あの日、仕事で大きな失敗をした。
胸の奥が重く沈んで、
「もう無理だ」と思ったのは、正直これが初めてだった。
帰り道、駅までの道がいつもより長く感じた。
歩くたびに、悔しさと情けなさが押し寄せてくる。
そんなとき、
ふとスマホに一通のメッセージが届いた。
それは、昔の先輩からだった。
短い文章だった。
でも、その一言が胸に刺さった。
「大丈夫。お前はまだ終わってない。」
たったそれだけ。
でも、その言葉を読んだ瞬間、
張りつめていたものが静かにほどけていった。
失敗した自分を責めることより、
もう一度だけ立ち上がることのほうが大事だと、
その一言が教えてくれた。
人は、誰かの言葉で折れることもある。
でも、誰かの言葉で救われることもある。
あの日の一言は、
今でもふとした瞬間に思い出す。
そして思う。
人生は、大きな出来事で変わるんじゃない。
誰かのたった一言で、静かに動き出すことがある。