「自分一人が成果を上げるよりも、周囲と力を合わせて、チーム全体で大きな成果をつくっていきたい」
そう話すのは、今村不動産のOMI事業部で仕入れを担当するAさん。学生時代は消防士を志し、社会人になってからは法人向けの社宅仲介、新築物件の賃貸管理受託営業と、不動産業界の中で経験を重ねてきました。
一見すると異なる仕事を歩んできたようにも見えますが、その根底にあるのは、「誰かの生活を支えたい、人の役に立つ仕事がしたい」という一貫した思いです。
今回はAさんに、不動産業界へ入ったきっかけ、これまでのキャリア、土地仕入れという仕事の難しさ、そして今村不動産で実現したい将来像について聞きました。
目次
人の役に立つ仕事を考えた先に不動産があった。
― 学生時代から不動産業界を志望していたんですか?
いえ、もともとは消防士を目指していました。昔から、人の役に立つ仕事に就きたいという気持ちが強かったんです。警察官や自衛官なども選択肢として考えましたが、その中でも消防士は火災や事故・災害など、本当に困っている人のもとへ真っ先に駆けつける仕事。目の前の人を直接助けられるという点に強く惹かれていました。
消防士になるための勉強を続けて試験も受けましたが、最終的には採用には至りませんでした。もちろん悔しさはありましたし、その後の進路についてもかなり悩みました。ただ、消防士になれなかったからといって「人の役に立つ仕事がしたい」という自分の根本的な考えは変わりませんでした。公務員以外の仕事でも、人の生活を支えたり、困りごとを解決したりすることはできるはずだと思い、さまざまな業界を調べました。
― そこで不動産業界に興味を持ったんですね。
改めて、人の生活に必要なものは何だろうと考えました。よく「衣食住」と言いますが、その中でも住まいは生活の土台になるものです。どれだけ仕事や学校が充実していても、安心して帰れる場所がなければ生活は安定しません。住まいに関わることであれば、公務員とは違う形でも人の生活を支えることができるのではないか。そう考えたことが、不動産業界に興味を持ったきっかけです。
不動産の仕事というと、営業成績や売上を競い合うイメージがありましたし、実際に就職活動を進めるなかで、営業成績を競う売上至上主義な会社もありました。ただ、自分だけが得をすればいいとか、誰かが損をしても契約さえ取れればいいという仕事のスタイルは、自分には合わないと思っていました。お客様や取引先にも意味があり、結果として会社にも利益が残る。関わる人にきちんと価値を返せる仕事がしたいと思い会社を探していました。
東京で経験した法人と個人の間に立つ社宅仲介。
― 最初の就職先は東京だったそうですね。
大阪出身ですが、就職を機に東京へ行くことに決めました。せっかく新しい仕事を始めるのであれば、より市場が大きく、さまざまな物件や企業に関われる場所で経験を積みたいと思ったんです。その中で見つけたのが、法人向け社宅仲介に特化した会社でした。
本社は東京でしたが、関西出身の社員が多くて親近感がありました。何より、自分と同じように就職や転勤をきっかけに知らない土地へ移る人の住まい探しを支援できることに魅力を感じ、入社を決めました。
― 一般的な賃貸仲介とは、仕事の進め方も異なるのでしょうか。
かなり違いますね。いわゆる街の賃貸仲介の場合、店舗に来られたお客様の希望を聞いて、条件に合う部屋を紹介するのが一般的です。同じ物件を複数の不動産会社が取り扱っていることも多く、会社ごとの差をつくるのが難しい部分もあります。お客様からすると、同じ物件を紹介してもらえるのであれば、初期費用が安い会社や条件の良い会社を選ぶことになります。
法人向けの社宅仲介では、住む方の希望を聞くだけでなく、企業ごとに定められた社宅規定にも合わせなければいけません。家賃の上限、部屋の広さ、通勤時間、契約できる物件の条件など、会社によって細かなルールがあります。本人が住みたいと思う物件であっても、会社の規定に合わなければ契約できません。反対に、規定には合っていても、本人の生活スタイルや希望に合わなければ、納得して入居してもらうことは難しくなります。企業の担当者との関係を築きながら規定を理解するBtoBの側面と、実際に入居する方の希望に向き合うBtoCの側面が、同時に存在する仕事です。
双方の条件を整理しながら、どこで折り合いをつければ納得できる住まいになるのか。簡単ではありませんでしたが、条件が複雑だからこそ、自分の提案によってうまくまとまった時には大きな達成感がありました。
― 現在のキャリアに活かされている経験はありましたが?
約3年間働く中で、個人のお客様だけを見るのではなく、その背景にある企業の事情まで考える視点が身についたと思います。企業にとって社宅手配は、単に部屋を用意するだけではありません。新入社員の受け入れや人材採用、転勤に伴う人員配置にも関わります。対応が遅れれば、入社や異動のスケジュールにも影響する可能性があります。個人にとって大切な住まいであると同時に、企業活動の一部でもある。その両方を意識しながら仕事を進める経験は、複数の関係者と仕事を進める現在の今村不動産の仕事でも活かすことができると感じています。
部屋を紹介する側から建物の価値を考える側へ。
― その後、大阪へ戻って賃貸管理会社に転職されたんですよね?
仲介の仕事を続ける中で、次第に管理会社の仕事にも興味を持つようになりました。管理会社は、どのような入居者を想定するのか、家賃をいくらに設定するのか、どのように募集するのかなど、物件の運営に深く関わります。同じ不動産でも、より建物側・所有者側の視点から仕事を経験してみたいと思い、大阪へ戻って賃貸管理会社に転職しました。そこで約2年間、新築物件を中心とした管理受託営業を担当しました。
法人社宅仲介では、企業の規定と入居者の希望を調整していましたが、管理受託営業では、物件の収益性と入居者のニーズを調整します。立場は変わりましたが、異なる条件を整理し、双方にとって成立する答えを考えるという点では共通していたと思いますし、「関わる人にきちんと価値を返せる仕事をしたい」という僕の信念にも合っていました。
― そこからなぜ、開発会社である今村不動産へ転職を決めたのでしょう?
新築物件の管理受託に携わる中で、建物が完成する前工程の部分に興味を持つようになったんです。
ゼロから価値を生み出す仕事の醍醐味。
管理会社として提案する際にも、家賃や入居者のターゲットは考えますが、その建物を本当に建てるかどうか、どの土地を購入するのか、建築費をどこまでかけるのかといった、事業全体の判断には直接関わりません。土地も建物もない状態から計画を立て、さまざまな条件を組み合わせながら、一つの不動産を生み出していく。ゼロから一をつくる仕事を経験してみたいと思い、次のキャリアステップではデベロッパーに絞って転職先を探しました。
今村不動産のことは、管理会社の仕事でも接点があったり、SNSで目にする機会もあったので以前から知っていました。不動産売買だけではなく、開発そのものに力を入れている会社だという印象があったので、興味を持ち応募しました。面接で話を聞くなかで、新たに立ち上げたアパート事業部で、土地仕入れの担当者を募集していることを知りました。
すでに完成された事業の中で決められた仕事をするのではなく、これからつくられていく事業に加わることができる。自分自身も学びながら、事業を形にしていく側に回れることに、とても魅力を感じました。
もちろん、経験したことのない仕事なので、不安がなかったわけではありません。ただ、新しい事業であれば、自分の仕事がそのまま事業の成長につながります。このタイミングで何かを成し遂げたと言える経験をつくりたい。そう思ったことが、今村不動産への入社を決めた大きな理由です。
― 現在はどのような仕事を担当していますか?
投資用のアパートを建てるための土地を探し、その土地で事業が成立するかを検討する仕事です。現在は大阪を中心に、奈良、滋賀、京都なども含めて土地の情報を探しています。
土地仕入れというと、売りに出ている土地を見つけて購入する仕事だと思われるかもしれませんが、実際には、その土地にどのような建物が建てられるのか、建築費はいくらかかるのか、家賃収入はどの程度見込めるのか、最終的に事業として利益が成立するのかまで考える必要があります。なによりまず、優先して情報を提供してもらうために、仲介会社の方との信頼関係づくりが重要になってきます。
「この会社ならきちんと検討してくれる」「僕なら相談すれば早く答えを出してくれる」と信頼していただくこと。そのうえで、見えない条件も加味しながら最終的に事業として成り立つかを冷静に判断すること。はじめてのことも多く試行錯誤の毎日ですが、過去の開発事例を見たり、社内の方に相談したりしながら、一つずつ知識を増やしています。
― これまでの営業との違いを感じることはありますか?
一番違うのは「成果が見えるまでに時間がかかる」ことですね。賃貸仲介であれば、お客様から依頼を受け、条件を確認して部屋を紹介します。管理受託営業でも、新築物件を建てる予定のオーナー様に対して、相場や管理方法を提案できます。相手のニーズがある程度明確なので、それに対してどのような提案をするか…が、考えやすかったと現在は感じています。
土地仕入れでは、そもそもどこに案件があるのか分かりません。土地情報を入手しても、収支が成立しなければ購入できませんし、こちらが購入したいと思っても、他社の方が高い金額を提示すれば仕入れることはできません。さらに、不動産開発は一つの判断ミスが大きな損失につながる可能性があります。購入してから「想定していた建物が建てられない」と分かっても、簡単にやり直すことはできない。これまでの営業以上に、日頃の関係づくりと、情報を受け取った後の判断力の両方が必要な仕事だと感じています。
入社して半年。まだまだ覚えることも多いですし、成果を出せていないことに焦ることもありますが、まずは知識を身につけ、正確に判断できる力をつけることが必要だと思っています。
任せてもらえるからこそ、自分で考える必要がある。
― 実際に入社して、今村不動産の印象は変わりましたか?
あんまりギャップはなくて、入社前に感じていた通り、比較的フラットで、相談しやすい会社だと思います。不動産会社というと、上下関係が厳しく、個人の営業成績を強く競うイメージを持つ方もいるかもしれません。今村不動産は役職や年齢に関係なく意見を出しやすくて、若手だからという理由だけで発言を止められることもありません。30代から40代の経験者が多く、自分より少し先を歩いている方に相談しやすいことも、自分にとっては大きいですね。
仕事と遊びのメリハリがあるところも、今村不動産らしさだと感じています。社内の催しや制度についても、経営陣だけで決めて下へ伝えるのではなく、社員から出た意見が形になることがあります。会社をより良くするために、現場から提案できるボトムアップの考え方が根付いていると思います。
― 入社後に難しいと感じたことはありますか?
先ほども話しましたが、開発の仕事は、部分的な知識だけでは全体を理解しにくい面があります。土地を仕入れ、設計し、建築し、完成後に運営または売却する。一つの案件がどのような流れで進み、どの段階でどのような判断が行われるのかを理解するには、実際の案件をこなすしか理解が深まりづらいものだと感じています。
とはいえ、待っているだけでは知識は身につきません。分からないことは自分から聞きに行き、過去の資料を確認し、実際の案件を追いながら学び続ける。自分から相談すればきちんと答えてもらえる環境だからこそ、受け身にならず、貪欲に仕事に取り組みたいと思っています。
個人で勝つのではなく、チームで成果を残したい。
― 将来的には、どのような仕事をしていきたいですか?
まずは現在担当しているプロジェクトで、仕入れから開発までを一通り責任を持ってやり遂げたい。そのうえで、アパートだけでなく、ファミリー向けマンションや事業用ビルなど、より幅広い不動産開発にも携わってみたいと思っています。建物の種類が変われば、必要な土地や収支の考え方、利用する人も変わります。さまざまな開発を経験し、不動産をゼロから生み出すための知識を総合的に身につけたいです。
あとは、これはずっと変わらないスタンスでもありますが、個人で突出した成績を残すトップ営業を目指すというよりも、将来的にはチームを主導する立場として全体の成果を高める役割を担いたいと思っています。
消防士を目指していた頃にも感じていましたが、仕事は一人では成り立ちません。それぞれが役割を理解し、連携して動くからこそ、大きな力になります。これはどんな職務でも同じだと思います。自分一人だけが多くの契約を取るのではなく、後輩が成長できるように支えたり、メンバーが動きやすい環境を整えたりすることで、チーム全体の成果を大きくしていきたいと思っています。
― 独立することも、将来の選択肢として考えているそうですね。
周囲の人や会社から教えてもらったことを、別の形で誰かに返したいという想いがあります。そのためにはまず自分自身が不動産開発についてもっと多くの経験を積まないといけないので、いまはまだ漠然とした夢ですが…。
自分の経験を活かして「人の役に立ちたい」。
土地を紹介してくださる仲介会社、事業に関わる設計会社、建築会社など、多くの人と協力しながら一つの不動産をつくる。自分が仕入れた土地に建物が建ち、そこに住む人の生活が生まれる。その積み重ねによって、人や地域に必要とされる仕事をしていきたいと思っています。