あらためて、グッドデザイン賞とは?
グッドデザイン賞、よく目や耳にしますよね。赤いGマークがパッと思い浮かぶ方も多いと思います。
グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動で、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなどさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
そう、皆さんがよく目にする「Gマーク」というのは、こういった目的のもと開催されているアワードで賞を受賞した証なんです。もしかして、なんとなく「デザインがいいプロダクト」に与えられる賞だと思っていませんでしたか...?
今回、私たちは、誰もが自分らしい住まいづくりを実現できるよう、選択肢である素材、職人技、アイデアを開いて、地道にカルチャーを作ってきたこと、そして現在の事業規模にまで育て上げたことを評価していただき、ウェブサービス「toolbox」としてグッドデザイン・100を受賞しました。
10年という節目の年に、グッドデザイン賞にエントリーし受賞できたことは、あらためて「課題解決や理想実現のためのデザイン」を考えるきっかけになり、私たちの事業を見つめ直す素晴らしい機会にもなりました。こういうアワードに参加するのって、とっても良い経験になるんだなぁ、という気づきもありました。せっかくなので、受賞までのあれこれをここに綴っておきたいと思います。
言われてみれば...とエントリーを決意
さて、なぜ今回このタイミングでtoolboxがグッドデザイン賞なのかというと...実は今年の夏、私たちの元へ突然「グッドデザイン賞への推薦状」が届いたんです。しかも、推薦対象は販売している建材などのプロダクトではなく、私たちのウェブサービスの仕組みそのもの。
ウェブサービスとしての「toolbox」にグッドデザイン賞!?
と最初はおおいに戸惑いました。
でも、よくよく考えてみれば、日本の家づくりを取り巻く課題を解決しようとスタートしたのが、このtoolboxというサービス。グッドデザイン賞が掲げるところのデザイン=なんらかの理想や目的を達成するために築いたものごとであるのは、間違いありません。
というわけで、今まで考えたこともありませんでしたが、推薦もいただけたことですし、事業立ち上げから10年というアニバーサリーイヤーでもあったので、チャレンジしてみることにしました!
エントリーは事業を見つめ直す機会
今回私たちは推薦をいただいていたので、二次審査からの参加です。まずは、審査・講評していただくために、toolboxのアピールポイントを文章とパネルにまとめなければなりません。そもそもエントリーしようと決めたのは代表の荒川と我々バックオフィスチームのメンバーだったのですが、これは思ったより手がかかりそう...プロジェクトとして会社をあげて取り組む必要があります。
そこで妙案を思いつきました!グッドデザイン賞にエントリーすることは、事業を改めて見つめ直す機会にほかなりません。これを機に、入社年次の若いスタッフを集め、チームアップし、関わってもらうことで、私たちがやってきたことをより深く理解してもらうことにしたんです。
集まったのは、昨年から今年にかけて入社した4名のスタッフ。私たちがやっていることを改めて言語化する要素を出してみると、これが思ったよりも広範にわたり、まとめるのに一苦労...。思えば、事業をはじめたきっかけはシンプルでも、この10年の間にたくさんの課題や壁にぶつかりながら、さまざまな新しい取り組みを展開してきたのです。そんななか、期日は迫っている…!ときには文章の推敲作業が深夜までかかることもありました。なんだか学生時代に徹夜で没頭した設計課題を思い出します。
みんなで苦悩しながら制作したA1パネルがこちら。
私たちの10年間をぎゅっと詰め込みました。
出来上がったパネルを見たときは、全身に満ち溢れる達成感に包まれました。
二次審査を通過!目指せ大賞!
この10年は事業を回して組織を作ってくるのに精一杯だったこともあり、こういったアワードに挑戦するのはほぼ初めて。コロナの影響もありリアルには顔も合わせづらい状況下で、不慣れな作業に翻弄されましたが、チームで頑張った甲斐あって無事二次審査を通過しました。
やった、通った!
次はいよいよ、大賞を目指してプレゼン審査の準備です。
ここからはプレゼンを担当する代表・荒川の腕の見せ所。資料をしっかり作り込むのはもちろん、オンライン開催だったためスタジオで使うようなライトを用いて、リハーサルまで行いました。肌の色まで気にして、しっかり映りを確認します。うん、オンライン画面での肌の色、大事ですよね。
当日のプレゼン時間はたったの4分。サービスを創業したリーダーとして、短い時間の中で濃くしっかりとtoolboxについて語ってもらいました。傍らにいたスタッフも手に汗握って見守ります。ファイティン!
toolboxはこれからの未来をつくる仕組みへ
プレゼン審査から時は流れ...吉報は忘れた頃にやってくるものです。
ガレージセールなど一連の10周年企画が終わり、期首を迎えるなか慌ただしく過ごしていたら、届いた知らせには「GOOD DESIGN BEST 100」の文字が。
私たち、よくやった!!!
何よりも、toolboxをウェブサービスの「仕組み」のデザインとして認めてもらえたことが、誇らしくなりました。10年かけて積み上げてきたものは間違いではなかった、これからの未来をつくる大きな仕組みになっていくのだと、そう思えた瞬間でした。
後日、東京ミッドタウン・デザインハブで開催された、「GOOD DESIGN EXHIBITION 2021」にも展示していただけることとなりました。
せっかくなので、プロジェクトメンバーで見に行くことに。
作品を観覧している人達を見ると、こんなにもたくさんの人にtoolboxを知ってもらえるきっかけになったのだと、実感した瞬間でした。
今回、このような貴重な機会をいただけたことを、グッドデザイン賞に関わるすべての人に感謝したいです。グッドデザイン賞のウェブサイトに私たちtoolboxのことも掲載されているので、是非ご覧ください。
今後も、toolboxの事業やそれをとりまく活動を通して、家づくりをめぐるマーケットでの存在感を高めていきたいと思っています。これから一緒に取り組んでくれる仲間も募集中です!