【もえやんがゆく】”ど安定志向”だった自分が、セブ島ベンチャーで働いているなんて信じられない。Vananaz CEOインタビュー
Vananaz Systems Inc.で人事・採用広報を担当しているもえやんです!最近髪をばっさり切りました。
さて、今日は私がVananazの採用広報を勤めることになったきっかけを作ってくれた、VananazCEOの中薗(なかぞの)にインタビューをしてきました!Founderの中尾とは全く異なる性格のCEO中薗のインタビュー、必見です。
プロフィール
CEO 中薗拓巳
九州大学大学院卒業後、大手電機メーカーに入社。インフラエンジニアとして自社ソフトのクラウドサービス化、デプロイの自動化などを担当。その後、高専時代の友人である中尾に誘われ、VananazのCOOに。2019年12月より現職。組織マネジメントが本分だが、プログラミングもバリバリこなす。人狼が引くほど好き。
もともと、”ど安定思考”。大企業に入れば勝ちだと思っていた。
ー中薗さんの経歴を教えてください。
地元の高専に入学し、非常に真面目に勉強していました。自慢じゃないんですが、成績が「優、良、可」で評価されるところを、卒業までの5年間で95%以上が「優」だったんです。真面目に勉強していたこともあって、推薦で大学へ進学しました。
高専時代に真剣に勉強していたものの、自分の思い通りにならないところが嫌で、プログラマーにはなりたくないなと思っていました。科目の中でも数学が得意だったという理由で数学系の学科に進学したのですが、周りが本当にぶっ飛んだ頭のいい人ばかりで、全然追いつけなくて。推薦入学だったので、自分の実力が伴わないまま大学に放り込まれたようなうしろめたさを持つようになりました。加えて、高専時代に真面目に勉強していた分、「大学は遊ぶところだ!」と思っていて、勉強よりもアルバイトをして、いわゆる「飲みサー」に入って、勉強はそこそこに大学生活をエンジョイしていました。
ー今の中薗さんからはあまり考えられないですね!(笑)
そうですね…。大学時代を過ごしてみて、やっぱりプログラマーとして働きたいなと思うようになり、大学院に進学して機械学習アルゴリズムの研究をしていました。2年生のときに大学院で研究していた内容と絡めて、ビッグデータを取り扱うことができるような企業に就職したいなと考えるようになりました。また、いわゆる「大企業」と言われる企業に内定をもらうことをゴールにして就活をはじめました。
この就活の時期が人生の中でもかなり辛くて。あまりに正直になりすぎて、面接が全然うまく行かなかったんですよね。たとえば、「他社でもビッグデータ取り扱ってるけど、それでもうちで働きたい理由はなにか?」と聞かれても、「そのとおりじゃん!」くらいに思っていて、全然取り繕えなかったんです(笑)。大学の就職相談室に通った回数はダントツだったけれど、内定は他の人と比べても全然もらえなかった。大企業に就職して、将来安泰を獲得することを目標に就活していたのに、その目標からは程遠いように感じてしまって、結構辛かったですね。
ーそれから「大企業」に新卒としてご入社されるんですよね。
はい。日本にいる人なら名前を知っているような、それこそ「大企業」に内定をもらうことができて、念願のビッグデータを取り扱う部署へと配属されました。名が知れた大企業ではありましたが、配属された部署はまだ立ち上がったばかりで組織規模も小さく、関われる範囲も広くてワクワクしていました。新規事業部という取り扱いだったので、会社の中でも比較的若手の先輩が多く、尊敬できる人もたくさんいました。一方で個人ではできないレベル感の大きいシステムを触ることもできて、良い経験をさせてもらいました。
「これで人生安泰だ」と思っていた1年目に、会社が潰れる危機に。
ー大企業に就職した中薗さんと、スタートアップで働いていた中尾さん。お二人はどんな関係だったのでしょうか。
中尾(Vananaz Founder)は高専時代の同級生で、高専卒業後も定期的に連絡をくれたんですよね。彼は自分とは違ってカリスマ性があって、高専生と飲み会をひらくといつも飲み会の中心にいて。飲みの席でも「起業する!」とずっと言っていて、こういうサービスを作りたいんだと構想を教えてくれたりして、純粋にすごいなと思っていました。中尾と会うたびに、「一緒にやらないか」と誘われていたのですが、正直冗談だと思っていて(笑)。また、彼は、僕が就職してからも「安定志向でいいの?」、「やりたいことないの?」と僕のキャリアの本質に問いかけ続けてくれた友人でもありました。
ーそんな中薗さんの、「安定志向」が揺らぐことがあったんでしょうか。
入社1年目で、会社が倒産の危機に陥ってしまったんです。給与は右肩に上がり、年金ももらえて、福利厚生もバッチリだと思っていたのに、「大企業ブランド」が通用しない世界を目の当たりにして、もう本当に人生どん底だと思っていました。自分は何もしていないのに、同じように仕事をしていても給料が下がる、食い扶持がなくなるだろう事実をもって、これは「安定」じゃなくて「依存」だなと思ったんですよね。
そのタイミングで、中尾が本気で自分を誘ってくれて。何度も軽くオファーがあったけど、「今会社をやめなかったら、ずるずる行って一生やめないよ」とまで言ってくれたんですよね。これを逃したら、もう誘ってくれないだろうと思った瞬間でした。
「会社が潰れたとしても、一生食わせていくから」の一言で、入社を決めた。今考えたらプロポーズみたい。(笑)
ーそこですぐに決断して、Vananazへ?
いえ、直感的には中尾についていったら大丈夫だと思っていたのですが、僕は本当に石橋を叩いて渡るタイプで、なかなか良い返事ができませんでした。「自分が行ったら、中尾のやりたい事業は失敗するよ」とか言ってた気がします。今思い返すとなんだそれって感じ(笑)。
今考えると、当時の会社の状況があって、精神的にもボロボロで、中尾のオファーを断る理由ばかりを探していたんですよね。中尾はそれでも、「君は天才だから大丈夫」と言ってくれて。最後には、「会社が潰れたとしても、俺が一生食わせていくから」とまで言ってくれたんです。今考えたらプロポーズみたいですよね(笑)。
中尾のその想いにちゃんと向き合って考えてみたときに、もしこのオファーを断ったら、たとえ前職が潰れなくて再起したとしても「なんであのとき断ったんだろう」と後悔するだろう未来を先に考えたんですね。彼の本気度合いを知って、そのとき自信がなかった自分でも役に立てるのかなと思って、中尾についていくことにしました。
ーそうだったんですね!入社後はどんなお仕事をされていたんですか?
前職ではインフラエンジニアとして働いていたので、前職で実務経験を積んでいた中尾とは違って、僕はソフトウェアエンジニアとしての実務経験がありませんでした。そのため、中尾に教えられながら実務をスタートしたんです。セブ島に来たけれど、英語も全くしゃべれないし、コードも書けない。それでも人数が少ないゆえにやることがたくさんにあって、予想以上に大変でした。実務を行う中で、中尾が1人でやったほうが効率がいいと思っていたし、その時は自分にも強みがなかったから引け目を感じていました。やることが無限にあるのに、自分ができない、役に立てないことが辛かったですね。
ーなるほど…。そこからどうやって自信をつけたのでしょうか?
入社して半年くらい経ったとき、プロジェクトが炎上してしまって、業務分担関係なく中尾と一緒にサポートすることになりました。実はそれまでの半年間、あまり中尾とは意図的なコミュニケーションを取っていなかったんですよね。業務分担していた分、互いに集中する業務が違うと思って相談もしなかったりして、お互いに何をしているかが不明瞭になっていました。
炎上したプロジェクトを一緒に進めていくなかで、自分がやっていることを共有するようになって、自分が悩んでいたことも伝えることができるようになりました。中尾がやっていることを知って、自分がどんなところで会社の役に立てているかを客観的に見ることができるようにもなって。自分の居場所があるなと気づいた瞬間でもありました。
中尾とは10年くらいの付き合いになりますが、彼が考えている会社のビジョンやメンバー1人1人に対する想いの強さは、話さないと全然わからないんだなということにもその時気がつきました。もっと社長と副社長同士で、頻度高くコミュニケーションを取ろうと思うようになりましたね。
自分の役割は、ファウンダーの想いを腹落ちさせてメンバーの士気を高めること。そうやって会社が大きくなるといい。
ーこれからのVananazについて、中薗さんが考えていることを教えてください。
Vananazにジョインする前、「友人と起業すると失敗する」という記事を調べては良く読んでいたのですが(笑)、Vananazはそんなことはなくて。僕と中尾は性格が正反対で、それがうまくハマっているからだと思っています。僕が不得意なことは中尾が得意なことだし、中尾がやりにくいことは僕が好きなことなんですよね。
中尾はひたすら前に突き進むタイプのファウンダーなのですが、そういうタイプが事業成功させるためには、速さがキーになると思っています。一方で、全メンバーがその速さについていくためにはそれなりのサポートが必要だと考えていて、自分の強みでもあるマメさがそこに活かせるんじゃないかなと。中尾がやっていることそれ自体と、その意図をメンバーに共有して、メンバーが腹落ちした状態で業務に取り組めるような交通整備をする。そうやって組織が、セブ島だけではなく海外展開も視野にさらに大きくなっていくと良いなと思っています。
Photos by 林ツイタチ
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