(2021-12-14 追記:タイトル・本文ともに、役職名を記事作成当時から現在のものへ記載を改めました)
(左から順に、大塚、ウェブサミット日本事務局 満木 夏子様、池田、加藤)
Qufooit Japan CTO の佐久間です。
今回の記事では、私のエンジニアとしての来歴、Qufooit( karakuri )の CTO となった経緯、そして ISE を支える CTO として何を大切にしていきたいかについて、皆さんにお話しできればと思います。
ソフトウェアエンジニアとしてのスタート
web エンジニアとしての私のキャリアを強く支えてくれた本。他にも『JavaScript: The Good Parts』や『HACKING: 美しき策謀』など。
大学時代に web ブラウザ(主に Gecko・Firefox)の開発へ僅かながらコントリビューションしていた背景もあり、web 企業の新卒ソフトウェアエンジニアとして 4 年前にキャリアをスタートさせました。
最初は主に Rails と DB 周りを触っていましたが、次第に AnguarJS・React といったフロントサイド、Scala・Node.js のサーバーサイド、Java・Swift のクライアントアプリケーション、インフラとしての AWS など、1 つの web サービスでありながら幅広い開発・運用経験を得ることができました。
社内ベンチャーの性格を持ったチーム、かつサービスがグロース期という背景もあり、3 〜 4人規模のエンジニア組織でとにかくコードを書き、急速に増え続けるトラフィックへ必死に立ち向かう環境でした。そして様々な巡り合わせもあり、新卒ながら 3 ヶ月ほどチームリーダーとして立ち回る経験もしました。
フリーランスエンジニアへの転向
ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを考える上で、現在の自分をより別の角度から客観的に見直してみたいという思いがあり、約 1 年半の正社員生活に区切りをつけ、フリーランスエンジニアへ転向しました。
フリーランスとして様々な web サービスの開発に携わりつつ、また同時に様々な開発組織、様々なプロダクト開発、様々なマーケットにも触れました。その中には、今なお使われているサービスもあれば、残念ながら PMF が図れず終了してしまったサービスもありました。そこで痛切に感じたのは
・使われないプロダクトを開発することほどエンジニアとして虚しいことはない
・価値あるプロダクトを世に出すことは誰でも為せることではない
というもので、これをきっかけにエンジニアリングのみならず、プロダクトマネジメントや組織論についても考えるようになりました。
Qufooit( karakuri )との出会い
Qufooit( karakuri )にエンジニアとして携わり始めたのは 2 年前の 11 月、フリーランスを始めてちょうど 3 ヶ月目の頃でした。
最初は Rails を書く要員として入っただけのはずでしたが、次第に JS や Go・k8s・Python と触る範囲が広がっていき、気づけば ISE 全体をインフラからアプリケーションまで全て見ているようになりました。
日々、(最近は専ら画面越しですが)池田や大塚と顔を付き合わせながらコードを書きつつ、Web Summit に向けて血の滲むような準備に奔走する様子を見たり、Global Entrepreneur Programme(GEP)選考通過の瞬間などにも立ち会い、ああ、このチームは本気で世界に立ち向かうんだ、と思えるようになりました。
Qufooit( karakuri )の CTO として大切にしたいこと
代表の池田はよく言います。
ベンチャーなんて聞こえはいいけれど、要はただの零細企業なんだから
まだ世にないものとして、プロダクトの本質的な部分は先行者利益を有しているものの、ビジネスである以上は時間も含めて有限な資源との戦いです。
僕たちの作りたいものがあり、それを求めている人がいる。その需要と供給を可能な限り速く一致させることが、我々ソフトウェアエンジニアとしての使命であり、その責任を果たすのが CTO の役目だと考えています。
"CTO" という肩書きを持っていますが、これは「権威」ではなく「役割」であり、本質的には「いま必要な役割を果たす」ことに尽きます。いずれ Qufooit と ISE が次の舞台へ進んだ暁には、また別の役割を担うことになるでしょう。
私の人生は西尾維新先生の〈物語〉シリーズによって彩り支えられているのですが、その中の一冊に『花物語』という小説があります。
今作のクライマックス、主人公は中学時代の好敵手と対決するにあたって、決然と覚悟を述べます。
「そうだな。私もそう思う。やって後悔するほうがいいなんてことを言うのは、『やってしまった後悔』の味を知らない、無責任な第三者の台詞だ」
「だけど――一番いいのは、やって後悔しないことだ」
ISE という世界へ通用するプロダクトをもって、日本から世界に向かって後悔なくやり切る。エンジニアとして腕の鳴る方、是非一緒にチャレンジしてみませんか?