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コミュニティランチをやる理由がなんとなくわかる話

私たちは毎月一度、コミュニティランチを開催しています。コミュニティランチとは、主に地域の高齢者住民の皆さんが主体となって、昼食をみんなで作ってみんなで食べるという、それだけの活動なんです。なんですけど、地域コミュニティが希薄化あるいは崩壊してしまった場所では、定期的に地域の人が集まって一緒に何かに取り組むことができる機会はそうそうなく、むしろ稀です。貴重です。

非常にゆるい活動ではあるのですが、それがとても大事なことなんですね。なぜ大事かというと、高齢になると選択肢が極端に狭まくなり、孤独になる人が増えてしまいます。孤独は心身の病気との関連性が指摘されていて、「社会とのつながりが強い人は、弱い人より早死にする確率が50%も低い」とか「社会とのつながりの欠如は、1日にタバコを15本吸うのと同じくらい寿命を縮める影響があり、肥満やアルコールの過剰摂取や運動不足よりも大きなリスクである」と示されています。

ですから、高齢になっても社会との接点を失わないような仕組みが必要で、社会のなかで高齢者が周りの人たちとともに支え合い、交流できる機会が提供されているかどうかは重要なことなのです。デイサービスやサロンなどに高齢者を集めるのは、経済的には意味があるかもしれませんが、必ずしも孤独感が和らぐわけではありません。経験の分かち合いや有意義なつながりは、たんなる年齢による区分のなかで育まれるものではないからです。

孤独は文化や環境がもたらすものであって、人間の条件として必然的なものではありません。孤独は、近年の競争的な個人主義が根強く広がっていくなかで出現してきたものなんです。たとえ自覚がなくとも、自分は内向的だと考えていたとしても、ほとんどの時間、他者のことを考えて過ごしているのが人です。人は社会的な生き物になるようにつくられています。その大きな理由として、他者との関係が自分を規定しているからと言われています。

コミュニティランチを始めたばかりの頃は10名にも満たない参加者数でしたが、今では外部からの参加者も増えて40名を超えるときもあります。「こんなに楽しいなら、もうちょっと生きてみたいな」と、いつも参加しているおばあちゃんがおっしゃってくれました。とても嬉しい言葉。私たちのタグラインである「100年生きたら、おもしろかった」のように、私たちの理想の世界がどんどん実現していきます。

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