omusubiとの縁をつないでくれた、北海道のゲストハウス
――おちあいさんは元から下北沢辺りでお仕事を探していたんですか?
おちあい:いえ、実は転職を考えてomusubiに応募したわけではなかったんです。前職の不動産の賃貸仲介をしている会社で働いていたとき、たまたま担当したお客さんが共通の知人もいるということで意気投合し、話の流れでふとomusubiに興味があることを話したら、「友だち社内にいるから紹介しようか?」って言ってくださって。その後気持ちが先走ってしまい、ご紹介いただく前に自分で応募してしまったんですが……(笑)。
――omusubiのことは以前から知っていたんですね。きっかけはなんだったのでしょう。
おちあい:地元が小田急線沿いだったので、電車の中吊りでBONUS TRACKができることやテナント募集を目にしていたんです。そこで、omusubi不動産の存在を知りました。当時も求人情報を見てみたりしていたんですが、経験者を求めているようだったので、まだ即戦力にはなれないな、と。
――応募したタイミングは、賃貸仲介の会社で経験をある程度積めていたから、というのがあったんですね。今回自分を表すものとして手ぬぐいを持ってきてくださっていますが、これを選ばれたのはどうしてですか?
おちあい:以前働いていた北海道のゲストハウス「コケコッコー」の手ぬぐいなんですが、先ほどお話した前職のお客さんの共通の知人というのも、この代表の相方さんで。他にもomusubiで働き始めてみたら、釧路時代の知人に関係する方がBONUS TRACKにはたくさんいて、今自分がここで働いているのは、このゲストハウスがつないでくれたご縁のおかげだなと感じています。それで今回は何かコケコッコーを表すものを持ってきたいなと思い、象徴として手ぬぐいを持ってきました。
――「コケコッコー」ではどういう経緯で働くことになったんでしょうか。
おちあい:新卒で入ったCGの会社を辞めた後に、旅をして、いろんなゲストハウスに泊まっていた時期がありました。そのときに、「次はゲストハウスで働いてみたい」という気持ちになって。いろんな地域からいろんな人が行き交って、さまざまな情報が入ってくるのが面白そうだなって思ったんです。
――ふむふむ。
おちあい:そしたら、たまたまゲストハウスで働くことに興味を持っていた時期に、釧路へUターンしていた友だちが東京に遊びに来ていて、いきなり「実はゲストハウスを地元に作ろうとしてて、そのスタッフとして誘いにきたんだけどどう?」と(笑)。
――そんなぴったりなタイミングで!(笑)
おちあい:わたしもびっくりでした(笑)。先ほども言った通り地元がこの辺なので、「帰れる田舎」が欲しかったんですよね。進学や就職のときもあいにくご縁がなく、どちらも都内で過ごしてきたので、もうこれは行くしかないなと即快諾しました。現実的なこととか何も考えずに言うけど、とりあえず行くわ、って(笑)。
“はじめまして”が好き。初対面の人と話すのがたのしい
――ゲストハウス、不動産の賃貸仲介の会社を経てomusubiへ入社されたとのことですが、今の仕事でたのしいなと感じるのはどんなところですか?
おちあい:ゲストハウスで働こうと思ったきっかけもそうなんですが、人と話すことで、知識や興味の幅が広がるところですね。自分とは違う人生を歩んできた人のお話が聞けるのが面白いなと。「はじめまして」が好きかも。初対面の方と話すのがすごくたのしいんです。
――すごい! 緊張したり何話したらいいだろう、って困ることはないですか?
おちあい:気づけば勝手に話し出してます(笑)。自己開示することにもまったく抵抗がないので、自分のことを話しているうちに仲良くなっていることが多いですね。
――転職したことで、仕事の進め方などこれまでの会社との違いはありましたか?
おちあい:自分自身の仕事の進め方は変えていないのですが、omusubiでは紹介で来てくださる方が多いことや、住居だけじゃなくお店の方へのテナントのご紹介があることで、来るお客さんの層が一般的な不動産屋さんと比べるとちょっと特殊かもしれません。
おちあい:ご紹介の方だとomusubiのことを元から知ってくださっているので、顔が見える関係性が築けているなと感じます。松戸と比べると下北沢支店は他の会社が管理されている物件を扱うことが多いので、管理物件を増やしていくことが今後の課題ですね……!
売上が思うように上がらなかったときに救われた、ある言葉
――在籍して一年ちょっとが経つそうですが、入社して印象的だった出来事はありますか?
おちあい:売り上げが全然上がらないことで悩んでいるとき、殿さん(代表)に「落合さんはomusubiらしい営業の仕方を探しているところで、種を蒔いている時期なのかもね」と声をかけてもらったことです。この言葉の通りじゃなかったかもしれないんですが、今omusubiのファンをつくってくれているんだね、というニュアンスで。
――それはいつ頃ですか?
おちあい:去年の秋ごろだったと思います。入社して数ヶ月が経ち、初めて売買案件を扱うことになったタイミングでもあり、あらゆることがうまくいかない時期だったのですごく救われました。殿さんとミーティングが終わった後って、毎回「何かできるかも」って気持ちになるんですよ。上を向かせるのがすごくうまいなって思います。あと、「こういうことは得意じゃない?」と長所を見つけて伸ばしてくれるのもありがたいですね。
――例えばどんなことがありましたか?
おちあい:入社する面接のとき、「小さいころ何してた?」って聞かれて。思い返してみると、兄と弟がスポーツをやっていたので、両親もその付き添いで家にいないことが多く、週末はよく一人で留守番していたんです。そのときに、新聞の折り込み広告のマンションや戸建のチラシを朝分別して、ごはん食べながら間取り図を並べて、自分なりに「ここに住むならどんなふうに住むか」っていう遊びをしてたな……と(笑)。その話を殿さんにしたら「間取りを見て自分の妄想を語るイベントをやろう」と提案してもらって、実際に昨年末 インスタライブでやらせてもらいました。今は他の仕事との兼ね合いもあってできていないんですが、好きなことや得意なことで仕事の幅を広げる機会があるのがomusubiならではだなと感じますね。
一度離れたからこそわかる、地元の良さ
――地元から近いエリアで働いてみて、昔と違うなと感じることはありますか?
おちあい:地元に対する捉え方が変わりました。北海道のゲストハウスで東京を離れるまでは、不足がないことへの不満があったんです。駅前で必要なものが全部揃うようなまちで生まれ育って、「何でもあるけど何にもない」ような気がしちゃって。実際北海道のゲストハウスがある阿寒町へ行ってみたら、国道沿いにコンビニが一軒と、電気屋さんや和菓子屋さんなどの個人商店が一軒ずつくらいあるような田舎だったので、「何もなくて素晴らしい……!」と感激しました(笑)。
――それはギャップ差も大きいですね(笑)。
おちあいさ:ただ、なりゆきでまた東京に戻ることになり、いざ帰ってきてみると、小さい頃から知ってる人もいて、何でも揃って便利で、やっぱりいいところだよな、と。一回離れてみたからこそ気づけたことかもしれません。
――離れてみるからこそ気づく良さってありますよね……! 最後に、下北沢でお気に入りの場所やお店があればぜひ教えてください。
おちあい:個人的な推しは、町中華の珉亭と、HONEYっていうパン屋さん。HONEYは荻窪に住んでいたころよく行っていたお店だったんですが、最近下北沢にもオープンしたみたいで、とてもうれしいです。全部おいしいんですが、たまごサンドが特におすすめです!
執筆・撮影=ひらいめぐみ