2024年10月、株式会社Ashantiは神奈川県に美容室5店舗を展開する株式会社Appiasとの資本業務提携をしました。今回は、アッピアスの小泉代表に業務提携にかける思いや今後の展望を伺いました。
小泉 豪 KOIZUMI GO
株式会社アッピアス代表取締役
1980年生まれ・千葉県出身。真野美容専門学校を卒業後、東京都内の美容室企業へ就職。11年間でアシスタントからスタイリスト、店長の経験を積み、31歳のときに株式会社Appiasを創業し、Appias相模大野店をオープン。現在、相模原・相模大野・海老名・大和に計5店舗のサロンを展開。趣味はゴルフと読書。
まずは小泉さんが代表を務める美容室Appiasについて教えてください。
当サロンは、トレンドを意識した最新技術やオーガニック用品を取り入れ、サービスの質にこだわる高単価サロンとして、地域に根ざした店舗運営をしてきました。コンセプトはお客様に寄り添い長くお付き合い頂ける美容室です。
2012年4月に1号店となる「Appias 相模大野店」をオープン。お客様とスタッフを考え、長く続くサロンを目指して開業した
スタッフに対しても「生涯美容師」として働ける環境の提供を大切にしています。
アシスタントからスタイリストになることと別軸で、結婚や出産をはじめ、それぞれが歩む人生の場面によって働き方を変えることが必要です。また、年齢を重ねると同時に体力が落ちてきます。
そういったそれぞれのライフステージに寄り添った働き方を提示していける会社であることを考えてきました。
おかげさまで、創業から12年が経ち、開業当時から支えてくれているスタッフが今も在籍しています。
今回、株式会社AshantiとのM&Aという道を選んだ理由を教えてください。
私は、企業それぞれには得意分野と不得意分野があると考えています。
当社の場合は出店スピードや採用などに課題を抱えており、それが得意なAshantiと組むことでさらに成長できると考えました。
Appias海老名店(上段)とAppias相模大野店。小泉代表が中心となり創業12年で5店舗に拡大した
私は現在、44歳なのですが「今なら自分自身の力だけでできるのでは?」と周りから言われることもありましたが、勢いで突き進める現在の年齢だからこそ、企業として大きくステップアップする機会を作れると考えました。
自社だけで行うイメージもしましたが、今の組織だと大改革が必要で。。。現状のアッピアスを俯瞰で見て、いち早く大きく成長するために協力者を得ることを選択しました。
業務提携する際に大切にしていた条件はありますか?
一番は「業務提携後も私は今の仲間と一緒に美容師を続ける」ということです。
私は会社の代表ですが、創業から現在に至るまでハサミを持ち続けています。現場に立ってお客様と向き合うことで、スタッフと同じ目線に立って想いを伝えることができました。それは机上の空論ではなく、具体的な体験談があるから、実のある話ができるのではないかな、と。経営的な判断をするときも同様で、スタッフやお客様のいる現場の視点を第一にしたからこそ、5店舗まで拡大できたと考えています。同時に支えてくれたメンバーと共にこの先も走っていきたいということは第一にお伝えさせていただきました。
小泉代表が大事にしているのは現場力。第一線でお客様やスタッフとコミュニケーションをとることを軸にアッピアスを引っ張っている
今回は、この私の考えを受け入れていただき業務提携に至りました。
今の仲間たちとこの先も長く続けていくためにも、同じ目線で進んでいけるAshantiとパートナーシップをこのタイミングで組むことがベストだと考えています。
Ashantiグループに入ることで期待していることはありますか?
まずは、先ほどお伝えしたようにAshantiが持つ出店と採用のノウハウをアッピアスに補完することで成長スピードを上げたいです。
反対にアッピアスもAshantiに貢献し、相互活用していくのが理想でして。
例えば当店は高収益サロンの位置付けであり、私が美容師として現場でやってきたことは社内のマニュアルに落とし込んでいます。他にも自社アプリ運用や次回予約の動線作りといった仕組みを共有することで、Ashantiに役立てると考えています。
世間ではアッピアスとAshantiのような、正社員が働く一般的な「レギュラーサロン」と、近年増加傾向にある「委託サロン」は対立の構造で見られることも多いですが、私は決してそうではないと考えています。それぞれの強みとなるノウハウや技術を組み合わせたり、販路や顧客を共有したりすることによって、経営基盤がより強固になり、美容業界で生き抜いていけるはずです。
実際に、海老名にある「Appias est」の店長とAshantiサロン「Emerge 海老名」のマネージャーがコミュニケーションをとりお互いのサロンを見学しあう話が進んでいます。それぞれのお店を見て吸収し、刺激しあえるような関係になることが理想です。
同エリアに位置する「Appias est」(写真左)と「Emerge 海老名」(写真右)。『敵対するのではなく、補完し合える関係になるために店舗間交流を促進したい』という小泉代表。
店舗展開の正攻法を極めて大きく成長してきた「Ashanti」と独自戦略を突き詰め地道に成長してきた「アッピアス」が協力しあうことで新たなシナジーが生まれる未来を描いています。
最後に、アッピアスの今後の展望を教えてください。
まず、短期的な目標としては当サロンの近郊エリアでの新規出店を考えています。
店舗開発やスタッフ採用なども含め、まずは1つの成功体験を作りたいです。
中長期的な目標としては、今の当社の商圏とは異なるエリアへの革新的な出店です。
その挑戦が、必ず当社幹部陣のキャリアアップに繋がります。店全体の売上をつくることやサロンの雰囲気をよくすることなどでやりがいを感じてもらい、プレーヤー以外の新しい体験をすることで違う世界を見てもらいたい、と思っています。
アッピアスメンバーと小泉代表(二列目の一番左)。今いる仲間たちとこの先も「Appias」を長く続けるために決断
今回の業務提携は大きなチャレンジですが、私にとってはまだまだ通過点のつもりです。
これからさらに成長していく未来に期待して頂けるとうれしいです。