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【ビジョン/構想紹介記事】キーワードは「学び」。5年後の未来を見据えて走り出し始めた新規事業の構想

創立16年、従業員数50名を誇る株式会社ベスト・プラクティス。東京・福岡の2拠点にオフィスを展開し、クラウド型のビジネスアプリケーション『Salesforce』のシステム導入・運用を軸に成長を続けてきました。今後は「学び」をキーワードにした事業拡大を視野に入れています。「ベスト・プラクティスの未来」について構想中の4つの新規事業について、ご紹介します。

山本稚輝 / 代表取締役

大手中古車販売会社で、外部の常駐エンジニアとともにシステム改修・保守、サーバー管理などを担当。そこでの経験を経て、株式会社ベスト・プラクティスを創業した。クライアントのビジネス領域や状況、環境に応じたシステムを最適解として提供したいとの思いから、システム用語「ベスト・プラクティス=最適解」を社名にした。

ベスト・プラクティスが展開するこれからの4つの事業をご紹介!

新規事業①|地域創生

未経験者をイチから教育する「BPアカデミー」を社内展開してきたノウハウを活かし、「地方移住希望者」と組み合わせたビジネスができないだろうかと事業を企画しています。

地方の人口減少や地方移住が進まない背景には、「移住者の働く環境」が関係していると仮説を立て、移住支援をサポートしているNPOにも相談。すると「移住先での仕事が確保できない」との悩みが多く聞かれました。

ベスト・プラクティスはフルリモート勤務にも対応しており、「BPアカデミー」も学ぶ場所を問わずにスキルアップが可能。すでに秋田、岡山で教育を受けた社員が活躍している実績もあり、「BPアカデミー×地方移住希望者」の支援がいつでも実現できる仕組みが整っています。

ーーかなり具体的なイメージが描けているのですね。

そうですね。まだ手探りの段階ですが、まずは10名体制で「BPアカデミー」を通じて学んでいただき、トレーニングをスタートさせたいと考えています。3年間で100名弱のエンジニアを育成する予定です。

2〜3ヶ月ほど学習をサポートした後は、転職活動まで支援するプログラムにしてみたいと思っています。弊社に入社しても良いですし、他の会社へ就職してもかまいません。ゆくゆくは1人で案件に対応し、トレーナーとなって他の移住者を育成するサイクルができるようになれば理想的ですね。時間はかかるかもしれませんが、そうなれば移住先での人間関係も築けて、定着につながりそうです。

こうした仕組みが実現できるのは、お付き合いのあるSalesforceと連携できるパートナーシップがあるから。都道府県の自治体との人脈も活かしながら、すでに交渉中です。地方移住者の中には、健康面の問題や家庭の事情を抱えている方もいるでしょう。そうした方にとっても「スキルを身につけて地方で働く」という選択肢の一つになるのではないでしょうか。さらには"東京一極集中"という日本の大きな社会課題に対しても貢献できると考えております。

新規事業②|子供向けの教育

次に考えているのが、小学校のプログラミング必修化に合わせた、プログラミング学習サイトの運営を立ち上げようとしています。授業のノウハウがない学校も多いため、どのようにサポートしていくかが社会課題の一つとなっています。

そこでベスト・プラクティスでは、マサチューセッツ工科大学(MIT)が開発したプログラミングソフト「Scratch」を使うことを考案。子供向けのプログラミング学習サイトを通じて、楽しみながらゲーム制作ができる教育に取り組んでいます。

「Scratch」は簡単に操作でき、慣れればアクションゲーム、RPGも作れます。知名度も高いソフトですが、完全オンラインでWeb上での操作に特化して対応していこうと考えています。

ーービジネス視点から考えてみると、収益化につながるかも気になりますね。

現在は塾と連携して収益化につながる可能性を検討しているところです。幼児教育の観点から、新しいビジネス立ち上げを目指してみたいと思っています。

以前から、教育機会の不平等について気になっていました。親の年収が高いほど、学歴も高くなる。年収が高ければお金を払って勉強の機会が簡単に得られるわけですね。Web上であればどこにいても学べますが、それを実現できるコンテンツや仕組みはあまり整っていません。

弊社に蓄積されているノウハウを上手に活用して教材が提供できれば、平等に地方の子供たちにも学びのチャンスを届けられます。塾と提携できれば、学習環境も整えていけそうです。

新規事業③|無料開放のeラーニングサービス

社会的に注目を集めているブロックチェーンをヒントに、新たなeラーニングサービスもスタートさせようと事業化へ向けて動いている最中です。具体的にはブロックチェーンを利用し、「アプリを起動した後に広告を見ると、ポイントが付与される」などのビジネスモデルを参考にしたeラーニングサービスを企画。スポンサー広告を見れば無料で学習できる仕組みを考えています。

ーー子どもの教育だけではなく、キャリアアップのための教育にも役立ちそうです。

そうですね。子供向けの算数・理科・社会、さらには「Scratch」でプログラミングを学べるのはもちろん、将来に役立つ勉強にも対応できると良いですね。

例えば習得したスキルについて書かれたポートフォリオを公開しておき、求人スカウトが来るような仕組みを作るのもできそうです。

すでに文科省は大学にeポートフォリオ構想を提案しています。そうした取り組みが本格的に進めば、就職活動にも役立ちそうです。スキルアップするごとに学習履歴が残るので、学ぶ意欲も高まっていくと考えています。学ぶ際にかかる費用は、広告でまかなえるようなプラットフォームを確立していきたいです。

新規事業④|決済アプリの開発

Salesforceが提供しているオンデマンドアプリケーションAppExchangeを活用し、クレジットカード決済機能を持ったアプリ「シンプルペイメント」を開発。この技術を活かして「観光」に貢献したいと考えています。インバウンド旅行者を意識した「デジタル賽銭」として導入し、お寺・神社で小銭を探さずに済むような使い方を提案していこうとしています。

ーー社会課題をデジタル技術によって解決していける事業ですね。

インバウンド需要の増加、電子決済サービスの普及によりお賽銭箱に入れる小銭を持っていないという問題。また、お賽銭箱の中に、ゴミや海外のお金を入れてしまう人がいる現状。さらにお賽銭で集まった大量の小銭を両替するための手数料負担も年々大きくなり、課題は山積みとなっています。

この課題を解決するために導入しやすいシンプルな決済サービスである「シンプルペイメント」を開発しています。上記のような課題を解決できることに加え、メールでの御礼メッセージやデジタルの御朱印データを特典でプレゼントするなど、これまでになかったような施策を打ち出すことも可能となります。

宗教法人は本来、人のこころの救済が一番の仕事であるはず。心安らかに過ごしてもらえる環境を実現するためにも、デジタルの仕組みが活かせるのではないかと思っています。

これから先も大切にしたい、社員の学びと多様性

ーー社会にとって価値のある様々な事業を展開されるとのことですが、グローバル展開をしていく予定などはありますか?

今後はアメリカへ進出してみたいと考えています。「シンプルペイメント」を開発する際に、AppExchangeを使っていましたが「もっと簡単にクレジットカード決済フォームが作れないだろうか」と感じていました。するとどれも高額で、手頃な価格帯のものがありませんでした。

もし低価格なアプリが日本で作れたらどうだろう?そう思ったんです。Salesforceを活用した案件導入であれば、アメリカの顧客を相手にビジネスができそうなイメージも持てました。日本なりのきめ細かい顧客対応で評価してもらえたら嬉しいですね。

今までに育ててきた自社のエンジニアを軸にしたビジネスで、ぜひチャレンジしてみたいです。社員がやってみたいと思っていることについては、やれる道筋もステージも作れますし、サポートもできます。

ーーやはり「学び」がキーワードになるのですね。その理由は?

この先の20年を考えると、もっとも重要なリソースは「人」です。少しずつ人口が減っていきますから、希少価値が上がるでしょう。今までどおりの生活を送っている方よりも、教育を通じてレベルアップした方の付加価値が高まっていくと思っています。学びを味方にすれば、自ずと稼げるようになります。

そうした学ぶノウハウがなく、教育を受ける機会もなければ、本来持っている能力は発揮できません。その方にとっても、社会にとっても損失となってしまいます。

プラットフォームとリソースを持っておける企業こそが、未来の社会で生き残っていくと思います。

ーーベスト・プラクティスは今後、どのような組織になっていくのでしょうか?

私はよく、「会社は弥栄(いやさか)の場」だと話しています。会社はメンバーが100%自分の能力を出し切れる「場」であり、自分たちの居場所として認識できる「場」でもありたい。だから、気の合わない人がいても追い出したりはしてほしくないんです。いろんな考えがあって、良いですから。

ダイバーシティや多様性とよく叫ばれていますが、みんな違っていて当然。私自身も自分のことを変わっていると思いますが、それを他人が「おかしいよ」と思う方がそもそもおかしいじゃないですか。

また、人は仕事をするためだけに生きているわけではありません。生きるために仕事をするんです。そのために「場」があり、それぞれのタスクに取り組んでいるのだと思っています。そうであれば本来、人間関係の「好き嫌い」は仕事とは関係ないものです。100%仲良くできなかったとしても、お互いの違いを認め合える。そういう組織を目指したいです。

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