脚:共同創業者としての挑戦(2022年)

母との会話で衝撃を受けた私は、オリガに「うちの母も昔不調があったみたいです」と話したところ、「うん、みんなそうやって知らないところで苦しんでるんだよ」と言われてこれはなんとかしないと、と心が震えた瞬間でした。

そこから私はボランティアとしてディスカッションに参加することにしました。

ディスカッションは2週間に1回のディスカッションで、更年期に対するソリューションや競合を調べて議論するもので、何か決めたりExecutionするというより、更年期に対する理解を深める目的だったと思います。

ディスカッションをする中で興味はどんどん強まっていたけれど、当時は今の会社での仕事内容もポジションも満足してるし、自分が本当に0→1の創業者なんてできる器じゃない、そんな消極的な言い訳をしてました。

本当は、もっとこの事業をやりたい!本気で立ち上げたい!と思ってはいましたが、実際には自信がなかったのです。

前職の社長は「俺は小3の時から起業するって決めてた」なんていうある意味変態的な人だったからかも、起業する人はそうやって生まれキャリアを積んできた人、と思い込みがあったからかもしれません。


そんな中で、オリガがこんな声をかけてくれました。


「私には大塚さんみたいなビジネスわかってる人が必要だよ」


その瞬間、私の中で何かが「カチッ」とはまった感じがしたんです。


私は新卒でプロダクトマネージャー、その後ベンチャーキャピタルで投資・協業、スタートアップのBiz Devをしてきて、色々ビジネスはみてきたけど、自分のキャリアの専門性がないことに悩んでいました。

それでもスタートアップへのビジネス成長への興味は人一倍あったし、何か女性のチャレンジを応援する事業をやりたいという気持ちはずっと持っていました。


それがオリガの言葉で背中を押してもらえた瞬間でした。


「よし、やろう!でも...本当にできるのかな?」


不安と期待が入り混じる中、私は共同創業者としてHerLifeLabに正式参加。ビジネス面でオリガをサポートする役割を担うことになりました。


💰 夢の第一歩:シードラウンドの舞台裏(2023年)

会社設立から9ヶ月。私が前職を辞めて正式に席を移して1ヶ月で、シードラウンドで6000万円をインキュベイトファンドとOIST LifeTime Venturesより投資いただく形となりました。

準備は大変で寝る間も惜しんで資料作り、プレゼンの練習...。「もし失敗したら?」という不安との闘いの日々でした。



・・・というのは全くの嘘です。

もちろんピッチは真剣に作りましたが、いつまでにいくら調達しなければ、というプレッシャーはなかったです。



それは会社創業前から支援いただいていたインキュベイトファンドのポールさんが私たちのアイデアの足りない部分を指摘するのではなく、常にもっとよくするにはどうしたら良いかと一緒に考えてくれていたからだと思います。

またインキュベイトファンドの投資委員会では「このビジョンは面白い」「うちの奥さんも困ってる」などと共感する言葉をたくさんかけてくれて嬉しかったのを覚えています。


もう1社のVCであるOIST ライフタイムベンチャーズも担当の木村さんがそれまでもとてもよくしてくださっていたので、同様に変なプレッシャーはありませんでした。


ただ、今思えば投資家の皆さんは、私たちにとって1番の課題になるであろうことをわかっていたんだなぁと思う質問が投資委員会の中でありました。

「オリガさんと大塚さんはバックグランドも考え方も大きく違うようだけど、意見が食い違ったときはどうするの?」と聞かれたのです。

そのときは「意見が食い違ったら話し合いをするだけでは?」と思ったのですが、今思えばそんな単純なものではありませんでした。


オリガは現在のベラルーシ、オリガが当時暮らしていた時はソ連国出身です。また第一言語はベラルーシ語とロシア語、第二言語は英語、その後に日本語です。(彼女は日常の会話は全く問題ないほど日本語ペラペラですが、テキストは英語でやりとりをしていたり、専門用語を理解しづらいことはあるようです)

さらに失敗が許されない白血病を治療する医療現場でキャリアをスタートし、また直近ではアカデミアとしてキャリアを積んできました。

一方で私大塚は日本生まれ、日本育ちで当然第一言語は日本語。32才で更年期もまだ経験してない。失敗してなんぼ、考えるより先に手が動くスタートアップ文化で、PDCAではなくDoDoDoDoの環境で育ってきました。


こんな二人、まぁすぐには分かり合えないですよね (笑)

実際その後、色々とすれ違いもありました。

そのすれ違いをどう克服したのかはまた次回の記事で書きたいと思いますが、このシードラウンドのタイミングはまだハネムーン期みたいな感じで、「私たちは、全然違う違うタイプだからいいんだ!」と思っていました。(もちろん今でも、違うタイプが一緒に働くメリットがあると思ってます)


そんな感じで、私たちのシードラウンドはVCを何十社回ることも、胃が痛くなるような詰めもなく、無事にクローズすることができました。

会社が創業してから9ヶ月、自分がジョインしてから1ヶ月とすごくスピード感があったように思えますが、オリガがプロジェクトとして開始してからは約3年、私もボランティアとして関わり始めてからは1.5年がたっていました。

それまでのディスカッションの1つの区切りがシードラウンドであり、そこから本当のサービス開発が始まったと感じています。


🎤 あなたへのメッセージ

私は元々、起業なんて全く考えていなかった人間です。でも、女性の社会進出や健康に興味があった私にとって、このプロジェクトは「これだ!」と心が震えるものでした。

みなさんも、自分の「これだ!」に出会えたら、恐れずに飛び込んでみてください。失敗を恐れずに、新しいことにチャレンジする勇気。それが私たちの原動力です。

私たちと一緒に、多くの女性の人生を輝かせる仲間になりませんか?完璧である必要はありません。熱意があれば、一緒に成長していけるはずです。

興味を持ってくださった方、ぜひお話ししましょう!一緒に、女性のためのヘルスケアの未来を創っていきませんか?





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