「正直、学生時代はプラント設計ではなく、研究職を目指していました。」
「プラントについて当時は全然知りませんでした」
そう話すのは、2018年に新卒でTPSへ入社したNさんとIさん。現在は設計本部 設備設計部のプロセスエンジニアとして活躍しています。
今回お話を伺ったのは、熊本大学大学院で有機化学を専攻していたNさんと、日本大学・理工学部でバイオマス関連の研究をしていたIさん。
プラント建設、設計という仕事とは異なる研究分野を歩んできた2人が、なぜTPSを選び、どのようにプロセスエンジニアとしての道を歩み始めたのか。就職活動中の迷いや不安、そして入社後に見つけた“やりがい”や“おもしろさ”まで、本音で語ってもらいました。
▼Interviewee
Nさん
熊本大学大学院にて有機化学を専攻。大学院では新しい物質の開発に関する研究に取り組み、分子構造や反応メカニズムといった基礎研究を中心に学んできた。化学工学のような装置設計やプロセス設計といった応用分野ではなく、より理論的・基礎的な領域で専門性を深めている。
Iさん
日本大学理工学部にて物質応用化学を専攻。研究テーマは、バイオマスと石油系の材料を掛け合わせたもので、環境や再生可能エネルギー、カーボンニュートラルといった持続可能性に関わる領域を扱っていた。応用的な観点から、社会課題との接点を意識した研究に取り組んでいる。
(今回はお二人の都合上顔出しなしでお届けします!)
プラントは未知の世界。でも、可能性を感じて飛び込んだ
――学生時代はプラント関係を主軸に就職活動をされていたのですか?
Nさんは、学生時代はプラント業界やそこでの仕事についてあまりイメージがなかったと話します。
いえ、全然そんなことはなかったです(笑)。どちらかというと、研究職を目指して就活していたんですが、工場見学の機会が多くて。そこで研究開発とプラント設計、両輪で事業展開している会社を知って、なんとなく興味が湧いたという感じです。
Iさんも同じような経緯だったと言います。
僕も最初は研究職を中心に就活していたんですが、バイオマス関連で石油系の企業も見ているうちに、プラント見学の機会があって。それでプラントを作る側にも興味が出てきました。そこからプラントエンジニアを探し始めて、TPSにたどり着いたという感じです。
――では、最終的にTPSを選んだ理由は何だったのでしょうか?
Nさんは、面接で多くの人と話せたことが印象的だったと話します。
部長クラスの方々全員と話して、その後に社長や副社長とも面接しました。とにかく多くの人と話せたことで、会社の雰囲気をかなりリアルに感じることができました。
Iさんも同様に人に対して良い印象を持っていました。
僕もすごく良い印象でした。あとはTPSの規模感ですね。大企業すぎず、自分の裁量が持てそうだと思いました。若いうちからいろんな経験ができるんじゃないかという期待感もありました。
プラント建設の“レシピ”を考える仕事 — TPSプロセスエンジニアの役割
―TPSのプロセスエンジニアとは、どのような仕事でしょうか?
Iさんは、TPSのプロセスエンジニアについてこう語ります。
ざっくり言えば、「プラント(工場)でものをつくる仕組みを考える仕事」です。
たとえば医薬品や化学製品を製造するには、どんな装置を使い、どんな順番で流体を流し、どう温度や圧力を制御するか――そんな“ものづくりのレシピ”を考え、形にしていくのがプロセスエンジニアの役割です。
TPSが手がけるのは、医薬品・ファインケミカルプラント。
仕事は大きく3ステップに分かれます。
1.基本計画:お客様の要望をヒアリングし、各設備の大枠を図書に表現。
2.設計図書の作成:P&IDや機器仕様書、計装リストなどを作成し、設計を具体化。
3.プレコミッショニング:完成した設備が設計どおりに動くか、水を使って試運転を実施。
実際の仕事は教科書や手順通りにはいかないことばかり。現場の制約や安全面、コストなど、さまざまな条件を踏まえて、最適なプロセスを組み立てる――その難しさと面白さが、日々のやりがいにつながっています。
プロセスエンジニアの醍醐味──裁量と責任を持ち、自らの判断でプラントをつくり上げる仕事
ーープロセスエンジニアを長年担当されているお二人のやりがいは何でしょう?
プロセスエンジニアの仕事は、プラント建設の上流工程での設計がメインです。裁量が大きく、自分の判断がプロジェクトの成否に直接影響するとNさんは語ります。
例えば、『このポンプは必要ない』『逆にここは絶対に必要だ』といった重要な決定も自分たちで下せる自由度があります。言われたことをただこなすのではなく、自分で考え、意思決定していく仕事です。それゆえに責任も重いですが、その分大きなやりがいを感じられます。
またIさんは、意思決定の場面では必ずしも正解が一つとは限らず、時には直感に頼ることもあると話します。
もちろん、ベテランの先輩やチームメンバーと相談しながら最適解を探していきますが、最終的には自分の判断で方向性を決める場面も多いです。こうした『自分で決める』ことに面白さや達成感を感じられる人にとっては、非常に魅力的な仕事です。決断を下すことはプレッシャーもあるけれど、自分の選択がプロジェクトを形作っていく実感は、何ものにも代えがたい。これがプロセスエンジニアの大きなやりがいの一つです。
共に悩み、考え、前に進める人を待っています
――お二人はどんな人と働きたいですか?
プロセスエンジニアはチームで動く仕事だとNさんは話します。
設計の過程では様々な部署や専門家と意見交換しながら進める場面が多いので、誰かと話しながら仕事を進めるのが好きな人、周囲と連携しながら前に進んでいける人と働きたいと思っています。
一方、Iさんは「決める力」の重要性を強調します。
私たちの仕事では、正解がひとつとは限らない場面が多いです。自分なりの判断軸を持ちつつ、必要なときには周囲に相談しながら決断していく。その積み重ねが信頼につながります。
加えて、Iさんは「学び続ける姿勢」も欠かせない要素だと語ります。
知識が豊富であることはもちろん大事ですが、それ以上に研修やOJT、日々の仕事を通して得たことをきちんと吸収し、自分の力に変えていける人なら、経験に関係なく活躍できる環境があります。『成長したい』『力をつけたい』という気持ちがある人と一緒に仕事がしたいですね。